魔法使い君が幻想入り   作:猫太子

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ふふふ……シオンが風呂に入ってる今の内に…

どれどれ……おっ♪…この巾着袋にお宝の匂いが♪

この間の竹林での仕返しをさせて貰うよ…シ・オ・ン♪

って、雪崩が!?…ちょっと!!…この巾着袋にどんだけ物が入ってるのよ!?…四次元ポケットか!!

あ〜あ、脱衣所が一瞬でゴミ屋敷だよ……しょうがない、この中から目ぼしい物を失敬させて貰うよ♪

…この刀は何だろ?…刀身ボンヤリと薄緑に輝いてるけど…ん?…柄に名前が掘ってある…義経?……いやいや、流石に贋作だろ…

ん?…こっちの鏡は何だろ?……!!…ってちょっと!!…これってラーの…いやいやいや…いくら何でも有り得ない…これこそ贋作よ!!

ええ!!…この二股の赤い槍って、まさか!!…ロンギ…いやいやいやいや、んなバカな!!

……何か、とんでも無いのに手を出しちゃったかも…

ん?…この瓶は?……どうやら酒みたいだね……随分と厳重に封印されてるね……これは秘蔵の酒かな?

良し、コイツを戴こう♪

…でも、私だけ独り占めするのは良くないね……むっふっふっ♪…良いこと思い付いちゃった♪

ちょうど夜雀のお詫びになるしね♪


窃盗は危険な香り☆

永遠亭の庭先に、うどんげちゃんの歌声と手拍子が響き渡る。

 

 

僕はそれに合わせてダンスを踊っている。

 

 

…何でそんな事をしているのかと言うと、これも体力作りの一環らしい。

 

 

毎回、同じ運動で飽きるから今日は違う事をしましょう……って、うどんげちゃんが言ってたんだけど……うどんげちゃん、随分とノリノリだねぇ〜

 

 

ライカとメリルも「HEY(゚∀゚)o彡゚ HEY(゚∀゚)o彡゚」と合いの手を入れてくる………それにしても…

 

 

「うどんげちゃん…何でスイートマジックなの?」

 

 

「最近、良く聴く曲なので♪……何か問題有りますか?」

 

 

「い、いや無いよ(^_^;)」

 

 

…随分と可愛い歌を聴くんだね……いや、別に良いんだけど…

 

 

まぁ、そんなこんなで振り付けを今日一日でマスターしてしまったよ……何せ日が暮れるまでやってたからね。

 

 

「今日はこの位にしておきましょう……彼処で待ってる人も居ますし…」

 

 

うどんげちゃんが苦笑いを浮かべて言ってきた。

 

 

「うん、解った……ここの所、毎日来るねぇ〜」

 

 

僕も苦笑いを浮かべて答えた。

 

 

「マスター、モテモテだねぇ〜♪」

 

 

「……あまり永遠亭の皆さんに迷惑を掛けない様にお願いします……また紅魔館や守矢神社の時みたいな騒ぎを……まぁ、既に手遅れな気もしますが…」

 

 

ライカは何時もみたいにニコニコして、メリルは仏頂面で呟いた。

 

 

「メリルゥ…僕は別に好き好んで騒ぎを起こしてる訳じゃないよ♪……ただちょっと手加減しないだけだよ♪」

 

 

「それが問題なんです、マスター!!…霊夢さんじゃありませんが、本当に何時か痛い目に逢いますよ?」

 

 

「解ってるってメリル♪…って言うか、これは僕じゃなく騒ぎの方がやって来てるんだけどね…」

 

 

僕は庭先で待ってる人物を見て言った。

 

 

「シオン!!…今日こそ決着をつけてやる!!」

 

 

「フラン様…最近それが常套句になりつつありますね」

 

 

フランちゃん…相変わらずだねぇ〜……そして咲夜ちゃん…ご苦労様(^_^;)

 

 

「何か騒がしいと思ったら……アンタまた来たの?…暇そうで羨ましいわね」

 

