ジンとウオッカが東京都高度育成学校に入学したら   作:ゆかりはるか

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男子全員はテントから出ると、外では大変不機嫌な篠原がいた。遠くにいる伊吹は、顔には出ていないものの僅かにだがニヤけている。

 

 

 

 

ジン「どうしたんだ篠原、やけに機嫌が悪いが…」

 

篠原「平田君を呼んでくれる?」

 

平田「どうしたのかな?」

 

篠原「平田君には関係ない話なんだけどね…どうしても確認しないといけないことがあるの」

 

 

 

話によると、軽井沢の下着が無くなったらしい。その軽井沢は、テントで泣いていて櫛田が慰めているようだ。その話を聞いた男子達はぼんやりとしていた頭に冷水を掛けられたように眠気が飛んでいき、一斉に顔を見合わせ慌てている。もちろん、ジンとウオッカも慌てている(振りをしている)。

 

 

 

男子達は皆知らないと女子に言うが、当然女子達は信用してくれず、言い争いになったところで、今すぐこの場で荷物の中身と身体調査をすることとなった。男子達はやってないと言っても、女子達はやってないなら検査を受けても問題ないよねと言われ、渋々テントに戻って荷物を手に取り検査を受ける。女子達は検査をしている平田の周りに集まり、不正が無いか確認しているようだ。

 

 

ジンとウオッカは比較的早い順で検査を受け、2人とも白となった。続々と男子達は白となるが、ある生徒の順番になる

 

 

山内「平田! 早く俺の無実を証明してくれ!」

 

平田「もちろんだよ。まずは鞄からだね……ないね」

 

山内「当然だろ! ほら、次に身体だろ? 早くしてくれ!」

 

篠原「何かやけに焦ってない?」

 

山内「なわけないだろ馬鹿だろ篠原。俺はやっていないんだから早く無実を証明したいんだよ!」

 

篠原「……ふーん? 平田君、身体調べて」

 

平田「分かったよ」

 

 

 

平田は山内の身体を調べていく。ズボンのポケットに手を入れると、何か違和感があるような顔をした。今まで止まることの無かった平田の手が僅かとはいえ止まったことに気付いた女子達は不可解な顔をしている

 

 

 

山内「平田? どうした? 早くしてくれよぉ!」

 

池「なぁ春樹、なんかお前……」

 

須藤「勃ってないか?」

 

池「膨らんでいるよな?」

 

山内「2人とも何を言い出すんだよぉ!? 俺にそんな趣味はないって!」

 

平田「……山内君も大丈夫だね」

 

篠原「本当に?」

 

平田「本当だよ」

 

篠原「じゃあなんで一瞬手が止まったの?」

 

平田「肘が一瞬だけつったんだ。それだけだよ」

 

篠原「……そう」

 

山内「ほら! だから言ったろ篠原!? 俺は無実だっての!」

 

篠原「……」

 

 

 

絶対に怪しいと思っていた山内がクリアしたことに怪しんでいる女子達。どうやら平田の発言が嘘のように聞こえたようだ。

 

 

 

篠原「……山内君。私が検査するから、ここに立って」

 

山内「なんでだよ!」

 

篠原「一応、念のためよ!」

 

平田「待ってくれ篠原さん! 山内君のポケットには何も入っていないよ!」

 

篠原「ポケット……。ポケットには無かったのよね?」

 

平田「そうだよ」

 

山内「ほれ見たことかぁ! 俺は何もしていないんだよ!」

 

篠原「……そんなはず」

 

池「やめろって篠原。平田がOKを出したんだぞ! 間違いないだろ!」

 

須藤「そうだそうだ! 仲間を疑うなんて最低だぞ!」

 

篠原「もういい! 私が調べる! 山内君はジッとしていて! 無実なら私が調べても問題ないでしょ!」

 

山内「は? まぁいいけどな! 俺は本当にやっていないんだからな!」

 

篠原「じゃあ調べ……山内君なんか臭うよ?」

 

山内「っな」

 

池「そりゃねぇだろ篠原! サバイバル生活でもうすぐ一週間だ! 風呂に入れているわけじゃないんだから、臭いのも無理ないだろうが!」

 

篠原「いや、そうじゃなくて。確かにそういう臭いなら他の男子達からもするんだけど、その臭いじゃない違う臭いがするような……」

 

山内「言いがかりもいい加減にしろよこのブスがっ! それに言うなら、お前も臭いぜ!」

 

篠原「っな!??」

 

池「お前もくっせーぞ篠原ぁ!」

 

 

 

篠原は自分の臭いを指摘され涙目になる。庇おうと山内の前に立つ池だが

 

