【完結】スネイプ家の双子   作:八重歯

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114 逆転時計!

 

汽車がようやく駅に到着し、ソフィア達は無言のままプラットホームに降り立った。

途中でハグリッドが久しぶりに会えたハリー達にホームの端から大声で呼びかけたが、4人は人混みの中をかき分けてハグリッドに駆け寄る力もなく、手を振りそれに答えた。

 

1人でに進む馬車に揺られ、ソフィア達は静かに乗り込むと疲れ切った身体を座席に深く沈み込ませた。

 

馬車が止まり、ロンとハーマイオニーが降りた。その後にソフィアが降りたがすぐに誰かに抱きすくめられ、ソフィアは息を詰まらせる。

 

 

「ソフィア!大丈夫だった?」

「ルイス…ええ、大丈夫よ」

 

 

ソフィアはルイスの胸の中でくぐもった声を上げ答え、自身を抱きしめるその震える背中に手を回し目を閉じた。冷たい体がルイスの温かな熱により絆されていく、そんな心地よい感覚にソフィアは微睡んでいたが、はたと気付き顔を上げた。

 

 

「ルイスが居るって事は──」

「ポッター?気絶したんだって?ロングボトムは本当の事を言っているのか?本当に気絶したのか?」

 

 

ルイスの後ろから現れたドラコは意地悪げに笑い、ハリーをいじるネタが舞い込んできたとばかりに嬉しそうに馬車から降りたハリーを見る。ドラコのいつも青白い頬は歪んだ喜びに溢れ、青い目が細められた。

 

 

「失せろ、マルフォイ」

「ウィーズリー、君も気絶したのか?あのこわーい吸魂鬼で、君も縮み上がったのかい?」

 

 

水を得た魚のようにイキイキと話すドラコに、ルイスは冷ややかな視線を向けながら大きな声でドラコに呼びかけた。

 

 

「あれー?僕の後ろで兎のように震えていたのは誰だったかなー?」

「ルイスっ!」

 

 

ルイスの言葉にドラコは頬をかっと赤らめ慌てたような表情をしたが、ルイスは素知らぬ顔でソフィアを離すとドラコの隣に立ち諌めるようにドラコをじっと見た。ドラコはロンがにやにやと笑っているのを見て苦々しく顔を歪め、ぎろりとルイスとロンを睨む。

 

 

「どうしたんだい?」

 

 

次の馬車でリーマスが降り立ち、騒ぎに気付いたのか穏やかな声でルイス達に話しかけた。ドラコはリーマスが教師だと知っている為、少しまずい、と表情をこわばらせたがリーマスのぼろぼろで継ぎはぎだらけのローブや、くたびれた鞄を見ると途端に横柄な目になりわざとらしい笑みを浮かべてリーマスに向き合った。

 

 

「いいえ、何にも。──えーと…先生」

 

 

ドラコの声に皮肉が混じっている事にリーマスは当然気付いたが、気にする事は無くハリーを見る。ドラコはふんと、鼻を鳴らしクラッブとゴイルを引き連れ城の石段を上がったが、途中でくるりと振り返り「ルイス!早く来い!」とルイスを呼んだ。

 

 

「…ごめんなさい、リーマス先生」

「ん?──何が?」

 

 

ルイスはドラコの非礼を詫びたが、リーマスは柔和な顔のまま笑みを浮かべ首を傾げる。彼にとってはドラコの皮肉など、可愛らしいものだったが、ルイスはそれでも申し訳なさそうに頭を下げてドラコの後を追った。

 

 

ソフィア達は生徒が群がる石段を他の生徒に混じって登り、巨大な玄関口を潜り見慣れた玄関ホールへと入った。

右の方に続く大広間に入ると、その天井はいつもと同じように沢山の蝋燭が灯りを照らし、生徒達の到着を待っていた。──しかし。

 

 

「ポッター!グレンジャー!ミス・プリンス!3人とも私のところにおいでなさい!」

 

 

後ろから厳格な声が聞こえ、名前を呼ばれたソフィア達が驚いて振り返る。

マクゴガナルが生徒たちの向こうから頭越しに呼びかけ、早く来いとばかりに手招いた。

 