 

騒ぎを聞き付けて博麗霊夢が姿を現した……いや、暇そうにしてるのは博麗霊夢も同じじゃん。

 

 

「…まるで姫様と藤原妹紅みたいね」

 

 

永琳ちゃんが溜め息をつきながら現れた。

 

 

…もこちゃんもタマに来て輝夜ちゃんと殺し合い(殺し愛?)してるのを見掛ける事があるけど……僕達はあんなに殺伐としてないよ。

 

 

「ほらっ、五月蝿いからさっさと相手しなさい」

 

 

「解ったよ博麗霊夢……ちょうど試してみたいスペルカードがあるから相手するよ」

 

 

「スペルカード?…アンタ何時の間にそんなの作ったのよ?」

 

 

「構想自体は大分前から出来てたんだけど、実用出来る様になったのはつい最近だよ……まぁ、既存のスペルカードとは大分違うかも知れないけどね」

「へぇ〜、面白いじゃない…見せてみなさいよ」

 

 

博麗霊夢が興味津々に言ってきた……どうやら他の皆も興味があるみたいだね♪

 

 

「じゃあ、早速そのスペカを見せて貰うよ…シオン」

 

 

フランちゃんがそう言って身構えた……他の皆も巻き込まれない様に僕達から距離を取った。

 

 

そして、フランちゃんから大量の弾幕が放たれた。

 

 

「おっと♪…お返しだ」

 

 

僕はフランちゃんの弾幕を回避しながら通常弾幕で牽制した。

 

 

「何よ、それが新しいスペカだなんて言わないよね?」

 

 

フランちゃんは難なく回避して文句をつけてきた。

 

 

「アハハ♪…勿論違うよ…ただ、このスペカは単体じゃ効果が無いからね♪」

 

 

「ふ〜ん、そうなんだ……何か知らないけど発動に条件があるみたいね?……じゃあ私から行くわ……スペカ見せる前にピチュんないでよね?」

 

 

「良いよ〜♪…それ程難しい条件じゃないから、ちゃんと見せてあげるよ…そっちこそ覚悟しててね♪」

 

 

「フンッ…余裕ぶって…禁忌 クランベリートラップ!!」

 

 

来た来たー!!…この瞬間を待ってたよ♪

 

 

フランちゃんがスペカを使った瞬間フランちゃんから光の粒子が発生して、その粒子が僕に吸い込まれた。

 

 

「アレッ?…スペルが発動しない…嘘、不発?」

 

 

「不発じゃないよ、フランちゃん……そのスペルのパワーを僕が吸収したから発動しないんだよ♪」

 

 

そう、これが僕が新たに作ったスペルカード……そして…

 

 

「行くよ、フランちゃん……返し札 復讐の残光!!」

 

 

僕の掌から強烈なごん太ビームが放たれた。

 

 

わわっ!!…自分でもビックリする程の威力だ!!……フランちゃん、殺る気満々じゃん…

 

 

「きゃああああああ!!」

 

 

フランちゃんはビームに晒されて、あっさりピチュッた。

 

 

「フラン様!!…大丈夫ですか!?」

 

 

咲夜ちゃんが慌ててフランちゃんに駆け寄る。

 

 

「いたた……大丈夫よ、咲夜……でもビックリした……今の何?」

 

 

フランちゃんはフラフラになりながら聞いてきた。

 

 

「成る程、相手の力を吸収してスペルを無効化して吸収した力をそのまま相手に撃ち返すと言う訳ね……スペルカードと言うよりカウンタースペルと言った方が正しいわね」

 

 

フランちゃんの疑問に答えたのは永琳ちゃんだった……う〜ん、随分とあっさり見破るんだね。

 

 

「その通りだよ、永琳ちゃん♪…良く解ったね♪」

 

 

「まぁ、永琳も伊達に月の頭脳と呼ばれて無いからね……でもシオンそれ反則よ、常時相手のスペカを無効にするなんて弾幕ごっこにならないわよ」

 

