西住家のOUTSIDER〜〜愛を知らない少年の物語   作:ボノぼん

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どうもボノぼんです!お気に入りが二桁でびっくりしました!


修羅

「はっ!はぁはぁ」

 

次の瞬間目を覚ました時は薄暗い部屋の中だった。確か自分は右目を杖で抉られて

意識を失ったはず・・・。そう思いながら体を起こして、障子を動かした。廊下に出ると無音が

自分の耳に響いていた。

 

「痛っ!・・・・・・」

 

突如右目がジンジンした。慌てて右目を抑える。が、何にも効果が無い。そんなことをしていると誰かがやって来た。

 

「あ!起きたんですね坊ちゃん!」

「き、菊代さん・・・・・・」 

 

菊代さんが・・・菊代さんが来てくれた。菊代さんはこの家の女中のリーダー的存在で

とても優しい人。もちろん妹達の世話もしているけどどちらかと言うと俺の世話をしてくれる

俺にとって母親の様な人だ。右目を抑えてこちらを見る自分を菊代さんは白い手で

俺の頬を触ってきた。

 

「やっぱり目の腫れは酷いですね・・・眼帯しておきましょうか」

 

そう言うと救急箱を持ってきて俺に眼帯をしてくれた。そんな小さな事に俺は涙を流した。

嬉しかった。俺にそんな優しい表情をしてくれるのは菊代さんだけだった。

他の女中は皆冷たい目で俺を見つめてくる。

だからそんなことをしてくれる菊代さんに対して嬉しかった。

そんな泣いている俺を見ている菊代さんは微笑んで何も言わずに俺の頭を撫でてくれた。

それがとても自分の心の中に灯してくれる唯一の光だった。

その後何も食べずにぐっすりと眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺には家以外にも地獄が存在する。そこは学校だ。でもどちらかと言えば修羅だろう。

 

修羅。インドの鬼神阿修羅の略名だが醜い争いや果てしない闘いという意味でもある。

 

今日はそんな場所にランドセルを背負って向かって行く。正直行きたくない。何故なら、

 

「おい!彰!おっはよーさん!!」バンッ

 

「今日もちゃんとやれよっな!!」バンッ

 

「ハハハハハ面白ぇ!」バンッ

 

いつもこの3人“石田”、“太田”、“江藤”に虐められる。でもこの3人だけではない。

 

「ねぇ西住ー消しゴム取ってくんなーい?」

 

「え!?あ、うん」

 

「もー早く取りなさいよー!」

 

「ごめん。これ・・・」

 

「何これ!!汚ったなーあんた不潔?」

 

「違うよさっき取った時に『ねぇねぇ皆聞いて!西住が私の消しゴムに埃付けてきたんだけど」

 

「えー!マジー西住キッモ」

 

「だからさーちょっとこいつも汚くしてくんない?」

 

「オッケー。おい彰!女子の消しゴムに埃付けるとかお前マジ糞だよな」

 

「そんな奴にはお仕置きでーす」

 

「おーいゴミ箱持ってこい!」

 

「違うって!ねぇ皆話を聞いてくれ『うるせえんだよこの糞野郎が!』」バキッ

 

「痛っ」

 

石田から右のストレートが頬に入った。突然起きたことなので分からなかった。

すると今度は太田が、

 

「制裁キック!」バキッ

 

「ぐはぁっ!!」

 

腹に飛び蹴りが入ってメリメリと音を立てた。そして最後に江藤がゴミ箱を持ってきて、

 

「ゴミになーーれ!!!!」

 

ゴミ箱に入っているゴミを全部俺にぶつけてきた。おかげで体中埃を被った。

 

「キャハハハハ!!最高!あんたって本当にゴミが似合うわ!ハハハハハ!!」

 

「いいよー男子。もっとやっちゃえやっちゃえ」

 

「へーい!彰!学校に来たってお前の“居場所“なんかねーんだよ。ハハハハハ!!」

 

「「「「「ハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!」」」」」

 

これがもう一つの地獄。俺は虐められている。コイツらに・・・このクラスに。正直本当は

殴り返したい。でもそんな勇気が無い。俺は一生虐められ続けて生きていくのだろう。

本当に苦しくて、今でも首を吊りたい。そんな事をされている際他の奴らは見て見ぬ振りをする。こんな屑になりたくなかった。どんなに虐められても・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何とか学校と言う修羅の時間が終わり服は汚れ、鼻にティッシュを詰め、顔を赤く腫れさせながら俺は家に着いた。家に帰るも誰からもおかえりと言う言葉も無い。ふと母親と目が合ってもすぐ

目線を変えて何処かへ行った。父親の顔を見ようと格納庫に行こうとしたが父親はいなかった。

所詮俺に興味などないのだろう。そう勝手に決めつけて自室に向かった。

 

俺の部屋は妹達と違って大きな部屋ではない。畳6畳の茶室の様な部屋だ。もちろん布団を敷くととても狭くなる。本棚などは壁掛けで、 机は折り畳み。俺にはそんなに金を安安と使いたくないのだろう。だから俺が欲しいと言った物は全部却下された。妹達が欲しい物があると言えば

理由を聞いてから買う癖に・・・俺には理由すら耳を傾けてくれない。

 

