カードファイト!! ヴァンガード -隻眼のPSYクオリア-   作:キシヨウタ

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 ウルトラレア登場です。



謎のカードショップ

「他のショップ?」

 

 休日。

 駅前に集まったアイチ、森川、井崎の三人。

 本日二人を呼び出した森川は、今日の目的を話す。

 

「そうだ。お前、『カードキャピタル』以外の店って行ったことないだろ?色んなやつとヴァンガードファイト出来たりとか、面白いんだぜ!」

 

『そういえば、櫂くんも色んなカードショップでファイトしてるって…。』

 

 三和から聞いた話によれば、櫂はいくつものカードショップを渡り歩き、凄腕と言われているファイターたちをその圧倒的な実力でねじ伏せてきたらしい。その結果、『孤高のヴァンガードファイター』と呼ばれる様になったのだと。

 

「それに、レアカードとの運命的な出会いもあるかもしれねぇ。聞こえるぜ、俺のヴァンガードファイターの魂を呼ぶレアカードの声が…!」

 

「森川くん、熱いね。」

 

「そりゃあ、もうすぐショップ大会だしな!」

 

「ショップ大会?…そういえば、『キャピタル』に張り紙がされてたような…。」

 

「アイチも出るんだろ?」

 

「ぼくが?」

 

 今まで考えた事もなかった。

 アイチにとってヴァンガードとは楽しむものであり、ファイトを通じて他者と繋がれる一種の『コミュニケーションツール』であった。

 しかし大会とは、勝つための戦いである。

 

『でもショップ大会に出れば、戦った事のない強い人ともファイト出来るかもしれない…。』

 

 決して好戦的な性格ではないアイチでも、まだ見ぬファイターとの出会いに胸踊らさずにはいられなかった。

 

「…うん、挑戦してみるよ。」

 

「おう!そん時ゃあ俺たちはライバルだな、手加減しねぇぞアイチ!」

 

「ぼくも負けないよ、森川くん!」

 

 ショップ大会へ向けて胸を膨らませつつ、三人は電車に乗って都会のカードショップを目指す。

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「おっかしいなぁ、確かこの辺にカードショップが…。」

 

 電車に揺られて十数分、目的のカードショップがある駅前のショッピングモールにやって来た三人であったが、その店がどうにも見当たらない。

 

「なあ、迷ったんじゃないか?」

 

「ま、まさか…。この俺に限ってそんな事あるか!」

 

 特に根拠のない自信に満ちた森川は、ついに「レアカードよ、もう一度俺を呼べ…!俺はここにいるぞ!」と大声で叫び出す。

 井崎は森川の行動に少し他人のフリをしていたが、アイチは全く別のところを見ていた。

 

「あっ…。」

 

 まるで、突如としてそこに現れたかのように、その店を見つける。

『PSY』とだけ書かれた看板は、妙な雰囲気を醸し出していた。

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 店の中に入ると、より一層不思議な雰囲気に包まれていた。

 天井には宇宙、店中には今ではもう手に入らないレアカードの立体映像が浮かび上がっていて、アイチたちの普段通う『カードキャピタル』とは何もかもが違っていた。

 

「すみませーん、誰かいませんかー!」

 

 店員どころか、自分たち以外の客すらいない店内に、アイチの声が響き渡る。

 すると、

 

「いらっしゃいませー!カードショップ『PSY』へようこそ!」

 

 小学生くらいの女の子が突然現れたので、三人は驚きを隠せない。

 そんなことなどお構いなしというように、その女の子はアイチに顔を近づける。

 

「あの、何か…?」

 

「ふーん…。」

 

 まるで品定めでもするかの様に、アイチの顔を眺める。

 数秒はそうしたかと思うと、今度は「こちらへどうぞー。」と店の奥に案内された。

 

「これは…!」

 

 そこには、巨大なヴァンガードファイトステージがあった。

 

「す、すっげぇ!使って良いのか⁉︎」

 

「はい!どうぞー。」

 

