それいけ!ファンゴ君 シーズン3G   作:JUBIA

14 / 18
第30歩~第32歩

【第30歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、二匹旅をしている。

 

 ウロ氏にもヘタレなりの攻撃手段があると判明し、ボクらはWミスターを放置してブラ男探しを再開していた。

 

 両サイドを溶岩に挟まれ、平坦な場所に出た。

 そこには数匹のアイルーがいるだけで、大型のモンスターは誰もいない。

 ただやみくもに探しても、見付けるのは難しそうだ。

 

 すると、火山一帯を見渡せる絶好の場所があると言うウロ氏に、ボクは付いて行くことにした。

 狭い山道を登り、火山の頂上へと辿り着いたボクら。

 そこには、数匹のウロ氏の仲間らしいモンスターがいた。

 頂上から見渡すと、確かに火山一帯が手に取るように見える。

 

「おぅ! ナイスビューっ!」

「…………ここなら……ヤツの居場所もわかる……ハズだ」

 

 ボクらは見下ろす景色の中で、ブラ男の姿を探しだそうとしたその時、後ろから突然、地面を突き破るような大きな音がした。

 すぐに振り向くと、そこには燃え盛るように赤くて黄色い大きなモンスターがいた。

 

 わわっ!!

 デカーっ! ナガーっ!

 ……あ……れ?

 なんだか、ウロ氏をでっかくしたようなフォルムに見える。

 

「もしかして、あれって……ウロ氏のパパ?」

「…………親父? まさか……そんな……」

 

 ウロ氏は、うろたえている。

 

「おぉ、我が息子よ! しばらく見ないうちに大きくなったな!」

 

 全ウロが泣いた!!

 まさに感動のご対面ってやつじゃまいかっ!

 って、アレ?

 

「…………俺は……確かに見た。……あの時……」

「なんだ? どうした我が息子よ! 父の顔を忘れたか?」

「…………そんな……ハズは……」

 

 ウロ氏は、幼い頃に見た光景を父と名乗るそのモンスターに話した。

 

「あぁ、それ……違うな。俺じゃない誰かだ」

 

 えぇっ?

 

「あの時、俺は二度しかお前達のところへ行っていない!」

 

 えぇーーっ?

 それじゃ、ウロ氏が見たっていうのは……ウロパパじゃなかった!?

 

「実は……三度目の見回りに行こうとした時……ゴホっ」

 

 説明しよう!

 

 ウロ氏の父であるアグナコトルは、三度目の見回りに行こうとしたその矢先、ちょっと美モンな雌のアグナコトルを発見した。

 これは浮気ではないと自分に言い聞かせるも、なんだかんだ言いつつ、長きに渡り、つい先日までその美モンとイチャコラしていたのだった。

 

「…………では……あの時……俺が見たアグナコトルは……」

「うーん、たまたまほかのヤツが、そこを通りかかったんじゃないか?」

 

 なんて適当なパパなんだっ!

 

「しかし、あれだ! ブラキディオスなんて、お前には100万年早い!」

「…………親父なら……イケる……のか?」

「おっ、おうっ! 朝飯前だっ!」

 

 何はともあれ、ウロ氏のビッグ勘違いで無謀な戦いに挑むところだった。

 

「それじゃ、敵討ちはナシの方向でよろしいかっ?」

「…………そういうことなら……致し方……あるまい」

 

「それじゃぁ、ボクはこの火山を出発するよ」

「…………迷惑を……かけた。……すまない」

 

 親子水入らずで積もる話もあるだろう。

 ボクは、ウロ氏と適当パパに挨拶を済ますと、頂上からはぼっちで降りることにした。

 

 テッテレー♪

 ウロコトルと別れた!

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第31歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、一匹旅をしている。

 

 ウロ氏と別れたボクは、一匹トボトボと頂上から下へと続く細くて長い道を下った。

 途中、噴火の振動で、この細い道が崩れるのでは? と、死ぬ気の思いだった。

 アイルー達がいる平坦な場所に出たボクは、これから先どうしようかと考えながら歩いていた。

 

 すると、向こうから青くて所々に黄緑色の粘菌を付けた大型モンスターが、ノシっノシっとやってきた。

 あっ!

 あれは……まさかのブラ男かっ!?

 

 尻尾の先に特徴があり、長い棒のように突き出ている角、そしてなんといってもあの腕は、まさしく剛鉄拳!!

 あれじゃ……まるで初号機じゃないかっ!?

 

 ボクらは、あんなヤツをどうにかしようなんて思ってたのかっ!?

