西住家のOUTSIDER〜〜愛を知らない少年の物語 作:ボノぼん
遂にお気に入り数が70を突破致しました。
超嬉しくてたまりません!!これからもよろしくお願いします。
「糞っ!!糞っ!!」
「おい落ち着けよ“
「落ち着けられるかよっ!!!」
ギリッ!!
箸を乱暴に持ちながら、ギリギリと音を立てて噛む太田。鼻には絆創膏がばつ印に貼られていた。
太田がこれほどまでに機嫌が悪いのにも理由があった。それは、
「彰のヤロ〜〜〜!!!!!!俺をコケにしやがって!!!」
そう退院した俺に顔を踏まれたからだ。
「あの糞ガキぜってぇ許さねぇぞ!!」
「しかしよ彰の奴なんか雰囲気変わったよな・・・」
「ああ・・・!!でも、なんかムカつくぜ。弱ぇークセにイキリやがって!!」
「どうすんだよ勝!このまま放っておくのか?」
「馬鹿か!?するわけねーだろ!!」
「今日中にあの馬鹿シメてやるからよお前も手ぇ貸せ!“
「ヘヘッ・・・いいぜっ!ぶっ殺してやろうぜー!!」
「そうと決まれば給食食った後、昼休みあるからそん時に呼び出すか!」
「了解ー」
「ちょっと待て・・・」
「え?」
「何だよ“
太田と江藤の間で盛り上がっていた時に石田だけは静かだった。
理由は何故かは分からないが、ただ静かだった。
石田は2人を止めると、ポケットからあるものを取り出した。
「お、おいそれって・・・!」
「フフッ・・・これさえあればアイツを殺せるだろ?」
「そ、それだけはやめとこうぜ!?こんなの使ったら本当に死ぬって!!なぁまさ『いいね』」
「!?」
「小次郎・・・お前って野郎は本当に捻くれてるな・・・正しい意味でも、違って意味でもよ」
「ハハハハハッ!!そうか!?まぁ父さんが市議会議員だからこんなの買えたんだけどな」
「そうだったな。よしよし・・・これで彰が遂に・・・・・・
彰、飼い主に逆らったら“飼い犬”がどんな目にあうかたっぷりと思い知らせてやるぜ」
そう言うと、太田をはじめ、江藤、石田はドス黒い笑みを天井に見せつけていた・・・。
■
「スゥー・・・・・・・ハァー・・・・・・」
一方、俺は給食を早く食べた後普段は使ってはいけない屋上に入って黄昏ていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
黄昏れていた時俺は朝の感触が頭から離れなかった。
初めてイジメられた奴から殴った感触。そして、顔を踏みつけた感触。
この2つは、俺にとってとても気持ち良かった。
今までやり返すということをしなかった俺が、初めてやり返したからだ。でも、
「まだだ・・・・・・・・・まだ足りない・・・!!!」
今までやられたのを100とすれば、さっきのは0.1程度だ。
俺が目指すのは100。100返せば、次は1000、10000と増やしていく。
そして、ある程度まで達成すれば俺の復讐は成立する。
これは、あの糞家族と同じやり方だ。しかし、まずはアイツら3人だ。
そんなことを考えていると、1つの飛行機を見つけた。
「あれは・・・・・・スカイマークのボーイング737-800」
ボーイング737-800。737-400の後継でエアバスA320と競合していて、
NGシリーズ中最も多く生産されているモデルであり、737-400よりも胴体が長く、
最大座席数はボーイング727-200と同じ189席だったはず・・・。
一応右目と右耳が見えなくなる前までは飛行機の本を
毎日読んでいたから大体の知識は分かっている。
まぁ、今はもう消えてしまった夢だけど。でも、
やっぱり頭の中では飛行機の事しか浮かび上がらない。
何とかそれを忘れようと忘れようとしているが、無理だ。
どうすれば忘れられるのか?そう思っていた時だった。
バンッ!!!
「!?」
突如屋上のドアが乱暴に開けられた。一体何が起こったのか分からず、
戸惑っているとそこに誰かが現れた。誰だろうと思い、ジッと見るとそこには、
「よう・・・彰」
額から血管を見せて、血が上っている太田が立っていた。
「彰・・・テメェまぐれで勝ったからって調子乗るんじゃねぇぞ・・・!」
「戯言言う暇あるなら早く来いよ“負け犬”」
「っ!!!!!」
負け犬という言葉が気に入らなかったのか、一直線に走ってきた。
「死ねっ!!!」
大きく飛び跳ね、右腕を思いっきり振り下ろしてきた。
何だいつも通りに大振りパンチだ。普通にガードしてパンチが来るのを待っていた。
そして、たちまちパンチが来た。でも、こっちはガードしている。大丈夫だ。
バギッ!!
