ポケモンエンジョイ勢がレジェンズアルセウスの世界に迷い込んだようです。   作:つちのこ。

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...お久しぶりでーす...(ボソッ)
春休み終わっちゃって大変だったという言い訳はしても良いですかね...?



●第31話 一人の少女として

 

「...大したもんだよね。オヤブンを捻っちまうなんてさ。それどころかその変なボールで捕まえるときた。まるで伝説の英雄みたいだ。」

「ありがとうございます...。」

「アンタのポケモン...は回復要らないか。」

 

 

オヤブンコロトックを捕まえた私の元に2人が歩み寄ってきた。伝説の英雄がどんな方なのかよく分からないけど多分違うと断言できる。私は少し運動ができる一般人だからね...。それとムクバードは確かにダメージを受けていないから回復はまだ大丈夫かな。翼が痛かったら言ってよね?

 

「むくっ!む?」

 

 

私の肩に乗って翼をビシッと曲げて敬礼のポーズをするムクバード。控えめに言って可愛い。そんなムクバードは何かの気配を感じ取ったのかキョロキョロと辺りを見回している。ちょっと気になったけど私はムクバードをボールに戻してヨネさんに話の続きを聞こうとした。

 

 

 

「 キュェエエエエンンッッッ!!! 」

 

「な、何事ですか!?」

 

 

その直後、この高台どころかこの広大な土地全土に響き渡るような嘶きが私たちの上から聞こえてきた。皆して鳴き声の聞こえた方を見ると高台の中でも1番高くそびえ立っている断崖。その上で白い鹿がこちらを見下ろしていた。

 

 

「アヤシシ様!!」

「あやししさま...?」

 

 

『あやししさま』と呼ばれたその鹿は断崖から飛び降り、私たちのいる広場にストンと着地すると悠々とこちらへ向かってきた。

 

 

「............。」

 

 

私たちの目の前までやってきた『あやししさま』は私の目をじっと見つめる。負けじと私も見つめ返すと『あやししさま』の目が優しくなったように感じた。そのまま『あやししさま』はどこかへ去っていった。何だったんだろう...?

 

 

「...良かったよね。アヤシシ様もあんたの事気に入ったようだよ。」

「あやししさまってなんですか...?」

「ふふっ...今から説明するさ。いいかい?アヤシシ様ってのは人を乗せ、ヒスイの大地を駆け抜けるありがたいポケモンなんだよね。」

「すごい...すごいですよアヤシシ!人を乗せるポケモン...まるでアローラのライドポケモンですね!」

「っ!」

 

 

アローラのライドポケモン...ちゃんとアローラ地方も存在してるのか...。いつか旅に出たいな...。私とポケモンたちだけで...。

 

 

「ラベン博士無事ですか!?」

「テルくん。僕は無事ですよ。」

「そうですか良かったです。...シマボシ隊長に言われたんだ。凛が依頼をこなせばベースキャンプ設営ができるだろうって。」

「そうでした。セキさんと団長で決めたことですが、ベースキャンプを増やしてもいいのですかね?」

「シンオウさまが創られたヒスイ地方はポケモンの大地。アンタらがポケモンと共生するなら使っても大丈夫だろうさ。...アヤシシ様も凛を気に入ったようだし。ありがとな凛!アンタの活躍はコンゴウ団の長にも伝えておくよ!改めてお礼にも行くからさ。」

「は、はい...。」

 

 

なぜか頭を撫でられた私。笑顔のヨネさんがどことなく...あ、だめ...。ちょっとだけ不器用なお姉ちゃんを思い出して目頭が熱くなっちゃったや...。

 

 

「?どうした凛?」

「い、いえ、なんでもない、です。」

「そうかい?じゃ、私はもう行くね。」

「はい。」

 

 

そう言ってヨネさんは去っていった。お姉ちゃん...お母さん......元気かなぁ...。私は...今のところ、元気でやってるよ...。

 

 