『使えたら、ね…。』

 

 意味深な笑みを浮かべる彼女に気づく事もなく、彼等はこの見知らぬファイトステージに目を奪われていた。

 しかし、

 

「あれ、動かねぇぞ?アイチ、そっちにスイッチあるか?」

 

「ううん、ないよ。」

 

 盤面はツルツルとしていて、起動させるためのスイッチの様なものも見当たらない。

 せっかくすごそうなステージでファイト出来ると思ったのに…。と、アイチが思ったその瞬間。

 

「えっ…⁉︎」

 

 ステージが光り出し、デッキのセットをうながして来たのだ。

 アイチは言われた通りにデッキを取り出し、セットする。

 

「よぅし、やるぜアイチ!」

 

「退きなさい。」

 

 無事起動もしたので早速ファイトをしようと思った矢先、店の奥から聞こえた声に止められる。

 

「割り込みか?社会のルールを守れよ…って…!」

 

 そこには、美少女が立っていた。

 金色に輝く長髪に、すらりと長い足。服の上からでも分かるスタイルの良さと、極めつけはその凛々しくも美しい顔立ち。

 森川は、一瞬で彼女の虜になった。

 

「ど、どうぞどうぞ…!」

 

 先程までの態度はどこへやら、森川は彼女の言う事に大人しく従う。

 

「あの…。」

 

「私はコーリン。あなたは?」

 

「先導アイチです。」

 

「あなたの腕前、見せていただくわ…。」

 

 突然の事ではあったが、アイチは平静を保っていた。

 そもそもここにはまだ見ぬ相手とファイトをするために来たのだ。森川とファイトするよりは、アイチにとっても都合が良かった。

 

「何だよあの女の子、いきなり出てきて!なあ森川!」

 

「『コーリン』…、良い名前だ…!今分かったぜ、俺を呼んでいたのはレアカードじゃない…。あの子だったんだー‼︎」

 

「森…、川…?」

 

 友人のあまりの変わり様に、井崎は動揺する。

 恋とは、ここまで人を変えてしまうものなのかと。

 そんな彼等の会話もよそに、アイチとコーリンはファイトの準備を進める。

 

「先導アイチ。初めて聞く名前だけど、どの大会優勝者?」

 

「いえ。ヴァンガードファイトは最近始めたばかりなので、大会とかはまだ…。」

 

「…⁉︎」

 

 アイチが正真正銘の無名ファイターだと知ると、コーリンは明らかに顔つきが険しくなる。

 

「初心者何ですか?」

 

「ああ。でも、結構強いんだぜアイツ。」

 

「ぐぬぬぬぅ…!それなのに俺を差し置いてコーリンちゃんとヴァンガードファイトだと…!許せーん‼︎」

 

 女の子ーー名前は『レッカ』というーーの質問に井崎が答え、森川は怒りを露わにする。

 

「いつでも良いわよ。」

 

「はい、よろしくお願いします。」

 

 騒がしい中準備を終える。

 純粋に楽しもうとしているアイチと、胸中渦巻くものがあるコーリン。

 二人のファイトが始まるーー!

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!」」

 

「《スターダスト・トランペッター》!」

 

「《スターダスト・トランペッター》!」

 

『イメージしなくても、目の前にユニットが!それに、同じロイヤルパラディン使い…!』

 

『大会に出た事もない初心者と、何で私が…!冗談じゃない、さっさと終わらせてやる!』

 

「私からいくわ、ドロー。《閃光の盾 イゾルデ》にライド!」

 

『守護者のユニットを使った?もしかして手札に他のG1がない…?』

 

「ターン終了。」

 

 コーリンの手札・5枚

 V・《閃光の盾 イゾルデ》(G1、パワー6000、能力)

 

「ぼくのターン、ドロー。《スターライト・ユニコーン》にライド!手札の《孤高の騎士 ガンスロッド》の能力。山札に置き、山札から《ブラスター・ブレード》1枚を手札に加え、シャッフルします。」

 

