ポケモンエンジョイ勢がレジェンズアルセウスの世界に迷い込んだようです。   作:つちのこ。

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◇第19話 だーれだ!

──────────キラリンッ...♪

 

 

その日。新たなる命がヒスイの地に産まれた...。

 

 

 

──────

 

 

───

 

 

 

『──貴女は私たちのお姫様...。早く元気に育ってね...。』

 

『お前の名前は...サキラ。元気に育ってくれ。』

 

 

 

お母様...お父様...。

 

 

 

私の記憶はここから始まった。

 

───────────────

 

 

『姫様。今日の朝食です。』

『ありがとう。今日は何をするの?』

『今日はサイコキネシスの練習です。』

 

 

いつも通りの朝。いつも通り朝食を食べ、お母様の元に向かう。今日は何やら嫌な雰囲気が漂っている。それだけが気がかりではあるがサイコキネシスの練習を放っておく事などできない。

 

 

 

 

『お待たせ致しましたお母様。』

『よく来たわねサキラ。それじゃあ早速始めましょう。ねんりきはもう完璧に出力できるのでしょう?』

『はい。』

『サイコキネシスはねんりきをいくつも組み合わせたものだと思えばいいのよ。ねんりきよりも力を多く出してやってみなさい。』

『はい!サイコキネシス!!』

 

 

────ブワワワンッッッ!!!

 

 

近くにあった切り株に向かって技を撃つ。しかし、やっぱり少し空間が歪むだけでそれが切り株まで影響することは無かった。

 

 

『まだまだねぇ...。』

『ごめんなさいお母様...。』

『良いのよ!まだ子供なんだから!』

『それでも私...早く覚えたいです!』

『そうねぇ...。でも焦りは禁物よ?』

『...分かっています。』

 

 

私が焦っている理由はたった一つ。同世代の子供たちはもう既にサイコキネシスを使えるようになっているからだ。逆に言えば同世代でサイコキネシスを使えないのは私だけ。焦るなと言われても焦ってしまう。

 

 

『エル様のお帰りだ!!』

『お帰りなさいませ!』

『今日の成果はどうでした!?』

『ひっ...な、なんて酷い怪我...。』

『医療者を呼べ!』

 

 

 

『あら?お父様が帰ってきましたわね。』

『お父様はどこへ行っていたのですか?』

『ふふっ...今日は新たな居住地を探してくるって言ってたわよ。』

『そうなんですね。何やら騒がしいようですけど...。』

『何かあったのでしょうか...?』

 

 

『ただいま...戻った...。』

『っ!?貴方!?酷い傷...誰にやられたのです!?』

『お父様...。』

 

 

いつも私たち一家だけでなく集落のみんなを守っているお父様。群れで1番強いとされるお父様がこんな大怪我をなさるなんて...。

 

やっぱり朝から感じていた嫌な予感は当たった...。

 

と一息つく間もなく...

 

 

 

『───逃げろッッ!!!!!!!』

 

「ガァァギャァアッッ!!!」

 

『ウォーグルだァァァァッッッ!!!』

 

 

 

仲間たちがみんな一目散に逃げていく。木や岩の裏、草むらに身を潜める。そういう私もお母様に連れられて大きな木の中にテレポートした。

 

 

『クソが...私を追いかけてここまで来たかッ!!!』

 

『お父様も逃げて!!!』

 

「ガァァガァァッッ!!」

 

 

辺りは既に誰もいない。閑散とした広場にウォーグルが降り立つ。ウォーグルは私たちの天敵。あの巨大な生物に食べられてしまった仲間は多い。私の友達も過去に食べられてしまった。

 

 

 

「ギャァァアギャァァッ!!」

 

『私の命に代えてでも群れの平和を守るッ!!!』

 

 

 

傷だらけで満身創痍のお父様。対するウォーグルはお父様の何倍も大きく無傷のウォーグル。どちらが勝つかなんて逃げた皆も分かりきっていたことだった。だけど...

 

 

『頑張ってくれ旦那!!』

『頑張ってくださいエル様!!』

『勝って!!』

 

 

 

『───頑張ってお父様...!!!』

 

『っ...!』

 

 

それが応援しない理由にはならなかった。

 

 

『うぉおおおおおおおお!!!!』

「ギャァァァァアッッ!!!!」

 

 

お父様渾身のつるぎのまいをしてかられいとうパンチ。対するウォーグルは全身に光を纏っての体当たり。

 

 

────ドゴォオオオオオオオオンンッッッ!!!!

 

 

 

『すまない......みんな......すまない............サキラ。』

 

『貴方ッッッ!!!!!』

 

「──ギャァァァァアッッ!!!!」

 

 

お父様は...そこで死んでしまった。残された者たちはみな未だ元気なウォーグルに啄まれていく。

 

 

『サキラ...貴女だけでも逃げなさい。』

『それじゃあお母様が──!!!』

『──私は無理よ。』

『なん、で...?』

『きっとあのウォーグルは空からの探知に優れているわ。隠れるのが上手だった私の旦那様でも追いつかれてしまった。もう分かるでしょう?』

『で、でも!それだったら私だって!!』

『貴女は大丈夫...。貴女は...サキラは自然に溶け込む色をしているから。』

『お母様...。』

 

 

私は生まれながらにして姿の違いを実感していた。白い景色しかないこの場所と私の青い髪、白い体。自然に溶け込む色をしている。...そして、私と同じ色を持つ仲間はいない。

 

 

『お母様...!!』

『早く行きなさいッ!!!』

『っ!!』

 

 

お母様の初めて聞くその怒声に私は体が弾かれるようにテレポートで逃げ出した。

 

 

 

────────────────

─────────────

─────────

 

 

どれほど経っただろうか。あの忌々しい事件が起きてから私はずっと1人で歩き続けていた。

 

 

───くぅぅ......

 

 

『...。お腹、すいた...。』

 

 

何も無い場所を歩き続けた。当然お腹も減る。見つけた木の実のなる木は大抵他の生物に取られた後だったり、全て地面に落ちていたり。

 

 

『もう、ダメかも。』

 

 

意識が朦朧としてくる。

 

 

ウォーグルからは逃れられた。

 

 

 

 

だけど、死からは逃れられないのか。

 

 

 

それが最後の記憶...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

になるはずだった。

 

 

 

 

「ミュゥ」

 

 

 

 

 

 




最初のキラリンッ♪で色違いだと気づけた人は果たしているのだろうか。

さぁ...このポケモンはだーれだ!

好きな御三家をどうぞ

  • ヒノアラシ
  • モクロー
  • ミジュマル
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