 

「いえ、霊夢…それは違うわ……多分今のスペルカードは通常の弾幕を撃ってる時にしか使えないわ…そうでしょ、シオン?」

 

 

「アハハ…永琳ちゃんホント凄いね……うん、そうだよ……大魔法…幻想郷ではスペルカードって言った方が良いかな?…と併用する事は出来ないんだ」

そうなんだよね……今のスペカって相手の魔力の波長を合わせたりする必要があるから制御が難しいんだ……もし大魔法と併用したら頭がヒットして死ぬ。

 

 

「…何れにしろ相手のスペカ無効は半ばズルに近いわ…ちゃんと相手を見て無闇に使っちゃダメよ?……弱い相手に使うのは禁止ね」

 

 

「解ったよ、博麗霊夢……でもフランちゃんみたいに強い奴相手なら遠慮無く使わせて貰うよ♪」

 

 

元々このスペカは強敵相手に対抗する為に編み出したヤツだからね……それはそうと…

 

 

「フランちゃん…まだ続ける?」

 

 

「当然よ!!…まだまだやるわ!!」

 

 

フランちゃんは元気一杯に答えた……じゃあ仕切り直しだね♪

 

 

「続けるのは構わないけど、弾幕ごっこは1日一時間よ……良いわね?」

 

 

「は〜〜い…」

 

 

永琳ちゃんの言葉に僕とフランちゃんは異口同音で答えた。

 

 

「それじゃあ私は診察室に戻るから、うどんげは夕飯の支度をお願いするわ」

 

 

「解りました……霊夢さんも手伝って下さい」

 

 

「…仕方無いわね……メリル、アンタも手伝ってね」

 

 

「了解しました…ライカ、貴女はマスター達を見ていて」

 

 

「解ったよ、メリル♪」

 

 

「夕飯の支度でしたら私も御手伝いします……毎回、妹様が御迷惑をお掛けしてますから、せめてこの位はさせて下さい」

 

 

「それじゃあ、咲夜さん…お言葉に甘えさせて貰います」

 

 

と、最後にうどんげちゃんがそう言って咲夜ちゃんと博麗霊夢とメリルを連れて厨房に向かった。

 

 

そして僕とフランちゃんは一時間フルで弾幕ごっこをやった。

 

 

…勝敗はどうなったって?…一時間でケリがつく訳無いじゃん♪

 

 

弾幕ごっこの後、汗を流す為に風呂に入ったんだけど……その時てゐちゃんが脱衣場でゴソゴソやってたんだけど……ちゃんと片付けて欲しいな……僕の所持品で脱衣場が埋まっちゃって片すの大変なんだから…

 

 

風呂に入った後、僕は食事を取る為に居間に向かったんだけど、てゐちゃんの姿だけ無かったんだ……代わりにフランちゃんと咲夜ちゃんの姿があったけどね。

 

 

「遅かったわね、シオン」

 

 

博麗霊夢が声を掛けてきた。

 

 

「うん、ちょっとね……」

 

 

てゐちゃんが脱衣場に居たから出るに出れなかったんだよ。

 

 

「そのまま出てこなくても良かったのに」

 

 

「姫様、そう言う事は言わないで下さい……じゃあ、皆が揃った所で戴きましょう」

 

 

永琳ちゃんの言葉で僕達は食事を始めた。

 

 

「所でシオン、アンタ明日は屋台の手伝いがあるんでしょ?…しっかりやんなさいよ?…バイト代(御賽銭)が掛かってるんだから」

 

 

「解ってるよ、博麗霊夢……それよりバイト代(御賽銭)って、どう言う意味?」

 

 

「あら、決まってるじゃない……博麗神社への御賽銭よ」

 

 

「それって、僕タダ働き?」

 

 

「良いじゃないのよ、アンタは別にバイト代なんか無くても充分でしょ?」

 

博麗霊夢は2828しながら言った。

 

 

「え〜、うん…でへへ♪」

 

 

なんて口走った瞬間、何処からともなくフォークが飛んできて僕の眉間に突き刺さった。

 

 

「ふぎゃっ!!…何なの!?」

 

 

咲夜ちゃんが苦笑いしながらフォークを回収して仏頂面のフランちゃんに渡していた……一体、何なの!?