「ふーん。珍しいカード、持ってるじゃない。」

 

 コーリンがアイチの《ブラスター・ブレード》に反応する。

 ファイト中という事もあり、アイチは「ありがとうございます。」と言って軽く会釈する程度に留めた。

 

「…バトル、《スターライト・ユニコーン》でVにアタック!」

 

「ノーガード。」

 

「ドライブチェック、《ういんがる》…トリガーなし。」

 

「ダメージチェック、《幸運の運び手 エポナ》…☆トリガー。パワーは《イゾルデ》に。」

 

「ターン終了です。」

 

 アイチの手札・6枚

 V・《スターライト・ユニコーン》(G1、パワー6000、能力)

 

 コーリンのダメージ・0→1

 

「私のターン、ドロー。《竪琴の騎士 トリスタン》にライド!そして左前列に《スターライト・ユニコーン》、中央後列に《ふろうがる》をコール!《ユニコーン》の能力で《トリスタン》にパワー+2000、バトル!《ユニコーン》でVにアタック!」

 

「ノーガード。ダメージチェック、《エポナ》…トリガーゲット!Vにパワー+5000!」

 

「《ふろうがる》のブースト、《トリスタン》でVにアタック!」

 

「ノーガード!」

 

「ドライブチェック、《ういんがる》…トリガーなし。」

 

「ダメージチェック、《トリスタン》…トリガーなしです。」

 

「ターン終了。」

 

 コーリンの手札・4

 V・《竪琴の騎士 トリスタン》(G2、パワー8000、能力)

 R・左前列《スターライト・ユニコーン》、中央後列《ふろうがる》(G0、パワー5000)

 

 アイチのダメージ・0→2

 

「お友達、大丈夫何ですか?」

 

「まだ始まったばかりだけど、あのコーリンって娘かなり強そうだよな。…タオル投げてやろうか?」

 

「いや、甘やかすのは良くない。」

 

「森川…。」

 

 半分冗談で言った井崎の言葉に対し、真剣な表情で答える森川。

 アイチの事を思って、あえて厳しくいくという気概まで身につけたのかと少し感心する。

 

「俺より先にコーリンちゃんとファイトした罰だ、アイチ!ボロボロのヨレヨレになるが良い‼︎」

 

 全然違った。

 少しでも感心した俺が馬鹿だった、と井崎は呆れながらそう思った。

 

 横でそんなやりとりがある中、コーリンのピアスから彼女にしか聞こえない様に通信が入る。

 

『(あんまりいじめちゃダメよ…。)』

 

 しかしコーリンはその言葉に耳を傾けることはせず、「フン…。」と小さく一蹴した。

 その間もアイチはしばらく考え事をしていたようで、余りの長考にコーリンは痺れを切らす。

 

「ちょっと、いつまで待たせる気⁉︎降参するならさっさと…!」

 

「いえ、降参はしません。待たせてごめんなさい、少し『見えて』来たので…。」

 

「『見えて』…?」

 

「ぼくのスタンド&ドロー。立ち上がれ、ぼくの分身!ライド、《ブラスター・ブレード》!」

 

 アイチの魂の分身が立体映像としてフィールドに登場して、場の雰囲気が一気に変わる。

 

「そして、中央後列に《ういんがる》、左前列に《沈黙の騎士 ギャラティン》をコール!」

 

『《ブラスター・ブレード》の能力を使わない…?』

 

《ブラスター・ブレード》の能力は登場時にCB2で相手のユニットを退却させる効果。

 しかしアイチはその能力を使わなかった。

 

「みんな、行くよ!《ギャラティン》でVをアタック!」

 

「《エポナ》でガード!」

 

「《ういんがる》のブースト、《ブラスター・ブレード》でVにアタック!《ういんがる》の能力で、合計パワー19000!」

 

「くっ…!ノーガード。」

 

「ドライブチェック、《イゾルデ》…トリガーなし。」

 

「ダメージチェック、《スタードライブ・ドラゴン》…同じくトリガーなし。」

 

