それいけ!ファンゴ君 シーズン3G   作:JUBIA

2 / 18
第3歩~第4歩

【第3歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、二匹旅をしている。

 

 ボクは青プーさんを引き連れ、魚が沢山いるという場所へやってきた。

 

「ここー♪」

 

 青プーさんがタタッと駆け出すと、そこには確かに数匹の魚影が見える。

 青プーさんは器用に右手で魚をすくうと、ビチャッと陸へ打ち上げた。

 今度こそ腹いっぱい食えばいいと思うよ。

 

 青プーさんの腹が満たされる間、ボクは暇つぶしに海岸沿いをぶらついた。

 沖のほうでは、アプトノスのような草食系が悠々(ゆうゆう)と泳いでいるのが見える。

 海にもあんなのがいるんだな。

 

 しばらく海を眺めていると、その草食系が急に慌ただしく散り散りになって逃げ出した。

 ん?

 海面越しに、なにやら青っぽくて大きいのが泳いでいるようだ。

 デカイぞ!

 魚か?

 

 すると、突然、その青いのが海中から陸へと飛び出してきた。

 ファっっ!!

 魚なんかじゃないぞ!

 何だこの……真っ青な竜はっ!?

 

 その姿は青く、大きく、長い首に長い尻尾で、頭に角を生やし、背中にいくつかの突起があり、青プーさんよりも鋭い爪を持った、まさしく海竜と呼ぶに相応(ふさわ)しいモンスターだった。

 

「ギシャーーーーっ!」

 

 青タツが()えると、ボクに向けて雷ブレスを飛ばしてきた。

 おわっ、……っぶないじゃないかっ!

 すんでのところでその一撃をかわしたボクは、すぐに青プーさんのところへ向かった。

 

 いや、いくらなんでも青プーさんじゃ青タツには勝てないか。

 いや、でも同じ青だし、どうにかなるか?

 青プーさんは、地べたにベタっと座り込んで、魚をモグモグしている。

 

「おいっ、アイツどうにかなるか?」

「(もぐもぐ)あ、ラギアくんだー♪ ラギアくんは、ぼくよりすっごいつよいよー♪」

 

 やはりダメか……。

 青プーさんとやり取りしているうちに、青タツは突進で瞬時に間合いを詰めてきた。

 早っ!!

 

「ラギアくん♪ ぼくのおさかな、わけてあげようか♪」

 

 って、おぃっ! やめろっ!

 話なんか通じないだろっ!!

 

「……いらねーよ。今、腹空いてねーし」

 

 通じたーーーーーっ!!

 

「じゃぁ、このおさかなは、ぼくがぜんぶたべちゃうね♪(もぐもぐ)」

「ふんっ」

 

 青タツは、のそのそと海へ帰っていく。

 ……YOUは、何しにここへ?

 

 それにしても、青プーさん恐るべし……意外と大物なのか?

 ここは敬意を表して、青テディとでも呼ぶべきかっ!?

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

【第4歩】

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、二匹旅をしている。

 

 魚で腹を満たした青プーさんの案内で、ボクらは海が見える少し薄暗いところにやってきた。

 そこには数頭のケルビが群れをなしている。

 

 へー、こんな場所があるんだな。

 と、辺りをキョロキョロしていると、空からなにやらバサバサと羽音とともに、色鮮やかな鳥が舞い降りてきた。

 ラッパのようなクチバシに胸のところが赤く、なんともおちゃらけた姿だ。

 その鳥が青プーさんに気が付くや否や、

 

「あっ! ちょっとそこのアンタっ! この前、ウチの魚を横取りしてったヤツでしょっ!?」

 

 青プーさん……あちこちで魚ドロボウ呼ばわりだなw

 

「ペッコさんのおさかなとってないもん♪ ぼくは、ぼくのおさかなたべただけだもん♪」

 

 このやり取りを聞くのは、はたして何度目だろうか。

 それよりコイツ、ペッ子っていうのかww

 これから癇癪(かんしゃく)を起したペッ子と青プーさんの泥仕合が始まるわけでつね、わかりまつ。

 

「べっ、別に、ウチの魚を食べたいなら食べたいって言ってくれれば、分けてあげないこともないんだからねっ」

 

 あれ?

 なんだ?

 これは斜め上の展開になってきたぞw

 まさかのツンデレペッ子www

 

「ペッコさんのおさかなじゃないもん♪ ぼくのおさかなだもん♪」

「だっ、だからっ、アレはウチの魚だったって言ってるでしょ?」

 

「ちがうもん♪ ぼくのだったもん♪」

「なんなのよーっ、アンタって熊はっ!! キーーーっ!!!」

 

 ボクの予想通りに癇癪を起したペッ子は、カチカチっと翼の先端を擦り合わせ、一っ跳びごとに爆発を起こしながら青プーさんへ近付いていく。

 なんだ、アイツ。

 火打石でも付けてるのか?

 

「あついよー♪ やめてよー♪」

「ごめんなさい、って言ったら許してあげなくもないわよっ!」

 

「ぼく、なにもわるいことしてないもん♪」

「キーーーっ!!」

 

 おぃおぃ、そこは悪くなくても謝ってご機嫌取るのが紳士だろw

 怒りが収まらないペッ子は、青プーさんをついばみ始めた。

 

「いたいよー、ペッコさーん♪」

 

 連続ついばみを払おうとした青プーさんは、思わず右フックをペッ子に食らわし、その弾みで地べたへ転んでしまったペッ子。

 

「……ったーいっ! もう完全に怒ったぁー!!」

 

 むくりと起き上がった激おこペッ子は「グォーーーーっ!」と、どこかで聞いたことのある鳴き声を発した。

 それから少しして、バサバサと空から大きな羽音とともに、あろうことか女王が舞い降りてきた。

 

 ペっ子のヤツ、女王を呼んだのかっ?

 知り合いだったのか、コイツらっ!?

 

「ふんっ、ウチを侮辱した罰なんだからねっ」

 

 ドヤ顔をするペッ子だったが、女王はボクらではなく、なぜかペッ子に向かって突進していった。

 

「ちょっ、ちょっとぉ! あっちに頭悪そうな熊がいるでしょ!!」

「アンタでしょ、いつもイタズラで無駄に私を呼んでるのはっ!?」

 

「ちっ、違うってば! あれは……ウチじゃないって!!」

「デートしてても、ご飯食べてても、○○○してても、いつもいつも邪魔ばっかりしてーっ!」

 

「だっ、だから違うってばーーっ! ちょっと、アンタ達っ、ボサっと見てないで助けなさいよっ!!」

 

 ペッ子、乙!

 女同士の争いには、関わらないほうが吉と……。

 

 ボクは青プーさんを連れて、そっとその場から逃げ出した。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。