「...ポケモンと共存共栄か......。それにはポケモンを理解するため図鑑を完成させないと...。...もうすぐ建築隊が到着する頃だ。そうすればベースキャンプもできるな。」

 

 

しばらくして建築隊の人達が来て、道具を広げだしたので私たちは離れたところで見ている事になった。ラベン博士はベースキャンプ設営の指示を出している。あの人結構色んなことできるよね...。

 

とぼーっとしながら見ていると、隣に座っていたテルくんがこちらを見ずに話しかけてきた。

 

 

「なぁ凛。」

「...なに?」

「聞いちゃ悪いと思うけどさ。」

「......うん。」

「なんでさっき──いや、やっぱ何でもない。」

「.........そっか。」

 

 

きっと私が泣きそうになった理由を聞きたいのだろう。だけど聞くのを止めてしまったようだ。別に話してもいいんだけどねぇ...。

 

 

「「.......。」」

 

 

あちゃー...雰囲気最悪になっちゃったよ...。

 

────────────

 

 

夕暮れ頃、ようやくベースキャンプが出来たみたいで私はラベン博士やテルくんと一緒に焚き火を囲っていた。

 

 

「シシの高台でのベースキャンプ...名付けて高台ベースですね!」

「そのまんまですね。まぁ拠点が増えれば調査もしやすくなるよな。...いつも通りイモヅル亭にでも集まりますか!」

「賛成ですね!」

 

 

こうして私たちはコトブキムラに帰ることとなった。

 

 

 

「──ムベさんいつものイモモチ!今日もプリーズ3人前です!」

「はいよ。そういえば知っておるのか?今朝からウワサの荒ぶるバサギリの様子を見に行った団員が襲われ医療隊もてんてこ舞だぞ。」

「激しい雷に打たれおかしくなったとされるバサギリですよね......。いざとなれば調査隊が担当します。未知のポケモンを調べるには危険が付き物ですが調査隊には凛くんがいるのです!」

「...でもバサギリはオヤブンよりも遥かに強いって話ですよ?」

「どれほど強いのかを含めて調査をするのが僕達です!そして調査に重要なのは冴えた頭脳と強靭な肉体...そのためには睡眠も大事です!」

 

 

そう言ってラベン博士はガツガツとイモモチにかぶりついた。今日も色々あったなぁ...私の知らないオヤブンというポケモンやアヤシシさまにバサギリと呼ばれるポケモン...知らないことだらけで怖くないといえば嘘になっちゃう。

 

 

今日は早く寝よ...。

 

「...ちょっと疲れたので今日は早めに寝ますね...。」

「ん?そうでしたか!すみません凛くん。また明日会いましょう!」

「はい。それではおやすみなさい。」

「......。」

 

 

──────────────

 

『凛。コレ見てよ。』

『なぁにお姉ちゃん...ってきゃぁぁあっ!!!にゃ、にゃんでカエル!?』

『あっはっはっはっ!可愛いなぁ!!にゃあっ!だってさ!あっはっはっ!』

 

『ねぇ凛。何か悩んでるんだって?青春してるねぇ?』

『...うるさいよお姉ちゃん。あっち行って。』

『ふふふっ...。』

 

『ん。凛こっち寄って。』

『...どうしたのお姉ちゃん?』

『そっちは危ないでしょ。それともドM?』

『んなっ!なんでそうなるの!?』

 

『お姉ちゃんもう行っちゃうの...?』

『ん。仕事あるしね。凛も頑張ってね...情報統制。』

『はぁっ!?お姉ちゃんがRINE送らなければいい話ですぅ!』

 

─────────────

 

 

 

「っはぁ......はぁ...。」

 

 

目が覚めた私は寝ぼけている目を擦って体を起こす。目元がちょっと濡れていたけど悪夢でも見たのかな私。

 

 

「今日も...頑張ろ...。ね、マグマラシ。」

 

 

近くに置いていたボールを一撫でして私は着替え始めた。

 

 

 

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