仮面ライダーバーサ Season2   作:キャメル16世

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前回のあらすじ

レンを襲う謎の症状

そんな中、レンの中でもう1つの人格が芽生える

レンとは相容れぬ彼女はライトを殺そうとするが
レンの異変を察知したライトは不意打ち攻撃で対処する

そんな彼女の正体とは…?



第3話「オッドアイなココロ」

カズマ「……アンは、本来生まれることのなかった…レンの双子の妹だ」

ライト「……え…」

ここにいる全員が驚いていた

 

レンに双子が?

でもどうしてレンの中に?

生まれることのなかったって?

 

「……止めてくれ…俺を…あいつを…っ」

 

レンが言っていた、あいつって…まさか…

 

謎は多い

 

カズマ「…元々、レンがユイのお腹にいた頃、ユイのお腹には2人の子供がいた…それが、レンとアンだ」

叔父さんはレンの誕生について語った

 

カズマ「…気が早かった僕は、性別も分からないまま2人にそれぞれ「レン」、そして「アン」と名前を付けた。しかし、片っぽはユイのお腹の中で既に弱っていてな…」

たまに聞く

双子の中で、そういう現象が起きる事を

 

カズマ「…すると、強く育った方の赤ん坊が、弱い方の赤ん坊を取り込んでしまったんだ」

メグ「え!?」

メガミ「取り込むって!?」

カズマ「…キメラという現象らしい。とても希少な出来事で、滅多に起きないことらしいが…とにかく、その子には2人分の命が宿った」

ライト「…そして生まれたその子が…」

カズマ「…レンだ」

ナナカマド「……」

カズマ「…性別が男である事から、男らしい「レン」という名前を付けた。それがレンの誕生だ」

ライト「……アンは?」

アン「……」

叔父さんは俺達を見下すアンを見る

 

カズマ「…忘れたことなどない…お前のおかげで、レンはここまで生きる事が出来た。お前のおかげだ、アン」

アン「……ふんっ…初めての父親の愛情…くだらないね」

ライト「…っ」

アン「……ワタシが目を覚ました時、ずっとこの世界を見てきた…でも、みんな不完全だ。夢だの希望だの、ただの絵空事を掲げいつも命を無駄遣いしている」

ライト「それは違う!人は、夢を見ることで生きてるって思えるんだ!無駄遣いしているんじゃない!命を燃やして生きてるんだ!」

アン「……君には分からないよ…生まれた事の無い奴の気持ちなんかね!」

ライト「……それは…」

アン「夢?希望?…そんなの、生まれた事の無い奴らから見たらくだらない物だよ!…そんなものにうつつを抜かす位だったら、もっと効率的に人間を進化させるべきだ」

ライト「……」

アン「…ワタシはつくづく思うよ。この世界に守る価値なんて無い。全ては無駄な存在だ…」

ライト「…お前、レンの双子って聞いてたけど…」

アン「……」

ライト「…全然、レンに似てないな!」

アン「……当たり前だろ?…だってワタシは…」

すると、アンは包丁を握りながら迫って来た

 

目の前まで来るのに一瞬だった

顔が近い

青い目が俺を睨む

 

ライト「…ぐっ!」

必死に受身を摂る

両腕でアンの攻撃を防いだ

 

アン「…本物なんだから…」

ライト「…本物?」

メガミ「はぁあ!」

メガミがアンに蹴りを入れる

アンは俺達と距離をとる

 

アン「…くっ」

メガミ「ライトさん!怪我は!?」

ライト「…大丈夫だ」

アン「…ふんっ…仲間か…それもくだらない」

ライト「……っ」

アン「…いいかい?この世は所詮人間の欲望や欲求が支配している。エゴ、即ち自我がね」

ライト「……」

アン「理性なんてあてにしたって意味無いのさ、結局勝つのは己の醜い本能なんだから…」

ライト「……」

頭に血が上るのがわかる

 

アン「…カレは、理性の塊みたいな人間だった…だからワタシはカレが嫌いだった。ワタシの何倍もこの世界を楽しみ、ワタシの何倍もの幸せを勝ち取って来たカレが…妬ましかった…でも、そんなカレが本能のままに生きようとしている…君のおかげでね」