「くっ!!?」
「ハハッ!!!いつもみたいに大振りパンチが来ると思っていたか!?」
突如両腕にとてつもなく激しい痛みが流れた。
何だ。何が起こったんた?
何も分からぬまま、うめき声を上げていると、
バギッ!!
「グハッ!!!」
脇腹に硬いモノが当たった感触を感じた。
何を使っているのか思い、太田を見ると右手に特殊警棒を握っていた。
こいつ・・・拳だと俺に負けると思ったのか武器で勝負するだなんてどんだけヘタレなんだ。
「フフフフッ・・・・・・ハハハハッ」
「何がおかしい・・・!?」
「だってよ・・・今までイジメていた奴に負けたからそんなの使ってるんだろ?
本当お前って“負け犬”だなって思ってさ!」
「ハハハハハハッ!!!!」
俺は腹が千切れるかと思うぐらい笑っていた。
だって、こんなにおかしいこと体験したこと無かったからだ。
太田は、俺に馬鹿にされたのが気に入らなかったのか、
ますます機嫌が悪くなった。
「う、うるせぇんだよっ!!!!」
ブンッ!!
「2度も喰らうかよっ!!!」
バギッ!!
「ギャァッッ!!!」
とりあえず警棒が振られたと同時に右ストレートをカウンター気味に入れた。
まともに喰らった太田は、鼻血こそは出ていないが悶絶していた。
悶絶している太田に向かって俺は、もう1発喰らわせようとした。
「ま、待てよ!!?もうやめよう!?やめよ!!?な!!!?」
「お前・・・俺が止めてくれって言っても笑いながら蹴ってたよな?」
「そ、それは・・・・・・」
「今さら懺悔しても無駄って言ってんだよ!!」
ブンッ!!
戸惑ってる太田をお構い無しにもう1度拳を振り上げた。
そして、太田の顔に完璧に入る筈だった・・・。
「おいおい太田に集中し過ぎじゃねぇの?」
「な!!」
バチバチッ!!!!
「うわあああぁぁ!!!!!!」
「す、凄ぇ・・・」
「ハハッ!!どうだ太田?これが“スタンガン”の威力だ!!」
「あ・・・ああ・・・・・・」
なんて奴らだ・・・後ろから攻撃してくるなんて・・・。しかも、スタンガンで・・・。
体が痺れて動くことが出来ない俺に更に攻撃が加えられた。
「おい・・・」
「?」
「おらよっ!!」
バギッ!!!
「カハッッ!!!?」
「勝・・・・・・これでいいんだろ?」
「ナイスッ裕二・・・!お前にメリケンサックは鬼に金棒だぜ!」
「う・・・・・・」
「おい彰!!お前がどうしようが俺らには勝てねぇんだよ!ハハハハハハッ!!!!」
「・・・・・・・・・・・・」
もう駄目だ・・・。コイツらは、本当にクズでしか無い。それに、男でもない。
こんな奴らにやられていると、自分がダサくて仕方ない・・・。
もういい・・・・・・コイツらは生かしておこうと思ったけど、自分の“アレ”が拒否している。
ズズズズズズ・・・・・・
殺る。殺ってやる。コイツら全員2度こんな真似出来ない様に殺してやる!!
俺の頭の中がこのクズ3人を“あの感情”で殺れと命令している。
「おい彰!!もう降参か?今なら土下座すれば許してやるよ〜!!」
「・・・・・・殺す」
「え?何だって?」
「殺す」
「は?」
バギッ!!!!
「ブフッ!!」
「な!?」
「嘘だろ・・・」
何だコイツら。これでも大分あの糞ジジイと比べれば優しくしているのに、
こんなにびっくりしていやがる。コイツら、馬鹿だ。
「ゲホッ!ゲホッ!」
「起きろよ。負け犬ちゃんっ!!!」
ドガッ!!!!
「オエッ!!!!」
先程喰らったフックで、四つん這いになっていた太田に俺は脳天目掛けて踵落としをした。
すると、胃の中にあったモノが全部俺の上履きにかかった。
「何汚いモノをかけてんだよっ!!!!」
バギッ!!!!!
