ジンとウオッカが東京都高度育成学校に入学したら 作:ゆかりはるか
結果から言うと、無人島試験は上からBクラス、Aクラス、Cクラス、Dクラスだった。一之瀬達は、Dクラスから受け取ったポイントを使うようなことはなく、そのまま持ち越したらしい。Cクラスは龍園1人だけが残っていたようで、少しではあるがポイントを得ていた。
「あ、あいつでしょ? 無人島で我慢できなくて女子の下着を使っていたやつって」
「クスクス、お猿さんそのものじゃない」
山内「なんだとぉ!」
池「ば、やめろよ! 殴ったら大変だって!」
山内「ふざけんなぁ! 俺は何もしていないんだぞぉ!」
「きゃぁぁぁ! 変態よぉぉ!」
「うわぁぁ! 来るなこの変態!」
須藤「おいテメェら! いい加減にしろや!」
「あいつももしかして抜いていたんじゃないのか?」
「うわぁ…あの人って確かバスケ部だよね…。もしかしてバスケ部もそうなの?」
「いや、あいつバスケ部でも練習は真面目にしているけど、仲は悪いしどうだろう」
「あんな奴とつるんでいるからな…してそうだな」
須藤「なんだとぉ!」
「皆逃げろ! あいつに近づくと夢精しちまうぞ!」
「「「「うわぁぁぁぁあ!」」」」
(綾小路side)
堀北「最悪ね」
綾小路「なんかここまでくると笑えてくるな」
堀北「他人事じゃないわよ。これじゃあクラスの統率もあったもんじゃないわ」
綾小路「あんなことがあった以上、統率できるのか?」
堀北「Aクラスを目指すなら、これくらいの障害は乗り越えられるようにならないといけないのよ。ある意味一度崩壊したクラスを統率することで、より強い結束を作るチャンスだわ」
綾小路「ポジティブだな」
堀北「あなたも手伝うのよ」
綾小路「マジかよ…」
どうやったらこの状況から強い結束を生み出すというのだろうか? 全員リタイアを隠れて堀北に話した時も、全く納得してくれず、1人で戦おうとしていたような奴だ。最終的に納得してくれたとはいえ、とても不貞腐れていたので、これからのことを考えると胃が痛い。ここで俺が何を言っても、脅すなり巻き添えにするなり、どんな形であれ協力させようとしてくるだろう。
堀北「それより少し良い? ジン君とウオッカ君についてなんだけど」
綾小路「何だ」
堀北「あなた、あの2人と仲良いの?」
綾小路「仲はそこそこいいぞ」
堀北「そう。良くないのね」
綾小路「何故決めつけているんだ……」
堀北「あなたに仲のいい人ができるわけないじゃない。あなたみたいなよく分からない人」
綾小路「ひどい話だ……」
堀北「それで話を戻すけど、あの2人を見張ってくれないかしら?」
綾小路「何でだ」
堀北「現状男子と女子の溝は深い。平田君を中心に女子とコンタクトを取ろうとすると思うけど、彼1人では首が回らなくなるわ。あの2人は女子からの信頼もあるようだから、仲介をしてもらいたいのよ」
綾小路「確かに女子とよく話をしているな」
堀北「えぇ。リタイアした後に、女子と接しているのはジン君とウオッカ君だけ。この2人を活かさない理由が無いわ」
綾小路「でもあの2人が協力してくれるのか?」
堀北「協力してもらうのが貴方の仕事よ」
綾小路「えぇ……」
堀北「じゃあ任せたわ」
堀北は俺の返事を聞かずに去ってしまった
ジン「このカジノ、中々楽しいな」
ウオッカ「良い感じに勝てていますぜ」
その2人はカジノで遊んでいた。この船には有名な飲食店もあるが、他にもマッサージ店やカジノなどの娯楽に溢れていた。遊んでいると声を掛けられる
???「よぉ、お前達Dクラスの奴か?」
ジン「誰だ」
???「おっと、名乗ってなかったな。俺はAクラスの橋本だ」
ジン「Dクラスのジン」
ウオッカ「同じくウオッカ」
橋本「ジンとウオッカか。よろしくな」
ジン「あぁよろしく」
ウオッカ「Aクラスは2位だったみたいだな」
橋本「まぁな。それより噂に聞いたんだが、お前達のクラスに女子の下着で抜いて、しかも自分の股間に埋めていた奴がいたって本当か?」
橋本がそう言うと、周囲にいた連中も耳を澄ませている。この閉鎖的な空間では、山内の話題はとても面白いのだろう。
