【完結】スネイプ家の双子   作:八重歯

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216 4人の共通点!

 

 

ハリーはソフィアに特訓を受け、なんとか泡頭呪文を使いこなす事ができるようになったが、ソフィアとハーマイオニーの懸念は泳げない事以外に、もう一つあった。

 

2月24日は間違いなく寒い。あまり長時間氷のような水に浸かっているのは危険であり、泡頭呪文を使ったとしても長時間潜る事はできないかもしれない。

 

そこでソフィアとハリーは引き続き、使えそうな魔法を探し、ロンとハーマイオニーは極寒の湖の中でも耐えられる魔法を探した。

 

ソフィア達はこれ程まで図書館に籠ったのは初めてでは無いか、というほどの時間を図書館で過ごした。

手当たり次第に本を探し、1ページずつ読むがホグワーツの図書館の本は無数にある、どこに自分にとって必要な魔法があるのか、ハリーには見当もつかなかった。

 

一日一日が、弓矢のように突き進み気がつけば第二の課題の2日前になっていた。

もはや、ハリーは本気でセブルスの研究室に忍び込むしか無いのかもしれない、と何度も愚かな考えを浮かべては無理矢理消した。

 

──だめだ、危険すぎる。既に疑われているし、スネイプのことだ、研究室に何か仕掛けをしていてもおかしくない。

 

 

ハリーは日に日に焦り、不安から口数が減り顔色が悪くなってきた。第一の課題の時のように食欲がなくなり、スープを少しだけ啜っていると目の前にシリウスへの手紙を配達していた茶フクロウがようやく、戻ってきた。

 

 

ハリーはすぐにスプーンをがちゃんと置くと、沈んでいた気持ちが僅かに上を向き、すぐにフクロウの脚に付いている羊皮紙をもぎ取り開いた。

 

 

『フクロウ便で、次のホグズミード行きを知らせよ』

 

 

シリウスからの返事は今まで見た中で最も短い、その一文だけだった。

ハリーは他に何か書かれていないかと羊皮紙の裏を見たが、白紙であり第二の課題に向かう自分に対しての激励の言葉もない。

そういえば、水中でどう過ごすのか、泳げるようになる魔法は無いのかと手紙に書く事をを忘れていたと思い出し、ハリーは自身の失態に腹を立てながらガックリと肩を落とした。

 

 

「ハリー、ホグズミード行きは来週の週末よ。私、羽ペン持ってるから…すぐに返事を書いた方がいいわ」

 

 

ハリーの隣から手紙を読んだソフィアが急いで鞄の中から羽ペンとインク瓶を取り出しインクをつけてハリーに渡した。

返事が返ってくるまでかなり時間がかかった。なるべく早く返事を書かなければ、間に合わないかもしれない。

 

ハリーはシリウスの手紙の裏に日付を書き、また茶フクロウの足に括り付けた。

茶フクロウは机の上にあったパンを啄むとすぐに飛び立った。

 

 

「次のホグズミード行きのこと、シリウスはどうして知りたいのかな?」

「…さあ…」

 

 

フクロウを見送ったロンが呟いたが、ハリーは沈んだ声で小さく答えただけだった。フクロウを見た時に胸に広がった幸福感は萎んでしまい、スープも少ししか喉を通らずハリーはゆっくりと立ち上がった。

 

 

「行こうか……魔法生物飼育学に…」

 

 

 

ハリーの力無い声に、ソフィア達は心配そうな顔をしながら頷き、寄り添うようにしてハグリッドの小屋へ向かった。

 

 

ハグリッドは復帰してからというものの、ユニコーンの授業を続けていた。

ドラコは復帰したハグリッドを憎々しげに睨み、隠す事なく罵倒したがハグリッドは少しも気にする事なく毅然とした態度で狼狽えることもなく、授業を進めた。

勿論初めはハグリッドを見てコソコソ話す生徒がいなかったわけではない。だが、スクリュートを使わずユニコーンを使う授業はかなり充実し、生徒達の殆どはすっかりハグリッドが半巨人だという事を忘れ美しいユニコーンに魅入った。

