魔法使い君が幻想入り   作:猫太子

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異変


幻想郷に時折、起きる事象。


これまで幻想郷は数多くの異変が起きている。

突然紅い霧が幻想郷を覆ったり、月が隠され夜があけなかったり春の訪れが来なかったりと。


だが、何れも博麗霊夢と愉快な仲間達が異変を解決してきた。


それを知ったシオンは

「じゃあ僕も…」

って感じに起こしました♪


前略、異変を起こしますm(_ _)m

僕は今、ダムの地下にある広大な空間に居る。

 

 

神社が丸々入る程の広さで高さは1㎞くらいだ。

 

 

ここには多くの魔道設備が所狭しと配置され、地面には巨大なゲートが作られている。

 

 

また、ここには神社の物とは別に魔道炉が設置されている……規模は多分、最大級の物だ。

 

 

「マスター、お待ちしてました」

 

 

と、そこへメリルが出迎えて来た。

 

 

「やあ、メリル…久し振りだね♪」

 

 

「そうですね……早速ですが、例のアレについて、ですが…幾つかお話をしたい事があります」

 

 

ふむふむ、これは遂にいよいよかな?

 

 

「先日、ようやくデミウルゴス回路が完成しました…本体の方も9割り方出来てます、そしてアレの端末も無事着床しました」

 

 

「そう、ほぼ完成だねぇ〜」

 

 

「ですが、問題はアレを起動させる為のエネルギーです……アレは既存のエネルギーでは起動しません……それどころか、物質的な物では無く概念的な何かが必要です」

 

 

「それについては考えが有るから、問題無いよ♪」

 

 

そう、幻想郷に起こるアレを利用すれば良いんだ。

 

 

「じゃあ、そろそろ行動に移すかな♪…ライカにも、ちゃんと説明しないとね♪」

 

 

「…本当に宜しいのですか?…場合によっては悪戯や悪ふざけでは済みませんよ?」

 

 

「そうだねぇ〜、でもこのまま手をこまねいても事態は進展しそうに無いしね♪」

 

 

「まぁ、そうですが…」

 

 

「じゃあ、メリルはライカに通信を入れて呼んでね♪」

 

 

「解りました」

 

 

メリルはそう言ってライカに通信を入れた。

 

 

「…直ぐに来るそうです」

 

 

「そう、じゃあライカが来る間にヤボ用を済ませるとしよう」

 

 

「ヤボ用ですか?」

 

 

「そう、まぁ大事の前の小事って奴かな?」

 

 

僕はおもむろに文ちゃんを召喚した。

 

 

「あやややや!!…此処は一体、ってシオンさん!?」

 

 

「やあ、文ちゃん…今日は文ちゃんにやって欲しい事があるんだ♪」

 

 

「藪から棒に何ですか?……あっ、もしかして何か騒ぎを起こすつもりですね♪」

 

 

文ちゃんは瞳をキラキラさせて聞いてきた……察しが良いな、ブン屋のカンって奴かな?

 

 

「うん、そんな所♪…実はね……」

 

 

僕が説明すると文ちゃんは物凄く驚いた表情を浮かべた。

 

 

「……これはまた、途方もなくとんでも無い事を考えましたね?」

 

 

「そうかな?」

 

 

「そうですよ、常人では考え付かない発想です!!……でも確かにこれは特ダネですね…解りました、記事にします……見出は何にしようかな?」

 

 

「そうだねぇ〜……造神異変…なんてどうかな?」

 

 

さぁ、始めよう……僕が手掛ける異変を♪…フフフ…アハハハハ☆

 

 

そして、翌日…幻想郷全土に激震が走った。

 

 

文ちゃんの新聞のお陰で良い感じにパニックが起きてるよ♪

特に宗教関係の所は大慌てで対応を検討してるみたい……守矢神社なんかは物凄く焦ってたみたいだよ♪

 

 

何せ、一部では『また守矢か』って騒いでるからね♪

 

 

でも、そう騒がれるって事は過去に色々とやらかしてんだな…守矢神社は…

 

 

「マスター、またとんでも無い事をしたねぇ〜♪」

 

 

「そうかい?…ライカ…でも、大騒ぎになるのはこれからだよ?」

 

 

「そうだねぇ〜、でもマスター…ちゃんと落とし所を考えてるの?」

 

 

