【完結】スネイプ家の双子   作:八重歯

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355 護るためには!

 

 

姿現しの試験まであと2週間と迫る頃、ソフィアとハーマイオニーとロンの3人はホグズミードで行われる追加練習へと向かった。

ハリーは村へ行こうかと最後まで迷っていたが、「人が少なくなった時、きっとマルフォイは必要の部屋に行くだろう」と考え、追加練習後のソフィアとのデートを苦渋の思いで断念したのだ。ソフィアだけでなく、ホグズミードの警備にあたっているというシリウスにも会いたかったが──仕方がない。

 

自分で決めた事だが、楽しげに村へ向かう支度をする人たちを見るとどうしても妬ましさがもやりと胸を苦しめてしまう。ハリーは肩掛けカバンを持つソフィアに近づき、もやもやとした気持ちを誤魔化すために後ろからソフィアを抱きしめ、胸いっぱいに甘い匂いを吸い込んだ。

 

 

「きゃっ!ハ、ハリー!もう、びっくりしたわ!」

「ごめんごめん」

「あらハリー。ソフィアは今日私とデートなの。邪魔しないでくれる?」

 

 

ハーマイオニーはハリーの腕の中からソフィアを奪うと、ソフィアの腕にしっかりと自分の腕を絡めツンと顎を上げた。

 

途端にハリーの機嫌は急降下し、収まりかけていた苛立ちがまた蘇ってくる。ハーマイオニーをじとりと睨みながらりハリーは腕を組んだ。

 

 

「僕の恋人だ」

「あら、私は親友なの。それに──夜に2人でこっそり抜け出していることに私が気が付かないと思った?減点と罰則がないのを、あなたは感謝するべきよ!」

 

 

ハリーは低い声で囁かれた言葉に、カッと顔を赤く染めソフィアを見た。ソフィアは同じように頬を赤らめ慌ててハーマイオニーに「声が大きすぎるわ!」と小さな声で叫ぶ。

 

 

「うーん。それは……ありがとう」

「あなたの頭にはソフィアとマルフォイの事しか詰まってないの?言っておきますけどね。私は必要の部屋の事を考えるよりスラグホーンの部屋に行って記憶を引き出す努力をした方がいいと思うわ!」

「努力してるよ!でも、あの人は僕と話したがらないんだ」

「まあね、でも頑張るしかないでしょう?──じゃあね」

 

 

ホグズミードに行く前にフィルチからチェックを受けなければならず、その列が前に進んだのを見てハーマイオニーは話を打ち切った。

 

ソフィアはハーマイオニーにしっかりと掴まれていたため引っ張られるようにして前に進みながら、ハリーに「お土産買ってくるわね!」と叫び手を振った。

 

 

「うん。楽しんできて!あと、頑張ってね!」

 

 

ハリーの言葉にソフィアは笑顔で頷いたが、ハーマイオニーはぷいとそっぽを向き、ロンはこの話題には触れるべきではないと無言のままひらひらと手を振った。

 

 

 

ホグズミード村にある広場に集められた追加授業希望者は、はじめの10分は今までのように数メートル先の円の中に姿現しをする練習をした。

姿現しの講師であるトワイクロスが指示する中、半数以上の生徒がなんとか成功し、試験を受けるつもりである生徒たちはほっと胸を撫で下ろす。

 

 

「慣れたら簡単ね」

 

 

ソフィアはふわりと体を回転させ、そのまま渦の中に姿を消し、円の中に現れる。

 

 

「なあ、僕今度こそ完璧だよな?」

「えーと。……そうね!眉毛もちゃんとあるわ!」

 

 

ハーマイオニーはロンが姿くらましした場所を何度も見てばらけることなく円の中に姿現しができた事を認めた。成功率が高くないロンは嬉しそうに笑うとそのままぴょんと円の縁を飛び越える。

 

 

「さて。ではせっかく外ですので、もう少し離れた場所に姿現しをする練習をしましょう。順番に、1人ずつ──あそこに見えるマダム・パディフット喫茶店の前に姿現しをしてくださいね」

 

 

トワイクロスは円をふわりと消すと、1人ずつ指名し離れた場所へ姿現しをする訓練をした。店は30メートルも離れていない場所にある。それほど難しくないだろうと誰もが思ったが、実際にやってみると店の前に姿現しが出来る者はごく僅かだった。