 

 

ハリーはハグリッドに何かいいアドバイスを貰おうかと思ったが──ハグリッドの顔に浮かんでいる確認に満ちた幸せそうな笑顔を不安に染める事はできなかった。

あと2日なのに、どうすれば良いのかまだわからないだなんて言えばきっとハグリッドは悲しみひどく心配するだろう。

せっかく、笑顔なんだ、このまま過ごしてほしいし、何としてでも──彼にとって、誇れる友人で居たい。

 

 

 

いよいよ第二の課題の前夜。

ソフィア達は夕食もそこそこに夕陽が落ちてからもずっと図書館にこもっていた。互いの姿が見えないほど机にうずたかく本を積み、一心不乱に魔法を探す。

 

 

「不可能なんじゃないかな。泡頭呪文はとりあえず、使えるんだろ?」

 

 

ロンがハリーの机の向こう側から疲れ切った投げやりな声で呟く。

 

 

「他に何かあるはずよ。不可能な課題は出されないんだから!」

「出されたね。ハリー、明日はとりあえず泡頭呪文を使って潜れ。体が冷えてやばかったら叫べ!何だか知らないけど盗んだものを返せってな。やつらが投げ返してくるか様子を見るしかない。──それしかないぜ、相棒」

「何か方法はあるの!何かあるはずなの!」

 

 

ハーマイオニーは疲れからヒステリックに叫び、机をドンドンと叩いた。

 

 

「わかったわ。もうスネイプ先生の研究室から鰓昆布を盗みましょう。それしかないわ」

「ダメよ!盗んだものを使うなんて、バレたらダンブルドアがどう思うの?きっと失格になるわ!」

 

 

ソフィアは長時間文字の羅列を追っていたせいで目が痛み、手で抑えながら力なく言った。すぐにハーマイオニーが苛々しながら否定し、ソフィアも「わかってるわよ…」と苦く答える。三校対抗試合は単に課題をこなせばいいというものではない。──道徳心もまた、試されるのだ。

 

 

見つからない苛立ちと焦燥感に襲われているのはハリーだけではない。

ソフィア達も同じなのだとハリーはわかり、本の山の向こうでちらちらと見える3人の頭をぼんやりと見ながら疲れたように笑った。

 

 

「僕、どうするべきだったのか、わかったよ。シリウスみたいにアニメーガスになる方法を学べばよかったんだ」

「うん。好きな時に金魚になれただろう」

「それか、蛙だね」

 

 

ハリーは椅子の背にもたれ、欠伸を噛み殺した。

ハリーの言葉が本気ではなく冗談だとわかるとソフィアは本の上にばたりと倒れ「アニメーガスねぇ」と呟く。

 

 

「アニメーガスになれたとしても、ハリー、あなたのアニメーガスは牡鹿だから泳げないわ」

「…え?アニメーガスって、好きな生き物に変身できるんじゃないの?」

 

 

キッパリというソフィアの言葉に、ハリーは何故牡鹿なのかと首を傾げた。

ソフィアは頬に本をつけたまま、目だけを動かし本の山の隙間からハリーをチラリと見上げる。

 

 

「私、今アニメーガスの勉強を…マクゴナガル先生の個人授業でしてるんだけどね…。アニメーガスって、基本的に守護霊魔法で出てきた生き物になるの。自分で好きに選べるものではないのよ」

「へえ…そうなんだ、知らなかったな」

「そうよ、ハリー。アニメーガスになるには登録も必要だし…何年もかかるみたいだし…」

 

 

ハーマイオニーも疲れてぼんやりとしながら首を振る。この中でハーマイオニーだけがハリーの言葉を冗談だと受け取っていなかった。

 

 

「ハーマイオニー、僕、冗談で言ったんだよ。明日になるまでに蛙になるチャンスなんて無いってことぐらいわかってる…」

 

 

ハリーは苦笑し、縦に長い窓の外を見た。もう、真っ暗だ。あと半日少しで課題が始まる朝が来る。

 

 

