まぁ、つまり今回に限り因幡てゐが主人公ですが……気分はホラー映画の主人公と言った所です。
ホラーと言っても、それ程恐くはありませんが…
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
何なの?…一体何が起きたのよ…
今、私は竹林を逃げ回っている……恐ろしい追手達から逃げている。
アイツら何なのよ?…あんな化け物見たことが無い。
今、竹林は悪霊やゾンビ達がひしめき合い…空には不気味な巨大イナゴ達が占領している。
まさか、師匠が実験に失敗してバイオハザードを起こしたのかな?
「ウゥゥ…アァアァァ!!」
前方からゾンビの一団が唸り声をあげて襲い掛かってくる。
「くっ…このぉ!!」
私はゾンビ達に向かって弾幕を放ち撃退する……が…
「ウボボボボボボ!!」
「ゲブベバボゲバラバー!!」
「ガババダガズベラァァ!!」
今の騒ぎを聞き付けて、実体の無い悪霊が一個師団位の数で迫ってきた。
…本当なら舌先三寸で煙に巻きたい所だけど…アイツらに言葉が通じないから逃げるしか無い。
「このっ!!…しつこい!!」
私は再び竹林を駆け回った。
…本当は竹林の外に逃げたかったが…それは不可能な話だった。
竹林の周りは無数の怨霊達が集い、巨大な壁となって道を塞いでた。
幾つもの顔が苦悶の表情を浮かべ、恐ろしい唸り声を常にあげている怨霊達の壁……それを見た時、私は恐怖で背筋が凍ったよ。
……どうやら悪霊達を巻けた様だね。
私は安堵し、近くの竹に寄り掛かって座り込んだ……その時…
「ウゴォォォォォ!!」
「きゃあああああ!!」
地面から手が生えて私の片足を掴んだ。
そして地面からゾンビが姿を現した。
「ちょっと!!…放せ!!」
私はもう片方の足でゾンビを蹴りまくったがゾンビは意に返さず、私に迫ってきた。
その時、炎の弾幕がゾンビに襲い掛かり一瞬でゾンビを燃やし尽くした。
「てゐ、大丈夫?」
声をした方を見ると、そこには藤原妹紅が居た。
「妹紅?…助かったよ」
「大丈夫そうね……それにしても、この騒ぎは一体…」
「解らない…突然の事で私も驚いてるよ……多分、竹林中ゾンビや悪霊だらけだよ」
「…外に出られない以上、ここは永遠亭に向かった方が良さそうね」
「そうだね…今竹林で安全な場所はそこしか無いよ」
…いくら数が多いとは言え、あの程度の連中なら師匠逹が遅れを取る筈が無い。
私と妹紅が永遠亭に向かおうとした時、突然怨霊の壁現れ私達を包囲した。
「な、何これ!?」
「てゐ!!…あっちに誰か……いや、『何か』が居るよ……多分アイツの仕業ね」
妹紅が指差した方向に『何か』が浮かんで居た。
そいつは巨大な塊で無数の顔が浮かんでいた……どうやら悪霊の集合体みたいだね。
無数の顔が一斉に私を見て口を開いた。
「…お前が、てゐ…だな?」
「そ、そうだよ……アンタは一体何なのさ?」
そいつは哄笑をあげて答えた。
「我はレギオン…1つにして複数也!!……我が主の命により貴様を捕縛する!!」
レギオンと名乗った悪霊は私に向かって突進してきた。
私は慌てて弾幕を張ったが、レギオンはその巨体に似合わぬ速度で次々と弾幕を回避していった。
「貰った!!」
レギオンが大きく口を開けて私を飲み込もうとした時…
「不死 火の鳥、鳳翼天翔!!」
いつの間にか妹紅が私の側に駆け寄り、至近距離でスペカを放った。
「ぬごぁぁぁぁぁ!!」
レギオンは私では無く大量の弾幕を飲み込み吹っ飛んで行き、自ら生んだ怨霊の壁をぶち抜いた。
「やった!!」
「いや、やってないよ…見て」
妹紅に促されてレギオンを見ると、そいつはフラフラになりながら浮かんでいた。
「ぬぅぅぅ!!…ブロンズにこれ程の男が居るとは…」
「誰が男よ!!…私は女だ!!……それとセイントでも無い!!」
「だが、我を怒らせたのは不味かったな!!」
「いや、無視するな」
「妹紅、そんな事言ってる場合じゃないよ!!……アイツ、何かするつもりだよ!!」
レギオンは大きく息を吸い込み………そして吐いた…って溜め息かよ!!