「ガフッ!!!!」
馬乗りになって太田の顔面目掛けて拳を振り下ろした。
何度も、何度も、何度も!!コイツの命が消えるまで!!
俺が太田に集中攻撃している間石田が俺の背後にゆっくりと回っていた。
もう1度俺にスタンガンを喰らわす気だろう。そう思って俺は後ろを警戒した。すると、
「死ね!!彰!!!」
俺目掛けて勢いよく走って来た。スタンガンを両手に持っている。
普通の奴ならびっくりして何も出来ないだろう。でも、
「遅せぇよ。カス」
「え!?」
ドガッ!!!!
「ギャッッッ!!!!」
今の俺は、後ろから攻撃されても無駄なんだよ。
後ろから攻めてくる石田に向かって、強烈なエルボーを喰らわせてやった。
鼻に綺麗に入った為か、やや痙攣している。
無様にやられている太田と石田を見ていた江藤は体を震わせていた。
「バ、バケモノ・・・・・・バケモノだ・・・!!」
「残りはお前だけだな。江藤」
「彰!!頼む!!!本当に悪かった!!!!!
もう2度とお前をイジメないから!!頼む本当に!!!!」
必死に懇願して、俺に許しを乞う江藤。しかし、俺の答えは決まっている。
「江藤・・・・・・言った筈だぜ。これからは俺がお前らを
「ひっ!!」
「だからお前も」
「待っ、待ってく『死ねよ』」
「!!!!」
ウワアアアアアアアーーーーーー!!!!!!!!!
江藤は力尽くで叫んだ。しかし、この叫び声の後、
痛々しい姿で倒れているのを先生達に見つけられた。
石田も、太田も。先生達は、この騒動を誰がやったのか懸命に探した。
しかし、結局は分からないままこの騒動は幕を閉じた。
何で分からないかって?皆誰も俺がやったとは言っていないし、思っていても言えないからだ。
「ヘヘッ・・・・・・ヘヘッ・・・ヘヘッ」
3人をボコボコにした後俺は笑っていた。止めようと思っても止まらなかった。
多分今までの思いが今日全部弾けたからだ。嗚呼、面白かった。
明日も、たくさんあのクズ3人をボコボコにしてやろう。
その日の俺は、それだけしか考えていなかった。
だから・・・・・・・・・
まさか1日の出来事であんな事になるとは思っていなかった・・・。
■
それは翌日の夕方の事だった。
その日の俺の1日は、教室入った瞬間、
どうしようと考えていたらクズ共は休んでいた。
何でだろうと思い、隣の席の奴に聞いてみると、どうやら体調不良らしい。
俺は顔にこそは出なかったが、少しびっくりした。
あのクズ共はなんだかんだ体も強かったから、風邪を引いたなんて聞いた事も無かった。
でも、明日こそは来るだろうと思い、その日は前と同じ大人しく過ごしていた。
学校帰ると、真っ先に自分の部屋へと向かった。
途中女中の人達と出会った。女中の人達は、俺の姿を見るとすぐに道を譲ってくれる。
やっぱりあの日の出来事で俺の見方が大分変わったのだろう。
今まで俺の部屋の掃除は手を抜いていたが、ここんとことても綺麗に掃除してくれている。
やっぱり人の機嫌を損ねさせない所は上手だ。
自分の部屋に着き、障子を開けた。
ランドセルを下ろした後、俺は畳に寝転んだ。
理由は分からない。ただ寝転んでみたかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・スゥー」
鼻から息をすると同時に感じる畳独特の匂い。
あの時の様な酷い血の匂いもしない。そう思うと、何故か心が安心した。
そして、目を瞑ると段々と身体に力が抜けていって夢の世界へと入っていった。
「様っ!!」
「うん?」
「彰様っ!!!」
「わぁっ!!!!」
突如肩を揺らされ、何が起きたのか全く分からなかった。
何だろうと思って、目を開けるとそこには1人の女中が慌てた様子で俺を見ていた。
「何?俺が気持ち良く寝てたのに・・・」
「じ、実は・・・・・・」
女中は、一瞬口籠ったが直ぐにこう呟いた。
「実は・・・“警察”の人が来ているんです・・・警察の人から彰様を呼んでいただきたいと」
「警察?」
「はい。そうです」
警察が俺に何の用があるんだ?よく分からないが、一応行こうと体を起こした。
「で、警察はどこに?」
「玄関にいらっしゃいます」
「そう・・・・・・ありがとう」
女中に警察がいる場所を聞いた後、ペタッペタッと足音を立てて玄関に向かう。
自分の部屋から玄関は近いので、1分も経たない内に玄関に到着した。
すると、女中が言った通り警察が2人立っていた。
警察は、俺の顔を見ると、隣同士顔を見合わせて、首を頷いた。
何を頷いているんだ?まあいいや。
「あの・・・・・・俺が西住彰ですけど・・・なんか用ですか?」
頭を掻きながら、警察に何の用かと聞いてみた。すると、
「君が西住彰くんか・・・彰くん。君に率直に言うよ。
今朝君の学校で同学年の子が3人死亡した」
「は?」
「死因はナイフによる大量出血で、捜査したところ集団自殺だと分かった。
死亡した児童の名前は、石田小次郎、太田勝、そして江藤裕二だね」
「え!!???」
何を言っているんだ?死んだ?石田と太田と江藤の3人が?
