ジンとウオッカが東京都高度育成学校に入学したら   作:ゆかりはるか

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松下が佐藤達の下に戻っている間、堀北達は綾小路達がいないことに気付いた。周辺を見渡すも、彼らの姿は見当たらない。龍園、坂柳は堀北達の相手をせず、未だに挑発を続けている。一之瀬は2人が相手をしてくれないことを理解したのか、堀北に一言告げてこの場から去って行った。

 

 

 

 

 

(堀北side)

 

 

 

悔しい

 

 

 

自分の能力自体はAクラスに配属されてもおかしくない。むしろ、Dクラスにいること自体がとても納得が出来ない。以前担任に直談判しても、自分のことしか見えていないからだと言われ、あの男にも似たようなことを言われ、少しは周りと頑張ろうとクラスに協力を求めたが、無人島試験では犯罪ギリギリのことをする馬鹿な男子、もう一つの特別試験でも疑心案着になったクラスメイト達が勝手に動き統率が取れているとはお世辞にもいえない結果となった。このままでは更に兄に見放されてしまうと焦っていた。

 

 

 

こうして他クラスから見下されるのはとても腹が立つが、それでも何もいえないくらい悲惨すぎて言い返すことも出来ない。出来るとすれば、今こうして挑発しはっている彼らの様子を見ることくらいか。しかし、それがどの程度役に立つかといえるか。それでも、上を目指す理由があるため、唇を噛みしめてでも彼らの話に耳を傾ける

 

 

 

 

 

 

(櫛田side)

 

 

 

 

気が付いたら他クラスのリーダー格が集まり、話をしたかと思えば今度は挑発の応酬。最初の方は邪魔が入ったと思って顔に出さないようにするのが大変だったが、このイラつきに見合う分の良いことがあったので許すとしようかな

 

 

 

 

それにしても

 

 

 

 

 

 

イイ顔してるよね~ 

 

 

 

 

 

 

 

 

堀北鈴音さん?

 

 

 

 

 

 

 

私の過去を知っている唯一の人間だから、どんな風に潰そうかと考えていた。場合によってはクラス自体を崩壊させてでも消そうかと考えていたが、気が付いたらクラスはほぼ崩壊していて自分が手を下すまでもなかった。無人島試験からなんとか立て直そうとしていたようだが、事件が起きてからクラスは疑心暗鬼。なんとか立て直そうとする彼女の姿はとても愉快でたまらなかった。

 

 

 

普段イラついた顔を見せないようにしているのを努力しているが、まさか笑い転げないように耐えることになるとは、予想もしていなかった。なんとか大笑いしなかったことが奇跡に近いくらい、今までの人生でとても大変だった

 

 

 

 

無人島試験で事件が起きてからも、私はクラスの為に動いていたおかげで、より多くの人にアピールすることが出来た。それもそうだろう。前からクラスのために頑張っていて、あんな気持ち悪い事件があってもクラスのために頑張る可愛い私。そんな私を否定する人なんか誰1人いない。私だけがクラスで唯一誰からも納得される存在と言える。

 

 

 

 

 

あのキモイ男達には心からドン引きしているが、お陰で最初からクラスのために頑張っていた私の貢献がより引き立てられていく。これからも頑張って私を引き立たせてね? そういう意味では、お前達のことは好きだよ? (*´σー`)エヘヘ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

櫛田「堀北さんどうしたの?」

 

堀北「何がかしら」

 

櫛田「さっきからやけに辛そうな顔してるよ?」

 

堀北「べ、別に。なんでもないわ」

 

櫛田「お腹痛いの?」

 

 

 

櫛田は心配そうに堀北に近寄ろうとすると、堀北は櫛田の肩を軽く押して遠ざけようとした

 

 

 

 

櫛田「きゃっ!」

 

 

 

 

櫛田は尻もちをつく。それまで煽っていた龍園たちも、転んだ櫛田を見て嘲笑していた。さっきまで言葉のナイフで刺し合っていた2人だが、こういう時は共闘するように堀北を見ていた。堀北は咄嗟に目を背けると、2人はとてもつまらなそうに溜息をつく

 

 

 

 

 

