西住家のOUTSIDER〜〜愛を知らない少年の物語 作:ボノぼん
遂に前回のノロノロ連載ではなく、通常運転で再開します!
しかし、私が通う学校は工業系なので資格取得など、大切な時は
ノロノロ運転になると思うんで、それは許してください笑
それでは3,2,1・・・どうぞ。
「喰らえーーー!!!!!ドロップキックじゃ!!!!!!!」
ドガッ!!!!!!!!
「ブフッッッ!!!!!!?????」
429番のドロップキックを顔面で受け取ってしまった。
全体重を乗せているのか、顔面に深く足が沈んでいく。
「ガバァッッッッ!!!!」
ドロップキックを喰らった俺は、激しく吹き飛び、奴から数m離れた所まで転がった。
何とか立ち上がろうとするも、全く力が入らなかった。
(くっ・・・・・・糞っ・・・!!)
そして、どうすることも出来ないまま俺は意識を失った。
「ふーーっ・・・・・・何とか成功した・・・」
429番は、立ち上がりながら、俺の方を見つめていた。
「しかし・・・何て野郎だ。俺に負けてからたった2ヶ月半で
俺をダウン寸前にまで追い込むなんて・・・・・・マジで何者なんだよ・・・」
まさか俺がここまで変貌したのに対して、429番はとても驚いた。
しばらく立ったまま俺を見ていた奴は、俺に近づき始めた。
「まぁ、何はともあれ俺が勝ったんだし喧嘩の後片付けはしておかないとな」
そう言うと、意識が無い俺を担ぎながら廃工場を後にした。
■
「う・・・・・・・・・」
次の瞬間、俺が目を覚ました場所は廃工場ではなく河川敷だった。
(確か・・・・・・俺は・・・・・・・・・)
本当なら、廃工場で意識が戻っていた筈なのに・・・誰がこんなことを・・・。
何が何だか理解出来ずに辺りを見渡しているとある事に気が付いた。
「うん?・・・・・・この上着って・・・・・・」
自分の胸に黒い上着がかけられていた。
その上着には見覚えがあった。
確か・・・・・・429番の上着だった筈だ。
「何で、アイツの上着が・・・・・・」
何故、俺の胸にかけられているか分からず、疑問に思っていると、
「あ!!目ぇ覚めたんだな!」
後ろから、男らしい声が聞こえた。
後ろを振り返ると、そこには、
「結構気失ってたから、心配したけど、安心したわ」
さっきまで闘っていた429番が立っていた。
どうやらコイツが俺をここまで運んで来たようだ。
俺がジッと奴の顔を見ていると、奴はポケットから何か取り出した。
「ほら、喉渇いてただろ?これ飲めよ」
それは、自販機で売っていたコンポタージュだった。
しかし、何でこんなのを買って来たんだ。
こっちは、口の中切りまくっているのに。
「普通買うなら水だろ?何でこんな熱いもん買ってくるの?」
「あ!!本当だな!!!悪りぃ笑笑
いつもみたいにこれ買っちまったわ笑笑」
「買っちまったって・・・・・・お前・・・」
何なんだコイツは?
頼んでも無いのに、こんなむさ苦しくしてくるんだ。
更に黒田のむさ苦しいさは止まらず、俺の隣に座って来た。
そして、ポケットからタバコを取り出して火をつけ始めた。
「お前・・・・・・何してんの?」
「スゥーー・・・・・・ハァ〜〜何って
タバコ吸ってるに決まってんだろ。お前も吸う?」
「イヤ、良い・・・・・・・・・」
何やら途轍もなく気まずい空気になって来た。
「そんなことよりさ、お前この短期間何してたの?」
「え?」
「この短期間でそのパンチ力をどうやって
鍛えたんだよって聞いてんだよ」
「あぁ、それは・・・・・・」
突然意表を突いた質問されて、たじろいでしまった。
少し間を開け、再び会話を始めた。
「大木を殴ってた・・・」
「え!?大木!?」
「あぁ。それをずっと続けてたら、凄く拳固くなった」
「固くなったって・・・・・・その時、拳壊れなかったのか?」
「壊れた。その時は、ローキックをした」
「で、拳が戻ったら、また殴るのを再開するってことか?」
「あぁ」
「お、おい!一回殴ってみろ!?俺の掌目掛けて!」
「は?」
突然俺の目の前に立ち、両手を広げながらそう言う429番。
一瞬戸惑ったが、そこまで言うならと思い、右拳を固く握った。
「行くぞ・・・・・・」
「あぁ!来い!!」
「うおおおお〜〜〜!!!!」
ドガッ!!!
俺は固く握った右拳を思い切り奴の両手にぶつけた。
「くっ!!!」
近距離で俺のパンチを喰らった429番は、
ガードしていたのにも関わらず数m飛ばされた。
「ス、スゲェ!!お前本当にスゲェよ!!!」
そして、吹き飛ばされたにも関わらず笑顔だった。
それからもう2,3発パンチを打つと、俺の隣にまた座って来た。
「く〜〜痛ってぇ〜!