ライト「…え?」

アン「…だからワタシは、そんなカレを導きたかったのさ…本能のままに生きる事の素晴らしさを…楽しさを…ワタシの味わったことの無い幸福を!」

ライト「……」

アン「……でも…カレはワタシとは違った…同じ身体を持っているのに、なぜ?…答えは簡単だったよ…」

手で顔を覆い、嘆くアン

 

アン「…カレが…本物じゃないからさ…」

ライト「……っ」

アン「…本物ではないカレに生きている価値なんてない…だから本物のワタシが…世界を、人々を、本能のままに生きさせてやる…君達にもきっと分かる、ワタシの価値観が…」

ライト「……いいや分からないね…」

俺は俯き、アンに呼びかけた

 

ライト「……お前が何を言ってるのかも、何がしたいのかも…分かんねぇ……でもな…」

俺はアンを睨んだ

 

ライト「…大切な仲間を侮辱した事だけは!絶対に許さねぇ!」

アン「……」

ライト「レンに生きてる価値がない?…ふざけんな!…レンはな…生きてるだけで!…偉いんだよ!」

俺はアンに向かって走って行く

 

アン「…ふっ」

ライト「うぉぉぉ!」

右手を振りかざす

 

ライト「……くっ…」

アン「…ふふ…」

しかし、俺の腕はアンの目の前で停止した

 

ライト「……」

アン「…大切な仲間…その身体に傷なんてつけられる筈がない…そうだろ?」

ライト「……くっ…」

すると、動きが止まった俺をアンは殴り飛ばした

 

ライト「ぐっ!」

アン「あははは!…つまんないから…これでやりやすくなるのかな?」

アンはレンのレジェンドライバーを装着した

 

レジェンドライバー

 

アン「……ミュウツー…ワタシに従え」

 

ドロップ!

リード!レジェンド!ヘンシーン!

 

右手を顔の前に持ってくるアン

 

アン「……変身」

 

ミュウツー!

ミュウ!ツー!ミュウ!ツー!

ミュウ!ツー!ツー!

 

アンは仮面ライダーレジェンへと変身した

 

アン「…伝説の戦士…仮面ライダーレジェン…」

ライト「……くっ…」

アン「……さぁさぁ…かかって来な!ワタシは手加減なんかしないよ!」

 

 

レン「…くそっ!…くそっ!」

ライトが…俺と戦ってる…

俺じゃない…アンか…

 

俺はこんな時でも、何も出来ない…

何の役にも立てない…

役立たずの…あんぽんたんだ!

 

レン「……くっ…くくっ…」

 

俺は…ずっとそうだ…

あの時も…

 

「……はぁ……はぁ…」

 

「レン!こっちだ!」

 

「……はぁ……はぁ…」

 

「何やってんだよ!」

 

「……はぁ……はぁ…」

 

「…お前のせいだ…」

 

「……はぁ……はぁ…」

 

「……」

 

「…………ごめん……」

 

「……謝っても……もう遅いんだよ…」

 

俺は生まれてから…

 

何ひとつとして…

成し遂げられてねぇじゃねぇか…

 

そんな奴が…

 

そんな奴が…!

 

「レンはな…生きてるだけで!…偉いんだよ!」

 

レン「…っ!?」

ライトの声だ

 

レン「……」

そうだ…

俺は…

 

役に立たなくてもいい…

 

俺は…

真っ直ぐ前に進む

あいつと共に生きていくと誓った!

 

レン「……ここで…終わらせねぇ!」

 

 

ライト「…はぁぁあ!」

仮面ライダーバーサへと変身した俺はアンに向かって行った

 

連続攻撃を仕掛け、アンを押していた

 

でも、アンは余裕そうだった

 

アン「いいねいいね!もっと来い!もっとお前の力を見せろ!」

ライト「はぁぁぁあ!」

俺は両腕に炎を纏わす

 

ライト「ほのうのパンチ!」

俺は連続でほのうのパンチを繰り出した

アンは両腕でガードしていたが、一瞬防御を止め

アンは地面に叩きつけられた

 

 

アン「……」

またキミかい?