「一応ね♪…まぁそれは向こうがそれで納得するかだけど…」

 

 

「納得しなかったら全面戦争になりかねないですよ?…本当に本当に大丈夫なんですか?」

 

 

「多分、大丈夫だよメリル…紫ちゃんはまだ動いて無いし…向こうも落とし所を考えてるかもね♪」

 

 

「…だと良いのですが…」

 

 

メリル、そう悲観する事は無いよ♪…大丈夫、上手く行くさ♪…多分ね…

 

 

情報だと、守矢と命蓮寺に紅魔館が異変解決に動いているみたい。

 

 

それと永遠亭に白玉楼って所も動いているみたいだけど……何者なんだろうね?

 

 

宗教関係では道教の仙人ってのが居るみたいだけど……なんか静観してるみたい…

 

 

後、忘れちゃいけない博麗霊夢も動いてる様だよ♪

 

 

それと、魔理ちゃんにアリスちゃんも動いてるみたい。

 

 

因みにこっちの布陣は僕とライカとメリル、それに文ちゃんと妖精や毛玉達…

 

 

天狗達は文ちゃんが事情を説明して静観して貰ってるよ♪

 

 

もっとも文ちゃん自身は特等席で異変が見れると言って、積極的に協力してるけど……どうなっても知らないよ?

 

 

「さて、誰が最初にここに来るかな?」

 

 

どうやら皆、自分こそが異変を解決すると言って互いに争ってるみたい……文ちゃんが上手く皆を煽った結果だけどね♪

 

 

良いぞ♪…もっとやれ♪…騒ぎは大きければ大きいほど良い……もっともっと派手に暴れてね♪

 

 

「ただいま戻りましたよ〜」

 

 

っと、情報収集に出てた文ちゃんが帰ってきたぞ♪

 

 

「文ちゃん、どうだった?」

 

 

「結構、泥沼の争いになってましたよ……頑張って煽った甲斐がありました♪」

 

 

「それは良かった♪…それで紫ちゃんの方は?」

 

 

「まだ姿を現していませんね……もしかしたら、ずっと静観するつもりかも知れませんね?」

 

 

「そうだと良いけどね」

 

 

「ああ、そうそう…人里の方にも煽りを入れた結果、人里の方もこの異変が深く知られる様になりました……もっとも、お祭り騒ぎでしたが…」

 

 

「成る程、じゃあもっと盛り上げないとね♪」

 

 

「…と、言いますと?」

 

 

「そうだね、盛大にトトカルチョでもやって貰おうかな?…誰が異変を解決するかを……人里には逐一情報を漏らしてね♪」

 

 

「解りました、早速やってみます」

 

 

「頼んだよ〜♪」

 

 

文ちゃんは再び人里に向かって羽ばたいて行った。

「マスター、宜しいですか?」

 

 

「何だい?…メリル」

 

 

「本体が出来上がりました……後は起動の為のエネルギー確保だけです」

 

 

「そうか、じゃあそろそろ魔道炉を動かしてエネルギーの確保を始めるとするかな?」

 

 

「それはマスター自らがやって下さい……あの儀式は複雑過ぎて私の手に負えませんから」

 

 

「解ってるよ」

 

 

僕はメリルにそう言って魔道炉を操作した。

 

 

まぁ、複雑と言っても儀式を始める時だけだし…一度開始したら後はエネルギーが必要な分を確保するまで自動で継続するし…

 

 

「……良しっと、これでエネルギー確保の準備はOKだ……後は異変が長く続く事を願うだけだね♪」

 

 

異変が長引けば、その分エネルギーが確保出来るからね♪

 

 

そして、僕の願い通り異変は長引いてくれた。

 

 

何せ解決する側の方が協調性が無いから、未だに足の引っ張り合いをしているからね……もしかして、文ちゃんが煽んなくても潰し合ったかもね(^_^;)

 

 

このまま、順調に行けば目的が達成出来るだろうね。

 

 

だけど、そうそう都合良く事態は動かなかった。

 

 

文ちゃんが驚くべき報せを持ってきたからだ。

 

 

「……つまり、その命蓮寺と永遠亭と白玉楼?…って所が手を引いたって事だね?」

 

 

「そうですよ、どちらも余力は充分に残ってるのにですよ?」

 

 

リタイヤでは無く自ら望んで引いたって事だね。

 

