それいけ!ファンゴ君 シーズン3G   作:JUBIA

1 / 18
第1歩~第2歩

【第1歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、一匹旅をしている。

 

 異国に降り立ったボクは、穏やかな気候の土地へやってきた。

 草食種がのびのびと食事をし、浅い川が流れ、その川を辿って行くと海に繋がっている。

 異国での初日は、どうやら平和に過ごせそうだ。

 

 道端に生えていたキノコを頬張ってみる。

 うん……まぁまぁだな。

 

 モグモグしながら、川沿いに続く開けた場所にやってくると、岩壁の近くにランポスみたいな薄いピンク色の小型の鳥竜種が数匹いた。

 よく見ると、体の大きさが小さいのと中ぐらいの2種類いる。

 もしかして、こいつら雄と雌でフォルムが違うのか?

 へー、所変われば違うもんだな。

 

 しかしながら、こいつらは腐っても肉食系。

 いくらこのボクでも、一匹や二匹ならともかく、数匹に囲まれたら危険だ。

 見付からないように、そっと迂回(うかい)するか。

 

 ボクは浅瀬を渡り、ソイツらと反対側の岩壁に沿って歩いた。

 すると、ソイツらのうちの一匹に気付かれてしまった。

 

「あっ、あそこに何かいる」

「あっ? あぁ、ファンゴじゃね?」

「ファンゴだね」

「うん、ファンゴだ(じゅるっ)」

 

 ま、まずい。

 これは非常にマズイぞ!

 ボクは川下へ向かって駆けた。

 

 ドーンっ!!

 

 いててっ、なんだよっ!?

 いつのまにか、目の前には大きな青い熊が立っていた。

 

「ハチミツちょーだーいっ♪」

 

 は?

 お前はプーさんか!?

 背後からは、ピンクランポスが群れをなして迫ってきている。

 ちっ、しょーがないにゃぁ。

 

「ハチミツでも何でもやるから、アイツらをやっつけろ……ください」

「わーい、わーい♪」

 

 ハチミツに夢中の青プーさんの後ろに隠れていると、ピンクランポス達がジリジリと近付いてくる。

 

「ぼくのハチミツをヨコドリするやつは、やっつけるぞー♪」

 

 青プーさんは強靭な両腕をブンブンと振り回し、ピンクランポス達をいとも簡単に蹴散らした。

 

「おっ、覚えておけよっ!」

 

 捨てゼリフを残し、ピンクランポス達は去って行った。

 こっ、こいつっ……。

 ハチミツ脳だけど、なかなかどうして使えるじゃまいかっ!

 

「ハチミツちょーだーいっ♪」

 

 わかった、わかった、皆まで言うなっ!

 

「腹いっぱいハチミツ食わせてやるから、しばらくはボクのオトモ決定な」

「わーい、わーい♪ おとも、おとも♪」

 

 テッテレー♪

 アオアシラが仲間になった!

 

 確か、ここに来る途中にもハチミツがあったな。

 しかたない、ここは一旦戻るか。

 

 ……?

 おっと、誰か来たようだ。

 

 ボクらが戻ろうとした時、細い道の向こうから、さっきのピンクランポス達がドスピンクランポス的なヤツを連れて戻ってきやがった。

 

「へっ、さっきは負けたけど、今度は我らがボスのドスジャギィ様が一緒だぞっ!」

 

 面倒臭いヤツが、さらに面倒臭そうなヤツを連れてきたもんだ。

 

「さっきは、子分のジャギィ達を可愛がってくれたようだな……って、おいっ! アオアシラが一緒じゃねぇかっ!」

「え?」

「えぇ?」

「えぇーっ?」

 

 ピンクジャギィ達は、自分達のボスは最強で、もはや敵無しだと勘違いしていたようだ。

 

「すまんな、アオアシラ。おいっ、おめーら、もうアオアシラに迷惑かけるんじゃないぞ!」

「へーい」

「ふぇーい」

「ぽえーん」

 

 なんだ、意外と話のわかるボスじゃないか。

 ってか、青プーさん、やるなっww

 アイツらのボスより格上だったとは。

 

「ハチミツちょーだーいっ♪」

 

 はい、はいっと。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第2歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、二匹旅をしている。

 

 ハチミツのある場所へ戻ってきたボクらは、青プーさんに腹いっぱいハチミツを食べさせた。

 

「ぽんぽん、いっぱーい♪」

 

 よかったなw

 さてと、それじゃ探検を続けようか。

 

 ボクらは来た道を戻り、川下へ向かって進む。

 岩壁に(はば)まれた浅瀬にやって来ると、そこには首の周りがやけにモコモコしている黄色い大きな何かがいた。

 

「あっ! このまえ、ぼくのおさかなをヨコドリしたヤツだ!」

 

 え?

 青プーさんって、ハチミツだけじゃなくて魚も食うのか?

 

「おさかなすきー♪ でも、ハチミツのほうがもっとすきー♪」

 

 青プーさんは、そうボクに言って黄色いヤツを睨み付けた。

 

「おっ? 今度は、なんか美味そうなのを連れてるじゃないか」

 

 ちょっ……、よだれ垂らしながらボクを見るなっ!

 よし、ここは青プーさんの本気とやらを見せてもらおうかっ。

 

「おいっ、青プー! あのモコモコイエローをやっつけるんだっ!!」

「ぼくのハチミツはだれにもあげないよー♪」

 

 ボクは、ハチミツではないのだがな……。

 ボクを目掛けて飛び掛かってきたモコモコイエローに、青プーさんの強烈な右フックが炸裂(さくれつ)する。

 すると、モコモコのたてがみの一部がポロポロと剥がれ落ちていく。

 

「ってー! 何すんだテメーっ!! 魚の次は猪も横取りかっ?!」

「ロアルくんのおさかなとってないもん♪ ぼくは、ぼくのおさかなをたべただけだもんっ♪」

 

 両者とも譲らず、取っ組み合いの状態でゴロゴロと転がっている。

 なんかアレだな……・低次元レベルの喧嘩w

 

 長く続く戦いも、青プーさんの鋭い爪で、モコモコイエローのトサカは砕け、モコモコの部分もすっかりボロボロで、青プーさんの勝利は目前だった。

 

「ちっ……次に横取りしたら、タダじゃ済まさないからなっ!!」

 

 そう言い残し、モコモコイエローは足を引きずりながら海のほうへ逃げていった。

 

「やったな、青プー!!」

「おなかすいたー♪ おさかなたべたーい♪」

 

 え?

 さっき、腹いっぱいって言ってなかったか?

 まさか、食った分を今ので全部カロリー消費したのかよっ!?

 

「このおくに、おさかないっぱいいるんだよー♪」

 

 ったく、しょうがないにゃぁ。

 ボクらは、その奥に向かって歩き出した。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。