それいけ!ファンゴ君 シーズン3G   作:JUBIA

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第22歩~第24歩

【第22歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、二匹旅をしている。

 

 大佐の襲撃を回避したボクらは引き続き、ギギ坊のママ探しを再開することにした。

 洞窟の小さな穴から出たところは、高台の手前に細い道があり、その先がどこかへ繋がっているようだ。

 その細い道を道なりに歩き始めた時、高台の上に何かの気配を感じたボクは、そこへ目を向けた。

 

 うわっ!

 なんだ、アイツっ!?

 

 全身が白っぽく、オレンジ色の長い牙を持つ、猫目のモンスターがいつの間にかそこにいた。

 

「おいっ! 俺様はアイツの汁を吸ってみたいっ!!」

 

 失礼ながら、ギギ坊様は……正真正銘のバカでございますか?

 

「何を言ってるんだっ! 汁を吸う前に、アイツに食われてしまうぞっ!?」

「何っ? けしからんっ! それじゃぁ、アイツを捕獲せよっ!!」

 

 ダメだ、コイツ……。

 

 運よく、白猫にはまだ気付かれていない。

 ここは、そっと忍び足で静かに通り過ぎるしかない。

 ボクは静かに一歩ずつ踏み出した。

 しかしながら、雪面ならまだしも所々が氷になっていて、注意して歩かないと滑って転んでしまいそうだ。

 

 気を付けて歩いていたつもりが、次のエリアまであと少しというところで、気張り過ぎたせいかツルっと滑って転んでしまった。

 

 ドテっ!

 

 その音で、白猫に気付かれてしまった。

 白猫は、高台の縁まで走ってくると翼を広げ、その場からムササビのように滑空し、滑ることなくスタっとボクらのすぐ背後に降り立った。

 

 あわわ、あわわっ!

 

 すると、これから攻撃を仕掛けるぞ、と言わんばかりに咆哮し出した。

 その隙に、ボクは急いで立ち上がると、次のエリアへの入口に急いだ。

 

 ふーっ、またもや危なかった……。

 それにしても……咆哮してから攻撃するより、無言で飛び掛かったほうが狩りの成功率が上がると思うんだけど、その辺ってアイツらはどう考えているんだろうか?

 ま、別にいっかw

 

 背中からのお小言を聞き流しながら、ボクらはママ探しを再開した。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第23歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、二匹旅をしている。

 

 白猫の奇襲をなんとか振り切ったボクらは、広く見通しの良いところへやってきた。

 

 すると、中央辺りに黄色い何かがいた。

 よく見ると、色は変わってるけど、あれ……ギギ坊のママじゃないか?

 

「あれ、ギギ坊のママかな?」

「は? 貴様の目は節穴かっ!? アレのどこが母上に見えるんだ!」

「え、だってフォルムがそっくりだし……」

「アレは親戚の糞ババァだ!」

 

 へぇ、色違いの親戚か。

 あっ、だったらあの黄色いオバちゃんに聞いたら、ギギ坊のママの行方がわかるかもしれないぞ!

 ボクはその黄色いオバちゃんへ近付いた。

 

「あのう、すみません……」

「ギッシャァーーーーっ!」

 

 黄色いオバちゃんは振り返るなり、咆哮で威嚇したかと思うと、背中を丸めてバチバチと周囲に電気を放出した。

 

 ファっ!!

 黄色いオバちゃん……バチバチするんでつけど……。

 

 と、その時、背中でギギ坊が叫んだ。

 

「この糞ババァ! 俺様に向かって攻撃してくるとはいい度胸だ! 俺様が成体になったあかつきには、貴様なんぞ、この凍土から追い出してやる!!」

 

 黄色いオバちゃんは、また背中を丸めたかと思うと、卵とは違う黄色い塊を生み出している。

 何だか……嫌な悪寒がする。

 ボクらはその黄色い塊から距離をとった。

 

 しばらくすると、ボクの悪寒は的中した。

 その黄色い塊は、バチバチと電気を放ちながら爆発した。

 

 これ以上、黄色いオバちゃんと穏便に話ができるとは思えない。

 ボクは黄色いオバちゃんとギギ坊の確執がこれ以上大きくならないよう、その場を去ることにした。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第24歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、二匹旅をしている。

 

 黄色いおばちゃんと話が通じなかったので、ボクらは再びギギ坊のママ探しを再開していた。

 

「おいっ、貴様っ! 卵のあった場所に一度戻れっ! 母上が戻ってきてるかもしれないからなっ」

 

 またあの怖い洞窟でつか……。

 ボクらは、来た道を戻っていった。

 

「おいっ、貴様っ! ここで待ってろっ! ちょっと用事を足してくるっ」

 

 え?

 ギギ坊は、全身をウゴウゴと動かし、ボクの背中から降りていった。

 

 用事って何の用事だよ?

 ウ○チか?w

 ボクはその間に小腹を少し……って、ここには虫しかいないじゃまいかっ!?

 

 地べたに座り込み、ギギ坊が這って行ったほうを見ると、そこには数頭のポポがいた。

 ポポっPか……って、まさかっ!?

 すると、ポポのいるところからギギ坊がウゴウゴと全身を動かしながら、こちらに戻ってくる。

 

 っ!?

 ギギ坊……なんか……おっきくなって……る?

 当社比1.5倍はあるぞ!

 

「おいっ! 戻ったぞ! すぐに出発するぞっ!」

 

 背中に乗り込むギギ坊の体重は、さっきよりも断然重くなっている。

 

「あのさ……用事ってまさか……」

「気にするなっ、ただの食事だっ! ……ゲフっ」

 

 ポポっP、大丈夫かな?

 

 ボクは、横目でポポっPが貧血で倒れないか心配しながら元の洞窟に入った。

 すると、洞窟の奥で怪しい目が光るギギ坊のママを発見した。

 

「あっ! 母上っ!! 母上ーーーーーーっ!!!」

 

 背中からギギ坊が勢いよく飛び降りると、一目散にママのところへウゴウゴと這っていく。

 

 ふーっ、これでやっと背中の荷が降りた。

 と思っていると、ボクに気付いたギギ坊のママが、こちらに向かってズカズカと勢いよく突進してきた。

 

 プチっ!!

 

 ……っ!?

 ボクは言葉を失った。

 

 何かを踏んでしまったことにも気付かないギギ坊のママは、ボクへの突進をやめない。

 

 っ!!

 放心状態だったけど、間一髪のところで我を取り戻したボクは、急いでその洞窟から飛び出した。

 

 ハァハァ、ハァハァ。

 ……ギギ坊。

 ザ……ザマァ……w

 横暴だったギギ坊の末路は、あっけなく散ってしまった。

 

 あんな奴、いなくなって清々……だ。

 でも、あれだけ一生懸命探してたママに……まさか……そんな……ひどいよ。

 うぅぅ……ぐすっ……。

 目の前が(かす)んでいく。

 

 テッテレ~♪

 ギィギが倒れた!

 

 ボクは背中に残る温もりに別れを告げ、この凍土を出た。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

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