ジン「あぁ。山内春樹ってやつだ」
ウオッカ「本当だぜ。全く信じられねぇ話だ」
橋本「マジだったのか…とんでもねぇ奴だな」
ジン「試験中も、女子の身体のことを大声で話して笑っていたからな」
ウオッカ「胸とか尻とか平気で言っていましたね」
橋本「なんだそりゃ。隠す気も無かったのか?」
ジン「本人はそもそも隠すというつもりがないだろうな」
ウオッカ「天気の話をしているような気持ちで女子の身体を話していましたぜ」
橋本「……マジか。キモ過ぎだろ。おっと、俺はそろそろいかねぇと。また機会があったら話そうぜ」
橋本は去って行った。ジンとウオッカは気にせずカジノで稼いでいると、スマホから通知音が聞こえる。学校からのメールだ
確認すると、指定された時刻に指定された場所に来るように指示されている。周りにいる生徒達も同様の内容が来たようで、自分達が何時のどこの部屋かを情報共有していた。
ジン「もう1つあるようだな」
ウオッカ「みたいですねー。思ったよりも早いですぜ」
指定された時刻に行くと茶柱がいた。他に生徒はおらず、ジンとウオッカの2人だけだ
茶柱「本来なら、お前達も試験に参加してもらうつもりだったが、諸事情によりお前達2人だけは別の試験を行うことになった。2人はこの試験を受けてもらう」
ジン「諸事情?」
ウオッカ「なんですかいそれは」
茶柱「諸事情は諸事情だ。試験はこいつから説明してもらえ」
茶柱は一つのタブレット端末をジンに渡すと、そこにはある女子が映っていた。画面越しでも分かる整った顔付き、黒のベレー帽、あどけない笑みを浮かべている
女子生徒「こんにちは。今回2人の試験の手伝いをすることになりました。Aクラスの坂柳有栖です。よろしくお願いします」
ジン「お、おう」
ウオッカ「Aクラス…」
ウオッカはAクラスに偵察をしに行ったときに、坂柳を見た事を思い出す。
坂柳「ジン君は初めましてですね。ウオッカ君はお久しぶりです」
ジン「あれ、知っているのか?」
坂柳「はい、存じています。2人とも特徴的ですから」
ウオッカ「俺は坂柳さんとは初めてではないか?」
坂柳「あら、冗談がお得意なんですね。以前Aクラスに来ていたではありませんか」
ウオッカ「確かに行ったけど、坂柳さんとは話したことはないぞ」
坂柳「そうですね。話はしていないですね」
ジン「それで? 試験とは何をすればいいのだ」
坂柳「話をそれていましたね。2人には、私と勝負をしていただきます。具体的に言うと、お二人が手に持っている端末を通してチェスや将棋、オセロ、トランプなどで勝負していただき、白星が多い方がクラスポイントを得るというものです。ちなみに不正をしたら即失格、退学となるので注意してください。私も不正をしたら退学になるので、正々堂々と勝負しましょう」
茶柱「分かったか?」
ジン「この端末を通して坂柳さんと勝負すればいいのだろう? これ勝つとクラスポイントはどのくらい入るんだ?」
茶柱「今回はこちらの事情で2人には別の試験を受けてもらうため、クラスポイントは10ポイントだ。負けたら0ポイント。マイナスになることは無いから安心しろ」
ジン「10ポイントか。やる気が出ないな」
坂柳「そう言うと思ったので、私から1つ提案があります。毎試合、私とポイントを掛けませんか? ポイントでなくても知りたいことがあるならそれでも構いません。私が答えられなかった場合は、お二人にそれぞれプライベートポイント付与でどうでしょう? 金額はその都度話し合うということでいかがでしょうか」
ジン「……ほぉー」
ウオッカ「強気だな」
坂柳「負ける気がありませんので」
茶柱「お前達の試験は、こっちでもモニタリングしているからな。不正をしようとしても無駄だぞ」
ジン「そんなことをする気はさらさらない。それよりも、本来受けるべきだった試験を受けないわけだが、クラスメイトには何て言えば良いんだ?」
ウオッカ「明らかに待遇が違いますからね。どっちが良いのか分かりませんが」
茶柱「事情は全生徒に伝えることになっている。そうしないと不公平になりかねないからな」
ジン「この別試験そのものが不公平になりかねますが」