 

「…まだ何もしてないのに…」

 

 

ソフィアが小さく呟き、ハリーも無言で頷いた。マクゴガナルがこうして呼ぶ時はあまり良い事が待ち受けてはいないだろうと、ハリーは考えていた。

 

 

「そんな心配そうな顔をしなくてよろしい。少し私の事務所で話があるだけです。──ウィーズリー、あなたはみんなと行きなさい」

 

 

マクゴガナルはハリーとソフィアとハーマイオニーを引き連れて賑やかな生徒の群から離れ、自分の事務所まで早足で向かった。

 

事務所の暖炉には、温かな火を燃えていて、寒さで凍えていた3人を優しくじんわりと包み込む。

マクゴガナルは3人に座るように合図し、3人は顔を見合わせながらおずおずと椅子に座った。

 

 

「ルーピン先生が前もってふくろう便をくださいました。ポッター、汽車の中で気分が悪くなったようですね」

 

 

マクゴガナルは事務所の向こう側に座りながら唐突に切り出し、その内容にハリーが答える前に扉をノックする音が響き、校医のマダム・ポンフリーが心配そうに眉を顰めながら入ってきた。それを見てハリーは顔を羞恥で赤らめ熱が篭るのを感じた。──ただ、気絶しただけでそんなに騒がなくともいいのに。

 

 

「僕、大丈夫です。何にもする必要はありません!」

「おや、またあなたなの?さしずめ…また何か危険な事をしたのでしょう?」

 

 

ポンフリーはハリーを見ると2年間の事を思い出し、ため息をつきながらハリーの側で屈み込みじっくり視診したが、ハリーはその視線からどうにか逃れる方法は無いかと小さく呻いた。

ポンフリーは汽車で気絶した生徒がいる、としか聞いていなかった為、何故気絶したのかを知らなかったが、マクゴガナルが暗い表情で彼女に呟いた。

 

 

「ポピー、吸魂鬼なのよ」

「学校の周りに放つなんて…倒れるのはこの子だけじゃ無いでしょうよ、あいつは。…繊細な者に連中がどんな影響を及ぼすことか──」

「僕、繊細じゃありません!」

 

 

暗い表情で呟き、ハリーの額の熱を測るポンフリーにハリーは反発した。自分1人ならいい、でもここにはハーマイオニーと──ソフィアがいる。彼女に自分が繊細だから倒れてしまっただなんて、何故かそう思われたくは無かった。

 

 

「ええ、そうじゃありませんとも」

 

 

ポンフリーはハリーの言葉に頷いたが、全く上の空で話は聞いてないように見え、ハリーは脈を測られながらむっつりと表情を顰めた。

 

 

「この子にはどんな処置が必要ですか?絶対安静ですか?今夜は病棟に泊めた方がいいのでは?」

「僕、大丈夫です!」

 

 

ハリーは立ち上がりとんでもないと手と首をぶんぶんと振った。もし入院したとドラコ・マルフォイにバレたらどう揶揄われるのか…たまったもんじゃない。それに大広間のディナーを食べずに、1人だけ孤独な夜を過ごすなんて絶対に嫌だった。

 

 

「あの…リーマス先生がハリーにチョコレートを食べさせていました。だから…大丈夫だと思いますよ?…私たちも、食べました」

 

 

あまりに必死なハリーの様子を見たソフィアがおずおずと手を上げて告げれば、ポンフリーはキラリと目を輝かせ「そう、本当に?」とソフィアを見ながら満足気に聞いた。

 

 

「それじゃ、闇の魔術に対する防衛術の先生がやっと見つかったって事ね。…治療法を知っている先生が」

「…ポッター、本当に大丈夫なのですね?」

 

 

ポンフリーはそれなら入院させる程ではないかと身を引いたが、マクゴガナルはまだ心配そうに口を一文字に結んでいて、ゆっくりと真面目な顔で念を押すようにハリーに問いかける。ハリーはすぐに──なるべく元気そうに見えるように大きく頷き「はい!」と返事をした。

 

