それいけ!ファンゴ君 シーズン3G   作:JUBIA

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第35歩~第37歩

【第35歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、二匹旅をしている。

 

 ガー子が案内してくれた隠れ家で、アイルー達のもてなしを受け、夜を明かしたボクらはそこを出発することにした。

 

 確かにここは、隠れ家ちっくだな。

 そこは竹が生い茂り、大型モンスターはなかなか立ち入ることができない場所だった。

 さて……と、どこへ行こうか?

 

「渓流にも滝があるんだよ~ん」

 

 へー、案内してもらおうか。

 ガー子の案内で、緑豊かな中に滝が流れるところへやって来た。

 

「あの滝の向こうにも行けるんだよ~ん」

 

 へー、そーなんだー。

 でも、滝をくぐる時、ビショビショになるだろっ。

 

 ボクが滝に見入っていると、背後から何かの気配を感じた。

 振り向くと、そこには青っぽいガチムチ系で、なんかカッコイイ感じの牙竜種がいた。

 

「なんだアイツ? すこぶるガッチリムッチリ系じゃないかっ!」

「はわわっ、はわわっ! ジンオウガはアタシ達の天敵なんだよ~ん」

 

 えっ?

 そーなの?

 紳士的に見えるけど……。

 

「アタシは、ここでバイバイなんだよ~ん」

 

 ガー子はそう言うと、危なっかしい小走りで逃げて行った。

 

 テッテレー♪

 ガーグァと別れた!

 

 威風堂々と、闊歩(かっぽ)してくるガチムチ兄貴。

 しかしながら、ボクは気付いてしまった。

 ガチムチ兄貴の背中に群がる虫達を……。

 

「あのう……背中に虫がたかってまつけど?」

 

 ボクは、親切心からガチムチ兄貴へ助言してやった。

 

「ん? あぁ、雷光虫のことか?」

 

 ガチムチ兄貴は、雷光虫から電気を貰う代わりに、雷光虫の天敵であるガーグァを捕食して、雷光虫達を守っていると親切丁寧に説明してくれた。

 

 あぁ、コイツら三角関係かw

 だからガー子のやつ、颯爽と逃げて行ったんだなww

 

「さっき逃げて行ったヤツ、ガーグァだよな?」

「え? うんっ、アイツ慌てて逃げて行ったよ」

 

「ちょっと腹減ってきたな。ま、お前でもいっか」

 

 え?

 ちょっ……ガチムチ兄貴紳士説はガセだったのか!?

 いや、勝手にボクがそう思い込んでいただけだったけど。

 

 ボクは、瞬時にガチムチ兄貴から逃れようと、アクセルダッシュをかました。

 すると、後ろからガチムチ兄貴が何やら光る玉を連続でこちらに向かって繰り出してきた。

 

 その玉は、ボクを追尾するかのように湾曲しながら目の前ではじけた。

 ファンネルかっ!?

 そのはじけた欠片に触れてしまったボクは、わずかにビリビリ感を感じた。

 

 あの玉……ビリビリファンネルかっ!?

 こりは……ヤヴァイ。

 もはや、ビショビショになるのを覚悟して、滝をくぐるしかないっ!

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第36歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、一匹旅をしている。

 

 ガチムチ兄貴の捕食から逃れ、滝の洞窟へ逃げ込んだボクは、ビショビショになりながらほっと一息を付いていた。

 そこには、石の柱や水の流れる鍾乳石の段々があり、とても神秘的な場所だった。

 

 その神秘的な光景に見入っていると、モコモコイエローの色違い、モコモコピンクが現れた。

 おわっw

 ピンクww

 雄なのにピンクってwww

 ドンマイピンクwwww

 

 静かに失笑していると、どこからか女王の色違い、桃色女王も現れた。

 なんだなんだ?

 今、ちまたではピンクが流行ってんのか?

 

 と、そこへ今度は、あのドスピンクランポス的なやつが紛れ込んできた。

 おぃおぃおぃ、桃色3姉弟か?