 

 

「みなさん。いいですか?場所がずれてしまうのは『どこへ』が定まっていないからです。隣の店を気にしていませんか?しっかりとマダム・パディフット喫茶店のことを考えるのです。──では、次はあなた」

「はい」

 

 

ソフィアは小さく頷き、目を閉じる。

 

──私は姿現しの練習のために、マダム・パディフット喫茶店の前にどうしても行かなければならない。

 

そう強く思い、ソフィアはふわりと回転した。そのまま慣れてしまった奇妙な感覚があったが、それはすぐに終わる。ぱちりと目を開けば『マダム・パディフット喫茶店』の看板が飛び込んできた。

 

 

「素晴らしい!ばらけてもいません、とっても見事な姿現しでしたよ」

「ありがとうございます」

 

 

ソフィアはトワイクロスの絶賛に照れたように笑った。

このあとロンはマダム・パディフット喫茶店ではなくスクリベンシャフト羽ペン専門店近くに姿現しをしてしまったが、ロン本人は動くことができただけで十分嬉しく上機嫌だった。

ハーマイオニーはソフィアと同じように完璧に姿現しをし、トワイクロスに何度も褒められた。この追加授業でその後も一度も失敗することなく姿現しが出来たのはソフィアとハーマイオニーの2人だけだった。

 

 

1時間の追加授業が終わり、参加者はそれぞれ街の中を散策する。ソフィアとハーマイオニーとロンはハニーデュークスでお菓子を買ったあと、三本の箒へと向かった。

 

 

「僕、テスト受けようかな。今日の授業はいい感じだったよな?」

 

 

バタービールを飲みながらロンは上機嫌で言い、ソフィアとハーマイオニーに同意を求める。2人はニコニコと笑いながら頷いたが、すぐにハーマイオニーは真剣な目でロンを見た。

 

 

「本番に緊張しなきゃ大丈夫よ」

「うっ。今から緊張するようなことを言わないでくれよ……」

 

 

ロンはぎくりと肩をこわばらせ、嫌そうに眉を寄せバタービールを一口飲む。ロン本人もわかっているのだが、どうしても本番に弱く上がってしまう。グィディッチでないぶんマシだが、もし試験が一人ずつであり参加者に公開されているのならば──間違いなく誰よりも緊張してしまうだろう。

 

 

「試験の前に医務室で落ち着く薬をもらったらどう?」

「うーん……落ち着く薬って、あの香り薬?」

「まあ……一般的なものはそうね」

 

 

ロンは夢喰蟲の事件を思い出して複雑そうな顔をした。薬に頼り、落ち着いた気持ちで試験に望みたいが──あの甘く優しい匂いを嗅いぐのはなんとなく嫌だった。

 

 

「結局、あれもどうやって全部の寮の談話室で香らせることが出来たのか、わかってないのよね?」

「ええ……そうなのよ。服従の呪文をかけられて、誰かが入れたんじゃないかって思うけど……誰かわからないもの、調べようがないわ。ダンブルドア先生は不安にさせたくないのか、みんなに説明は何もしなかったし……」

「そうよね……あの事件がマルフォイの企みだとして、何がしたいのか全くわからないわ。ダンブルドアを殺せるわけないってことくらい子どもでもわかるのに」

 

 

ハーマイオニーはまだ釈然としない思いを抱えていて、周りに聞こえないように小さく呟いた。

 

 

「もしかして、他に目的があってそっちを気にして欲しくないんじゃないか?」

 

 

ロンは声を低め真剣な事で呟いた。ハーマイオニーとソフィアを順場に見つめる彼の目にはどこか確信の色が滲み、自信ありげだった。

 

 

「あり得るわね。騒動を起こして本当は何か別のことをしたかったのかも。……あの夢喰蟲も、ソフィアが気付かなかったらもっとたくさんの人が操られていたかもしれないわ」

「やっぱり、ハリーを殺そうとしているのかしら……」

 

 

ソフィアは憂いを帯びた声で囁く。ハーマイオニーとロンは間違いないと大きく頷いた。

 

 

「あっ!そうよ。夢喰蟲に操られていたと見せかけて、ハリーを殺すつもりだったんじゃない?成功しても、支配下に置かれていた事が証明されたなら、それが罪に問われる事はなくなるわ!」