 

 

「一応、うどんげも付き添いで行かせるつもりだけど……行かせない方が良いかしらね」

 

 

永琳ちゃんがクスクス笑いながら言った。

 

 

「大丈夫ですよ、師匠……邪魔する気は無いですから」

 

 

うどんげちゃんも2828しながら答えた……も〜、皆して〜

 

 

「ねぇ咲夜、私も屋台の手伝いに行って良い?」

 

 

「はぁ、お嬢様に聞いてみないと解りません…」

 

 

フランちゃんの質問に咲夜ちゃんが困った表情で答えた。

 

 

「ってフランちゃん!?…一緒に来るつもりなの?」

 

 

「何?…一緒に行っちゃいけない理由があるの?」

 

 

「いや、別に無いけど…」

 

 

「じゃあ良いじゃない」

 

 

と、フランちゃんが不機嫌そうに答えた……むぅ〜、何か怒らせる事したかな?

 

 

「そう言えば、てゐの姿が見えないけど……永琳知らない?」

 

 

「いえ、存じません……もしかしたら何か悪戯でも考えているのかも…」

 

 

「そう……てゐも困ったものねぇ」

 

 

輝夜ちゃんが溜め息を吐いて答えた……う〜ん、あれ以降僕もてゐちゃんと顔を合わせて無いけど……どうも裏で何かやってるみたいなんだよね……文ちゃんと接触が有ったみたいだし…

 

 

僕達は食事を終えると各々の部屋に戻って行った……フランちゃんと咲夜ちゃんは帰って行ったけど…あの分じゃ明日も来そうだね。

 

 

そして翌日の夕方、僕はうどんげちゃんの案内で屋台のある所へ向かった。

 

 

「あっ、シオン来たね」

 

 

とミスティアが迎えてくれた。

 

 

「遅いよ、シオン」

 

 

…そこには既に日傘を差したフランちゃんの姿があった。

 

 

「フランちゃん…早いね……そう言えば、咲夜ちゃんは?」

 

 

「咲夜は今日、外せない用事があるって言ってたから来てないよ……何か、姉様と真剣な顔で話し合ってたけど…」

 

 

「ふ〜ん、そうなんだ……まぁ良いや…それでミスティア、何をすれば良いかな?」

 

 

僕はミスティアに聞いてみた。

 

 

「取り敢えず、そこにテーブルと椅子を並べてね」

 

 

「ん…解った♪」

 

 

僕とフランちゃんが一緒にテーブルと椅子を並べるのを横目に、うどんげちゃんが訝しげにミスティアに質問をしていた。

 

 

「随分と大掛かりね、普段はテーブルなんて並べないのに」

 

 

「うん、実はね…今日は団体客が来る予定なの……あの悪戯兎が、お詫びの代わりに客を呼んだって言ってたよ」

 

 

…てゐちゃんが?…怪しさ大爆発なんだけど…

 

 

「何でも今日は文さん経由で妖怪山の河童や守矢の巫女に魔理沙さんとアリスさん…後、鬼の人が来るって言ってたよ……屋台だけじゃ、ちょっと狭いからテーブルを用意するのよ」

「ふ〜ん、大所帯だね」

 

 

僕はテーブルと椅子を準備しながら言った。

 

 

「そう言えば、霊夢さんも後で様子を見に来るって言ってたわね」

 

 

「そうなの?…でも、それって単にヤツメウナギが目当てじゃない?」

 

 

うどんげちゃんの言葉に僕は苦笑いしながら答えた。

 

 

「所で、鬼って一体誰の事?…もしかして鬼巫女の事?」

 

 