少し悩んでいるようだったが、ポンフリーが入院させないと決めたのならそれに従おうとマクゴガナルは少しだけ表情を緩め、優しくハリーに告げる。

 

 

「いいでしょう。ミス・グレンジャーとミス・プリンスにちょっと時間割の話をする間、外で待ってらっしゃい。それから一緒に宴会に戻りましょう」

 

 

宴会、という言葉にハリーはほっと安堵のため息を漏らすとすぐに研究室から飛び出した。ポンフリーもまた、生徒が無事ならよかったと胸を撫で下ろしながら研究室を後にする。

 

残されたハーマイオニーとソフィアは顔を見合わせ、同時にマクゴガナルを見上げた。

 

 

「──さて、2人に詳しく逆転時計の説明と…必ず守らなければならない注意点を伝えます」

 

 

マクゴガナルは机の引き出しから細くて長い金色の鎖のついたキラキラと輝く砂時計を出すと2人に見えるように机の上に置いた。

 

 

「これが逆転時計(タイムターナー)…」

「綺麗…」

 

 

キラキラと輝く砂時計をハーマイオニーとソフィアはじっと見つめ、期待のこもった眼差しでマクゴガナルを見上げ、続きの言葉を待った。

 

 

「この砂時計を一回回転させると、1時間戻れます。最大5時間時を戻すことが可能です。──前にも伝えたように、使用中は同じ時に2人のあなた達が存在する事になります。必ず、誰にも話しかけてはなりません、見つかってもなりません、時を戻していることも、秘密です。なるべく目立たないように、教室の隅で大人しく授業を受けるのです」

 

 

マクゴガナルは一度言葉を切り、ハーマイオニーをじっと見つめる。ハーマイオニーの美徳である、どんな授業でも率先して手を挙げ意見を述べる事を良しとしないのだとハーマイオニーはわかり、真面目な顔をして頷いた。

 

 

「そして…2人は大丈夫だと、私は信じていますが、過去を変えようなど決して──決して、思わない事です。…過去何人もの偉大な魔法使いがそれを試みましたが…結果は凄惨な物にしかなりません。…さて、この逆転時計は一つしかありません。片方が首に掛け、もう1人が鎖の輪に入っていれば、2人同時に使用可能ですので安心してください。どちらが持ちますか?」

 

 

ハーマイオニーとソフィアは顔を見合わせた。

どちらが持つか──ハーマイオニーはどちらが持っても良いと思ったが、ソフィアが少し笑いながら「ハーマイオニーが持ちます」と伝えた。

 

 

「ハーマイオニーなら、校則を破る事はありません。──私と違って」

 

 

その答えにハーマイオニーとマクゴガナルは少し目を見開き顔を見合わせ、同時に少しだけ笑った。

 

 

ハーマイオニーは首に逆転時計を掛けると外から見えないようにしっかりと服の中に隠した。

 

 

「それと…ミス・プリンス。今年は変身術の個別授業はやめておきましょう」

「えっ…そんな…」

「…今年は個別授業を行うほど、あなたに余裕が無いと思います。今年度しっかりと授業をこなし…余裕があるのなら、来年度から再開しましょう」

 

 

残念そうに眉を下げるソフィアに、マクゴガナルは優しく告げ、そっと肩を叩いた。たしかに、マクゴガナルの言い分は最もだ。今年は個別授業を受ける余裕など、きっと無いだろう。

ソフィアは心から残念だったが、こくりと頷いた。

 

 

 

その後ソフィアとハーマイオニーとハリーはマクゴガナルに連れられ、先程の道を戻り大広間へと向かった。大広間の扉を開けそっと中に入ると、フリットウィックが組分け帽子を舞台から下ろしているのが見え、新入生の組分けを見逃した事を知ったハーマイオニーは残念そうに「見逃しちゃったわ」と小声でソフィアとハリーに伝え肩を落とした。

 

マクゴガナルは教職員が揃う上座の机へと向かい、ソフィア達は出来るだけ目立たないように大広間の後ろからこそこそとグリフィンドールの机へと向かったが、ちらちらと何人もの視線が3人を射抜き、中にはハリーを指差してコソコソと囁き合う者さえいた。ハリーは自分が吸魂鬼により気絶させられたという噂がもう生徒中に広がっているのではないかと気が重くなるのを感じた。