「もう許さん!!…死ね!!」
そしてレギオンは無数の黒弾を吐き出してきた。
「うわわ!!…危ない!!」
「弾幕!?…でもこの程度なら」
私と妹紅は襲い掛かる黒弾を回避し続けた。
流れ弾が当たった竹を見ると一瞬で枯れ果てて塵となって宙を舞った。
ヤバい!!…あんなの当たったら一巻の終わりだよ!!
「カッカッカッカッ…避けろ避けろ、恐怖に打ちひしがれてのたうち回れ!!」
レギオンは阿修羅マンみたいな笑い声をあげて更に黒弾を吐き出してきた。
だが、その瞬間全ての黒弾が消滅した。
「へっ?…妹紅、何かしたの?」
「いや、私じゃない…何が起こったの?」
私と妹紅が困惑していると急にレギオンが怯え始めた。
「こ、これは…まさか!!」
レギオンが叫んだ瞬間、近くで雷が落ちた。
雷が落ちた所には漆黒の馬に乗り、巨大な剣を手にした骸骨の騎士が現れていた。
!!…コイツは不味い!!…絶対に戦ってはいけない奴だ!!
私の直感がそう告げていた……そして知らず知らずの内に私は震えていた……恐怖と絶望で…
直ぐ隣に居る妹紅も青ざめた顔で震えていた。
…不老不死の蓬来人でさえこの有り様……一体、コイツは何者なんだ!?
骸骨の騎士は私達を一瞥した後、レギオンに向き直り話し始めた。
「……誰が殺せと命じた?…足止め、捕縛こそ命じたが殺せとは言っていない……レギオンよ、我輩に盟約を破らせるつもりか!?」
「そ、そんな……滅相もありません…お許しを、ブラックライダー様…どうか御慈悲を!!」
騎士の一喝にレギオンは恐れ、萎縮し許しを乞いたが騎士は冷徹な裁きを下した。
「駄目だ、愚か者め……走狗にすら成れぬのなら、せめて我輩の糧となれ!!」
騎士は無造作にレギオンを掴み上げて自らの口を大きく開いた。
「お許しを!!…どうか御慈悲を!!…ブラックライダー様、御願いします!!」
レギオンが命乞いをした瞬間、レギオンの身が溶けだし騎士の口に吸い込まれていった。
「ぎしゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
竹林にレギオンの断末魔が響き渡った……この時、私と妹紅は恐怖で金縛りにあった様に動けなかった。
レギオンを喰らった後、騎士は動けない私達に向き直り話始めた。
「…不肖な部下が失礼をした…非礼を詫びよう」
騎士は私達に謝罪の言葉を言い、頭を下げた。
一見、礼儀正しく見えるが身に纏ってる妖気が尋常じゃない……空虚な眼孔には渇望の火が灯ってる様に見える……捕まったら只じゃ済まないね…
「我輩の名はブラックライダー、主命に従い汝を捕縛する……怪我をしたく無くば、大人しく我輩の虜になるがよい」
ブラックライダーと名乗った騎士は私を見てそう言った。
「ちょっ、ちょっと待ってよ!!…私が何をしたと言うのさ!!…何でアンタに捕まんないといけないの!?」
「理由は知らぬ…ただ、我が主が汝の身柄を欲している……理由が知りたくば大人しく我輩に捕まるが良い、我が主に会わせてやろう」
「冗談じゃない!!…誰がアンタみたいな得体の知れない骸骨に捕まるか!!」
「ならば有無を言わさず連れ去るのみ」
ブラックライダーが悠然とした態度でゆっくり私に近付こうとした時、妹紅が私とブラックライダーの間に割って入った。
「待て!!…悪いけど邪魔させて貰うわ!!」
「小娘!!…邪魔立てするな!!…ただでは済まさぬぞ!!」
ブラックライダーは妹紅に対して苛烈なまでの殺気を放った。
「な!?…くっ……」
妹紅はその場でへたり込み、動けなくなった。
ブラックライダーは動けなくなった妹紅を無視して私に手を伸ばそうとした瞬間に、再び雷が落ち新たな騎士が姿を現した。
……これが白馬に乗った王子様だったらどんなに良かった事か……生憎な事に現れたのは白馬に乗った白骨様だ……風体から見てブラックライダーの仲間だろうね。