 アイチの手札・5枚

 V・《ブラスター・ブレード》(G2、パワー9000、能力)

 R・左前列《沈黙の騎士 ギャラティン》(G2、パワー10000)、中央後列《ういんがる》(G1、パワー6000、能力)

 

 コーリンのダメージ・1→2

 手札・4→3

 

「ちょっとはやるじゃない、初心者君。」

 

「ありがとうございます。コーリンさんも、強いですね。」

 

「ふっ…、私のスタンド&ドロー。ライド、《紅蓮の蝶 ブリジッド》!そして右前列にもう一体の《ブリジッド》、《ユニコーン》を後列に下げて左前列に《トリスタン》をコール。」

 

『展開してきた…!』

 

「Rの《ブリジッド》でVをアタック!」

 

「ノーガード。ダメージチェック、《小さな賢者 マロン》…トリガーなし。」

 

「《ふろうがる》のブースト、Vの《ブリジッド》で、Vをアタック!」

 

『《ブリジッド》の能力は、トリガーチェックでG3のロイヤルパラディンが出たらパワー+5000…。さらにトリガーを引かれる可能性もある…、だったら!』

 

「手札を1枚捨てて、《イゾルデ》で完全ガード!」

 

「完全ガード…⁉︎…ツインドライブ‼︎ファーストチェック、《ガンスロッド》…トリガーなし。《ブリジッド》の能力でパワー+5000。セカンドチェック、《エポナ》…ゲット、☆トリガー!効果は全て《トリスタン》に!」

 

「いいぞー!コーリンちゃーん!」

 

 外野の森川も、コーリンのトリガーゲットに興奮する。

 その様子に井崎とレッカは、『もうコイツは手遅れだ…。』と心の中で諦めをつける。

 

「《ユニコーン》のブースト、《トリスタン》でVをアタック!トリガー効果と合わせて合計パワー19000、☆2!」

 

「…ノーガード。ダメージチェック、《マロン》…トリガーなし。セカンドチェック、《世界樹の巫女 エレイン》…治トリガー!ダメージ1回復!」

 

「…ここで治トリガーを引き当てるなんてね、ターンエンド。」

 

 コーリンの手札・3枚

 V・《紅蓮の蝶 ブリジッド》(G3、パワー10000、能力)

 R・右前列《紅蓮の蝶 ブリジッド》、左前列《竪琴の騎士 トリスタン》、左後列《スターライト・ユニコーン》、中央後列《ふろうがる》

 

 アイチのダメージ・2→4

 手札・5→3

 

「スタンド&ドロー。ぼくに力を、気高き誇りの白き翼!ライド!《孤高の騎士 ガンスロッド》!《ガンスロッド》の能力、ソウルに《ブラスター・ブレード》がいればCB2でパワー+5000、☆+1!」

 

「出た、アイチの必勝パターン!もう一度能力を使えばパワー30000、☆3の攻撃が出来る!」

 

 しかしアイチは、

 

「…さらに右前列に《ギャラティン》、後列に《マロン》をコール。」

 

「あれ、勝負に出ないのか…?」

 

『相手はまだ2ダメージ、トリガーが引ける確証もないのに勝負には出れない。』

 

「バトル!左の《ギャラティン》でVをアタック!」

 

「《ういんがる》でガード!」

 

「《ういんがる》のブースト、《ガンスロッド》でVをアタック!パワー20000、☆2だ!

