西住家のOUTSIDER〜〜愛を知らない少年の物語   作:ボノぼん

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どうもボノぼんです。
かなり期間が空いての投稿になってしまい申し訳ございません
この物語を早く進めたいと毎回思っているのですが、
毎度毎度忙しいので、執筆する時間がとても少ないです。

今回は若干短いですが、前回の続きで彰が明宏の家に行く話です。


遭遇(後編)

 

「大丈夫か?」

 

俺は、ゆっくりと座り込み目の前にいる女を見つめた。

女は最初怯えていたが、次第に落ち着き俺の手をゆっくりと握って立ち上がった。

 

「おい!彰ー!!卑怯だぞー!」

 

そこに明宏が遅れて俺達の所へとやって来た。

思い切り走ったのか、息を切らしている。

脈が安定してくるといきなり胸ぐらを掴んで来た。

 

「お前って奴は・・・こういう時は一緒にやるもんだろうが」

 

どうやら、1人で片付けたことに怒っているようだ。

 

「は?知るか。だったら俺より早くに着いていたら良かっただけの話だろ」

「何〜!?」

 

俺が言い返すと明宏は更に怒りの表情が出始めた。

そんなこんなでいざこざしていたら、

 

「あ、あのー」

「「え?」」

 

女が俺達に何か伝えようとしていた。

 

「何?」

「あ、ありがとうございます!」

 

地面と水平になるぐらいまで頭を下げて女は俺達に感謝を告げた。

俺はなんて返そうか考えていたら、明宏が女に近付いた。

そして、女に近づくと肩に手を置いて優しく話しかけた。

 

「そんな律儀に頭を下げなくて大丈夫だよ。第一、何でこんな所に1人でいたの?」

「え?あ、それは・・・」

 

明宏の問いかけに女は若干顔が紅潮した。

前から思ってはいたが、明宏の顔を見ると女は顔を紅潮する。

ある奴は、悲鳴に近い叫び声を上げたりする。

どうやら明宏は女にモテやすい人間なのかもしれない。

 

「じ、実は」

 

女は口をパクパクしながら、俺達に事のきっかけを話し始めた。

 

「え?家出??」

「はい・・・」

「何でまたそんな事を?」

「それは・・・・・・」

 

話して数分経ったが、どうやら女は家出をしようとしていたらしい。

それはまたおかしい奴だ。家出するならするなりに何か持っていく筈なのに

女はウサギのぬいぐるみという役に立たない物を抱いていた。

 

「家に帰っても何も楽しく無いから」

「楽しくない?」

「はい。私の両親は、私の事を《出来損ない》と言って、

 姉の事を《天才》と褒めてばかりなので・・・」

「!!」

 

女の話を聞いた直後、俺は頭に鋭い痛みが走った。

何だコイツは。まるで、前の俺みたいじゃないか。

 

何でやり返さないんだ・・・。

この女を見てると急に腹が立ってきた。

 

そして、そのまま感情に流される様に女の胸ぐらを掴んだ。

 

「お、おい!?彰!!」

「お前、悔しくないの?」

「え?ちょ、何してるんですか?」

「悔しくないのかって聞いてんだよ!!!」

 

「「!!」」

 

俺が声を荒げると明宏と女は静かになった。

少しの間が空くと女は口を開き始めた。

 

「悔しい・・・!悔しいに決まってるじゃないですか・・・!!」

「・・・」

「毎日姉と比べられて生きて、姉が出来ることが自分には出来なくて、努力していたら

 家族全員に鼻で笑われて、そんなの悔しいに決まってるじゃない・・・!!!」

 

そう言うと、女は涙を溢し始めた。

余程、心の中にあった苦しみを解放した様だ。

 

「そうか・・・だったらどうするんだ?」

 

俺はジッと女を見てそう呟いた。

 

「見返したい・・・見返してやりたいです!!」

 

女を下唇を噛みながら俺にそう言った。

 

なんだ・・・全然面白くないやコイツ。

 

 

「話を聞いてくれてありがとうございます!

 私、何か変われるかもしれません!

 また会うか分かりませんけど、ではまた」

「あぁ、ちょっと!!」

 

明宏が声をかけるよりも早く女は駆け出した。

気がつくと豆粒になるぐらいまで距離が遠くになっていた。

 

「さて、俺らも行くか」

「・・・あぁ」

 

自然と足がゆっくりと動き始めた。

明宏がスクーターを押しながら俺の前を歩く。

俺は、後ろを振り返るとさっきまで騒がしかった路地が嵐が去った後の静けさの様だった。

そして、俺はその路地を見つめながらもう来る事は無いだろうと思いながら去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◾️

 

「おい彰!やっと見えてきたぞ、あれが俺の家だ!!」

 

歩いて10分、ようやく明宏の家が見えてきた。

本当、こんなに遠いとは正直思ってもいなかった。

明宏の家の前に着くと、家の全貌を見渡す。

 

(デカいな・・・)

 

自分の家と比べたら互角なのではと思う程明宏の家は大きかった。

玄関前に着くと、一礼しながら中へとゆっくり足を運んだ。

中に入ると左に大きなガレージがあった。見るからに高そうな車が何台も並んでいる。

そんな高級車の横に明宏は粗末なスクーターを駐車する。

 

