それいけ!ファンゴ君 シーズン3G   作:JUBIA

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第27歩~第29歩

【第27歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、二匹旅をしている。

 

 成り行きでウロ氏の親の敵討ちを手伝うハメになったボクは、ズシリと重たい足取りで、ウロ氏とこの火山を歩いていた。

 

 敵討ちってさ……全ウロが泣いた! ってな感動のラストならいいけど、衝撃のラストになったらどうするんだよっ!?

 親の仇ったって……あれ?

 兄弟の顔も忘れてるのに、そもそも親の仇の顔は憶えてるのか?

 

「あのさ、ウロ氏……ちなみに親の仇って……」

「…………彼奴(きゃつ)の名は……忘れもしない……砕竜・ブラキディオス」

「へー(棒」

 

 どんなヤツかわかんないけど、なんかちょっと強そうな名前だなw

 

「本当に親の仇なの? 勘違いって話じゃ……」

「…………あれは……忘れもしない……」

 

 ウロ氏は今だに脳裏に焼き付いて離れない、衝撃的な過去について語り出した。

 

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 あれは、俺がこの世に生を受けてから数時間が経った頃だ。

 まだ幼少なる俺を含む兄弟達を、親父は一時間に一度、見回りに来ては俺達を見守っていた。

 

 ちょうど親父がいない時、エリアの向こうから青くも所々に蛍光色の粘菌を付けたブラキディオスがやってきた。

 

 そこへ運良く、三度目の見回りに来た親父は、ブラキディオスから俺達を守ろうと必死に攻撃をしかけた。

 親父は全身を使ってブラキディオスに巻き付き、俺達は親父の勝利を確信していた。

 

 だがその時、親父の身体に付着していた緑色の粘菌が赤みを帯びてくると、突然爆発を起こした。

 その衝撃で(ひる)んだ親父は、地面に伏してしまった。

 

 ブラキディオスは、その隙をついて親父を……たったの一撃で……葬った。

 

 兄弟達は方々に逃げたが、俺は……。

 地面から上半身を出したまま、目の当たりにしたその恐怖に、情けない話だが身動き一つできなかった。

 

 それが幸か不幸か、ブラキディオスは俺に気付かず、逃げ惑う兄弟達を追い掛けて行った。

 俺は…………ブラキディオスが見えなくなるまで、その姿をこの目に焼き付けていた。

 

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 …………。

 ボクは、なんと声を掛けていいのか、正直言葉が見つからなかった。

 

「…………そこで……お前の力を……貸して欲しい」

 

 そっ、そんな強そうなブラ()相手に、ボク達が勝てると本気で思っているのかっ?

 

「いやぁ、ウロ氏が成体になってから敵討ちしたほうが勝率的に……」

「…………今やらないと……ダメなんだ」

「どうしてさ?」

 

 しばらく無言を貫いたウロ氏は、意を決したように言った。

 

「…………日増しに……恐怖が……増殖していくんだ」

 

 それ、なんて増殖系ホラー?

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第28歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、二匹旅をしている。

 

 ウロ氏の壮絶な過去の話を聞いてしまったボクは、気の進まない敵討ちにどうしたものかと思い悩んでいた。

 まずは、そのブラ男とやらをこの目で見てみないことには、話が進まない。

 ボクは、ウロ氏とブラ男探しに出掛けた。

 

 中央付近のゆるいカーブのあるエリアに足を踏み入れた。

 左右を高い岩壁に囲まれているところを歩いていると、突然、岩壁の上からゴロゴロと巨大な岩石が転がってきた。

 岩石は、そのエリア内を大きく一回り転がり続けたかと思うと、ボクらの目の前で止まり、その正体を現した。

 

 岩石だと思っていたのは、背中にスパイクのような太い棘があり、巨大なアゴを持った金属の塊のようなモンスターだった。

 ビバ! ボンバイエっ!

 

「なんだ、コイツっ!?」

「…………ウラガンキン……だ」

 

 ミスター岩盤浴か。

 ヤツの上で寝てたら、こんがりと芯まで温まりそうだ。

 

 ボクらに気が付いたミスターは、くるりとその場で半回転すると、ぶっとい尻尾から火薬岩をぶちまけてきた。

 それをボクは華麗ステッポで回避し、ウロ氏も地中に潜って互いに被弾せずに済んだ。

 

「ブラ男の前に、まずはアイツをやっつけないと! それができないんじゃ、ブラ男討伐なんて微レ在だぞっ!?」

「…………無理だ」

 

 ホワッツ?

 今、何と??

 

「…………今の俺には……アイツを葬り去る(すべ)が……ない」

 

 何、このヘタレ?

 こんなんでよくもまあ、いざブラ男討伐へ!! なんて、どの口がほざいてるんだっ!

 ……ったく、まるっきしのボク頼みじゃまいかっ!?

 糞gっ!!

 

 ボクは、ミスターを観察した。

 あの重そうな巨体を支えている脚は……ぶっといな。

 となると、いつもの作戦は……正に当たってボクが砕ける最悪のシナリオ、か。

 

 ミスターにビビリながら、地中へ下半身を隠したままのウロ氏を横目に、ボクは何かいい作戦がないか脳内フル回転で熟考した。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第29歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、二匹旅をしている。

 

 ヘタレウロ氏の協力を得られないまま、ボクはミスターをやっつける作戦を熟考していた。

 

 すると、そこへミスターと瓜二つのモンスターがやってきた。

 ミスターよりも黒っぽい感じで、かすかに悪臭が漏れ出ている。

 おっと……これは面白いことになりそうだ。

 

 ミスターは、ボクらよりもミスター悪臭に狙いを変えたようだ。

 Wミスターは、互いにその強固なアゴを使って頭突きならぬ、アゴ突きをし始めた。

 

 その二匹に踏み潰されないよう、隅のほうでその戦いぶりを見学していたボクの横に、ヒョコっと地中から顔を出したウロ氏。

 

「…………お前、……怖く……ないのか?」

「え? こんな面白いもの、滅多に見られないじゃまいかっ?」

「…………さすが……俺が見込んだだけあるな」

 

 何言っちゃってんの、コイツ?

 あー、ここにキノコでもあればなぁ。

 モグモグしながら見物できるのに。

 ここにあるのは……ん? あそこに何かの実が落ちてるぞ。

 

 その実にボクが近付こうとしたその時、Wミスターが互いに顔を擦りつけ合いながら、ドスドスとやってきた。

 

「…………おいっ!」

 

 地中へ素早く潜ったウロ氏は、ボクの真下から頭を突きだしてきた。

 宙を舞うボクだったが、どうやらウロ氏が助けてくれたらしい。

 

「あっ、ありがトンっ!」

 

 ウロ氏が初めて意義ある行動をした瞬間だった。

 コイツ……、こんなこともができるんだ。

 これで戦術の輪が広がりんぐっ!

 

 Wミスターの戦いの末路は気になるものの、少しばかりの光明が差したボクらは、ブラ男探しを再開することにした。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

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