 

「《エポナ》でガード!さらに《トリスタン》でインターセプト!」

 

 合計パワー25000のガード。

 トリガーを1枚でも引かれれば突破されてしまう。

 

『こんな初心者に、トリガーなんて引けっこないわ!』

 

「ツインドライブ‼︎ファーストチェック、《ガンスロッド》…トリガーなし。セカンドチェック、《武器商人 ゴヴァノン》…ゲット、引トリガー!」

 

「何ですって⁉︎」

 

「パワーは《ガンスロッド》に、そして1枚ドロー!」

 

「…ダメージチェック、《マロン》…トリガーなし。セカンドチェック、《マロン》…トリガーなし。」

 

「《マロン》のブースト、右の《ギャラティン》でVを…ッ!」

 

 コーリンのダメージを5にまで追い込もうとしたその瞬間、アイチの脳裏に不思議なイメージが湧いた。

 

『なぜだろう…、ここはRを倒した方が良い気がする…。』

 

「…どうしたの?」

 

「あっ、すみません。ブーストされた《ギャラティン》で、Rの《ブリジッド》に攻撃します。」

 

「えっ…⁉︎」

 

「な、何でアイチのヤツVを攻撃しないんだ⁉︎」

 

「アイチにもようやく分かったのさ。コーリンちゃんに勝とうなんて、百年は早えってな!」

 

 森川の意見はともかく、コーリンも含めた周囲の人全員がアイチのプレイングに驚いていた。

 

「…ノーガードよ。」

 

 いち早く冷静さを取り戻したコーリンはその攻撃を受け、《ブリジッド》をドロップゾーンに送る。

 

「ターン終了です。」

 

 アイチの手札・4枚

 V・《孤高の騎士 ガンスロッド》(G3、パワー9000、能力)

 R・右前列《沈黙の騎士 ギャラティン》、右後列《小さな賢者 マロン》(G1、パワー8000)、左前列《沈黙の騎士 ギャラティン》、中央後列《ういんがる》

 

 コーリンのダメージ・2→4

 手札・3→1

《竪琴の騎士 トリスタン》、《紅蓮の蝶 ブリジッド》退却

 

「私のスタンド&ドロー、ッ!」

 

『《エレイン》…!もし最後の《ギャラティン》の攻撃が、Vへのものだったら治トリガーが発動していた…。まさか、私のトリガーを読んだっていうの…⁉︎』

 

「あの…。」

 

「ッ…、右前列に《ガンスロッド》をコール。さらに《ユニコーン》を前列に移動、左後列に《エレイン》をコール。バトル、《ガンスロッド》でVをアタック!」

 

「ノーガードです。ダメージチェック、《ういんがる》…トリガーなし。」

 

「《ふろうがる》のブースト、《ブリジッド》でVにアタック!」

 

「手札から《ガンスロッド》を捨てて、《イゾルデ》で完全ガード!」

 

「また完全ガード…⁉︎…ツインドライブ‼︎ファーストチェック、《トリスタン》…トリガーなし。セカンドチェック、《エポナ》…☆トリガー!効果は全て《ユニコーン》に!《エレイン》のブースト、トリガーの乗った《ユニコーン》でVにアタック!」

 

「いいぞー!これでコーリンちゃんの勝ちだ!」

 

「《ふろうがる》でガード!」

 

「な、何ー!アイチ、テメェ何ガードしてんだよ!」

 

「いや、ガードはするだろ…。」

 

 とことんコーリンに惚れ込んでしまった森川は、最早意味不明な事を言い出す。

 井崎のツッコミも心なしか疲れている様に感じる。

 何にしても、コーリンの攻撃は終わり、アイチにターンを明け渡す他なくなった。

 

「…ターンエンド。」

 

 コーリンの手札・2枚

 V・《紅蓮の蝶 ブリジッド》

 R・右前列《孤高の騎士 ガンスロッド》、左前列《スターライト・ユニコーン》、左後列《世界樹の巫女 エレイン》(G0、パワー5000)、中央後列《ふろうがる》

 

 アイチのダメージ・4→5

 手札・4→1

 

「ぼくのスタンド&ドロー。《ガンスロッド》の能力!CB2でパワー+5000、☆+1!バトル、左の《ギャラティン》でVにアタック!」

 

「《エポナ》でガード!」

 

「《ういんがる》のブースト、《ガンスロッド》でVにアタック!」

 

「…ノーガード。」

 

「ツインドライブ‼︎ファーストチェック、《エポナ》…☆トリガー!パワーは右の《ギャラティン》、☆は《ガンスロッド》!」

 

