魔法先生ネギま〜紅キ魔神〜   作:火野陽仁

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取引

「さて、やっと話し合いが出来るな」

 

 ディバルたちは紅き翼のメンバーを退け、アリカ女王と話し合いをするため隠れ家へと入り、ある一室の部屋に入り、椅子へと腰掛け話し合っている。なお、その部屋にいるメンバーは、ディバル・フェレス・アリカ・テオドラ・アルビレオである。

 

「して、主らの望みとは何だ?あいにく、今の私ではそこまでのことは出来ぬやも知れんぞ?」

 

 アリカがディバル達にそう話しかける。・・・確かに今のアリカたちには味方がおらず、碌な報酬が用意できるか不安であろう。しかし・・・

 

「かまわん。貴女の地位が回復した時でもいいんだしな。・・・・まあ、出来れば速いほうがいいんだがな」

 

 ディバルはそういって笑う。すぐでなくともかまわないと。

 

「・・・・さて、俺たちが望む報酬だが・・・・・」

 

「・・・うむ」

 

 アリカは一体いかなるものかと息を呑む。

 

「そこまで緊張せんでもいいんだがな・・・要求は俺たちに懸けられている賞金を取り下げてほしいということだな」

 

「・・・・主らの賞金取り下げる?」

 

「世界平和のために貢献した者たちに恩赦を与えるくらいわけないと思うんだがな?」

 

 ディバルの要求にアリカは考えているようだ。

 

「・・・少々難しいやも知れんぞ。主らの賞金額が額なだけにな。・・・それに、頭の固い者たちが受け入れるかどうか・・・仮に取り下げられても、監視や無料奉仕などを要求されかねんぞ?」

 

「・・・やはりそうなるか。・・・・・何とかできんか?王女殿?」

 

「難しいであろうな」

 

「・・・まず、貴様等が犯罪者として世間に認識されているのだから無理であろう」

 

 アリカの言葉に続くように、今まで黙っていたテオドラが幾らかの理由を話していく。幼いとはいえ皇女としての力量はあるらしい。

 

「長い間、自己防衛とはいえ多くの者を殺害してしまっておるし、・・・それどころかこの魔法世界各国に不法侵入したとしての報告もあがっておるしな・・・それらを考えれば難しいであろうな」

 

 ・・・以外や以外、結構なことを知っているテオドラにディバルは目が点となる。

 

「ん?なんじゃ、その意外な者を見たような顔は?」

 

「フフフ、皇女殿下のその堂々とした姿を見て驚いているのかもしれませんね」

 

 テオドラの疑問にアルビレオが答えを言う。

 

「ディバル様」

 

「あ、ああすまん。・・・じゃあ、賞金額の取り下げは?」

 

「・・・・すまん。一定の条件つきとなれば通るであろうが、無条件となれば無理であろう。」

 

 フェレスがディバルを呼びかけ我に返ったディバルは、アリカに可能かどうかを聞くが、無条件は無理と返された。

 

「ふぅ・・・やはり無理か・・・まあ良いか。これにたいしては可能ならといったところだしな」

 

 ディバルのその言葉にアリカは疑問を顔に浮かべた。

 

「・・・その言いようだと、他にも要求があったのか?」

 

「ああ、と言うかこっちが本命だな」

 

「な、なんと・・・」

 

「ほう、懸賞金の取り下げはついでとは・・・本命どういった要求なのでしょうか?」

 

 ディバルたちの賞金はかなり高く、それゆえに命知らずの賞金稼ぎたちが大勢襲い掛かってくることがある。そういった危険性から開放されるために、賞金の取り下げは納得がいくが、それがついでであるという事実にアリカとテオドラは驚き、アルビレオは興味津々と言ったところだ。

 

「・・・・・俺がこんなことを言うのはなんか恥ずかしいんだがな・・・」

 

「ディバル様、でしたら私が・・・」

 

「いや、良いよ。俺が言うから」

 

 なにやら顔を少し赤くし、言いづらそうなディバルにアリカたちはなんなのか不思議に思う。

 

「・・・・・・・・奴隷制度の廃止」

 

「「・・・・・は?」」

 

 ディバルの言葉に固まるアリカとテオドラ。とても世界最高金額の賞金首たちの首領格の男が言う台詞ではないからだろう。

 

「ほう・・・そうでしたか。やはり貴方はお優しい方ですね。最初に会ったときも・・・」

 

「だあぁぁ!?それを言うんじゃねえ!!?」

 

 ・・・そんな固まった二人をほったらかしにし、アルビレオはディバルをからかっている。・・・なお、フェレスは一度部屋をでて紅茶を入れなおしているため、ここにいない。

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着きましたかディバル様?」

 

「ああ、すまんなフェレス」

 

 カオスな空気で満ちていた会議であったが、フェレスが戻ってくることにより何とか落ち着きを取り戻した。

 

「では、要求は以下の通りでよいのだな?」

 

 アリカはディバルの要求が書かれた紙がこれで良いのか聞く。その内容は・・・

 

 

1.賞金額の取り下げは不可能でも、ある程度の恩赦を与えられるよう、上層部にかけあってみること

 

2.奴隷制度の廃止に力を入れ取り組むこと

 

 

「この二つだけで良いのだな?」

 

「ああ、その通りだ。といっても1に関して言えばあまり期待はしていない。2にたいして全力で取り組んでくれればそれでかまわん」

 

「・・・了承した。・・・・・しかし、この二つの要求をするために、このような危険を冒してきたのか・・・主は意外と馬鹿じゃな」

 

「まったくだな」

 

 アリカとテオドラはそう言うも笑っている。

 

「ふん、俺としてもここまでするつもりなぞ無かったんだがな・・・奴隷などを見ると気分が悪くなるんでな」

 

「ディバル様・・・」

 

 フェレスが目元をハンカチでぬぐっている。彼はディバルの行動理由を知るだけに感動しているのだ。

 

「さて、後もう少し細かい打ち合わせのようなものはあるがそれはまた今度にしよう。・・・少々疲れた・・・」

 

 ディバルはそう言いながら肩をたたく。彼はこういった話し合いが苦手なのだが、そう言ってられないということでこの場に出てきたのだ。

 

「では、少し休んでください。客室が一応あるはずなのでそこで・・・」

 

「ん、わかった。」

 

 アルビレオから部屋の場所を聞き、ディバルはフェレスと共に退出し部屋へとむかった。

 

「・・・・・要求は呑まれるのでしょうか?」

 

「どうだろうな・・・まあ、恩を仇で返すことはしないだろ。・・・・少なくともあの二人はな」

 

「・・・他の上層部は?」

 

「怪しいな」

 

 ディバルとフェレスは要求が通るかどうか、淡々と話し合っている。

 

「・・・・・もし、この世界の人間がろくでもないことをした場合は?」

 

「その場合は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この世界の人間に見切りをつけるだけだ」

 

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