「ああ、これは役には立たないわ。鼻毛を伸ばして小さな輪を作るですって。どこのどなたがそんな事をしたがるっていうの?」

 

 

ハーマイオニーは読んでいた本をパタンと閉じながら言った。たしかに、そんな事を出来ても話の種になる程度だとソフィアたちは思ったが反応する元気もない。

 

 

「俺、やってもいいぜ?」

 

 

フレッドの声がした。

ソフィア達が声のした方を見ると、本棚の陰からフレッドとジョージが現れた。

あまり、図書館にいるイメージのない2人に、彼らの弟であるロンが怪訝な顔をする。

 

 

「こんなところで、2人で何してるんだ?」

「ソフィアとハーマイオニーを探してたのさ」

「マクゴナガルが呼んでるぞ」

「どうして?」

 

 

ハーマイオニーは驚き、ソフィアも本の上から体を起こすと首を傾げた。

 

ソフィアだけなら、アニメーガスについての話──魔法省の許可がようやく降りたのかと思ったが、ハーマイオニーも呼ばれているのなら違う理由だろう。

まさか、代表選手のハリーを手伝いすぎた?──いや、それならロンも呼ばれる筈だ。

 

 

「知らん。……少し深刻な顔してたけど」

「俺たちが2人をマクゴナガルの部屋まで連れて行くことになってる」

「…ま、何であれ怒られる事なら2人には頼まないでしょう。マクゴナガル先生が直接来る筈だわ……行きましょう、ハーマイオニー」

「ええ、そうね。──ここにある本、なるべくたくさん持ち帰ってね?談話室で会いましょう」

「分かった」

 

 

ソフィアとハーマイオニーは立ち上がり、本の山の中にいるハリーとロンを何度か振り返りながらフレッドとジョージと共にマクゴナガルの研究室へと向かう。

 

 

「ソフィア、ハリーは明日大丈夫そうか?」

「うーん……どうかしらね…」

 

 

ジョージの心配そうな声に、ソフィアは唸るように答える。一応泡頭呪文は使えるから、溺れる事はないだろう。それに、1時間無駄に過ごすこともない。

ただ、課題の内容によっては──厳しいかもしれない。

 

 

「──俺たちはここまでだ。じゃあなソフィア、ハーマイオニー」

「ええ、送ってくれてありがとう」

「またね」

 

 

フレッドとジョージとはマクゴナガルの研究室の前で別れ、ソフィアとハーマイオニーは扉の前に立ち一度ちらりと顔を見合わせる。

 

 

「…開けましょうか」

 

 

ソフィアの声に、ハーマイオニーは緊張した顔で頷く。

 

 

「マクゴナガル先生、ソフィア・プリンスとハーマイオニー・グレンジャーです」

 

 

ソフィアはトントンと扉をノックし、その先にいるだろうマクゴナガルに声をかけた。すぐに「お入りなさい」という声が出て聞こえたが、その声はハーマイオニーのように緊張が孕んでいる。

 

 

「失礼します」

「…失礼します」

 

 

マクゴナガルは部屋の中央にある彼女の机の前に立ち、緊張した面持ちで胸の前で指を組んでいた。「どうぞ、おかけなさい」と、二脚ある椅子へ座るように促され、ハーマイオニーとソフィアは静かに着席する。

 

 

「ミス・グレンジャー、ミス・プリンス。……あなた達は第二の課題の協力者に選ばれました」

「協力者…?」

「ええ、第二の課題は校庭にある湖に囚われた、()()()()()()を1時間以内に取り返す、というものです。つまり、俗な言い方をしますとあなた達は人質です」

 

 

ソフィアとハーマイオニーは顔を見合わせる。2人とも困惑していたが、ハリーから課題の内容を少し聞き予想していたため取り乱す事はない。取り戻すものは、何かの物ではなく人間そのものだった──その事に対し少し驚いたが、冷静に受け止めた。

 

 