「つまり……あの事件は隠れ蓑だったってことか!」

「……あり得るわね。どうやって殺すかよりも、どうやって殺人を罪に問われないようにするのか、の方が難しいもの」

 

 

ダンブルドアへの殺意を見せ、殺人未遂でロンやシャーロット、ラベンダーは暫く監視されたが、罪に問われる事はなかった。

ドラコはその混乱と()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という実例が欲しかったのではないだろうか。

ハリー殺害がうまく行ったところで犯人が自分だとバレる可能性が高い。しかし、殺害が罪にならなければいいのだ。

ハリーへの殺意を見せつつ、虫下し薬を飲み夢喰蟲を吐き出せば、誰もが操られていたのかもしれない。と思うだろう。

 

 

「じゃあ、マルフォイが必要の部屋にいるのは?」

「夢喰蟲を飼ってるのか?」

「そうかもしれないわね……でも、ドラコはボージン・アンド・バークスにある何かと同じ物を直したがっていた……何かしら。夢喰蟲に関係のあるものなのか、ハリーを殺すための武器……?」

 

 

結局、ドラコが直したがっているものが何かわからない限り答えを予想するのは難しいだろう。

しかし、夢喰蟲の件はもう収束しているのだ、ドラコの企みがソフィア達の予想通りならば、うまく行く事は無い。

 

 

「スラグホーンの記憶のこともあるもの。私たちにそれは手伝えないし、ハリーにはマルフォイの企みなんて無視してそっちをやってほしいのに……」

「そうよね……スラグホーン先生の食事会ももうなくなったものね、きっと警戒しているんだわ」

 

 

ソフィア達は難しい顔をしながら、ややぬるくなったバタービールを飲んだ。

 

 

 

ーーー

 

 

 

同時刻、ルイスは姿現しの追加授業を受けたあとホグワーツに戻る事なくフードを目深に被り、村の中心部から民家が立ち並ぶ住宅街へと向かった。ホグワーツ生は店のない所へは行かない。叫びの館もなく、ただの住宅街であるそこは不必要な外出を控える住民が多く、閑散としていた。

ルイスは足早に住宅街を通り、村を囲む森近くへ向かう。住宅街から少し離れた場所に建つ家を見て──その門前で待っている人を見た瞬間、ルイスは駆け出した。

 

 

「ジャック!」

「ルイス、どうしたんだ?」

 

 

ジャックは門に背を預けていたが、こちらへ駆け寄るルイスを見ると背を離し数歩近づいた。

 

 

「僕の兄の名前は?」

「リュカ」

「……うん。……ジャック、ごめんいきなり……その、来てくれてありがとう」

 

 

ルイスはジャック本人であることを確認し、ようやく表情を緩めると、辺りを見渡す。もしここでジャックと密会していることがバレたら厄介な事になる。それだけは避けなければならない。

 

 

「本当に誰にも言ってない?1人で来た?」

「ああ、誰にも言ってないよ。……いきなり手紙が届いて驚いた」

 

 

ルイスはその言葉を信じるべきか一瞬迷ったが、今ここでジャックの言葉に嘘があるのかどうか、判断する事は不可能なのだ。騎士団員であり、ヴォルデモートをスパイしているジャックは勿論閉心術に開けているに違いない。

 

 

「……ジャック、お願い。次にシェイドからの手紙が来たら、絶対にその内容通りのことをして欲しいんだ」

 

 

今は、言えないけど。と不安と焦燥感で瞳を揺らすルイスにジャックは怪訝な顔をして眉を寄せる。

ジャックは、ルイスが置かれている状況を理解している。きっと、自分と同じくセブルスがナルシッサと交わした破れぬ誓いのことを知っているのだろう。それゆえに、何とかダンブルドアを殺害しなければセブルスが死ぬ事になると知っているのだ。

 

 

──だからこそ、俺はあいつを救うために、動けない。

 

 

「……ルイス、何を企んでるんだ?セブにはちゃんと、話して──」

「言えない!──父様には、絶対に言えない。計画が破綻する。みんなを護るには……救うには──言えないんだ!お願い、ジャック、今日のことは……父様には、絶対に言わないで」

「だが──」

 

 