俺は、何を言っているのか全く分からなかった。しかし、警察は続けて言った。
「ここまでだと僕には全く関係のない話だと思うよね?
でも、ここからの話をよく聞いて欲しい」
「彰くん。君は前日、この3人と喧嘩したよね?」
「!!!!」
「第1発見者の保護者方々は、3人を見つけた際顔がボロボロだったらしい・・・
我々警察は、誰によってこんな事になったのか捜査した。
すると、判定から君の指紋と一致したんだよ」
「よって、西住彰くん。君は自殺幇助罪として逮捕することとなった」
「・・・何だと・・・!!」
「今は心が追いついていないと思うから、
これはお父さんとお母さんで話し合おうね?」
「・・・・・・!!」
「ね?彰くん。分かってi『ふざけんな!!』」
「え?」
ドガッ!!
「グハァッッ!!!!」
「なっ!!!」
「俺が何で殴ったか知らねぇ癖に何で俺が捕まるんだよ!!!」
バギッ!!!
「くっ!!!」
俺は分からなかった。何で、何で俺が逮捕されなきゃいけない!?
今まで俺を苦しめて来たアイツらにやり返しただけで
何で逮捕されなきゃいけないんだ!!
逮捕されるのは絶対アイツらの方だ。俺じゃない。
警察も、アイツらの方についたのか!?そうだったら絶対に許せない。
「うおおおおおーーーーー!!!!!!!」
「糞っ!!暴れるならこれを付けやがれっ!!!」
そう言うと、警察は、俺の手首に何か付けさせた。
何を付けたのかと思い、見ると銀色に光り輝いている物がついていた。
そう、手錠だ。
「ハァハァハァハァ」
「やっと落ち着いたか?おい!今すぐ車用意してこい!!
今から署まで送り届けてやる!コイツは、警官に暴力を振るったからな!!
公務執行妨害だ!!ほら!!着いてこい!!!」
警察は、俺の手を引っ張りながら俺を車に乗せようとした。
一方の俺は、手錠を見た瞬間、恐怖心を覚えてあの時に戻ってしまった。
後ろのドアを開け、俺を押し込む様に入れた後、
車のエンジンをかけて署に向かって飛ばしていった。
女中は、何とか止めようとしたが、結局何にも出来ず立ち尽くししていた。
後から妹2人も出て来たが、その時にはもう車は無かった。
「ハハハハハハ・・・・・・ハハハハハハ」
俺は車の中で、掠れる様な声で笑っていた。もちろん警察にバレない様に。
「先輩どうしますか?彼」
「フフッ何・・・ちょっと“鑑別所”で長く入ってもらうだけだよ」
「え?鑑別所に入れるんですか!?」
「そうとも・・・だって奴は、君に暴力を振るっただろう?」
「し、しかし・・・・・・」
「ごちゃごちゃ言うな!!奴に聞こえるだろう」
俺はこの時、自分の人生の大きな分岐点を辿るとはこの時知らなかった。
はい!今回はここで終わります!!
彰は復讐を成し遂げた瞬間、何と捕まってしまうとは・・・。
でも、人生は悪いことだらけじゃない。次の場所には、
君の事を理解してくれる人間と初めて会えるから・・・!
次回は、8月です。
前よりも、暴力シーン増えるので、どうぞ夜露死苦!!
!!See you!!