「違うよ、シオン…鬼は伊吹萃香って人の事だよ……あの悪戯兎が珍しい酒が手に入ったって言ってたから多分それ目当てだよ…鬼は無類の酒好きだから」

 

 

「そうなんだ…まぁ、吸血鬼や天狗が居るんだ……鬼が居てもおかしくないね」

 

 

何せここは幻想の世界だからね♪…それにしても伊吹萃香か……伊吹…伊吹…ん?……伊吹童子?……いや、まさかね…

 

 

「シオン、手が止まってるよ?」

 

 

「あっ、ごめんごめんフランちゃん……ちょっと大江山の鬼退治の話を思い出して♪」

 

 

と、その時何処からともなく声が響いた。

 

 

「嫌な話をする坊やだねぇ〜」

 

 

「誰だい?…霧に変化して話し掛けるのは……レミちゃんじゃないよね?」

 

 

「おや、バレてたのかい……文やてゐの話だと出来る坊やだと聞いてるけど本当みたいだね………もっとも強さ以上に質の悪さを強調してたけど」

 

 

そりゃ、姿形が変わっても魔力…妖気の流れが、そのままだからね……まぁ向こうも本気で、かくれんぼしてる訳じゃないみたいだけど…

 

 

霧が一ヵ所に集まって一人の少女……いや幼女が現れた。

 

 

頭に二本の大きな角を生やし、徳利を持った酔っ払いの幼女……この子が伊吹萃香だね。

 

 

「初めましてだね、私は伊吹萃香……萃香でいいよ…それにしても、随分とコッチの世界の昔話に詳しいね?…異世界から来たと聞いたんたけど…」

 

 

「僕の居た世界はあらゆる知識が集まる所だからね……それに、この星には色々と所縁があるんだ♪」

 

 

「へぇ、そうなんだ……じゃあ、美味しいお酒とか知らない?」

 

 

「僕は未成年だから知らないよ……そう言うのは師匠の方が詳しいよ…」

 

 

「幻想郷に未成年は飲めないなんてルールは無いよ……まぁ、シオンは異世界の人間だから仕方無いか……まぁ良いさ…あの悪戯兎の話じゃ今日は珍しい酒が飲めるみたいだしね」

 

 

萃香ちゃんはそう言って近くの椅子に座った。

 

 

「まだ開店前だから酒と料理は出ないよ?」

 

 

「解ってるよ、ミスティア……店が開くまで自前の酒でも飲んで待ってるよ」

 

 

萃香ちゃんはそう言って酒を飲み始めた……うぇ、酒臭い…相当強い酒を飲んでるね…

 

 

そして、屋台の準備が出来た頃に文ちゃんとにとりちゃんと早苗ちゃんが姿を現した。

 

 

「お久し振りですね、シオンさん……さぁ、守矢神社に行きましょう♪」

 

 

「いや早苗ちゃん……僕は信者にも神にもなるつもりは無いよ」

 

 

「そうだよ早苗!!…シオンは河童の物だよ!!」

 

 

「いや、にとりちゃん…僕は僕の物だよ…」

「にとりさん…彼は守矢神社の神です……河童の物ではありません」

 

 

「何を言ってるんだい!!…今シオンはフリーでしょ!!…だったら人間の盟友である河童が預かるのが筋でしょ!!」

 

 

にとりちゃんと早苗ちゃんが言い争いを始めた……僕の意見は無視かい…

 

 

「まぁまぁ、二人とも…飲みの席ですし、ここは穏便に…」

 

 

そんな二人を文ちゃんが仲裁する……珍しいね、文ちゃんが止め役だなんて…

 

 

「よう、シオン…お前の周りは相変わらず賑やかだな」

 

 

「久し振りね、シオン…永遠亭で療養してると聞いたけど……元気そうね…」

 

 

魔理ちゃんとアリスちゃんが姿を見せて挨拶してきた。

 

 

「二人とも、久し振りだね♪……っと、そうだ…約束の設計図をあげるよ……はい、どうぞ♪」

 

