ポケモンエンジョイ勢がレジェンズアルセウスの世界に迷い込んだようです。   作:つちのこ。

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やっべまた文字数増えた...()


●第6話 異世界での1日

「門番さんいつもお疲れ様です。」

「どうもラベン博士。そちらは?」

「凛君です。こちらはボクとポケモンの恩人ですのでムラに招き入れますよ。」

「凛さんですね。了解です。ようこそコトブキムラへ。」

「は、はい。よろしくお願いします。」

 

 

 

昔の格好をした門番さんに会釈をして門を潜る。その先にはこれまた昔の日本みたいな街並み...村並み?が広がっていた。

 

 

「こちらですよ。ボクに着いてきてください!」

「はい。」

 

 

「コトブキムラは()()()()みんなのおかげでここまで発展したのです!」

「ぎ、ギンガ団...。」

 

 

ギンガ団ってあれだよね?ダイヤモンド・パールにいた組織だよね?

 

 

「今歩いているのはミオ通りです。」

 

「見ない格好ね...。」

「どこからきたの...?」

「調査隊の新人か?」

 

 

歩いていると門番さんみたいに昔の格好をしている方達がチラチラと私を見ている。私の格好は普通だと思ったんだけど、この世界では奇妙な服装なんだろうね...。

 

 

「ムラができて2年ばかり...まだまだ人手不足なのですよ...。」

「大変ですね...。」

「えぇ。ポケモンを調査しないとムラの外にと出づらいですし...」

 

 

「奇妙な風体じゃ...。」

「しっ!聞こえるじゃろ...!」

 

 

「あ、奥にそびえるのがギンガ団本部ですね!」

「えっ...!?」

「どうかしましたか?」

「い、いえ...。」

 

 

ギンガ団が外部から助けてくれたんじゃなくてここがギンガ団本部なの...?でも私の知るギンガ団はハイテクだったような...。このムラの風景といい、今までのラベン博士との会話といい...この世界...昔のポケモン世界なんじゃ...?

 

 

 

「博士の後ろ誰だ...?」

「さぁ...?」

 

 

「おっと忘れていました!逃げたポケモン達について報告をしないといけないのでした!キミは食堂で待っていてくれますか?」

「はい。...どこにありますか?」

「あぁ、橋を渡ってすぐ左の建物が食堂、イモヅル亭です。」

 

 

 

そういうや否やラベン博士はギンガ団本部へ走って行った。

 

 

───ピリリリリッ...

 

 

「ん?」

 

 

ポケットからアルセウスフォンが鳴ったので確認してみると、なぜか目的地が示されていた。なぜ??いや、何も分からないこの世界ではすっごい助かるんだけどね?あと地図が見れるようになったのはすごい嬉しい。

 

 

 

まぁイモヅル亭はすぐそこだから今は大丈夫だよね。

 

 

 

言われた通り、橋を渡ってすぐそこにあったイモヅル亭に近づく。すると...

 

 

 

「...胡乱な奴よのう。」

「え?」

「イモヅル亭はな!ギンガ団のための店!余所者は帰った帰った!!」

「ひっ!」

 

 

───カタンッ!!

 

 

勢いよく戸を閉められ、その場には私1人残された。...いや博士...先に言っておいてもろて...。

 

 

 

 

「なんだお前?かぶいた格好をしてるけど。そんな薄着だとポケモンに襲われたらイチコロだろ?」

「え?」

「でも、ムラにいるってことは誰かが許可をもらったのか。」

「え、はい...。」

 

 

なんか急に同年代っぽい男の子に話しかけられた。どう返していいか分からないので曖昧になっていると

 

 

 

「なぁラベン博士って知っているか?遠方からやってきた博士だけど。ポケモンに逃げられたりして、てんで頼りにならないんだぜ!」

「は、はぁ...。」

「でんきショックなんてポケモンの技を浴びて寝込まなければ3匹を逃がさなかったのに...。」

「それはご愁傷さま...?」

 

 

でんきショック...どんなポケモンだろう...。

 

 

 

「そうなのですよテル君。合わせる顔がないのです...。」

「うわっ!?」

「ですがもう大丈夫です!こちらの凛君がボク達の力となるのです!」

「えっ?もしかして調査隊に入れるってことですか?また適当なことを...こんな変なやつ仲間にできませんよ...。」

「...。」

 

 

むっ。変とは失礼な。というかこの男の子テル君って言うんだ...。

 

 

 

「───許可する。」

「うわぁっ!?!?」

 

「もっとも、調査隊に相応しい実力を持つならば...だが。...ギンガ団調査隊。隊長のシマボシだ。」

 

 

 

また新しくやってきたのはアカギに似ているシマボシさん。両腕を後ろに回し、ビシッと立っている様はとてもかっこよかった。

 

 

 

「...ラベン博士から話は聞いた。逃げたポケモンを確保した能力を役立てる代わりに衣食住の提供を求めているとか。...見たところ15歳ぐらいか。」

「は、はい。」

「であれば一人前の大人として働くのは当然。...だが、素性も知れぬ人間をおいそれと雇う訳にはいかない。」

「そう、ですよね...。」

「明日、試験を受けてもらう。」

「なるほど!フェアな提案ですね!どうです隊長も一緒に?食べながら聞きたいこともあるのでは?」

「遠慮する。料理と真剣に向き合うために、邪魔されず1人で味わいたい。」

 

 

そう言ってシマボシさんはイモヅル亭に入っていった。

 

 

 

「相変わらずストイックなお方です...。では!ボク達は食べながら詳しい話をするとしましょう!」

「はーい。」

「は、はい。」

 

「ムベさん!いつものイモモチ!今日は3人前プリーズです!!」

 