 今年のラッキーカラーはピンクか?ww

 

 案の定、この狭い洞窟内で三つ巴の戦いが始まった。

 ボクは岩陰からこっそり、ことの成り行きを見守ることにした。

 

 とはいっても、さすがの大型モンスターに敵うはずもなく、ドスピンクランポス的なやつは早々に敗走していった。

 残すは、モコモコピンクと桃色女王だ。

 

 ボクだったら、桃色女王に全部賭けるね。

 うーん、待てよ。

 ……大穴狙いなら、モコモコピンクもありかっ?

 

 モコモコピンクvs桃色女王のサシの勝負は、さすがの女王が善戦している。

 低空飛行でホバリングw

 卑怯すぐんだろ、それww

 腐っても陸の女王が、空中戦ってワロスwww

 

 ショボショボになったモコモコピンクは、水分補給するためか、滝の外へ出て行ってしまった。

 そして、それを追い掛けて行く桃色女王。

 

 ちょっ……向こうにはガチムチ兄貴gっ!

 くっそ!

 

 賭けの結末が気にはなるが、三匹の乱戦が予想されるエリアへ足を踏み入れる勇気はボクにはない。

 ボクのリンリン勇気も……ショボショボだ。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第37歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、一匹旅をしている。

 

 ピンク大乱戦の結末を諦めたボクは、洞窟の反対側から出ることにした。

 

 なんだかんだと過ごしているうちに、日が暮れて始めている。

 あ……れ?

 何か忘れてるような……。

 ……あっ!!

 

 ボクはスカーフの中から、一枚のチケットを取り出した。

 あーちゃんからもらったライブチケットだ。

 日時日時……と……。

 

 くっそ!

 今日の正午って書いてやがる!

 もう夕方じゃまいかっ!!

 あろうことか、ボクはあーちゃんのライブをすっぽかしてしまった。

 

 あーちゃん……もう行っちゃったかな?

 怒ってるかな?

 嫌われちゃったかな?

 残念ファンゴとか思われたかな?

 

 うんっ、きっとまたどこかで会えるさっ!

 その時に、今日の汚名を晴らせばいいっ!!

 ボクって、なんて前向きファンゴなんだろw

 

 ボクは新たな希望を胸に、歩き出した。

 そろそろこの渓流も制覇したところか。

 

 あれ?

 そういえば……いまだこの異国の地で、かのドスファンゴ様に出会ってないけど、どこにいるんだろう???

 そうだ、あーちゃんがいたエリアの、可愛い女子達に聞きに行ってみよう!

 うん、そうしよう!

 ボクは、あーちゃんと再会したエリアへ向かった。

 

 数日前と同様に、そこには可愛い女子達がいた。

 

「あのさ……ドスファンゴって、どこに行けば会えるかな?」

 

 ボクは、中でも一番可愛い子へ声を掛けてみた。

 

「え~っ? あなた知ってる?」

 

 その子は、別の雌ファンゴに聞いている。

 

「ううん、そういえば見たことないわね~」

「ごめんなさい、私達、この辺じゃ一度も見たことがないわ~」

「そ、そっか。……ありがトン」

 

 ボクは肩を落とした。

 そういえば、孤島でも水没林でも凍土でも、ドスファンゴは見掛けなかった。

 この渓流にもいないとなると……これで足取りが完全に消えたっ!

 

 おかしい……おかしいぞっ?

 これだけファンゴがいるのに、なぜにドスファンゴ様がいないっ?

 これは……何かの陰謀かっ!?

 

 いや、待てよ。

 もしや……ドスファンゴになるには、この地よりさらに過酷な地へ旅立ち、地獄の試練を乗り越えなければならない……という掟でもあるのかっ!?

 

 ……くっそ。

 そうか、そうなのかっ!

 

 では受けてやろう、その地獄の試練とやらをっ!!

 いったいボクは、これ以上、どれだけ強くなればいいのだろうか……。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

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