 ガクブル……。

 こっ、ここは目を合わせないように……っと……。

 ボクは下をうつむきながら、初号機を刺激しないよう道の端っこを歩いた。

 

 初号機とすれ違うその瞬間、突然、初号機は両腕でドゴっと地面を殴りつけたかと思うと、黄緑色の粘菌を地面へ付着させ、その粘菌を爆発させた。

 

 ピャゥァーーーっ!!

 ボっ、ボクなんかしたかな? かな?

 

 初号機は、虫の居所が悪かったのか、ボクに向かって両腕で地面を殴りながら追い掛けてくる。

 きっ、鬼畜すぐるっ!

 ボク、まだ何にもしてないし(震え声

 

 ……ハァハァ、確かに……ボクらには100万年早過ぐるようだ。

 ボクはさらに加速して、その場をなんとか逃げおおせた。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第32歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、一匹旅をしている。

 

 ブラ男の剛鉄拳から逃げ切ったボクは、いつの間にか虫けら一匹もいない寂しい場所へ辿り着いた。

 

 そこは溶岩の滝が流れていて、空は黒い噴煙で覆われ、地面はさっきまでいた火山と同様に、溶岩の川に挟まれたわずかな大地があるだけだ。

 ここ、まだ火山のどこかだよな?

 それにしても誰もいないぞ?

 

 すると、溶岩の滝の上に何やら黒いモンスターの影が見えた。

 それは、カモシカのような特徴のある2本の太い角、分厚い翼、どっしりとした四肢、ガッチリとした飛竜を思わせるフォルムだ。

 

 おっ、おぃっ!

 こんなところで……って、ここには隠れるところが、どこにもないじゃまいかっ!?

 ちょっと……ヤバスな感じ。

 

「最高のお面をもらいに来たっチャ!」

「ワガハイが先にもらうっンバ!」

 

 懐かしい声が後ろから聞こえてきた。

 こっ、コイツらw

 

「オレチャマが先にもらうっチャ!」

「ワガハイの方が先っンバ!」

 

 ずっとこんな感じなのか?ww

 遠くで二人のハンターが、奇面キッズに何か怒鳴っている。

 

「ヤーイ! 怒られてるっチャ!」

「怒られたのはオマエっンバ!」

 

 どうやら、あの時のハンター達が奇面キッズを引き連れて狩りに来たようだ。

 

「オレチャマは、アルバトリオンの討伐で忙しいから、終わったらお面を取りに来るっチャ!」

「ワガハイの華麗な狩猟をそこで見ているっンバ!」

 

 そう言って奇面キッズは、ハンター達の元へ走って行った。

 ハンター達の狩りの邪魔にならないよう、ボクは岩壁の隅でじっと見守ることにした。

 

 アルアルは火のブレスを吐き、空中から雷を落としかと思うと、氷の柱を吐きだしたりと、多彩な攻撃をハンター達に仕掛けている。

 アルアル……いろんな属性を使うのか。

 まるでウィザードだなw

 

 ハンター達のうち、一人は大剣のような武器をかざしていたかと思うと、その武器は斧のように形状を変化させ、匠にアルアルへ攻撃を仕掛けている。

 へー、あんな武器もあるんだー。

 

 別の一人はボウガン使いらしく、空中で飛び交うアルアルを見事に撃ち落とし、もう一人がこれまた見事な剣技でラッシュをかける。

 

 アイツら、思ったよりも結構やるな。

 ボクは脚をプラプラとさせ、優雅に高見の見物をしていた。

 

 あれっ?

 奇面キッズ……ただ踊ってるだけじゃまいかww

 何が華麗な狩猟だよっw

 ワロタww

 あれでサポできてんのか?www

 ザンネンコンビは、どっちだよwwww

 

 ボクはニヨニヨと、その戦闘の一部始終を見ていた。

 次第に見学にも飽きてきた頃、ようやくアルアルも討伐され、狩りを終えたザンネンキッズがボクのところへ走ってきた。

 

「ハァハァ、約束通りお面をもらうっチャ!」

「ハァハァ、ワガハイがもらうっンバ!」

 

 持ち合わせが何もありまてんけど、何か?

 すると、ハンター達がまたもやザンネンキッズに怒鳴り声を上げている。

 

「オマエがハギハギしてくるっチャ!」

「オマエこそハギハギしてくるっンバ!」

 

 さらにハンター達が怒鳴り声を上げる。

 

「むむっ、仕方ないっチャ! ちょっくら剥いでくるっチャ!」

「オマエ、ここで待ってるっンバ!」

 

 ザンネンキッズは、またハンターのところへ走っていった。

 どれ、今のうちに退散するとしようかw

 

 ボクは、ザンネンキッズが戻ってくる前に、その場を脱出した。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。