子ども達だけで何かを計画するなんてうまく行くことは無いだろう。

少なくとも、セブルスはルイスとドラコの計画を知っていた方が陰で支えることができるのではないか──それに、ルイスの中で理由と大義はあれ、殺人は犯罪だ。ダンブルドアを万が一殺害できてしまったとして、ルイスとドラコの立場は悪くなる。その重荷を子どもに背負わせるわけにはいかない、とジャックは考え苦い表情をして黙り込む。

 

ルイスは一歩踏み出し、ジャックの腕をグッと掴み「お願い」と苦しげに哀願した。

 

 

「お願い、何も言わないで力を貸して。僕が──っ……これしかないんだ。僕が護りたいものを護るためには、これしか」

「……ルイス…」

 

 

ルイスはジャックの思い悩んでいる表情を見て内心で焦っていた。

 

──ジャックの力を借りたい。借りなければならない。だけど、父様には知られちゃ駄目なんだ。

 

 

ルイスはジャックの瞳をじっと見つめる。昔は自分の方がかなり背が低かったが、今では視線はそれほど変わらない。

ルイスは泣き出しそうに顔を歪めたが、それを見られまいとジャックの肩に自分の額を強く押し付ける。

ジャックはいつも冷静なルイスがここまで追い詰められているなんて、やはり人を殺す重圧に子供だけで耐え切れるわけがない。どれだけルイスが嫌がろうと、セブルスに報告しなければならない。そして、ルイスだけでも騎士団で保護してもらわなければならないと考えた。

 

 

「ルイス……成人しても、お前はまだ子どもだ。何を企んでるのか、言いなさい」

 

 

ジャックは震えるルイスの肩を優しく叩き、宥めるように伝えた。

 

しかし、ルイスは頷くことなくぐっとジャックの肩を掴み押し戻す。体を離すと俯き垂れた前髪の隙間からじっとジャックを見据えた。

 

 

「ジャック。今でも愛しているのなら、僕を助けて」

「何──」

 

 

ルイスの確信が滲むセブルスに似た黒い瞳に見つめられ、ジャックは息を呑む。

 

 

「ジャックが──僕たちが愛している人を助けるためには──こうするしかないんだ」

「……、……」

「お願い、ジャック。今でもジャックが愛していて、僕のことも……ソフィアのことも大切だと思うなら──」

「……いつから気づいてた?」

 

 

ジャックは低い声で囁く。その眼光は鋭く、ルイスはごくりと固唾を飲んだ後「少し、前に」と答える。

2人の間で緊張感を孕む沈黙が流れていたが、ジャックはため息をつき、自分の肩を強く掴むルイスの手を払うと諦めたように笑った。

 

 

「よく気づいたな」

「うん……ジャックにとって僕とソフィアは特別だったから」

「そりゃ、アイツの子どもだからな」

「初めは、母様のことを愛していたから、僕とソフィアを特別目にかけてくれるのだと思った。けど、それなら──父様の事を親友だとしても、許せないはずだ。シリウスの事だって、許せないはず。だって母様は──」

「誰よりも聡い子だな、ルイスは」

 

 

ジャックはもういいと言うように手を振り、そのまま顔を覆う。暫く沈黙していたが、ルイスが耐えきれずに「ジャック、だから──」と言いかけた時、顔を上げ言葉を制した。

 

 

「──わかった。誰にも言わない」

「…!ありがとう、ジャック」

 

 

ルイスは目に見えて安堵し、肩の力を抜きほっと息を吐く。しかしジャックはやや暗い表情のままぎこちなく笑った。

 

 

「いや、礼を言われる事じゃない。俺は醜悪な人間なんだよ、アイツと……お前達が無事なら後はどうでもいいと思ってるんだから。本当に、その企みに綻びは無いんだな?護りきれるのか?」

「うん。大丈夫。──僕たちが生き残るには、これしか無い」

「……もし、困ったことがあればすぐに知らせろ。シェイドが運んだ手紙の通りにするんだな?」

「うん。ジャック……本当に、言わないでね」

 

 

必死な目で念を押すルイスに、その強い視線を受けたジャックはふっと吐息をこぼすように笑った。

 

 

「──その瞳に誓って」

 

 

ジャックはルイスの黒い瞳を見つめた後、その場から姿くらましをして消えた。

暫くジャックがいた場所をじっと見つめていたルイスは、壁を背にしてずるずるとしゃがみ込む。

 