 

 

池「……この臭い…え、春樹?」

 

山内「なんだよ寛治。今篠原に文句を…」

 

 

池は山内の耳もとに手を当てて何かを呟く。手が邪魔で何を言ったのかは分からないが、それはすぐに分かった

 

 

 

山内は呟かれた内容があまりにびっくりしたことなのか、女子がいる目の前でズボンの内側を見る。女子達は「きゃぁぁぁ!」と悲鳴を上げており、男子達もドン引き。

 

 

 

 

山内「えぇぇ!?」

 

池「……嘘だろ…」

 

須藤「なんだ2人とも!? 何か虫でもいるの……うわぁぁぁ!?」

 

 

 

須藤が2人に近づき、山内のズボンの中を見ると、想像を絶することがあったのかみっともなく大声を上げた。須藤すらあの様子だ…他の男子達も何が何だか分からず、ただたじろぐことしかできない

 

 

 

篠原「何? ズボンの中に何か……あんたまさかっ!」

 

山内「ち、違う! 俺は何もしていない!」

 

篠原「もしかしてさっきの臭いは……最低!!!」

 

平田「待ってくれ! 彼も男だしそういうことも…!」

 

篠原「それは分かってはいるけど! でも、うぅぅ、こんなときに男子の…しかも山内なんかキモイのを…うぅぅぅぅぅ」

 

 

 

篠原は泣きそうな、よいうより泣いていた。好きでもない男子のあの臭いを嗅いだことがそうとうショックだったのか、気持ち悪そうに口を押えて吐きそうになっている。女子達も、篠原が言った臭いに見当がついたのか、ゴミを見るような目で山内を見て…いや、何人か目を合わせるのが嫌なのか、下を向いて気持ち悪そうに手を口に当ててテントの中に戻って行った人達もいた

 

 

 

 

篠原「最低最悪なんだけどっ!!! ねぇ、平田君! ズボンはポケットの中しか調べていないんだよね! じゃあ中も調べてもらえる!?」

 

平田「え」

 

池「おい篠原テメェ! 女子だからって調子に乗るのもいい加減にしろよ! 春樹だって男なんだから、そうなるのも仕方ねぇんだよ!」

 

須藤「これは生理現象だぞ! 男ならこうなることもあるんだぞ篠原っ!」

 

篠原「最低最悪最低! ほら! 平田君! 調べて!」

 

山内「このブスがぁぁぁぁ! なら、見せてやろうかこのやろう!」

 

篠原「キモイキモイキモイ! もうやだこんな試験!!!」

 

平田「ほら、この場は僕が預かるから、女子達は皆テントに…」

 

山内「いい加減にしろやぁ篠原ぁぁ!」

 

 

 

山内が篠原に近づこうと足を踏み出すと、近くの枝に引っかかり転倒してしまう。その時に、ズボンの裾を踏んづけて倒れたことにより、ズボンが脱げてしまった。男のパンイチ姿を見てまたもや女子が悲鳴を上げて、距離を取る。

 

 

 

山内「いてて…くそ」

 

池「バカっ! ひっこめろ!」

 

山内「くそ、擦りむいた…え?」

 

幸村「なぁ山内。下着の中から何か布が出ているようだが…」

 

池「お前は黙っていろ眼鏡!」

 

須藤「パンツが食い込んでいるんだろっ! それくらい分かるだろ!」

 

幸村「それにしては布の色が違うような…まさかっ!」

 

池「おい!」

 

須藤「お前らはもう黙っていろや!」

 

幸村「無実なんだろう!? ならとことん調べるべきだ!」

 

 

幸村は山内に近づき調べようとすると、近くにいた須藤と池が腕を大きく振って抵抗し始めた。山内がズボンを履こうとすると、偶然腕を振り回していた池の手に飛び出ていた布が当たり、慣性に従うまま、布は宙に浮かぶ。女子はまた悲鳴を上げながら距離を取りながら、男子達はその浮かんでいるものを見た

 

 

 

それは地面に落ちる

 

女子の下着だった

 

しかも変色しているところがあった

 

 

 

山内「ちがっ! 俺は本当に何もしていない!」

 

 

 

女子の1人が声を出す

 

 

 

「ね、ねぇ…あの下着、何か変色してない?」

 

「本当だ……え、もしかして」

 

「女子の下着を自分の中に入れて、しかも出したの?」

 

「き、キモイキモイキモイキモイ!」

 

「最低すぎ……」

 

 

山内はズボンを履くのも忘れて、女子達ににじり寄る

 

 

 

山内「違うんだよぉぉ! 信じてくれよぉぉぉぉぉ!」

 