「…何をしに来た…ホワイトライダーよ」
ブラックライダーは新たに現れた騎士にそう言った……どうやら、あっちの骨騎士はホワイトライダーって言うみたいだね…
「何をしに…だと?…愚問だな、ブラックライダー……貴様と同じ目的よ」
「愚かなのはお前の方だ、決着は既についている……見よ、この通り娘は我が虜よ」
「…何を言っている、この娘にはまだ虜の印がついておらぬでは無いか」
虜の印?…何を言ってるの?……見た所、仲間には違いないだろうけど…競合相手って感じだね。
「その通り!!…まだ決着はついていない!!」
と、その時声と共にまた新たな騎士が姿を現した。
今度は赤い馬に乗った骸骨の騎士だ。
「レッドライダーよ…汝も邪魔立てする気か!?」
「フンッ!!…我とてみすみす手柄を奪われる気は無い!!……何しろ、褒美があの麗しき黄金の使徒がもたらす至宝だからな」
成る程ね、どうやらこの三人の騎士は誰かの配下で褒美を巡って争ってるみたいだね……まぁ、これ程の存在が目の色を変えて競っているんだ…相当凄いお宝なんだろうね。
「馬鹿者どもが!!…直接の妨害はルール違反だぞ!!…まさかトランペッターの目を誤魔化せると思うていないだろうな!?」
「確かに直接の妨害はルール違反だ……だがブラックライダーよ…1つ忘れているぞ」
「ホワイトライダーの言う通りだ…貴様は1つ失念している」
レッドライダーがそう言った後、指をパチンと鳴らした。
直後に私と妹紅は動ける様になった。
「フンッ…殺気を飛ばして暗示を掛けるとは…存外セコイな、ブラックライダーよ」
「何を言う!!…生け捕りが優先なら有効な一手であろう!!…それよりも良くも妨害してくれたな!!」
「妨害?…違うな、これは娘達を助ける為に暗示を解いただけ……断じて妨害では無い」
ブラックライダーの言葉にレッドライダーはしれっと答えた。
「レッドライダーの言う通りだ…あくまで娘達を助ける為の行いだ……ルールでは娘達を助ける事は認められてる」
ホワイトライダーも同調する様に言った。
その後ホワイトライダーが私達に向けて手をかざした。
「そして、これも娘達を助ける為の行い……さぁ、仕切り直しだ」
ホワイトライダーの手が妖しく光った瞬間、私と妹紅は遥か遠くまで強制的に瞬間移動させられた。
…コイツら、私達で遊んでやがる!!…コイツらの主は相当ひねた性格をしてるね。
「ここは……何処かしら?…竹林の中には違いないだろうけど」
「さっきの場所から大分離れた所だね……ここからなら永遠亭はすぐだよ……妹紅、急ごう」
「そうね」
私達は永遠亭に向かって再び歩き出そうとした時、行く手を遮る様に怨霊の壁が現れた。
!!…しまった!!…これは罠だ!!…迂闊だった、考えてみればこの状況で永遠亭に向かうなんて簡単に予想がつく事だ……奴等ほどの存在が気付かない筈が無い!!……だって、アイツらは…
そして私達の目の前に雷が落ち、馬に乗った巨大な鎌を持った骸骨の騎士が現れた。
「待っていたぞ……私の名は…」
「ペイルライダーだね」
私は騎士の言葉を遮って言った。
「ほう…知っていたか」
「まぁね、伊達に長生きはしてないよ」
「てゐ、コイツらを知っているのか?」
「遥か昔に聞いた事があるんだ……遠い異国に伝わる話なんだけど…コイツらは終末の時に現れる騎士……眉唾だと思っていたけど、本当に存在していたんだね」
まぁ、知ってるからと言って状況は好転しないけどね。
「眉唾な存在と言うのならお前らも同じであろうよ、因幡の白兎よ……私もお前も同じ幻想世界…お伽噺話の住人であろう?」
「アンタみたいな剣呑な奴と一緒にしないでよ……私は平和主義者なんだ、アンタみたいな裁きの使徒じゃないよ!!…友達が欲しいなら閻魔様の所にでも行ってくれ」
「クックックッ…私を前にして見上げた根性だな……あの少年を思い浮かべるよ……まぁ、あの少年は私から見てもぶっ飛んでいるがな」