こんなに良いパンチ受けたの兄貴以来だぜ」
「兄貴?」
「そう!俺よりも6個上の人なんだけどさ、
お前みたいにスゲェ人なんだよ!!」
鼻を擦りながら、嬉しそうに話す429番。
何で俺の事を褒めてくれるんだ。何で俺なんかを・・・。
「別に俺は・・・・・・凄くなんか・・・ねぇよ」
「え?」
「どうせ皆・・・俺のことなんて、凄いと思ってねぇよ・・・・・・」
俯きながら、俺は喋った。
何でこんなことを喋っているのかも分からなかった。
「・・・・・・・・・・・・」
そんな俺を見ていた429番は、一呼吸入れると俺の肩を抱いた。
「な、何すんだよ!?」
突然の出来事に俺は何も出来なかった。
肩を抱いた後、429番はキリッとした目つきでこう言った。
「お前・・・やっぱ
鑑別所から思ってたんだけどよ・・なんかあるんだろ?」
「え・・・・・・」
さっきまでのヘラヘラした顔ではなく、真面目な顔だった。
「別に・・・お前は関係ないだろ・・・ほっといてくれよ」
「今日喧嘩に勝ったのは俺だろ。いいから教えろって」
「全然理由なってねぇよ・・・」
意味の分からない理由を言う429番に理解が追いつかない。
しかし、このままずっと断れば肩から手を離してくれない筈・・・
そう思った俺は、一呼吸入れ、429番と目を合わせて、
「・・・・・・あれは、俺が5歳の時だった・・・」
理由を話し始めた。
今までずっと祖父達から暴力を浴びていた事。
父母両方に冷たい態度を取られ続けていた事。
妹2人に度を越えたからかいを受けていた事。
学校で、全員にいじめられていた事。
そして、それに耐えきれず、正月の集まりの日に
祖父を含め3人の大人を病院送りにした事。
学校で、自分をいじめていた主犯格の3人を自殺までに追い込んだ事。
事情聴取されそうになった時、警察を殴り、それが原因で鑑別所に入った事。
以下の全ての事を429番に俺は話した。
途中話すのをやめようと思ったが、口が勝手に動いた。
何で動くのかも分からなかった。
全て話し終えた後、俺は横目で429番を見た。
(話すだけ無駄だったな・・・・・・)
ハッキリ言って、関係ない事をただ1人で話している様な感じだ。
何も伝わってないだろうと思っていた。
しかし次の瞬間、俺の予想を遥かに上回る出来事が起きていた。
「・・・・・・っ、・・・・・・ぅ・・・っ・・・・・・」
「!!??」
な、泣いてるのか・・・?
俺の話を聞いて泣いているのか?
何でどうして・・・・・・?
「・・・・・・ぐすっ、お前・・・ずっと、耐えて、たんだな・・・・・・っ」
「あ・・・・・・あぁ・・・」
「普通なら・・・もう、とっくに・・・・・・っ、自殺してるぞ・・・・・・ぅ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
雨の様に涙を溢し、啜り泣く429番を見ても尚俺は分からなかった。
何で、他人なのに・・・こんなに感情を注いでくれるなんて・・・。
「何で・・・・・・泣いてるんだよ・・・・・・」
「え?」
「他人なのに・・・ずっと一緒に生きてる訳でも無いのに、
それに・・・今日喧嘩に負けた奴の話聞いて、何で泣くんだよ!」
叫ぶ様につい言ってしまった。
すると、奴は涙を拭いて俺の肩を掴んでこう言った。
「こんなに辛い話聞いて、誰が泣かねぇんだよ!!」
「え?」
「他人も糞も関係ねぇよ!!こんな辛い話を聞いて、
ゲラゲラ笑う野郎なんざ、この世には居ねぇよ!!!」
「それに・・・・・・お前辛かったんだろ?」
「!!」
「そうだろ?打ち明けられる奴も居ないし、誰も助けてくれないし、
何より居場所が無かったんだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
何で、何で分かるんだ。
たったの2回しか会っていないのに、
どうしてそこまで俺の事が分かるんだ・・・。
全然分からない・・・・・・。
「お前、友達居ないんだろ?」
「え?あ・・・・・・うん」
「だったら、俺がお前のダチ・・・イヤ、相棒になってやるよ!」
「えぇ!?」
「お前の痛みや悲しみを俺も一緒に受けてやる。
お前見てるとほっとけねぇんだよ」
「で、でも・・・」
「でもじゃない!ほら、拳出せ」
429番の言われるままに右拳を出された。
429番も自分の左拳を出して、そっと俺の右拳とくっつけた。
「今思ったんだけどさ、俺らまだ名前名乗って無かったな。
俺の名前は、黒田明宏。お前は?」
「に・・・・・・西住、彰・・・・・・・・・」
「そっか、彰って言うんだな・・・よろしくな!!彰!!!」
満面の笑みでそう伝える429番。
「あぁ・・・・・・よろしく、黒田・・・・・・」
一方の俺は、まだ他人行儀の喋り方になってしまった。
「もう、他人行儀だなぁ〜明宏で良いって、明宏で!」
「わかった。よろしく、明、宏・・・」
「おう!よろしくな!!!」
そう言うと、俺達は拳を元に戻した。
429番は、置いていた上着を着ると一息ついて俺の方を向いた。
「じゃ、俺もう帰るから気をつけて帰れよ!」
「あ、うん・・・」
「じゃあな!彰!!明日からよろしくな!」
そう言い終えると、
429番は額に指をピッとするポーズをして走って行った。
1人残された俺は、右拳をジッと見つめていた。
(相棒・・・・・・か・・・)
とても、複雑な気持ちだった。
何故、ここまでしてくれるのかと思うと尚更思った。
これが俺と42・・・イヤ、黒田明宏との出会いだった。
この黒田明宏との出会いが俺の人生を大きく変わる
その時の俺はまだ知らなかった・・・・・・。
はい!今回はここで終了です!!
これでまず、序の1つ目の山場は終了しました。
まだ山場はあるので、楽しみにしていてください。
それではここらで終わらせて貰います!
じゃあ次回も夜露死苦!!
!!See you!!