「「「「「「きゃあああああぁぁぁぁあぁ!!!!!」」」」」」

 

 

他の男子達も、女子達も山内のしたことに悲鳴と絶句

 

空気はこれ以上ないくらいに最悪となった

 

 

 

 

 

 

それからは試験初日以上に最悪な空気で過ごすことになった。女子達は男子のテントから距離を取ることを平田に言うと、なんとか和解出来ないかと相談するも、流石にあのような光景を見せられた女子達は全員例外なく拒否した。

 

 

平田「…ジン君、ウオッカ君。悪いんだけど、2人が女子のテントを移動させてくれないかな? 僕は他の男子達と話をしないといけないから…。軽井沢さんも、この2人なら問題ないよね?」

 

佐藤「問題ないよ!」

 

松下「そうだねー。この2人なら問題ないよね」

 

他の女子達も概ね拒否はせず、2人でテントを移動することになった。しかし、あくまでテント移動自体が許されただけで、移動が済むとすぐに出て行くように言われてしまう。2人は大人しく出て行って男子達の方に戻る

 

 

男子達の空気も最悪だった。誰もが山内のことを視界に入れないようにしている。悪態をつくとかではなく、もはや無視の領域にまで来ているようだ。池と須藤が山内を励ますが、そのたびに山内は自分はやっていないと怒鳴り散らかし、それを白い目で見る男子達。

 

 

お前やったろ、とか、あれは言い逃れが出来ないなどという言葉が出ることさえなく、全員無視している。山内を肯定するのは池と須藤だけだった。

 

 

しばらく時間が経つと、また女子達が平田に相談してきた。平田の顔は、どんどんやつれている。

 

 

櫛田「あのね。平田君。女子の何人…ほぼ全員がリタイアしたいって言っているんだ」

 

平田「…そうか」

 

 

いつもならすぐに理由を聞いて説得する平田だが、雑にうなずいて返事をしない。ずっと「僕はまた…」と呟いている。

 

 

最初はポイントの消費をしない派だった幸村も、今回の出来事には何も言えない、むしろ櫛田の発言を肯定していた。試験中に異性の下着を自分の下着の中に入れていた人がいたのだ。全員心の中では試験どころではないだろう

 

 

 

堀北「待ちなさい。そんなことをしたら、ポイントが入らないわよ?」

 

篠原「もうポイントとかどうでもいいよぉ! 今すぐこの気持ち悪い奴らから離れたいの!」

 

 

 

篠原の言葉に、女子全員が頷いている。流石に堀北も、この状況を打開する提案を持っていないようだ。平田も不気味に何かを呟くだけで、何も提案しない。空がゴゴゴっとなり、天気も悪くなってきた。

 

 

幸村「リタイア…ポイント…」

 

篠原「こんな状況でポイントも何も無いって言っているでしょ!」

 

幸村「篠原を含む女子達の意見も分かる! だけど、これまで頑張ったポイントが0になったら…」

 

堀北「じゃあこういうのはどうかしら? 今持っているポイントを他クラスに渡す代わりに、残っているポイント分をプライベートポイントとしてそのクラスから個人にそれぞれ振り込んでもらうというのは。その契約をしたら全員リタイア。これなら、全員納得するんじゃない?」

 

篠原「もうなんでもいいよ。リタイアしたい…」

 

幸村「……まぁこんな状況じゃそれが限界か」

 

堀北「じゃあこうするわね。クラスは決めているわ。少しの間待っていてくれるかしら? 綾小路君とジン君、一緒に来て頂戴」

 

綾小路「分かった」

 

ジン「俺もか?」

 

堀北「そうよ」

 

ジン「分かった」

 

 

 

 

 

(ウオッカside)

 

 

堀北はジンと綾小路を連れてここから去って行った。残された生徒達のモチベが完全になくなっており、お通夜のような空気。伊吹の姿を探すも、もうどこにもいない。

 

 

櫛田「み、みんな! 堀北さんの指示だし、片付けをしてテントに戻る準備をしよう!」

 

 

平田が機能していないので、櫛田が率先して指示をすると、ノロノロと動き出す。山内達3人が試験を続行しようと声を荒げているが、誰も聞く者はいない。事実上のクラス崩壊だ。これでは次の試験も協力するどころかクラス内で敵対する可能性が高い。Aクラスを目指している連中からすれば、とても迷惑な話だ

 

 

少し混乱させてやろうと思っていたが、これはやりすぎたかもしれない

 

 

しかし、黒の組織は悲しいことに裏切が出続ける。組織に勧誘する以上、これくらいの混乱を切り抜けられるようではないと、生き残れない。だから、その一歩として軽くにしたつもりだったが、強烈な一撃を打っていたようだ。加減を間違えてしまったらしい