全く、しつこい奴だね、キミも

 

レン(言ったはずだ…ライトは殺させはしない…)

 

あっそ、でも彼は死ぬよ

 

レン(……)

 

紛れもなく、キミのせいでね

 

レン(……なに?…おい…待て!)

 

……

 

アン「……ただいま…っ!」

目を開けたワタシは驚いた

 

ライト「ブレイズキック!」

彼がすかさず攻撃を仕掛けた

 

アン「くっ!」

寸前で避けたワタシは念波を放って距離をとる

 

ライト「……くっ」

アン「…この身体が死ねば、勿論カレも死ぬんだよ?」

ライト「…分かってる…でも、レンは必ず取り戻す…どんな方法を使っても!」

アン「…無理だよ…この身体は完全にワタシの物だ…君達にはどうする事も…」

ライト「いいや…俺には分かる…」

アン「……」

なにが?

 

ライト「…レンは、お前の中で足掻いてる…必死に、お前の中から出ようとしてるのが分かる」

アン「……どうしてそんな事が…」

ライト「…俺達は…仲間であり…家族だからな!」

またもや迫ってくる

さっきよりもスピードが上がっている!

 

アン「はどうだん!」

ライト「とびひざげり!」

ワタシの攻撃を相殺する彼

 

アン「…なんで…何でだぁ!」

ライト「お前は…この世の全ては無駄な存在だと言ったな…でも、俺はそうは思わない…全ての物に…全ての命には…価値がある。本物も、偽物も関係ない!…今ここに生きてるのなら、生きる事には価値がある!」

アン「……くっ…」

 

メガシンカ!ヒッサーツッ!

 

ライト「…その意味を…その理由を…レンの中に戻って頭冷やして考えてろ!」

 

バシャーモ!

バーニング!ドライブ!

 

ライト「バーニングドライブ!」

彼は全身に炎を纏わせ、脚を出してキックをしようとした

 

ライト「はぁぁあ!」

アン「……くっ」

ライト「はぁぁあ!…っ!?」

すると、その足が止まる

同時に、その場にとてつもない緊張感が走る

 

この気配…後ろから…

 

アン「……まさか…そっちから出迎えてくれるなんて…」

 

夜明けの空に、黄色の光を鼓動のように光らせる黒い大きな石が浮いていた

 

ライト「……あ……あっ…」

アン「……黒共鳴石…!」

 

黒共鳴石は、確実にワタシを捉えていた

 

 

レン「……はぁ……はぁ…」

くそっ…

ここで暴れても、外には影響は少ないのか?

 

レン「……ライト…」

今、外はどうなってる…

ライトは勝ったのか?

でも、俺は生きてる…

 

って事は、あいつも生きてる

 

レン「……」

俺は無意識に《ミュウツーナイトY》を見詰めた

 

レン「……お前は…誰だ…」

 

『……』

 

レン「……誰がお前を作った…」

 

『……』

 

レン「……お前は…なんの為に生まれてきたんだ…?」

 

返事はない

当然といえば当然だ

 

レン「……」

もうひとつの《ミュウツーナイト》

サカキから譲り受け、今もその力は謎だ

 

何故この世には《ミュウツーナイト》が2つもある?

 

レン「……教えてくれよ…師匠……シオン…」

俺でも、弱音を吐くんだな…

死んだ者を想うなんて…俺らしくないのかもしれない…

 

レン「……っ!」

今!誰かが俺を…!

 

レン「……」

静かな空間

そこには誰もいない

 

気のせいか…

 

レン「……っ!…なんだ!?」

なんだこの緊張感は!

 

まさか…あっちで何かが起こったのか!?