……誰なんだろうね?…その少年って…コイツから見てぶっ飛んでるなんて……私なんか虚勢を張るのが精一杯なのに…膝が笑ってるよ。
「私が欲しいのは友達では無い……あの少年が持つ至宝よ……お喋りはここまでだ」
ペイルライダーが私に近付いてくる……逃げなくちゃ……でもダメだ、足に力が入らない…恐怖で立ち竦んで動けないよ…
「待て!!…コイツを連れて行くなら私を倒してから行け!!」
バカ!!…妹紅、いくらアンタでも相手が悪いよ!!…コイツはその気になれば魂を砕く事が出来るんだ!!……不老不死の蓬来人でも魂が砕かれたら死んじゃうよ!!
「娘よ…お前に対しては特に何も言われていない、従って邪魔しなければ何もしない……だが、それでも敢えて邪魔するのならば……ただでは済まさん!!」
「…生憎、私はそこの性悪兎と違って頭が良くないからね……アンタがどれ程強いかなんて知らないのよ」
嘘つくな!!…本能で敵わない事に気付いてるでしょ!?…ほらっ、アンタも膝が笑ってるじゃない!!
「それに、そんな性悪でも見殺しにしたら目覚めが悪いのよ!!」
「……妹紅、もう良いよ…そこまでする義理なんて無いでしょ?…アンタは逃げな……大体そんなの、アンタらしくないよ」
「らしくないのはどっちよ…お前は何時も人をスケープゴートにして自分だけ逃げてるじゃない」
「これは何時もの悪戯と訳が違うよ!!…良いから逃げな!!…アンタが死んだら慧音だって悲しむでしょ!!」
「私は不老不死だから死なない…それにお前だって、お前の身に何かあったら鈴仙や永琳が悲しむわ!!」
「……それ位にしろ…時が押してる」
私達の言い合いをペイルライダーが遮った。
「…娘よ、どうあっても引かぬのだな?」
「当然よ!!」
「ならば、何も言うまい……これを駄賃にするが良い!!」
閃光が走った……ペイルライダーが妹紅に向かって手をかざした瞬間、眩い光が妹紅を包んだ。
…遅れて爆発音が竹林に響き渡り爆風で周辺の竹がしなり、折れていった。
「もこうぅぅぅぅぅぅ!!」
…何でこんな事に…妹紅のバカ!!…私なんて放っておけば良かったのに!!
爆発が起きた所には何も残されてなく……?…残されてなく?……アレッ?…妹紅?…何でアンタ無事なの?…死んだんじゃなかったの?
「………アレッ?…何ともなってない」
妹紅は困惑した表情で立ち竦んでいた。
ん?…妹紅の足元にバカデカイ、トランクケースが置いてある。
「…娘よ、開けてみるが良い…」
ペイルライダーは厳かに妹紅に言った。
妹紅は言われるがままトランクケースを開けた……中に入っていたのは…
「凄い!!…こんなの見たことが無い…」
トランクケースには金銀白金、何カラットあるのか解らない色のついたダイヤにサファイア、ルビー、エメラルド等の宝の山がギッシリ入っていた。
「それは駄賃だ…取っておけ…」
私達がポカーンとしていたらペイルライダーがそう答えた。
「言ったであろう?…ただでは済まさんと…」
「『ただ』って、そう言う意味か!!」
「そうだ、それで手を引いて貰う……そして!!」
ペイルライダーは私に向かって手を伸ばし、胸元に(えっち!!)ペタッと赤い札を張った。
「何これ?…差し押さえ?」
赤い札にはそう書いてあった。
「さぁ、虜の印を張った……トランペッターよ、勝利のファンファーレを鳴らせ!!」
ペイルライダーが空に向かって叫んだ……暫くして辺り一面に勝利者を讃えるラッパが鳴り響いた。
「捕縛御苦労さん♪…やっぱりペイルライダーが捕まえたね♪…ライカ、賭けは僕の勝ちだよ♪」
「ちぇ…負けちゃった……あ〜あ、ブラックライダーが勝つと思ったのに…」
「…二人とも、いい加減にして下さい……全く、悪ふざけが過ぎます」
竹林の奥から三人の人影が現れた。
アイツらは…確か、シオンとライカとメリル……永琳の患者とその従者じゃない!!