「どう?俺ん家結構大きいだろ?」

「あぁ」

「まぁ、いうて殆どはこのガレージが家の7割占めてるからな」

 

微笑みながら明宏は俺を見つめていた。

 

「本当大きいな。お前の両親はどんな仕事してるんだ?」

「極道」

「!!」

 

あっさりと凄い事をいう明宏に対して俺は一瞬びっくりした。

どうりであんなに高級車を持てるわけだ。俺がびっくりしているにも関わらず

明宏はガレージの中から理科室にありそうな腰掛けのない椅子を引きずって

自分の前に置くと跨がる様に座った。すると、今度はポケットから

タバコを取り出してライターで火を付けた。

 

「フゥー・・・どうした?そんなにびっくりしたのか?」

 

誰だっていきなり親が極道と聞いたらびっくりする筈だ。

 

「極道といってもやっているのは親父だけだ」

「親父だけ?お母さんはいないのか?」

「お母さん?あぁ、俺を産んですぐ何処かに行っちゃったよ」

「え?」

「だから、母親ってどんな人なのか全く知らねぇんだ」

 

そう言うと、明宏はまたタバコを肺に入れながら笑っていた。

その笑みには一体何の意味があるのか俺は分からなかった。

 

 

それからというものの俺は、明宏の家をガレージを散策していた。

ガレージと言っても格納庫並の大きさだ。その中には高級車やバイクやらなんでもあった。

そんなガレージを一周しているとふと目が止まった。

 

(何だ?・・・写真か?)

 

ガレージの端に小さな額縁が掛けられていた。

よく見ると、何やら集合写真の様な写真だった。

 

(これ、もしかして暴走族か?)

 

写真に写っていたのは、黒い特攻服を着た5人の男達だった。

その中には明らかに小学生だと誰もが言う金髪の子供がいた。

 

「どうした?何か凄いもの見つけたのか?」

 

明宏がタバコを咥えながら歩んで来た。

 

「これってもしかしてお前か?」

 

俺は写真に写っている子供を指差す。

すると、明宏は小さく笑いながら俺を見つめた。

 

「そうだぜ笑それ俺だよ。確か小3の時に撮ったやつだ」

「は!?」

 

小3で暴走族って、一体コイツはどんな人生してるんだ。

それにコイツを入れる暴走族もどんな神経してるんだ。

 

「うっわぁ、なっつ〜よく兄貴と一緒にいたなぁ」

「お前の兄貴はどれなんだ?」

「この人だよ。俺の隣で笑ってる人、総長してたんだ」

 

明宏が指を伸ばして俺に説明した。

明宏の隣で笑っている兄貴と呼ばれる人物は何処か悪巧みしてそうな笑みを浮かべていた。

こんな人が暴走族の頭なんて100人中99人はそうだと思わないだろう。

しばらくじっと見ていた俺だが、ある事に気がついた。

 

「この人、お前と同じ耳飾りしてるな」

 

兄貴さんは、両耳に明宏と同じ耳飾りを付けていた。

 

「うん。この耳飾り、兄貴から貰ったものなんだよ。

 丁度兄貴が総長辞めるって同時にさ」

 

明宏はそう言うと、何処か侘しいさを感じさせそうな表情を浮かべた。

 

「兄貴、何してるかな?また会いたいよ」

「その人とはこれっきりなのか?」

 

俺がそう問うと明宏は顔を俯かせ、小さく首を縦に振る。

何だ。さっきまであんなに笑っていたのに急に憂鬱に浸っている。

 

何かあったのか。

 

 

「まぁ、この話はまたするよ。それに・・・そろそろ日が暮れる」

 

そう言うと、明宏は口からタバコを離して地面に擦り付けた。

擦り付けられた地面は少し黒ずんだ。

確かにさっきまで眩しかった空も今じゃナイトモードに入ろうとしている。

 

「じゃあ俺は帰るわ」

「あぁ、今日はありがとな。また明日な」

 

柔な2本指敬礼をする明宏を背に俺は一礼をして敷居を跨ぎ、

ゆっくりと家の方へ歩き始めた。

 

 

生まれて初めて人の家に上がった俺は、何処か引っかかっていた。

 

何だろう・・・ただガレージでどうでもいい話をしたり聞いたりしただけなのに

何故こんなに楽しく感じるのだろうか。

 

・・・・・・これが友達、いや相棒というものなんだな。

少し分かった気がする。

 

 

学校に戻ってから1カ月か・・・まだこの学校を卒業しないが、

そろそろ自分のやりたい事を探さないといけないな。

 

 

 

でも、俺がやりたいことって何だ?

 

 

片目は見えなくなったし、片耳だって聞こえない。

そんな奴にだって出来る事って何だ?

 

今の俺には、答えがまだ見つからなかった。

 




今回の話はここで終わりです。

前編後編で分けた今回の話ですが、少しボリュームは少ないと思います。
なぜなら前編後編に分けた理由はただ私がしんどくなって半分にしようと思っただけです笑
しかし、そのせいで後編を仕上げるのにかなりの時間がかかりました。

本当最悪です。

今回は明宏の家に行く話プラスで明宏の過去をほんの少しだけ掘り下げましたが、
またいつか紹介したいと思います。

それではここらで終わらせて貰います!

じゃあ次回も夜露死苦!!
 

                  !!See you!!
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