 

次の瞬間、俺の視界は真っ暗になり

俺は完全に意識を失った

 

「………レン…」

 

 

アン「……黒共鳴石…!」

ライト「……っ」

黒共鳴石が…なんでこんな所に…

 

それにあの感じ…意思がある

黒共鳴石は己の意思で行動している

 

アン「黒共鳴石…ワタシはお前を探していたんだ…」

黒共鳴石に話しかけるアン

 

内部から溢れる黄色の淡い光が一瞬強くなる

 

ナナカマド「…黒共鳴石が…何故…」

カズマ「……まさか…アンと引かれあってるのか…?」

ライト「……っ」

 

「…しかし、黒共鳴石は共鳴石とは違い、「共鳴エネルギー」を吸収し、その絶大な力でもっと強力な力を欲しました…その結果……黒共鳴石はミュウツーをも乗っ取り、闇と共に消えました」

俺はナナカマド博士の言葉を思い出す

 

もしその事が本当なら…

 

アン「さぁ!黒共鳴石よ!ワタシと共に、この世界をあるべき姿に戻そう!」

黒共鳴石はアンに向かって行った

 

ライト「…させるか!」

俺はアンに迫る黒共鳴石を蹴り飛ばした

 

アン「…お前!何してるんだ!」

ライト「…黒共鳴石がお前と接触すれば、黒共鳴石に乗っ取られるかもしれないんだぞ!?」

アン「…覚悟の上さ…それでワタシの目的が達成出来るのなら!」

ライト「……っ!」

俺はアンの体を抑えた

 

アン「おい!何をする!?」

ライト「お前は絶対に黒共鳴石には近付けさせねぇ!」

アン「…くっ…ん?」

ライト「…っ!」

すると、さっき蹴り飛ばした筈の黒共鳴石がまたもや佇んでいた

 

ライト「…っ…メガミ!メグ!俺はアンを抑えてる!2人はアレを何とかしてくれ!」

メグ「分かった!」

メガミ「分かりました!」

変身した2人は黒共鳴石の目の前に来る

 

メガミ「チャームボイス!」

メグ「ストーンエッジ!」

黒共鳴石は2人の攻撃を受けた

 

しかし、無傷だった

 

メガミ「…そんな…」

メグ「…っ」

すると、黒共鳴石は目にも止まらぬ速さで二人の間をくぐり抜けた

 

ライト「…っ!」

アン「…くっ!…君もしつこいな!」

ライト「…ぐぅ!…ぜってぇ離さねぇ!」

アン「…ぬぅぅう!」

ライト「…はぁぁあ!…っ!」

 

「…私は…誰…?」

 

「…どうして私は…生まれてないの?」

 

「…私は…ワタシは…」

 

ライト「……今のは…?」

アン「…ふんっ!」

一瞬の隙を着き、アンは俺の拘束から逃れた

 

ライト「…あっ!」

アン「…はぁぁあ!」

互いの距離を縮めるアンと黒共鳴石

 

まずい!

 

アンは手を伸ばし、迫って来る黒共鳴石に触れた

次の瞬間、中央で爆発が起き、砂埃が舞う

 

ライト「……っ!」

砂埃が晴れたそこに居たのは、通常のレジェンの姿と違い、体は黒で尻尾の先端が黄色に輝いている

左胸には何かの結晶体が生えている様に突き出ていた

 

ナナカマド「…あれは!」

カズマ「……っ」

ナナカマド「…まさに…黒共鳴石と融合を果たした…『ダークミュウツー』の姿!」

ライト「……っ!」

黒共鳴石と…融合…

 

アン「…黒共鳴の戦士…仮面ライダー…」

紫色の複眼が俺達を睨む

 

アン「…ダークレジェン…」

ライト「……ダーク…レジェン…」

仮面ライダーダークレジェンへと変身を遂げたアンは

いつまでもその冷酷な視線を送り続けた

 

 

レン「……」

 

 

レン……レン…!

 

女の声…

 

 

レンよ…起きるんだ!

 

男の声…

 

 

レン「……」

 

 

レン……起きて!

 

誰だ……

 

 

目覚めるのだ!レン!

 

誰が俺を…

オレを…

 

 

レン「……」

 

うるせぇ……いい加減…

 

 

レン!

 

レン!

 

レン!

 

……

 

 

寝かしてくれ…

 

To be continued




次回予告

黒共鳴石と融合し、仮面ライダーダークレジェンへと変身を遂げたアン
ライト達に猛威を振るう!

闇が深くなるレンの心…

アンの闇は更に強さを増し…!

第4話「キミが闇に堕ちるまで」
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