「って全部アンタの仕業かぁぁぁぁぁ!!」
「そうだよ、てゐちゃん♪…君に用があってね……まぁ、取り敢えず…」
シオンはそう言ってペイルライダーに話し掛けた。
「それじゃあ、ペイルライダー…ご褒美だよ♪」
シオンはそう言って何かをペイルライダーに渡した。
「おお!!…これこそ麗しき黄金の使徒がもたらす至宝!!…ありがたや、ありがたや!!…ハレルヤ、ハレルヤ!!…エリエリレバ、サバクタニ!!」
ペイルライダーは歓喜し、その場で躍り狂った………って言うか…アレって……(^_^;)
「なぁ、てゐ……アレッて確か…」
「そうだね、妹紅……あれ…玩具の缶詰めだね」
……麗しき黄金の使徒って…金のエンジェルマークかい!!
「ぐぉぉぉ!!…何と言う事か!!…天は我が輩を見捨てたかぁぁぁぁ!!」
「至宝が…至宝が…ペイルライダーの手に……うぉぉぉぉぉん!!」
「おのれ!!…おのれおのれおのれ!!…口惜しや、口惜しやぁぁぁぁぁ!!」
いつの間にか三人の騎士が姿を現し、皆号泣していた……おまいらも欲しかったんかい!!
と、そこへラッパを持った骸骨の楽士が現れた。
「トランペッターも審判ご苦労さん♪…はいこれ♪」
「ありがたき幸せ……あと一枚…あと一枚だ…クックックックッ♪」
…銀のエンジェルマーク……もう一度言う…おまいらそんなに欲しかったんかい!!
「…それで、シオン…私に用って何なの?」
私は脱力しながら言った。
「てゐちゃん、君が隠した屋台を出して♪…ほら早く♪」
「はぁぁぁぁぁん!?…アンタそれだけの為にあんな騒ぎを起こしたの!?」
「そうだよ、それがどうしたの?」
こ、こいつ……信じられない…
私は確信した…ハッキリと確信した……コイツ、私より質が悪い!!
とその時、霊夢が姿を現した。
そして、妹紅のトランクケースを見るなりシオンに怒鳴り込んできた。
「シオン!!…アンタは…アンタは何でこう騒ぎを起こすのよ!!…竹林中酷い有り様じゃない!!…何で毎回私が尻拭いしないといけないのよ!!…しかも、また私に厄をくれて関係無い奴に恩恵を与えて!!…もしかしてアレなの?…私の事が大っ嫌いなの!?…それとも妹紅の事が好きなの!?…愛しちゃったんですかコノヤロー!!」
「落ち着いて、言葉尻がおかしくなってるよ……もう、可愛いんだから♪」
「やかましいわぁぁぁぁぁ!!」
「ぎゃああああああ!!」
うわっ…アレって地獄卍固めじゃん……霊夢の奴、プリンス・カメハメに弟子入りしたのかな?
「…なぁ、てゐ……結局、この騒ぎは何だったの?」
「知らないよ妹紅…私が聞きたい位だよ……やれやれ、また騒ぎを起こさない内に屋台を夜雀に返さないと……所で妹紅…その財宝どうするの?」
「ん?…これか?…そうね……家を新しくするかな…」
「妹紅…アンタ竹林に豪邸でも立てるつもり?」
ここまで読んで戴いて有り難うございます。
今回は因幡てゐが主人公でしたが、一番得したのは藤原妹紅でしたね。
本当はもっと因幡てゐを悪戯兎にしたかったのですが…意外と操縦が難しくて出来ませんでした。
次回、屋台イベントかな?