 

僕は二人に自動人形の設計図を渡した。

 

 

「おっ、サンキュー♪」

 

 

「あらっ、ありがとう…ちゃんと約束覚えてたのね」

 

 

「うん、勿論だよ♪……でも、先に言っておくけど…その自動人形を作るにはこの世界に無い鉱物を使う必要があるから、そのまま流用は出来ないよ?」

 

 

僕は二人に釘を刺した。

 

 

「構わないわ、取り敢えず参考になれば良いから」

 

 

「ああ、アリスの言う通りだぜ……それに幻想郷には外の世界の物が流れ着く事があるから、上手くすればその鉱物も手に入るかもな」

 

 

「そう…まぁ二人が構わないなら別に良いけど」

 

 

と、ここで博麗霊夢が姿を現した。

 

 

「アンタ、本当に私以外には気前が良いわね……私にも何か頂戴よ」

 

 

「何言ってんのさ、僕からバイト代巻き上げるつもりの癖に…」

 

 

「それとこれとは話が別よ!!」

 

 

「しょうがないなぁ〜、はいこれ」

 

 

僕は博麗霊夢に赤いリボンをあげた。

 

 

「何これ?…リボン?……あっ、もしかして全ての状態異常を防ぐ効果があるの?」

 

 

「無いよ、ただのリボンだよ……まぁ、それつけてお洒落すれば女の子っぽくなるよ♪」

 

 

「大きなお世話よ!!…って言うか、これ以上リボン増やしてどうするのよ!!」

 

 

「ぎゃあああああ!!」

 

 

ちょっと、パロスペシャルは止めて!!…それ本気で痛いから!!

 

 

「……何をやってるのよ」

 

 

いつの間にか、てゐちゃんが現れた。

 

 

「アンタ達、相変わらずだね」

 

 

「そうよ!!…シオンが相変わらず私をからかうからお仕置きしてるのよ!!」

 

 

「…その割りにはしっかりとリボンを懐に仕舞うんだね」

 

 

「ま、まぁ材質が良いから高く売れそうだからね…それだけよ」

 

 

「ふ〜ん、まぁそう言う事にしてあげるよ」

 

 

てゐちゃんは人の悪い笑顔を浮かべて答えた。

 

 

「皆集まってるみたいだね……珍しい酒が手に入ったから皆に振る舞うよ」

 

 

てゐちゃんが皆のグラスに黄金色の酒を注いで回った。

 

 

!!……あの酒は…まさか!!

 

 

僕は慌てて、巾着袋を開けて中を調べた。

 

 

無い!!…アレが無い!!

 

 

「ちょっと、てゐちゃん!!…その酒!!」

 

 

「フッフッフッ、もう皆に注いだから皆の酒うさ」

 

 

てゐちゃんはニンマリと笑って答えた。

 

 

「まぁ、良いじゃない…この位の仕返しはさせて貰うよ♪……それに折角のお酒を独り占めするのは良くないよ♪」

 

 

「何て事を…あの酒は師匠が作るのに失敗して僕に押し付けた蜂蜜酒なんだよ!!」

 

 

「えっ!?…失敗作?…秘蔵の酒じゃないの!?」

 

 

「違うよ!!…アレは…アレは1000倍希釈で薄めても火が点く位、強すぎる酒なんだよ!!…しかも悪酔いする成分がギッシリの!!」

 

 

僕の説明を聞いて、てゐちゃんは青ざめて皆を止めに掛かった。

 

 

「ちょ、ちょっと皆!!…飲むのを止めて!!」

 

 

「かんぱ〜い!!」

 

 

だが、一足遅かった。

 

 

そして、悪夢の宴が始まった。

 




ここまで読んで戴いて有り難うございます。


今回はシオンの新技紹介と屋台の手伝いの回です。

まぁ、伊吹萃香と出会わせるのが目的でしたが


次回、テラカオス…の予定です
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