 

「……ジャック、ごめん……」

 

 

ルイスは震える声で呟き、その目に浮かんだ涙を乱暴に拭くとさっと立ち上がり、人目を避けるようにホグワーツ城へと駆けた。

 

 

ーーー

 

 

ソフィア達はバタービールを一杯飲むとすぐにホグワーツに戻った。追加授業の代金を払ったロンはもう自由にできる金が無く、昼食は三本の箒ではなく学校に戻って食べよう、と決めていたのだ。

 

大広間入ると先ほど追加授業で一緒だった生徒が興奮した面持ちでヒソヒソと話している。きっと、円ではなく目的の場所に少しでも近づけた喜びが気分を高揚させているのだろう。

 

 

「ハリーはまだ8階かな?」

「多分ね。私の忠告はきっと無視されてるわ」

「あはは……」

 

 

ハーマイオニーはぶつぶつと文句を言いながらサラダボウルを近づけ、山盛りのサラダと鶏のローストを自分の皿に入れた。

 

 

「おかえり。早かったね」

 

 

ハリーはソフィアの隣に座りながら「もう少し三本の箒でゆっくりしてくるのかと思ってた」と呟く。

 

 

「追加授業もタダじゃないからな」

 

 

ピザを食べながらロンはめんどくさそうに言い肩をすくめる。ロンの家──ウィーズリー家が裕福でないと知っているハリーはその言葉に触れることなく追加授業の出来はどうだったのかとロンに聞いた。

 

 

「それで、姿現しはできた?」

「できたよ──まあ、ちょっとね!マダム・パディフットの喫茶店の外に姿現しするはずだったんだけど、ちょっと行きすぎてスクリベンシャフト羽ペン専門店の近くに出ちゃってさ。でも、とにかく動いた!」

「やったね」

 

 

ロンは興奮し、自慢げに胸を逸らす。ハリーは今までロンがまともな成功を納めていないことを知っていたため、よくやった、と背中をポンと叩いた。

 

 

「ソフィアとハーマイオニーは?」

「ああ、完璧さ、当然」

 

 

ソフィアとハーマイオニーが答える前にロンが言う。ソフィアとハーマイオニーはロンのうんざりしているかのような言い方に少しムッとして眉をひそめた。

 

 

「完璧な3Dだ。どう言う意図で、どっちらけ、ドン底、だったかな?まぁどうでもいいや。その後みんなで三本の箒にちょっと飲みに行ってたんだけど──」

「それで、あなたはどうだったの?ずっと必要の部屋に関わっていたの?」

 

 

ハーマイオニーはロンの言葉を無視してハリーに聞く。ハリーはスコーンをいくつか自分の皿に入れながら頷いた。

 

 

「うん。それで、誰に会ったと思う?トンクスさ!」

「トンクス?」

 

 

ソフィアとロンとハーマイオニーは驚き、同時に聞き返した。何故ここに来る必要があるのだろうか、騎士団に何かあったのかとソフィアは不安に思ったが、ハリーはそこまで深刻に思っていないようで、スコーンを食べながらソフィア達にトンクスと交わした会話を話した。

 

 

「ダンブルドアに会いにきたんだって。なんだかさらに落ち込んでたな……やつれてたし」

「トンクスはちょっと変だよな。前の夏から元気がない」

「守護霊も変化したって言っていたものね」

「トンクスは学校の周りを守っているはずなのに、どうして急に任務を放棄してダンブルドアに会いにきたのかしら?しかも、留守なのに」

 

 

4人は顔を見合わせたが、これといって明確な理由は思いつかなかった。

トンクスの様子が変わったのは、魔法省にヴォルデモートや死喰い人が侵入し、世間がヴォルデモートの存在を認めてからだ。あれから魔法省や闇祓いはとても多忙だと聞いている。まだ闇祓いの中で若いトンクスは、その忙しさと緊張、そして恐怖に心がついていけないのだろうか。

 

 

「……誰だって、不安なるわ。新聞では毎日誰かが死んで、行方不明になってるもの。明日は自分の家族かもしれない、恋人かも、友人かも──きっと、みんなそう思ってるわ」

 

 

ソフィアの憂鬱そうな声に、ハリー達は神妙な表情で沈黙した。

 

 

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