茶柱「我々担任が諸事情により不公平ではないと公言する。それでも不平不満は出るだろうが、そこは自分達で頑張ってくれ」
ジン「どう頑張るんだ」
ウオッカ「……頭を抱えますぜ」
坂柳「おや、特に何も困らないのでは? 我々担任とおっしゃっているからには、AクラスからDクラスの担任4名が公言するんですよね?」
茶柱「坂柳の言う通りだ」
ジン「……まぁ良いか」
ウオッカ「どうにかなるでしょう」
茶柱「試験は明日からだ。今日は顔合わせのようなものだから、そろそろ通信を切るぞ」
坂柳「あっ、ウオッカ君」
ウオッカ「?」
坂柳「渡された連絡先は登録してくださいね」
ウオッカ「……あぁ、もしかしてあの黒髪ロングの」
坂柳「そうです。それです」
茶柱「もういいか? 切るぞ?」
坂柳「どうぞ」
茶柱「さて、まぁ他の生徒からも色々と言われるだろうが、頑張ってくれ」
ジン「面倒だな…」
茶柱「私としてもフォローできるところはするつもりだ」
「する」ではなく「するつもりだ」である。なんとも頼りない…逆にすると言ったらそれはそれで頼りないので、結局頼りないものだった
部屋に戻ると、既に説明を終えていたのか、クラスメイト達がジン達に質問して来た。なぜ2人だけ別試験なのかなと。それを聞かれても、ジン達は担任から諸事情だからと答えるしかなく、当然それで納得する話ではないが、平田があやしたことと普段の2人の様子を見るに、そこまで大きな声で騒がれことはなかった。
特に山内が文句を言っていたが、山内の周りには池と須藤しかおらず、他の人達は距離を取って「キモイから喋るな」とか「臭いの来ないでくれる?」と言うと、3人もそれに対抗して声を上げていた
佐藤「2人なんだからなんかあったんじゃないの?」
松下「全クラスの担任が公言するくらいらしいから、怪しいことではないと思うよ」
軽井沢「担任が何か悪だくみをしているとは思えないもんねー」
山内「うるさいうるさい! どうせそこの2人が何か悪だくみしているんだよぉ! ふざけんなぁ!」
山内は近くにあった小石を拾い、ジンの顔に向かって投げつける。ジンは避けようと思えば楽々避けられたが、近くに来ていたクラスメイトみんなと話をしていて山内に気付かなかったふりをしつつ、小石を受ける。小石は、ジンの頬を掠め、うっすらとだが血が流れる。最初は薄い線が出来ていたが、時間が経つと赤く滲んでいき、ジンは痛そうに頬に両手を抑えて膝をつく
「ふざけんなこの変態!」
「お前の所為でクラスは大変なことになっているんだぞ!」
「自分の失態でクラスメイトの顔に傷を付けるなんて最低!」
「ジン君に謝ってよこの変態!」
山内「うるせぇぇぇぇぇ!」
ウオッカ「兄貴!」
追撃をする山内の投的に、ジンと同じようにわざと当たり、軽症で痛むふりをするウオッカ。クラスメイトの不満は更に爆発し、ジンとウオッカだけが別試験という意思から、山内ふざけんなという意思に変わっていた。近くには他のクラスもいるようで、ジン達の別試験の理由も気にはするが、それよりも山内の行動にドン引きし、その醜態ぶりに嘲笑っている。
ジンとウオッカは櫛田の助けで、医務室に行き手当てを受けた。
櫛田「2人とも大丈夫?」
ジン「いたたた…」
ウオッカ「これ染みますぜ…って」
星之宮「傷は浅いけど、それでもばい菌が入るといけないから、しっかりガーゼは返ることだね~」
医務室を出て、櫛田と話をしていると、どうやら自分達以外は、各クラスから3~4人程度割り振られたグループにいて、裏切者を見つけて正解(不正解)するか、何もしないで時間切れを狙うかというようなものだった。各グループは英数字ではなく、十二支というのが気になったが、自分達には関係の無いことなので、考えることはしなかった。
いやー、干支試験はどんな風に混ぜようかと思ったけど、ジンとウオッカって名前じゃ面倒になるなと思いました。無茶な展開だと思っていますが、この作品は思いついたことを適当に書いているので、そこは違うだろと思っても温かい目でお願いします(´・ω・`)
感想、評価ありがとうございます(^▽^)/