ホログラムストーリー   作:すダコ

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ホログラムストーリー 0話

友達でも仲良くしてはいけないと知ったのは、まだ幼い頃。周りにバレて理解する、なんてことにならなかったのは幸いだったと思う。

 

今落ち着いているからといって、何百年も争い事を繰り返してきたとなれば、一言に和解などできるはずもなかった。

 

こちらから見れば相手は擁護のしようがない悪で、向こうから見てもそれは同じ。

 

決して相容れない存在のはずなのだから。

 

可愛らしい外見から想像する声とはひと味違った、低くも愛嬌のある不思議な声は、いつもボクの心の奥に響き渡ってくるようで、とても魅力的だ。

 

悪魔なのに常識人で、優しくて、ちょっと、傷つきやすくて。それなのに自分のことを一流の(?)悪党だと思っているのだからこれまた可愛らしい。

 

とにかく彼女の魅力は百個でも二百個でも挙げられるが、さすがにキリがないのでここまでにしておこう。

 

自分で言うのもなんだが、天使学校の生徒会書記を担っているボクは、周りから見れば生きる世界が違う存在だと思われているらしい。結果としてボクは学校内での友だちがほとんどいないワケだが、ボクが普段一緒にいる生徒会のメンバーは全員が上級生。それでいて滅茶苦茶厳しいので、学校内にボクの心が休まる場所は存在しない。

 

そんなボクにとって、唯一の心の許せる友人である彼女は、本当にかけがえのない存在なのだ。

 

それが魔界学校1年、常闇トワだ。

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「トワ~」

 

「かなたーん!!」

あ~かなたんは可愛いな~

 

とにかく純真無垢で、ちっちゃくて、そしてそしてそして!トーーっても、可愛い!!

 

どういうわけだか、学校では人気者の先輩方ばかりと一緒にいる自分にとって、唯一の同い年の友人である彼女は、本当に貴重な存在なのだ。

 

天音かなた。天使学校1年にして、生徒会書記。学内の上級生に引けを取らない魔力と、自分に足りないことを素直に認め、改善しようと努力する心根は、1年生ながらもファンクラブができるのも納得のハイスペックだ。あと可愛い。

 

彼女との付き合いも長くなるが、未だに他の誰かに私たちの関係が知られたことはない。

 

昔はよく会って話をしていたが、今は怖くてそうそう会うことなどできない。

 

そもそもの話、あれだけ堂々としていてばれなかった幼少期がおかしかったのだ。

 

だからこそ、こうやって頻度を減らし、こっそりと会うようにしている。

 

私たちが落ち合っている場所は、天界と魔界の狭間にある。勘違いしそうになるが、人間界ではない。学生がそう簡単に人間界に行くことなどできない。この場所を説明しろと言われると難しいが、御遣いの管理する、中立の....場?みたいなものだと聞いている。正直な話よくわからない。

 

ただひとつ言えることは、私たちはなかなかに危ない橋を渡っているということだけだ。

 

この友人は、決してばれてはいけない。

 

この関係は、決して明かしてはいけない。

 

この約束は、決して違えてはいけない。

 

だけど、そんな窮屈な日々も今日までだ。

 

「いや~、うちの生徒会長ってホント怖くてさ。もう、トワと過ごす時間だけが癒しだよ」

 

「......かなたん」

 

「どうしたの、トワ?いつになく真面目な顔だけど」

 

「私たちさ、最近はずっと、こうやってこっそり会う関係を続けてきたじゃん?」

 

「......うん、そうだね。天界と魔界のいざこざは昔の話だけど、お互いへの敵意というか、対抗心?みたいなものはまだ残ってるからね」

 

突然の話に、かなたんは困惑しているようだった。

 

「それをさ、それを.....終わりにしようかなって、思って」

 

「え!?トワもう会えなくなっちゃうの!?やだよ!何かあったの?何でも力になるよ!?」

 

「違う、違う!そうじゃなくって!」

 

そう誤解されるとは思わなかった。

 