「ミス・グレンジャーはミスター・クラムの人質です。ミス・プリンスは、ミスター・ポッターの人質になります。課題前に眠らされ、水中人がいる湖底まで運ばれますが、苦しさや恐怖は何もありません。代表選手が課題を失敗しても、傷ひとつ無く、地上に戻る事ができますのでご安心なさい」

「えっ…ビクトー──クラムの、人質?私が?」

 

 

ハーマイオニーは何故自分がクラムの人質に選ばれたのかわからず、目を見開く。マクゴナガルは少し微笑み「選手達は、必死になって真剣に課題に取り組まなければなりません。最も大切な者が選ばれるのです」と説明した。

 

その言葉にハーマイオニーは頬を染め、視線を彷徨かせる。

 

 

──まさか、私が?たしかに、ビクトールからは、ダンスパーティに誘われたし……好意が、あるのはわかってたけど…。

 

 

ソフィアもマクゴナガルの言葉に少しだけ頬を染めた。どのような基準で選出されたのかはわからないが、周りから見てもハリーにとって大切な者だと思われている事が──少なくとも、教師達はそう思ったのだろう──なんとなく、気恥ずかしかった。

 

 

「課題の秘匿性を保つために、この後2人は他の協力者達と別室で過ごしていただきます。寮に戻る事は出来ません。──いいですね?」

 

 

ソフィアとハーマイオニーが頷いたのを見てマクゴナガルはもう一度安心させるように微笑みかけ「では、ついてきてください」と2人に告げた。

 

 

 

ソフィアとハーマイオニーが案内されたのは、大広間の奥にある小部屋だった。確かここは代表選手が決まった時に説明のため一時集められた部屋だ、とソフィアは思いながらハーマイオニーと共に扉を開ける。

 

奥には暖炉が煌々とした灯りを燃やし、沢山の柔らかそうな肘掛け椅子やソファがある。談話室のような作りの部屋だが、壁一面にたくさんの額縁がかけられていたが、中には誰もいなかった。

おそらく、試験の秘匿性を保つために肖像画に描かれている魔法使い達は一時別の場所に集められているのだろう。

 

 

既に暖炉前の肘掛け椅子にはチョウ・チャンと、フラー・デラクールの妹であるガブリエール・デラクールが少し不安げな顔で座っていた。

 

 

「残りの2人はあなた達だったのね!私はソフィア・プリンスよ。こうして話すのははじめてね?」

「そうね、チョウ・チャンよ」

「……ガブリエール・デラクール…」

「私は、ハーマイオニー・グレンジャーよ。よろしく」

 

 

ソフィアとハーマイオニーは空いているソファに座り、それぞれ簡単に自己紹介をした。課題の内容を聞き、身の危険は無いといっても──幼いガブリエールは不安なのだろう、身を縮こまらせ落ち着きなく体を揺らしていた。

 

 

「ガブリエールは、フラーの妹よね?すっごく可愛いわ!」

「あ……う、ん…ありがとう」

 

 

ソフィアはフラーの妖艶さとは違う、デラクールの愛らしさに頬を染め、不安そうにしているガブリエールの隣に座り直すと机の上にあり──どうやら誰も手をつけていない様子のクッキーを摘んだ。

 

 

「ここにあるもの好きに食べていいのかしら?」

「ええ、そう聞いているわ。寝室は奥に簡易ベットがあって、今日はそこで寝るようにってフリットウィック先生に言われたの」

 

 

チョウは「あっちよ」と部屋の奥にあるベットを指差す。ソフィアはもしこの中に男子生徒がいればなかなかに気まずい思いをする事になっただろう、と思いながらクッキーを食べた。

 

 

「まぁ!すっごく美味しいわ!みんなで食べましょう?」

 

 

ハーマイオニー達は、緊張もせず、不安にも思っていないいつも通りのソフィアを見て肩にこもっていた力を抜き、おずおずとクッキーを食べた。

 

 

「──まぁ!本当に美味しいわね」

「ええ、本当!」

「……おいしい…!」

 

 

顔色の悪かったガブリエールも──彼女だけがこの中で知り合いが居ない、それに、ボーバトンの生徒だ──口の中に広がる甘い味にほっと表情を緩ませた。

 