 

「お陰で他の皆さんが共闘、若しくは休戦してこちらに押し掛けて来ている所です」

 

 

…不味いね、まだエネルギーの確保は終わって無いのに…

 

 

「メリル、エネルギーの方は後どれくらい掛かる?」

 

 

「あと少しだけ掛かります」

 

 

「そう、解った…」

 

 

なら、時間を稼がないとね。

 

 

「文ちゃん…もしかしたら、命蓮寺と永遠亭と白玉楼は自分が引く事によって事態を動かしたのかもね…」

 

 

「…成る程、何れもトップは海千山千の方達ですからね」

 

 

「文ちゃんはそろそろ退避した方が良いんじゃない?…ここ、戦場になるよ?」

 

 

「いえいえ、戦いに参加しませんが最後まで取材させて貰いますよ……そっちこそ、三人で大丈夫ですか?」

 

 

「大丈夫だよ♪…それに勝つ事が目的じゃないしね☆」

 

 

「そうですか、なら頑張って下さい……特ダネ期待してますよ」

 

 

文ちゃんがそう言った時、侵入者を告げるサイレンが鳴った。

 

 

「来た様だね…ライカ!!…メリル!!……迎え撃つよ!!」

 

 

「了解ですぅ〜♪」

 

 

「了解しました」

 

 

僕達三人は侵入者を迎撃すべく、ダムから出て上空に飛んだ。

 

 

そこには神奈ちゃんと諏訪ちゃんが居た。

 

 

「どうやら、一番乗りは神奈ちゃんと諏訪ちゃんみたいだね♪」

 

 

「シオン!!…とんでも無い事をしてくれたな……お陰で、また守矢かと言われたでは無いか!!」

 

 

いや、神奈ちゃん…そう言う問題なの?

 

 

「そうだよ〜!!…信者が減ったらどうすんのさ!!」

 

 

諏訪ちゃんまで……他に心配する事無いのかな?

 

 

「まぁ、それはともかくとして……シオン、人間の分際で神を作り出そうなど、随分と大それた事を考えたな!!」

 

 

「…人間が人形を作るのと、どう違うんだい?…神奈ちゃん」

 

 

「バカな!!…我らを人形と同列に扱うつもりか!?……お前はどこまで神を愚弄するつもりだ!!」

 

 

「…神奈子の言う通りだよ…大体、神ってのは造り出す物じゃない……神はそうやって出来る物じゃないんだよ?」

 

 

「じゃあ、諏訪ちゃんの言う神って何なの?」

 

 

僕は諏訪ちゃんに聞いたけど……実はあまり興味が無いんだよね…まぁ、時間稼ぎって事で…

 

 

「神ってのはね、皆を導いてかないといけないの……皆が正しい道に行ける様に手助けをしないといけないの……信仰はその対価で貰ってる様な物だよ……ただ力があるだけで神と崇めよなんて、独り善がりだよ?」

 

 

諏訪ちゃんは優しく諭す様に言った……何か、今一瞬神奈ちゃんが嫌そうな顔したけど……何かあったのかな?

 

 

「だから、神なんか造り出したって…皆が認めないなら、それは神じゃないよ?」

 

 

「諏訪子の話を聞いて解ったろう?…そもそも、自然の摂理に逆らって人が神を造り出そうなど、傲慢極まりない…そんな欲望、捨てた方が身の為だぞ?」

 

 

……うん、正論だね…神奈ちゃんの言ってる事は間違って無いね……でもね…

 

 

「神奈ちゃん…人はね、欲深いんだよ?…傲慢な生き物なんだよ?…欲しい物があったら手段を選ばず手に入れる、必要ならタブーすら犯す……人間の文明はそうやって築かれたんだ…だから僕がやってる事は人の道理そのものだよ?」

 

 

「愚かな、自らが人の…人間の体現者と言うつもりか!?…それは人の傲慢では無い!!…お前自身の傲慢だ!!…もはや言葉を持って諭すのは無理の様だな……ならば力を持って諭すのみ!!…お前を守矢の信者として導いてやろう!!」

 

 

守矢の信者として…か。

 

 

「…神奈ちゃんは優しいんだね?」

 

 

「?…何を言ってる?」

 

 

「いや、あんな裏切りにも等しい事やってるのに…まだ守矢の信者として見てる事がだよ」

 