「☆…3⁉︎」

 

「セカンドチェック、《マロン》…トリガーなし。」

 

「…ダメージチェック、《イゾルデ》…トリガーなし。セカンドチェック…。」

 

「頼む!治トリガーよ、コーリンちゃんを救ってくれ〜!」

 

「…《ユニコーン》…トリガーなし。私の負けよ…。」

 

「ありがとうございました。とっても楽しかったです!」

 

 ファイトを終え、ファイトステージから離れる二人。

 森川と井崎は自分たちもファイトをしようとステージに近寄るが、再び動かなくなってしまった。

 

「なあ、この機械どうやって動かすんだよ?」

 

「ごめんねー。電池切れちゃってー。」

 

「コレ電池で動くのカァ⁉︎」

 

 まさかの電池式に井崎が驚いている時、アイチはコーリンの立っているステージの逆サイドへ向かい、挨拶をしていた。

 

「ありがとうございました。とっても楽しかったです!」

 

「…あなた、初心者って言ったの嘘ね?どう考えても全国レベルの実力じゃない。」

 

 コーリンが恨みがましそうな目でアイチを睨む。

 

「すみません、ヴァンガード自体は小学生の頃から知っていて。でもファイトを始めたのはつい最近なので、嘘は言ってませんよ?」

 

「…なるほど。確かにあなた、自分では初心者だなんて一言も言ってなかったわね。」

 

「はい。…ふふっ。」

 

「…何を笑っているのよ、全く…。」

 

 アイチの微笑みにコーリンもつい顔が綻ぶ。

 すると、

 

「ナイスファイトだったわ、二人共。」

 

 パチ、パチ、パチ。と見事な戦いを見せた二人に対する称賛の拍手と共に、一人の女性がやってくる。

 

「スイコ…。」

 

『スイコ』と呼ばれたその女性はそのままアイチの前まで来て、

 

「……これを。」

 

 と、一枚のカードを差し出した。

 

「これって、《騎士王 アルフレッド》…!このカードを、ぼくに…?」

 

「ここに来た記念に。」

 

「…ありがとうございます!」

 

「…大会。」

 

「えっ?」

 

「大会、出なさいよ。強くなったあなたに、リベンジするから。」

 

 カードを貰い、コーリンからスイコへと注目が移ったアイチの目を再び自分へと向く様に挑戦を言い渡す。

 

「はい。その時は、お互いもっと良いファイトをしましょう。」

 

「…えぇ。」

 

「コーリンちゃーん!次、俺とヴァンガードファイトやろーぜー!」

 

 空気を読まない森川のセリフに「はーい、閉店のお時間でーす!」と強制退出させるレッカ。出来る子である。

 そうしてアイチたち三人は、カードショップ『PSY』を後にした。

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 翌日。

 

「なーーい‼︎」

 

 アイチたちが日頃通うカードショップ『カードキャピタル』に来るなり、森川は叫んだ。

 

「何がないの?森川くん。」

 

「あの店だよ、コーリンちゃんの店!探したけどないんだ!」

 

「閉店したのかなぁ、客いなかったし。」

 

 縁起でもない事を言う井崎。だが確かに見つけづらい場所で、客足もなさそうな店ではあった。

 

「そんなぁーー⁉︎俺まだコーリンちゃんとファイトしてないんだぞぉーー‼︎」

 

「うるさい。」

 

 カウンターで読書をしていたミサキから静かな警告を受ける。

 

「アイチ君、店って?」

 

「昨日、都会の方に出たんです。そこではユニットが目の前に出て、本当に戦うんです。」

 

「格好良かったよなー!」

 

「ね!」

 

「…そんな店、あったかなー?」

 

 先日体験した出来事を『カードキャピタル』の店長、新田シンに話す。

 しかし話を聞いても、シンにはその店の心当たりがなかった。

 

「会えないなんて俺は死ぬぅ!恋の病で死んでしまうぅ‼︎」

 

「だからうるさい!」




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