机の中央にあった大きなティーポットはいつまで経っても適温が保たれ、ソフィア達は課題前夜だということも忘れ「どこの化粧品を使っているか」「おすすめの洋服ブランドはどこか」など、楽しく話して過ごした。

 

すっかり4人が打ち解けた数時間後、トントン、と控えめなノックの音が響き、ソフィア達はおしゃべりを止めた。

 

 

「こんばんは。──いい夜を過ごしているようじゃな」

 

 

にっこりと笑顔を浮かべ現れたのはダンブルドアであり、その後にマダム・マクシームが身を屈めながら扉をくぐった。

 

 

「さて、もう遅い。そろそろ寝なければならんじゃろう」

「ガブリエール、明日はしーんぱいしなくていいでーすからね」

「はい…マクシーム校長…」

 

 

マダム・マクシームは我が子に見せるように優しくガブリエールに微笑みかけ、ガブリエールもまた嬉しそうに目を細めて微笑んだ。

 

もうそんな遅い時間なのか、とソフィア達は壁掛け時計を見て──11時を回っている事に気付き驚いた。楽しいお喋りというものは、何故こうも時間が経つのが早いのだろうか。

 

 

「もう一度言っておくが、明日君たちは眠りにつき、湖底へと沈められる。じゃが、苦しみは一切ない。幸せな夢を見ているうちに全ては終わるじゃろう。何があろうとも無事に戻って来れると約束しようぞ」

 

 

ダンブルドアはもう一度簡単に明日の課題中、ソフィア達がどうなるのかを告げた。ダンブルドアが生徒達を犠牲にするわけがない、その言葉は紛れもない真実であり、ダンブルドアの事をよく知っているソフィアとハーマイオニーとチョウは頷いたが、ガブリエールはやはり、少し不安げにマクシームの元に駆け寄ると、彼女の大きな小指をぎゅっと握った。

 

 

「ガブリエール… Ne vous inquiétez pas. (心配ありませんよ) Demain, ta sœur viendra(明日はお姉さんが直ぐに) à ton secours immédiatement.(助けに来てくれますからね)

 

 

マクシームから発せられたのは優しく低いフランス語だった。あまりに流暢なその言葉を理解できたのは、ガブリエールとダンブルドアだけだっただろう。

ガブリエールはほっと表情を緩め、頷く。

 

 

Oui, d’accord(はい…わかりました)

Bonne nuit(おやすみなさい)

Bonne nuit…(おやすみなさい…)

 

 

大きな手のひらがガブリエールの美しい髪を撫でる。

ガブリエールは少しお辞儀をするように頭を下げ、そっとマクシームから離れた。

 

 

「さあ、君たちも、もうおやすみ」

 

 

ダンブルドアが朗らかに告げ、杖を振る。机の上にあったお菓子やティーセットは消え、もう一振りすると部屋の中の灯りが落とされた。

マクシームも優雅に杖を振り、ソフィア達の服が愛らしいネグリジェに変わる。

 

 

「プレゼントでーす」

「わぁ!ありがとうございます!」

「可愛い!ありがとうございます、マダム・マクシーム」

「すごく、柔らかいわ…!ありがとうございます!」

「マクシーム校長、ありがとうございます!」

 

 

 

ソフィアは薄水色、ハーマイオニーは薄桃色、チョウは薄緑、ガブリエールは薄紫の同じ形のふわふわとしたネグリジェに包まれ、嬉しそうに裾を掴みながらマクシームにお礼を言う。

明日のことがなければこれからパジャマパーティでもしたいくらいだが、明日のことを考えると早めに寝た方がいいのだろう。

ソフィア達は口々にダンブルドアとマクシームに「おやすみなさい」といい、奥にあるベットに向かった。

 

ダンブルドアとマクシームも、ソフィア達に優しくおやすみの挨拶をすると静かに部屋から出て行き、鍵を閉める。

 

薄暗い中、ソフィア達は無言でチラリとお互いを見つめ──何となく非日常が面白くて、くすくすと笑い合った。

 

 

 

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