同日
現在 ???
「此処は……何処だ?」
気が付いたら洸夜は、辺りが霧で包まれた場所に立っていた。
自分は部屋で眠っていた筈……なのに、何故この様な場所にいるのか洸夜には理解出来なかった。
そして、自分の装備を確認して見ると、左腰には刀が挿してあり、腰にはペルソナ白書、そして左肩にはホルスターに入った召喚器がある。
これらは全て自分の部屋に置いていた筈。
「なのに何故……?」
洸夜がこの異常な事態が飲み込めずに混乱しそうになっていた時だった。
“良く、来ましたね……”
「ッ!?」
まるで頭に直接声を流された様な声が突然聞こえ、洸夜は刀を構え辺りを警戒する。
しかし、何処からも気配は感じない。
タルタロスでシャドウと戦っていただけ合り、洸夜も少なからずは気配を探れる筈なのだが、何処からも気配は感じられなかった。
「……。(一体、何処にいる……!)」
“私はそこには居ませんよ…私に会いたいならば追って来て下さい。さあ、奥にどうぞ…”
「……」
語り掛けてくる声に洸夜は一瞬、罠の可能性も考えたが、此処が何処か分からない以上は先に進むしか無かった。
何処か分からない場所、そして謎の声からの誘い。
完全に相手の言われるがままの状態だった。
「こちらからどうする事も出来ない以上、この声に従うしかなさそうだな。……よく考えている」
そう呟くと洸夜は歩き出した。
霧が濃く、ちゃんと前に進んでいるのかどうかすら分からない。
それでも洸夜は足を止めずにまた一歩、また一歩と少しずつ前進して行った。
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あれから、どの位歩いたのだろうか?
正確には分からないが、かなりの距離を進んでいる筈なのに、不思議と足には疲れが見えない。
そして、暫く歩いている内に洸夜はこの場所の雰囲気が“影時間”に似ている事に気付くが……。
「雰囲気は影時間。だが、不快感はそれ以上だな……。(それに先程は気付かなかったが、この霧は何だ? まるで、纏わり付く様な感じだ)」
また、これ程まで霧が濃い理由も分からない。
ここの居場所を知られたくないのだろうか。
何故、そんな事を思ったのかは洸夜自身も分からなかったが、直感的にここの霧はただの霧では無いと判断した。
そして、再び暫く歩いていると、前方に扉らしきモノが見えた。
「コレは……?」
洸夜が扉に触れた瞬間…。
ガチャ……ガコンッ!
扉が開き、先に進める様に成った。
しかし、扉の先も霧で覆われており、全く何も見えなかった。
だが、それでも洸夜に不安は無かった。
自分にはペルソナがいる。ずっと自分と共に戦い、そして乗り越えて来た仲間であり、もう一人の自分。
例え、どんな相手でも洸夜は負ける気がしなかった。
「……行くか」
そして、洸夜は扉の向こうへと歩き出した。
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現在、???
扉の向こう側は霧で覆われていたが、広い空間である事は分かった。
広い空間だった為か、うっすらと霧が薄い場所があるのだ。
「霧が濃いのは変わらないが……さっきよりはマシだな」
“良く来ましたね”
「ッ!?」
再び聞こえた謎の声に洸夜は刀を握り、いつでも戦える体勢に入る。
そして…洸夜は気が付く。
自分の目の前に霧で覆われて完全に姿は見えないが、霧によって見えるシルエットでそこに何者かがいる事に……。
「お前か、俺を此処に呼んだのは?」
“ええ、貴方の力に興味が有るのですよ。他の者にはない……その力を”
そう言って???の周りの雰囲気が変わり、素人でも分かるぐらいの殺気が放たれる。
しかし、このぐらいの修羅場はずっと乗り越えて来た洸夜は少しも怯まない。
「フッ……ペルソナを知っていて勝負を挑むとはな。怪我しても恨むなよッ!」
そう言ってホルスターから召喚器を握る洸夜。
それに対し、???は洸夜の姿に笑っている。
“ふふふ、貴方では私に傷一つ付けられないでしょう”
「御託はいい。さっさと終わらせるぞ」
そう言って洸夜は、自分の頭に召喚器を付き付ける。
“そんなモノは貴方には必要ないでしょ?”
「癖に成ってしまったんでね……オシリスッ!ムラサキシキブッ!」
洸夜が引き金を弾くと同時に、洸夜のペルソナである『オシリス』と『ムラサキシキブ』が召喚される。
久方ぶりの実戦と言う事も有り、今の洸夜は心身共に張り切っているが、だからと言って油断もしてはいなかった。
シャドウなのか、それとも別の存在なのかは分からないが、今目の前にいる者は自分の敵。
其だけで戦う理由には十分。
そんな洸夜の姿に、???は何やら楽しい座興でも見ているかの様に楽しそうに笑っている。
“……同時に複数の召喚ですか”
「戦いの最中に喋っていると舌を噛むぞ……オシリス!」
洸夜の言葉にオシリスは大剣を???に目掛けて振り下ろし、霧ごと???を叩っ斬る。
“グッ!”