 

ロンが後から到着するだろうソフィア達のために席を取っていた為に、ハーマイオニーとハリーがさっとロンの両脇に座り、ソフィアはハーマイオニーの隣に座った。

 

 

「一体何だったの?」

 

 

1人だけ仲間はずれにされたロンはどこか面白くなさそうに眉を顰めながらハリーに小声で聞いた。ハリーはそっとロンに耳打ちをして説明をし始めたが、ダンブルドアが話をするために立ち上がり、みんなが静まり返った為話を一旦中断した。

 

 

「おめでとう!新学期おめでとう!みんなにいくつかお知らせがある。一つはとても深刻な問題じゃから、みんながご馳走でぼーっとなる前に片付けてしまった方がよかろうの…」

 

 

ダンブルドアは両手を広げ、声高らかに告げ、心から新学期の開始を喜び微笑んだが、一つ咳払いをすると少し声のトーンを下げた。

 

 

「ホグワーツ特急での捜査があったから皆も知ってのとおり…わが校は、ただいまアズカバンの吸魂鬼、ディメンター達を受け入れておる。魔法省の御用でここに来ておるのじゃ。吸魂鬼達は学校の入口という入口を堅めておる。あの者達がいる限り、はっきり言うておくが、誰も許可なしで学校を離れてはならんぞ。吸魂鬼は悪戯や変装に引っかかるような代物ではない──透明マントですら無駄じゃ」

 

 

ダンブルドアがさらりと付け足した言葉に、ハリーはチラリとロンと目を見交わした。

 

 

「言い訳やお願いをしようとも、吸魂鬼には生来出来ぬ相談じゃ。それじゃから、生徒一人ひとりに注意しておく。あの者達が皆に危害を加えるような口実を与えるでないぞ。──監督生よ、男子、女子のそれぞれの首席よ、頼みましたぞ。誰一人として吸魂鬼といざこざを起こすことのないよう気をつけるのじゃぞ」

 

 

深刻なダンブルドアの口調と、その半月眼鏡の奥に潜むきらりとした視線に誰もが口を開かず、身動きすら出来なかった。

生徒達は皆、特急内で吸魂鬼を見ている。そしてその体の芯なら凍えるような寒さと、楽しさが欠落したような気味悪さをありありと体験していたため、誰もダンブルドアの意見に不満の表情を見せる事はなかった。

 

 

 

「楽しい話に移ろうかの。今学期から、嬉しい事に新任の先生を二人お迎えする事になった。──まず、ルーピン先生。ありがたい事に空席になっている闇の魔術に対する防衛術の担当をお引き受けくださった」

 

 

ダンブルドアが明るい口調でリーマスを紹介すれば、リーマスは立ち上がり軽く頭を下げた。

その見窄らしい格好に誰もが今年の先生もハズレだ。と思いパラパラと気のない拍手を送ったが、リーマスと同じコンパートメントに居合わせた生徒とルイスだけが、大きな拍手を送った。

 

 

ソフィアとルイスは父であるセブルスが強くリーマスを睨んでいる事に気付いた、きっと人狼が教鞭を取る事をまだ良しと思っていないのだろう。──それにしても、かなり憎しみの籠った強い目をしていた。

 

 

「もう一人の新任の先生は。──ケトルバーン先生は魔法生物飼育学の先生じゃったが、残念ながら前年度末を持って退職なさる事になった。手足が一本でも残っているうちに余生を楽しまれたいとのことじゃ。そこで後任じゃが、嬉しい事に他ならぬルビウス・ハグリッドが現職の森番役に加えて教鞭をとってくださる事となった」

 

 

ソフィア達は驚いて顔を見合わせ、そして4人とも他の生徒と同じように拍手をした。とくにグリフィンドール生はハグリッドを好いている者が多く、割れんばかりの拍手が沸き起こる。ハリーが身を乗り出してハグリッドを見ると、ハグリッドは嬉しそうに綻ばせた顔を真っ赤にしながら自分の手を見つめていた。