龍園「っは。いつまでもお子ちゃまと遊んでいる暇はねぇ」

 

坂柳「私もそろそろ行かせてもらいます。自分をお子ちゃまと理解できる頭はあるようで安心しました。迷子センターに送る必要はなさそうですね」

 

 

 

2人も去って行き、残ったのは櫛田と堀北だけとなった。周りの注目も薄れていく中

 

 

 

「あの人、突き飛ばしたのに助けないとか最低」

 

「何様なんだろうね」

 

「あれ櫛田ちゃんだ。なんか辛そうにしているけど、どうしたの?」

 

「あの人に突き飛ばされたみたい」

 

「何それ」

 

 

 

 

堀北は内心溜息をつく。自分はお前らなんかと違い出来る人間なのに、どうしてお前達に見下されないといけないのか。しかし自分の内心に関わらず、人の注目は消えないので、櫛田に手を伸ばす

 

 

 

 

堀北「ごめんなさい。立てるかしら」

 

櫛田「…っつ。だ、大丈夫だよ?」

 

 

 

 

 

櫛田は堀北の手を取らず、自分で立ち上がる。起き上がる時に、足首を気にしているような振る舞いをしながら。堀北は櫛田が立ち上がったので、彼女を見ずにどこかに歩き出した。自分の後ろで黒い笑顔を浮かべている彼女の姿を見ることはなかった

 

 

 

 

 

 

 

(綾小路side)

 

 

さて…ジンとウォッカを連れ出すことは成功したんだが、佐倉が邪魔だな。この2人と直接話す機会なんて早々ないし、間違いなく父親やホワイトルームが関わっている事案があるため、時間を無駄にするわけにはいかない。最悪佐倉を巻き込んででも話すか? 彼女はおそらくだが俺に好意がある。そこを利用すれば自爆特攻をさせるくらいはできるだろうが、恋愛には俺も興味がある。

 

 

女なら1人いる

 

 

軽井沢恵だ

 

 

 

特別試験で彼女がトラブルに遭っているところを助け、ほとんど脅迫に近い形で駒にすることができた。女子のリーダー的存在であり、駒にするには申し分ない。恋愛を学ぶ教科書にするか迷っているところだが、それでこじらせて操れなくなるのも面倒だ。彼女は駒としての役割を持たせて、恋愛の教科書は他の女で補うのが良いかとも思えてきた。

 

言っては悪いが、今の佐倉愛理の魅力といえば、アイドルをしているその身体くらいだろう。写真技術もあるようだが、今の所その類に関する試験は出ていないし、今後あるとしても、学力と身体能力、社交性の低さを考えると、何が何でも残すほどの人材とは言えない。しかし、それを補うくらいの身体ではあるため、捨てるには少し迷ってしまう。

 

 

とりあえず話は聞かせる方針で行こう

 

 

 

綾小路「悪いな。遊んでいる最中に呼び出してしまって」

 

ジン「良いってことよ。それで?」

 

綾小路「俺達Dクラスはこれから上位のクラスになれると思うか?」

 

ウォッカ「なれるのか?」

 

綾小路「俺は今のままでは無理だと思っている。これは全員が思っていることだろう。それでどうにかしてクラスの立て直しをしたいのだが、何か良い案は無いだろうか?」

 

ジン「お前Aクラスを目指しているのか?」

 

綾小路「あぁ」

 

ジン「まずはあの3人をどうにかしないと無理だろう。この先、彼らが何をしても、マイナス補正がかかるようなものだ。仮にクラス一の功績を出したとしても、あのインパクトはそうそう消せるものではない」

 

ウォッカ「仮にインパクトを消せる何かをしたとしても、どれだけの時間とコストがかかるか。出来たとしても2年後半になるかもしれなくて、詰めることができないほどの差が出来ていたら意味がないしな」

 

綾小路「2人の言う通り、仮に出来たとしても遅れを取り戻すことが出来るほどの力と維持があるかというと肯定できない。だから出来る限り今すぐこの状態を改善したい。そこで1つ提案がある」

 

 

 

出来ればやりたくないが、教師の茶柱は頼りないし、ジン達と教員どっちが戦力として高いかと言うと、間違いなくジン達だろう。ホワイトルームにいた時は、戦闘の訓練もしていた経験があるため、自信を持って言える

 

 

 

こいつらは殺人をしている

 

 

 

こいつらの目は普段は誤魔化しているが、時折とても冷たい目をしている。これに気付いているのは、俺の知っている限り、あの龍園くらいだろうか? 

