それいけ!ファンゴ君 シーズン3G   作:JUBIA

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スピンオファンゴ君[ギィギ編]~第26歩

【スピンオファンゴ君[ギィギ編]】

 

 ここは、凍土の薄暗い洞窟の中。

 

 パキっ……パキっ!

 

 地中から、ウゴウゴと一匹のギィギが這い出てきた。

 

「ってーっ! 俺様を踏んづけるなんて、母上も糞ババァの仲間入りか!?」

 

 母親のギギネブラに気付かれず、踏んづけられたギィギ。

 運よく骨が密集して落ちている場所で踏みつけられたせいか、骨と骨の隙間にめり込んだおかげで、辛うじて圧死から免れていた。

 

 埋まっていた骨の間から抜け出したギィギは、洞窟の入口にいる母親の元へ急いだ。

 

「おいっ! 母上っ!! さっき、俺様を踏んづけただろ?!」

 

 ギィギは、怒りに任せて母親へ怒鳴った。

 

「えっ? アナタ……私の子?」

「は? テメーで生んだ子供の顔も忘れたのかよっ!?」

 

「私が生んだのは卵よ。イチイチ子供の顔を一匹一匹覚えられるわけないじゃない?」

「こ……んのぉ、糞ババァめ!」

 

 ギィギは、チッと舌打ちをしている。

 

「ところで、私に何か用なの?」

「は? 何か用って……」

 

 ギィギは、もぞもぞとしている。

 

「ほら、周りを見てごらんなさい。ほかの子達は、私の助けなんていらないの。アナタ達は亀の子と一緒。みんな卵から(かえ)ったら、それぞれ自分の力で生きていくのよ」

「わ、わかってるよ、そんなこと……」

 

 くっそ、この俺様を亀の子扱いか……。

 

 そんなギィギの様子に、ギギネブラは溜息をついた。

 

「アナタ、もしかしてマザコン?」

「なっ、なんでそーなるんだよっ!? 俺様はただ……」

 

「何も用がないなら、私は行くわよ」

「あぁ……行けよ! どこにでも行ってしまえ!!」

 

 ギギネブラは、ギィギを置いて洞窟から出ていった。

 (あのお口の悪さは、いったい誰に似たのかしら……?)

 

 一匹取り残されたギィギは、またもやチッと舌打ちをすると、洞窟内を徘徊しているほかのギィギ達を見渡した。

 

 くすくすっ。

 くすくすっ。

 

 ギィギとギギネブラの会話を聞いていたほかのギィギ達は、クスクスとギィギのことを笑っている。

 

「笑うな!このウジムシどもめが!!」

 

 ふんっ、貴様らウジムシと一緒にされてたまるか。

 俺様は、貴様らとは断じて違う!

 いつか、ギギネブラの王となって、この凍土を支配してやる!!

 

 ギィギは、メラメラと内なる野望をその小さな体に秘めると、洞窟から出ていった。

 

 

【第26歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、一匹旅をしている。

 

 ギギ坊の夢のお告げのおかげで、怪しげな温泉案内の看板をヌルーして進んでいると、遠くに火山が見えてきた。

 懐かしい思い出がよみがえるけど、確か火山ってカオス軍だったよなw

 ここは気を引き締めて行かないと、ヤバイことになりそうだ。

 

 火山の見える浜辺を通り抜け、焼けつくような暑いエリアに足を踏み入れた。

 真ん中の陸地を挟んで、両側が溶岩の海になっている。

 所々の陸地が狭くなっているから、落ちたら大変だ。

 

 陸地の真ん中を歩いていると、にょっと細長くて赤いモンスターが地面から顔を出して、こちらを見ている。

 なんだ、アイツ?

 その横を通り過ぎるまで、ソイツはずっとボクを見ている。

 

 そして、そこを通り過ぎようとした時、ソイツはペっと赤い(たん)をボクに向かって吐き出した。

 なんだよっ!

 汚いなぁ……って熱っ!!

 

「…………悪い」

 

 は?

 悪いと思うなら、ボクのほうじゃなくて違うほうに痰を吐けよっ、ksgっ!!

 気管支炎でも(わずら)ってんのか?

 

「…………お前、……勇気は……持ち合わせてるか?」

 

 は?

 勇気ならりんりん持ってまつけど、それが何か?

 

「…………お前の勇気を……少しばかり……貸して欲しい」

 

 え?

 確かにボクの勇気は、りんりん12倍界王拳だけど、それを貸して欲しいとは、これいかに?

 って言うか、なんでそんなボソボソとしゃべるんだコイツ?

 

「君、なんてモンスター?」

「…………俺は……ウロコトル。……そう呼ばれている」

 

「ふーん、ウロ氏ね。ボクは……」

「…………ブルファンゴ」

 

「よく知ってるねっ! ってか、フルネームで呼ばれたの久々すぐるんでつけど。ってか、君はいつまで下半身隠してんだ?」

 

 ウロ氏は、しぶしぶ地面から全身を出すと、辺りをキョロキョロしている。

 その姿は全身赤く、タツノオトシゴのような体付きで、長い尻尾と特徴のある口をしていた。

 

「あっちのほうにウロ氏のお仲間が沢山いるみたいだけど、なんでここに一匹だけポツンといるんだい?」

「…………一見して仲間のように見えるが……果たして仲間かどうか……俺にはわからない」

 

 え?

 

「だって、君にも兄弟とかいるんじゃないのか? ボクにもカワイイ妹や弟がいるぞ」

「…………妹なんて、……てっきり都市伝説だとばかり……」

 

「親とか兄弟はいないのかい?」

「…………俺は……生まれてすぐに……家族とはぐれた。だから今まで……一匹で生きてきた」

 

 生まれてから誰とも話をしないで生きてきてるから、そんなコミュ障なんだよw

 

「で? ボクの勇気を何に使う気なんだい?」

「…………親の……敵討ち」

 

 ふーん……。

 えっ?

 えぇーーーーっ!?

 何、このヘヴィィーな展開?

 

 テッテレー♪

 ウロコトルが仲間になった!

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

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