「違う?じゃあ、どうしたの?」

 

やばい。ここに来て、急に不安になってきた。

 

心臓がバクバクと音を立てているのが分かる。

 

落ち着け。私落ち着け。覚悟は決めたじゃないか。きっと分かってくれるはず。

 

「先輩にね?今の天界と魔界の関係を解消したいって考えてるひとがいて。そのひと、すっごい力をもってて、頭も良いから、その、私たちのことを相談したら、助けになってくれるんじゃないかって」

 

「え?私たちのことを誰かに話すの?」

 

「うん。てか、もう話しちゃった......」

 

「えぇ!?」

 

「そしたら、今度、その子をなんとか連れてきてくれないかって言われ.たの」

 

「罠じゃない?カツアゲとかされない?」

 

「大丈夫だよ!気遣いのできる優しいひとだから」

 

「............」

 

「信じて!お願い!!」

 

「...........分かったよ」

 

「!」

 

「ただし、ルートは気を付けてよ?私、魔界学校なんて行ったことないんだから」

 

「それについては大丈夫!ちゃんとしたルートがあるから」

 

答えを聞いて安堵した。私たちのこれからを左右する内容なだけに、拒否されれば今後の関係は気まずくなるし、最悪の場合絶縁なんてこともあり得るのだから。

 

「それじゃあ、来週の同じ時間、またここに来て」

 

私は、さっきまでの不安が嘘のような明るい声色でそう伝えた。

 

清々しい気分だった。来週どんなことになるのか。恐怖ももちろんあるが、同時に楽しみでもある。

 

それだけに、これを切っ掛けとして、天界と魔界、人間界を巻き込んだ大事件へと発展していくことなんて、予想もつくはずがなかったのである。

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「不浄......か。ずいぶんとひどいことになってるみたいだね」

 

獣の耳が小さく揺れる。

 

「うん。ウチも何度かコンタクトをとってみようとしたけど、こっちの意思は全く通じなかった。アレはもう、ウチの知ってる存在とは別の何かだと思ったね」

 

ここはどこなのか。常人に説明させるには難しい、不思議な雰囲気を漂わせる空間だ。

 

一つ言えるのは、どこか懐かしく、それでいて新しい、ポヤポヤとした感覚に陥るような場所、という曖昧なことだけである。

 

「このまま放置していたら、本当に取り返しがつかないことになっちゃう。いい加減に、私も腰を上げるべきかな」

 

会話する一対の存在たちは、何を思うのか、天を見上げ思いを募らせる。

 

片方が覚悟を決めたように立ち上がる。

 

「行くの?」

 

「うん。ちょうど御告げもあったしね」

 

「そっか。なら、ウチも手伝うよ」

 

「悪いね。おそらく私の、いや、私たちの案件だろうに」

 

「いいんだよ。同じ使命をもった仲間だし、それ以上に、友だちでしょ?」

 

「......ありがと」

 

この日初めて見せた優しくも恥ずかしげな笑顔に、たおやかな笑みが返された。

 

己が何をなさなければいけないのか。なんのために生ませてきたのか。自我をもったその瞬間から刻み込まれた意思は、何者にも譲り渡すことのできない、重要なもの。

 

輝くは白。

 

「しっかし、何年ぶりなんだろうね、こんなこと」

 

包み込むは黒。

 

「わからない。どのくらい前から存在していたのか、私たちにもわからないくらいだからね」

 

果てしない零の空間で、聖なる形は混ざりあい、一つの個となる。

 

「ただ、これだけは言える」

 

 

 

 

『これは、世界を巻き込んだ戦い。世界を守るための戦いになるよ』

 

 

 

 




ホロライブのファンタジー系二次創作小説です。今回は所謂プロローグになっております。本作は別サイトで投稿していたものを転載し直したものです。そこそこ前に書いたものなのでかなり拙いです。私自身、文章を書くことは不慣れなので、書き進めていく中で、成長していけたらなと思っていますので、暖かい目で見ていただければ幸いです。それではどうぞ、よろしくお願いします。
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