 

 

 

リスクはあるが、ここは学校。そこまで大きな動きが出来ないといえる根拠はないが、クラスを上げることに関心が無い2人であるため、何か別の目的を持っている可能性がある。その目的を成し遂げる駒を探しているとしたら、こちらとしても好都合だと判断した

 

 

 

最悪こいつらを殺して刑務所で暮らすのも視野に入れる

 

 

 

それくらいのリスクは覚悟しないと、あの父親は強引な方法を使ってでも俺に干渉してくるだろう

 

 

 

 

 

綾小路「俺を好きに使っていい。その代わりに今すぐクラスに協力してくれないか?」

 

 

 

 

 

(ジンside)

 

 

協力なんて言ってきやがった。普通ならそんなの当たり前だろと言いたいところだが、こいつは俺達の実力を知っている。ウォッカと殴り合い、それからというもの胡散臭そうな目でこちらを見ていた。実際こいつを警戒しながら動いているせいで、動きづらい

 

 

 

ジン「好きに使えと言うのは、そういうことだよな?」

 

綾小路「あぁ」

 

 

 

好きに使え

 

 

 

それは組織で有能な人材を確保するという目的にも合っているし、女関係においても活用できる。綾小路はパッと見では地味な感じだが、顔は整っており、背も高い。女子高生が男に求めるのは基本的に話題性だ。自分がどれほどの男と付き合っているか、自慢するためでもある。もちろん純愛の関係もあるだろうが、このただ物でもない男が純愛のために、わざわざ警戒している俺達を誘うとは思えない。

 

 

 

つまり、女関係で責任云々の話になったら綾小路に押し付けよう

 

 

 

 

ジンとウォッカはアイコンタクトでうなずく

 

 

 

ジン「良いだろう。クラスのために俺とウォッカは協力する。その代わり、俺達は綾小路を好きに使える。期限は無期限で良いか?」

 

綾小路「期限は卒業するまでだ」

 

ウォッカ「とりあえず卒業までにして、それからは今後次第にしないか? お前とは仲良くなれるだろうしな」

 

ジン「俺達としても、お前とは仲良くしたいしな」

 

綾小路「…そうだな。今後次第だな」

 

ジン「じゃあ、ほれ。ウォッカもだ」

 

ウォッカ「あいよ」

 

 

3人は拳をぶつける

 

 

 

そこにあるのは、目的のためなら手段を選ばないという思い。この関係がこの先どのような展開になるか、不安もあるが、同時に楽しみだと感じた3人であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(佐倉side)

 

 

あ、あ

 

 

 

あわわあわわ!????

 

 

 

心配で付いてきたけど、なんだかとんでもない展開になっている気がする!

 

 

 

綾小路君とウォッカ君がいなくなったことに気付いて直ぐに探したら見つかって後を追いかけたら

 

 

 

クラスの為に俺を使え?

 

 

 

え、え、え!??? 綾小路君ってそこまで身体を張るの!?

 

 

 

しかもあの2人、綾小路君がそう言ったらニヤッとした笑みをしていたし…

 

 

 

あの2人って……

 

 

 

い、いやいや! 2人とも女子と仲良くしているし、とてもそうだとは…

 

 

 

 

……

 

 

…………

 

 

 

私も無関係じゃないよね

 

 

 

クラスの為に行動しようと思っていたけど、結局何も出来ていない

 

 

 

綾小路君はあそこまで身体を張ってクラスに貢献しようとしているのに、こうして陰から見て驚いているだけの私……。驚くだけなら誰にでも出来るよね…

 

 

 

私も…

 

 

 

 

 

私も何か力になれないかな…

 

 

 

 

 

っあ! 3人とも戻ってくる!

 

 

 

 

み、見つからないように戻らなきゃ!

 

 

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