だから俺は両親のことが余り好きじゃない。だって俺のおねだりや願いも叶えてくれないから。

そう頭の中で考え本棚から飛行機の図鑑とノートを取り出した。俺は飛行機という物が大好きだ。果てしない空を勇ましく飛び続ける飛行機という物に俺は心を奪われた。

いつか・・・パイロットになりたい。

 

そんな夢を心の片隅に置いていた俺はほんの少しずつ飛行機を知ろうと飛行機を描き続けていた。絵心は自分的にはあるとは思っているので図鑑をペラペラと音を出しながら今日は何を描こうかと捲っていると突如図鑑が俺の視界から消えた。慌てて上を見上げるとそこには図鑑を持って俺を

見下ろしている父親がいた。父親は俺が何をしようと理解したのか俺を見つめてため息を溢す。

 

「こんなことをする暇があるなら自分の部屋の掃除をして置きなさい」

 

父親はそう言うと父さんは戦車の整備をするからして置くんだぞっと言い残してドスッドスッと

音を立てながら格納庫へと向かって行った。確かに俺の部屋の掃除は女中の人達がやってくれて

いるが俺の部屋だからなのか埃がやや溜まっていたので今日か明日かやろうと考えていた。

でも父親がやれと言われたら断ることは出来ない。もし断ったりしたら母親を呼んで

また説教を始めるだろう。仕方なく俺はノートをしまい掃除に取り掛かった。

 

 

 

まずは本棚と机の掃除からだ。机はよく消しゴムのカスや鉛筆の黒い痕が付いていたので

そこを雑巾で必死に磨いた。本棚は本を取り出してから棚を磨き埃などはホコリ取りで取った。

 

畳はホウキを使って掃除し、後から雑巾で綺麗に拭いていった。そして最後に部屋の前の廊下を

お寺の和尚の様に拭きながら走ったり戻ったりを繰り返した。そして廊下も綺麗に拭き終えると

辺りはもうすっかり夕暮れになっていた。初秋の風が体中に響き渡る。

 

「さて雑巾とバケツの後片付けをするか・・・」

 

雑巾をバケツに入れてシンクに流しに行こうと廊下を歩いた。

 

シンクにバケツの水を全部流し込み、中の水がすっかり空になったことを確認するとバケツを片付けようと玄関へ向かう。玄関にあったバケツを戻している最中誰かが俺の肩を叩いた。

一体誰だと思い、後ろを振り返ると、

 

パァァン!!!!!!!!!!!!

 

「っ!!!!」

 

突如耳の鼓膜にビリッと電気の様なものが流れた。慌てて耳を塞ぐ。

鼓膜にはキーーンと何かしら不協和音が流れている。

一体誰がやったんだ・・・。そう思って顔を上げると、そこには、

 

「ハハハハッ!!お兄ちゃんびっくりし過ぎだよ!!」

「ハハハハハッ!!!!そんなに驚かなくていいだろう・・・・・・何て大袈裟な奴なんだ・・・」

 

妹達がゲラゲラ笑いながら俺を見ていた。よく見ると左手にクラッカーを持っている。

そう思うと体中が急に熱くなってきた。

 

「どうお兄ちゃん!すっごくびっくりした?」

「私が考えたんだ。どうだ?お前みたいな奴でも面白くなるだろう!」

 

「それを使って俺の耳に向かって打ったのか・・・」

 

「そうだよ!それがどうかした?」

「ふざけるのも大概にしろよ!!」ダッ

「!?」

 

俺は何も考えずに妹に突進しようとした。が、

 

ビリッ

 

「痛っ!・・・」

「普段何にも出来ない役立たずがいい気になるな」

「お姉ちゃん凄い!どうやったの!?」

「何・・・ちょっと膝蹴りをしただけさ。ふん弱いくせにいきり立ちやがって」

「ゴホッゴホッ」

「おい雑魚彰。お前みたいな奴はずっと下を向いてればいいんだ。

 一生私達の遊び相手になっていたらいいんだ。分かったな」バキッ

 

頭を踏まれながら俺は侮蔑された。悔しかった。でも俺は弱かった。そんな力なんて無かった。

多分この時からだろう。この妹2人の人生をめちゃくちゃにしてやろうと思ったのは・・・。

そんな侮蔑行為をされている時菊代さんが大きな声で夕飯の支度が出来たと教えに来た。

 

「いけない。菊代さんだ!」

「早く早くお姉ちゃん菊代さんにバレる前にご飯食べに行こうよ」

「あ!待ってくれみほ!」

 

妹2人は夕飯を食べるために大広間に向かって走って行った。俺も行こうと立ち上がった。

すると菊代さんが運良くやって来た。

 

「あ!坊ちゃんここにいたんですね!さあ早く。夕飯の支度が出来ていますよ」

「ありがとう・・・・・・菊代さん・・・・・・」

 

俺はそう言いながら大広間に向かって歩いって行った。

あれ何か右耳から何か出ているような・・・まあ気のせいか。

 

「あれ?おかしいな・・・坊ちゃんの右耳から“血”が流れていたような・・・・・・」

 

そう気づいていなかった俺は。右耳からポツポツと血が流れていたことに・・・。

そして・・・・・・これから右耳の聴覚がおかしくなっていくことを・・・・・・。

 

 

 

 




如何でしたか?下旬に投稿すると言っていましたが期末テストがあることを忘れていたので
急いで書き上げました。次回は3月です。それではお楽しみに。 

                  !!See you!!
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