 

これは皮肉じゃなく本気でそう思ってる……普通だったら抹殺ものだよ。

 

 

「まぁ、私達もシオンの事を利用してたからねぇ〜……それについては私達も人の事を言えないのよ」

 

 

確かに諏訪ちゃんの言う通り、互いに利用し合っていたからね。

 

 

「だからと言って、お前の行いを許した訳では無いがな…」

 

 

「そうだね、神奈子…じゃあ、お喋りはここまでだよ……言っておくけど、私達が勝ったら…」

 

 

そして、二人は声を揃えて宣言した。

 

 

「お前は守矢の正式な信者になって貰う!!」

 

 

「って結局それかい!!」

 

 

僕とそれまで黙ってたライカとメリルが声を揃えて叫んだ。

 

 

あ〜、もう…結局こう言うノリになるんだね…はぁ…

「ライカ、メリル、二人とも武装2で対応…その二人は任せたよ♪」

 

 

「待て!!…シオン、何処へ行くつもりだ!!」

 

 

「別のゲストを迎えにだよ、神奈ちゃん♪」

 

 

僕はそう言って、更に上昇した。

 

 

そこには博麗霊夢と早苗ちゃんが居た。

 

 

「やあ、博麗霊夢に早苗ちゃん…久し振りだね♪」

 

 

「久し振りだね♪……じゃないわよ!!…アンタは何でこうも騒ぎを起こすのよ!!…異変を起こした、なんて聞いた時ぶっ倒れるかと思ったわよ!!」

 

 

あら〜、博麗霊夢エキサイトしてるねぇ〜…アレかな?…俺は最初からクライマックスだぜ!!…ってヤツかな?

 

 

「そうですよ!!…貴方がこんな事をするなんて失望しました!!…共に巨大ロボを造り上げ、幻想郷中に守矢の信仰を広げると夕日に誓った、あの日を忘れたんですか?…なのに異変を起こすなんて、異変バスターの私とついでに霊夢さんに挑戦すると言う訳ですか、中々やるじゃないですか!!」

 

 

あの、早苗ちゃん?…そんなの誓った覚え無いんだけど……後、言葉の前半と後半が真逆だよ?

 

 

「え〜っと……お前は何を言っている?」

 

 

僕は思わず早苗ちゃんにそう言った。

 

 

「早苗…貴女は少し黙ってて…」

 

 

博麗霊夢も同じ気持ちみたいだね。

 

 

「とにかく、アンタを止めるわ!!」

 

 

「博麗霊夢も神を造るのは反対みたいだね」

 

 

「そんなのはどうでも良いわ、私は異変を解決するのが仕事なんだから」

 

 

博麗霊夢はあまり神とか仏とかに興味無いみたいだね……巫女の癖に…

 

 

「まぁ、良いけどね…でも、二人だけで僕を止められると思ってるの?」

 

 

「思ってます!!」

 

 

「思ってないわよ!!」

 

 

僕の問い掛けに早苗ちゃんは自信満々に出来ると言い、博麗霊夢は堂々と出来ないと言った。

 

 

「だから、あの子も連れて来たわ……正直、核弾頭に核弾頭をぶつける様な物だから気は進まないけど…」

 

 

あの子?…僕は博麗霊夢に質問しようとしたが、上空に強い魔力を感じたので上を見て絶句した。

 

 

「また会ったね、シオン」

 

 

そこにはフランちゃんが居た。

 

 

僕は『上空』を見て固まってしまった。

 

 

「さすがにアンタも驚いたみたいね?」

 

 

「……うん、驚いたよ…」

 

 

僕は博麗霊夢の問い掛けにそう答えた……そして、僕は恐る恐る言葉を発した。

 

 

「まさか、黒だなんて……意外とセクシーなパンツを履いてるね…フランちゃん」

 

 

「ってお前は何処を見とんじゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

三人は異口同音で叫んだ。




ここまで読んで戴いて有り難うございました。


今回は主人公が異変を起こすと言う回でした。

一応、目的があってあんな事をしているのですが…巻き込まれた方は堪った物ではありませんね。

書いていて、意外と文ちゃんと良いコンビだな…と驚きもしました。


次回、戦闘がメインになります。
そして、守矢は本当に主人公を信者にするつもりなのか?
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