機動戦士ガンダムOOΞ   作:Gfish

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刹那が不在の間、ダブルオーガンダムの起動テストを行うもツインドライブは本調子を出せずにいた。プトレマイオスにヒッチハイクしていたマリーダはというと、自らの出自を封じる見返りにティエリアに契約を承諾させたが、沙慈の前で危うく明かしかける。理解が追い付かない沙慈を余所目にアロウズはプトレマイオスに迫っていた...。


用心棒

「ティエリア・アーデ、セラヴィー、先行する!」

 

最初に出撃したのはティエリアだった。ソレスタルビーイングで今の時点でMSを操れるのはティエリアだけだった。無論、これはソレスタルビーイングのメンバーに限ればの話だが。

 

「半分しか使えないが、ファンネルに簡易GNタンクを装着した。残りの半分はGNミサイルで代替したから、後ろ側の2枚羽で攻撃はあまり受け止めない方がいい。」

 

コックピットでOSを起動するマリーダを覗き込むように説明しているのはイアン。

 

「了解。最善を尽くします。」

 

「この戦いが終わったら補給できるから、その時にもっとチューニングできる。今のままでは重力下では全く戦えない。」

 

「恐縮です。」

 

話を割るようにクシャトリヤのモニターにラッセが映る。

 

「ティエリアが討ち漏らした機体をファンネルで引っ掛けて時間を稼いでほしい。刹那が...」

 

「意図は分かった。最善を尽くす。」

 

通信を切る。そしてイアンに会釈するとコックピットハッチを閉じてカタパルトへと移動した。

 

(Iフィールドはまだ使えるな)

 

再びモニターに目を向けると匿名通信が入っていた。

 

「アラビア 強化人間 カノッサの屈辱 主は偉大なり」

 

カタパルトハッチに着いた。

 

「マリーダ・クルス、クシャトリヤ、出る!」

 

クシャトリヤはプトレマイオスの用心棒として再び戦場へ旅立った。それと同時に匿名通信はプトレマイオスの全クルーに共有された。

 

「ファンネル!」

 

 

 

「パイロットが奪還できるんだ、このまま本契約といきたいけどね」

 

作り笑いをしながら話すのはハサウェイ。

 

「どの道「超兵」のような人工的に戦争目的で制御された強化人間の研究そのものが軍規違反だ。なら当然連邦軍として接収する義務がある。」

 

「ソレスタルビーイングが先に騒がせて、そのどさくさに紛れて「連邦軍」として接収するってわけか、噂には聞いてたけどエコーズは命がいくつあっても足りない部隊だね。」

 

「まぁ、ヘンケンはあまりいい顔をしなかったがな。」

 

「聞こえているぞ!2人とも!」

 

あきれ返った声でくぎを刺したのはヘンケン、名目上は貨物船の艦長だが、「貨物船」は実際には連邦ダゲスタン管区が所有している宙陸両用艦アルビオンだ。連邦の前世代試作艦ということにしてあるが、これは紛れもなくデラーズ紛争で運用された戦艦だった。

 

「私はあまり好かんがアロウズへの脅迫材料にもなる。本艦はこれより大気圏に突入し、カスピスクで補給。同時にアルビオンの地上戦力を増強する。制圧戦になる以上、用心棒は多い方がいい。」

 

(マリーダ、後は頼むぞ...)

 

「マリーダならうまくやりますよ、袖付き随一の用心棒でしたから!」

 

「ネェルアーガマの用心棒もやってもらったしな」

 

ギルボアとダグザの一言にヘンケンは小さく頷いた。

 

一方のハサウェイは何かざわつくものを感じていた。

 

「まさかとは思うが...」

 

 

「しまった!」

 

1機だけ用心棒が仕掛けたファンネルを潜り抜けた機体があった。以前に「クライアント」の宙域で仕留められなかった隊長機だった。

 

「同じ手はもう食らわん!」

 

アヘッドは特に回避行動をとることもなくビームサーベルを構えてまっすぐつっこんでくる。まるでラプラス事変で最初にやりあったスタークジェガンのように。

 

「ならIフィールドで受け取るまでだ!」

 

クシャトリヤもアヘッドに向かって真っすぐつっこむ。しかし、これが誤算を生んだ。

 

アヘッドがクシャトリヤと接触する寸前にロールしてかわし、振り返ることもなくプトレマイオスへ直進した。

 

ファンネルは既に全て出していた。ミサイルを出せないこともないが、これではプトレマイオスを巻き込みかねない。

 

「イアン、申し訳ない!」

 

後ろの2枚羽にあったミサイルを発射直後に起爆させ、その勢いを使ってアヘッドに肉薄した。

 

「撃てるものなら撃ってみろ、どの道テロリストの戦艦は木端微塵だがな!」

 

アヘッドはプトレマイオスのカタパルトハッチを捉えていた。プトレマイオスは必至の弾幕を張るが、それが反ってクシャトリヤがアヘッドに近づけなくしていた。

 

「おのれ!」

 

マリーダは用心棒として失格だと悟った。アヘッドはカタパルトハッチ直撃コースで発砲した。

 

マリーダは目をつぶった。が、開けてみるとそれは以前に見覚えのある光景だった。

 

「光....」

 

「刹那・F・セイエイ、ダブルオー、出る!」

 

 

コックピットにハサウェイはいた。

 

「このざわつき...この世界にもニュータイプがいるというのか...?」

 

起動こそしていないが、ハサウェイのMSに搭載されているサイコミュシステムは確かに反応していた。

 




次回:カスピスク
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