 

ウオッカは平田に気遣いながら、堀北達の帰りを待つことにした。

 

 

 

 

 

(ジンside)

 

 

綾小路「大丈夫か堀北」

 

堀北「大丈夫じゃないけど、今回は不幸中の幸いね。これで理由が出来た」

 

綾小路「…」

 

 

 

堀北と綾小路と共に来たのはBクラスのベースキャンプ。突然来た3人をもてなしてくれた一之瀬。クラスメイト達も、なんだなんだと一之瀬達の会話を盗み聞こうと耳を澄ませている。堀北の顔が赤く、少し息が荒い

 

 

 

一之瀬「どうしたのかな堀北さん。もうすぐ試験も終盤なのに」

 

堀北「私達Dクラスは全員リタイアすることにしたの」

 

一之瀬「……は? え、なんで??」

 

堀北「ちょっと色々あってね…。それで私達が残っているポイントをBクラスに譲渡する代わりに、そのポイントをプライベートポイントにした額の40で割った額を私達1人1人に振り分けるように契約してほしいの。これが書面、不安ならスタート地点にいる教師たちの前で署名をしましょうか?」

 

一之瀬「ちょ、ちょっと待ってね? どうしてそんなことになったの?」

 

堀北「色々あって…」

 

一之瀬「そ、そうなんだ。まぁ深くは聞かないけど…。残っているポイントは…120ポイントでクラスメイトが40人だから、1人3ポイント…まぁ、0よりはマシだろうね~」

 

堀北「それで、契約してくれるのかしら?」

 

一之瀬「ちょっと相談させてねー」

 

 

 

一之瀬がクラスメイトと相談するが、すぐに答えが出たようで

 

 

 

一之瀬「うん、OKだよ~。ただ、教員の前でいいかな?」

 

堀北「構わないわ。今すぐ行けるかしら?」

 

一之瀬「分かったー」

 

 

 

一之瀬はクラスメイトに一言付けて、堀北達と同行する

 

 

 

茶柱「どうした堀北」

 

堀北「契約をするので証人になって欲しいんです」

 

茶柱「契約? どんなだ」

 

堀北「これです」

 

茶柱「……いいだろう。一応Bクラスの教員を」

 

星之宮「きゃるるん~、呼んだかなぁ~?」

 

茶柱「…肩に寄りかかるな。重い」

 

星之宮「えぇ~ひっどい~プンプン。私重くないよー、そう思うよね綾小路君とジン君?」

 

綾小路「え」

 

ジン「はい、重くないですよ」

 

綾小路「そうですね」

 

星之宮「ほら~。それで帆波ちゃんたちはどんな契約を…ぷぷっ」

 

茶柱「笑うな」

 

星之宮「そうだねー。どんな契約でも私達はしたと証人するだけでいいもんね~」

 

 

星之宮は茶柱を、堀北達を馬鹿にするように嘲笑う。堀北は、星之宮の視線に気付きつつも、契約をした。どちらも内容を確認して署名をしたことで契約成立。一之瀬は星之宮と話をした後に、自分のクラスの方に向かって歩き出した。

 

 

 

堀北「茶柱先生。私は体調が悪いのでリタイアします」

 

茶柱「……そうか。誰がリーダーになるんだ?」

 

堀北「誰も決まらない場合ってランダムで決まりますよね?」

 

茶柱「そうだ」

 

堀北「ではランダムでお願いします」

 

茶柱「分かった。堀北はリタイアと。2人は?」

 

堀北「2人は悪いんだけどベースキャンプに戻って皆に伝えてくれるかしら?」

 

綾小路「分かった」

 

ジン「おう」

 

 

 

堀北は船内に戻って行くのを確認すると、2人で戻ろうとするが

 

 

茶柱「待て綾小路。少し話がある」

 

綾小路「……」

 

ジン「いいぞ。俺が行くからお前は話を終えたらそのまま船に戻ってくれ」

 

綾小路「すまない」

 

 

 

 

 

ベースキャンプに戻って、もうリタイアしても大丈夫なことを告げると、女子は急いで船内に戻った。男子達も女子の姿が見えなくなるのを確認してから急いで戻る。空も暗くなっているため、これ以上遅かったら最悪もう一夜過ごさなければいけないかったかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

その後、Dクラス全員がリタイアした

 

 

 

 

 

 




評価、感想ありがとうございます(^▽^)/ この小説は結構適当にやっているので、辻褄が合わなかったり、ルールなども曖昧になっているところがありますが、温かい目で見てくれると嬉しいです(^^♪
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