 

 

そうしてラベン博士とテル君は和風の傘が立ててある外のテーブル席に座った。私も彼らの対面に座る。

 

 

 

「へいお待ち!」

「ムベさんサンキューです!最高のイモモチですよ!!」

「はっはっは!そうだろうそうだろう!」

 

「ラベン博士!こちらの流れ者どこで拾ってきたんですか?」

「あぁ、そうでしたね。空に穴がありますよね?あの『時空の裂け目』と呼んでいる...あそこから落ちてきたんです。」

「.........本当ですか?」

 

 

それを聞いたテル君は顰め顔をする。そりゃにわかには信じがたい出来事だよね。私も今初めて知ったし。空から落ちてきたとは聞いたけどあの空の禍々しい裂け目から落ちてきたとは思わなかったよ。

 

 

 

「...ボクは科学者です。観測した事実にどのようなルールがあるのか確認していくのが仕事です!ボクには事実が全てです!!」

「科学者だから嘘はつかないと?」

「そう!ボク達がいる()()()()()には数多くのポケモンがいますよね?」

「ヒスイ...地方...?」

「居ますねぇ。草むらや森、海などあちこちに...。」

 

 

ヒスイ地方...すごく聞き覚えがある。それは...

 

 

───レジェンズアルセウスの舞台だから。

 

 

逆に徹底的に情報統制していた私が知っている要素というのがこのヒスイ地方という名前のみ。本当なら地方名も知りたくなかったんだけど、お姉ちゃんがRINEで『早くヒスイ地方に行きたーい!』とかほざいたせいで知ることになったのだ。

 

 

...ということはここはレジェンズアルセウスの世界...?

 

 

 

「──て、調査隊はポケモンがどんな生き物か調べるのが任務です。」

「うん。...ポケモンは怖い生き物です...!どのような能力を秘めていて、どういった不思議なことができるのか...さっぱり解明されていないのですよ...。」

「うんうん...。」

「そこで凛君なのです!」

「ふぇ?」

「...お前イモモチに見蕩れてて聞いてなかっただろ...。」

「はははっ!イモモチ美味しそうですもんね!それで、ポケモンを3匹も捕まえました!いいですか?3匹もですよ!?これほどの捕獲の天才はギンガ団にはいないのです!!ようやくポケモンの調査ができるのです!!」

「さ、3匹も......それはすごい...みんな野生のポケモンに襲われながら1匹捕まえるのがやっとなのに...。」

「あ、はは...。」

 

 

 

天才と言われて悪い気はしない。けど、ゲームじゃ...というより未来かな?未来のポケモンの世界だと当たり前になってくるんだと思うから喜ぶに喜べない...なんだろうこの複雑な気持ち...。

 

 

 

「まぁ浜に逃げたポケモンは襲ってはきませんでしたが...ポケモンを恐れていないからこそ、近づき、よく狙ってボールを投げられるのです。」

 

「...調査隊の連中よ。おかしな人間を連れてきて呑気に食ってる場合か?隊長なんて中でイモモチを10人前も...。ポケモン図鑑の完成が程遠いとはいえ、やけ食いにも程があるぞ...。」

「ふっふっふ...シマボシ隊長のやけ食いの日々も終わります!さぁ凛君もどうぞ!空から落ちてきたキミもギンガ団に入れば食事も寝るところも安心ですよ!」

「そ、うですかね...?」

「そうですよ!さぁ今日は食べまくりますよー!」

 

 

─────────

───────

 

夜も更けて...

 

 

「...いやぁデリシャスでしたね...!」

「呑気だな...いいですか?凛は試験に受からないと調査隊になれませんよ?」

「凛君の実力でしたら大丈夫!合格間違いなしです!!」

 

 

「だといいな。凛とやら...今夜はあちらの宿舎を提供する。」

 

 

イモヅル亭の前で話をしていると、シマボシさんがイモヅル亭から出てきた。彼女によるとギンガ団の本部から見て左側、イモヅル亭の右斜め奥に宿舎があり、そちらを提供していただくことになった。

 

 

 

「...だが、試験に受からねば明日からはムラの外で生活。最悪、野垂れ死に...だな。」

 

 

そう言い捨ててシマボシさんは本部に入っていった。

 

 

 

「...シマボシ隊長とヒスイ地方...厳しいって意味で似ているよな...。」

「ボク達を守るためにも強く振舞っているんですよ!」

「...。」

 

 

 

そっかぁ...この世界は厳しいんだね...。

 

 

 

「空から落ちてきた人!布団からは落ちないですよね?それではグッドナイトです!」

「ちゃんと寝ろよ?...それにしても空から落ちてきたって...お前、何者なんだ...?まぁいいや。また明日な。」

「うん。」

 

 

そうして2人もそれぞれ帰路についた。

 

 

 

「...疲れたな。」

 

 

 

今日は色々あって疲れた。結局レジェンズアルセウスは買えなかったし、お母さんの話も聞けずポケモン世界に転移しちゃったし、その世界は私が買う予定だったレジェンズアルセウスの世界だったし...。

 

 

 

明日は試験...。しっかり休もう...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

────

 

 

 

 

 

 

皆が寝静まった夜...

 

 

 

 

 

 

───バヂッ...バヂヂヂッ...

 

 

 

巨大な大木の上空に大きな亀裂が入る。そして...

 

 

 

 

 

───ズドォォォォオオオンンッッ!!!

 

 

 

 

 




次回は絶望主人公ちゃんsideです。

とりあえずこっちのストーリーは一旦区切ります。

好きな御三家をどうぞ

  • ヒノアラシ
  • モクロー
  • ミジュマル
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