 

 

「そうだったのか!噛み付く本を教科書指定するなんて、ハグリッド以外にいないよな?」

「ええ!本当に…何で気が付かなかったのかしら!」

 

 

ロンはテーブルを手で叩き、面白そうに叫び、ソフィアもにこにこと笑顔でそれに同意した。

ソフィア達は1番最後まで拍手をし続け──拍手し続けて手が痺れていた──ダンブルドアがまた話をし始めた時に、ハグリッドがテーブルクロスで目元をこっそりと拭ったのを、4人はしっかりと幸せな気持ちで見た。

 

 

「さて、これで大切な話はみな終わった。──さあ、宴じゃ!」

 

 

ダンブルドアの高らかな宣言により、目の前の金の皿や杯に突然豪華な料理の数々が並び、生徒達は歓声をあげ目の前のご馳走様に舌鼓を打った。

 

 

ソフィアも美味しい料理を食べながら、ちらりと教師達が居る上座を見た。ハグリッドがリーマスに何かを話しかけられ、深く頷きながら照れたように笑っている。リーマスはホグワーツの卒業生だ、きっとハグリッドの事を知っていて──親しかったのかもしれない。

ソフィアは酒を飲んでいないにも関わらず常に頬を赤く染めているハグリッドを見ると、自然と顔が綻び心が温かくなっていた。

この賑やかな宴の中で、気難しい顔をしてまるで不味い料理を食べているような人物はたった一人しかいない。ソフィアは「父様ったらせめて料理くらい美味しそうに食べればいいのに」と内心で呟いた。

 

 

ソフィア達はダンブルドアが解散の宣言をし、ぱらぱらと生徒達が立ち上がり始めるとすぐに教職員のテーブルに駆け寄り、溢れんばかりの笑顔と心からの祝いを込めて「おめでとう!」と叫んだ。

 

 

「みんな、4人の…ああ、ルイスもだな…5人のおかげだ」

 

 

ハグリッドはスリザリンテーブルに居るルイスを優しい目で見つめる。視線に気付いたルイスもまた、ソフィア達と同じく駆け寄りたかったがスリザリン生達は監督生に連れられすぐに大広間を出ようとしていた為にそれは残念ながら敵わなかった。ただにっこりとハグリッドに笑い、「おめでとう!」と口を大きく動かして伝え手を振った。

 

 

「信じらんねぇ…ダンブルドアは偉い方だ…。ケトルバーン先生がもうたくさんだって言いなすってから、まっすぐ俺の小屋に来なさった…この職は俺がやりたくてたまんなかった事なんだ…」

 

 

感極まったハグリッドは言葉を詰まらせながら呟き、くしゃりと顔を歪めると目を潤ませナプキンに顔を埋めた。ソフィア達はハグリッドの感激の気持ちが痛いほどわかっていたために何も言わず優しい目を向け、そっとハグリッドの背中や腕に手を置いた。

 

マクゴガナルが小さく体を震わせながら泣くハグリッドに気付くと、あっちに行きなさいと目で合図をした。

4人は教職員のテーブルから離れ、他のグリフィンドール生に混じりグリフィンドール塔へ向かった。

 

 

ソフィアは長い合言葉に残念そうにため息をつきがっくりと肩を落とすネビルを見ながら眠た気に目を擦る。

 

 

ハリーとロンとは談話室で別れ、ハーマイオニーと共に螺旋階段を上がり女子寮へと向かう。

去年と同じ部屋に入り、ベッド脇に沢山の荷物が置かれているのを見ながらソフィアはベッドにぽすんと座り込んだ。

 

 

「ふぁ…んー。眠いわ…」

「もう寝ましょう?…明日から、私たちは大変だもの」

 

 

ハーマイオニーは自分のベッドの脇にある大量の教科書に視線を落としながら楽しみ半分不安半分といったように呟く。

ソフィアは少し苦笑し、「そうね」と頷くとトランクからパジャマを引っ張り出した。

箪笥にしまうのは、もう明日にしようと考えながら服を着替えるとすぐにベッドに寝転んだ。

 

 

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