???にダメージが入ったのを確認した洸夜は、相手を休ませない様に一気に追撃する。
「オシリスッ!ムラサキシキブッ!」
洸夜の指示にオシリスは一旦、???から距離をとると大剣を掲げると全身から紅い色の電気が流れだす。ムラサキシキブは本を開くと、羽衣の色が青に変わり身体の周りから冷気が発生する。
しかし、その様子を見ていた???は、オシリス達の動きに対応する為か、動きが変わる。
“何をする気かは分かりませんが…アレを喰らう訳には行きませんね”
そう言って???が、霧の中に隠れ様としたが。
“グッ! やってくれますね……!”
オシリス達に気をとられていた???に洸夜は刀で一気に斬り付けていた。
そして、洸夜に斬られた事により???の身体から血が垂れだす。
「ペルソナに戦わせるだけが、ペルソナ使いじゃないんでな……」
“だが、この深い霧の中でどうやって私の位置を……”
???は、霧によって視界が悪く成っているこの場所で、洸夜がどうやって自分の位置を見付けたのか疑問に思っていると…。
『カシャシャッ!』
“ッ!? それは……”
洸夜の隣に突如、骸骨の顔をしたペルソナが出現し、???は驚いた様子になる
「コイツも俺のペルソナだ…戦闘力はともかく、ダンジョン探索や敵情報を探るのに長けているのでね……こんな霧で隠れ様としても意味は無いぞ」
そう言って刀を???に向ける洸夜。
“成る程……先程の場所で、それを使わなかったのは私に手の内を教えない為でしたか…!”
シルエットで顔は見えないが、恐らくは苦虫を噛んでいる様な顔に成っているで有ろう???を見て、洸夜は笑っている。
「クク、それよりもお前…いつまでも、俺だけを見ていて良いのか?」
“ッ! しまったッ!?”
???の後ろではオシリスとムラサキシキブが既に、後は技を放つだけの状態と成っていた。
「気付くのが遅い……オシリスッ!ムラサキシキブッ!」
『紅き稲妻/ニブルヘイム』
“グゥゥッ!”
オシリス専用技と、氷属性最強の技を放ち。
二体のペルソナの最強クラスの技を喰らい、???の周辺に煙りと氷の塊が発生する。
戦いで油断は命取り……まさにその通り。
そう思いながら洸夜は勝ちを確信し、ゆっくりと警戒しながら???に力付こうとした、その時…。
『混迷の霧』
「ッ!? 何だこの霧は…!」
突如、洸夜の周りに先程までの霧とは比べものに成らないぐらいの霧が発生する
「これは……!(先程の霧とは何かが違う! 一体、何が……!)」
そう思いながら洸夜は辺りの霧に警戒していると。
“ふふふ、驚きましたね。まさか、私に傷を付けるとは…”
「なッ!? お前、何で……」
そこには相変わらずシルエットしか写ってないが、声の感じからして、それ程ダメージを受けていない???の姿が合った。
しかし、???は洸夜の言葉に答える気はない様な感じで口を開く。
“申し訳ないが、もう時間何ですよ”
「時間? 何の事……!? グッ!」
???の言葉を聞いた瞬間洸夜の視界が歪み出し、段々と意識が薄れて行く。
“それではサヨウナラ。貴方の活躍を楽しみにさせて頂きますよ。その為に貴方には他の者達とは違う力を授けたのですから”
「ま、待てッ! お前は一体!」
“ふふふ、いずれまた会えますよ。貴方が追うのが真実で有るならばね”
その言葉を最後に、洸夜の意識は途切れた。
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「此処は…俺の部屋か」
洸夜が目を覚ますと、そこは自分の部屋だった。
そして、刀・召喚器・ペルソナ白書の三つも寝る前と同じ場所に置いて有る。
「夢……な訳無いよな。」
先程の出来事が夢な訳が無いと思う洸夜。
はっきり言って夢で片付けられる様な、簡単な出来事ではない。
「イゴールめ……厄介な事を押し付けてくれたな」
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現在???
洸夜が???と戦った後、同じ場所で総司も???と戦闘をしていた。
そして、総司の右手には刀が握られており、その隣には霧で良く見えないが大剣を持った何かがいた。
総司自身もこの状況に戸惑っていたが、何故かこの大剣を持った何者かの扱い方等が頭に直接入って来る為戦い事態は何とか成っていた。
しかし、それでも現状は良く無かった。
“どうしました?それで終わり何ですか?”
「ハァ……ハァ……一体何なんだ……!」
いくら攻撃しても、相手に効いてる様子はない。
はっきり言って手詰まりの状況だ。
“もう少し頑張ってみたらどうですか? 少なくとも“彼”は私に傷を付けましたよ?”
「“彼”……? 一体誰の事を言って……ッ!?」
突然、総司の視界が歪んだと思ったら意識も薄れて行く。
“どうやら時間の様ですね…それでは、またいつか…真実を求めるのであれば、会える思いますよ”
「お前……なん何だ……!」
そして、総司の意識は途切れ、気付くと洸夜の様に部屋の中にいた。
END