【完結】スネイプ家の双子   作:八重歯

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454 合流!

 

 

魔法のかかった大広間の天井は暗く、星が瞬いていた。その下の四つの寮の長机には寝起き姿の生徒達が旅行マントを着て不安そうに身を寄せ合っている。ホグワーツのゴースト達も大広間に集まり、壁や天井付近でふわふわと揺れていた。壇上に立つマクゴナガルを、全ての目が見つめている。マクゴナガルの後ろには学校に踏みとどまった教師達と、集まった不死鳥の騎士団のメンバーが立っていた。

ハリーとソフィアは壁伝いに移動しながらグリフィンドールの机の一番後ろに座り、マクゴナガルがどう指揮を取るのかを聞いた。ロンとハーマイオニーと合流する前に、情報を整理するためにも一度大広間へ向かおうと決めていたのだ。

 

 

「──避難を監督するのはフィルチさんとマダム・ポンフリーです。監督生は、私が合図したらそれぞれの寮をまとめて指揮を執り、秩序を保って避難地点まで移動してください」

「でも、戦いたい者はどうしますか?」

 

 

ハッフルパフの机からアーニー・マクラミンが立ち上がって叫び、その声に賛同するように拍手が湧く。マクゴナガルは成人になっていれば残って戦いたい者は残っても構わないと伝え、何人もが顔を見合わせ覚悟を決めた目を交わし合った。

ソフィアはその話し声を聞きながらルイスとドラコを探しスリザリンの机を見回し、前方でこちらを見て目を見開いている二人を見つけた。

ルイスはソフィアの変わり果てた姿を見て辛そうに眉を寄せたが、それでも無事生きている事に安堵し僅かに微笑む。──駆け寄り抱きしめ言葉を交わすことは今できないが、ソフィアもルイスもそれだけで気力を奮い起こすには十分だった。

 

 

「城の周りには、すでに防御が施されています。しかし、補強しないかぎりあまり長くは持ちこたえられそうにありません。ですから、皆さん、迅速かつ静かに行動するように。そして監督生の言うとおりに──」

 

 

マクゴナガルの最後の言葉は、大広間に響き渡る別の声に掻き消された。氷のように冷たく、不気味でいて、はっきりとした声に生徒達から悲鳴が上がり、怯えどこから聞こえて来るのかと身を縮こまらせ不安げに辺りを見回した。その声は天井から、周囲の壁から、地面から──まるで城全体が不吉な呪いを吐くようにホグワーツ中で鳴り響いた。

 

 

「お前達が戦う準備をしているのはわかっている。何をしようが無駄なことだ。俺様には敵わぬ。お前達を殺したくはない。ホグワーツの教師に、俺様は多大な尊敬を払っているのだ。魔法族の血を流したくは無い──ハリー・ポッターを差し出せ」

 

 

大広間中が静まり返り、鼓膜が痛いほどの張り詰めた静寂が落ちる。ヴォルデモートの声に、誰もがハリーを探し、後方にいるハリーを見つけてぴたりと固まった。

 

 

「そうすれば、誰も傷付けはせぬ。ハリー・ポッターを俺様に差し出せ。そうすれば、学校には手を出さぬ。ハリー・ポッターを差し出せ、お前達は報われる。真夜中、午前0時まで待ってやる」

 

 

それは静かな城に反響し、不吉な余韻を残して消えた。

何百という目がハリーを貫き、ハリーは他人事のように数年前の三校対抗試合での事を思い出しながら、その場に釘付けになった。

やがてスリザリンの机からパンジー・パーキンソンが立ち上がり、震える腕を上げて叫んだ。

 

 

「あそこにいるじゃない!ポッターはあそこよ!誰かポッターを捕まえて!」

 

 

ハリーが口を開くよりも早く、周囲がどっと動いた。ソフィアはハリーの前に立ち生徒達に──同じ学校で学んだ者達に魔法をかけなければならないのか、と思ったがそれは杞憂に終わった。

ハリーの前のグリフィンドール生が全員、ハリーにではなく、パンジーに向かって立ちはだかった。次にハッフルパフ生が、殆ど同時にレイブンクロー生が立ち上がった。全員がハリーに背を向け、パンジーに対峙し杖を抜いている。

ハリーはその姿を見て言葉に言い表せないほど心が打たれ、感極まり、強く拳を握りしめた。

 

 

「どうも、ミス・パーキンソン。あなたはフィルチさんと一緒にこの大広間から最初に出て行きなさい。他のスリザリン生は、ミス・パーキンソンと同じ考えならそのように」

 

 

ベンチが床を擦る音に続き、全員のスリザリン生が大広間の反対側から出ていく音が響く。ドラコとルイスは一瞬ソフィアとハリーを見たが、その視線は人の頭に隠れ見えなくなった。

続いてレイブンクロー生が出て行ったが、高学年の何人かは残りハッフルパフからはさらに多くの人数が残った。グリフィンドール生は大半が席に残り、マクゴナガルが壇上から降りて未成年の生徒達を追い立てねばならぬ程だ。

ハリーはこれだけの生徒が残る事に嬉しさを感じつつ、彼らがどうか無事明日の朝を迎えられるようにと心から祈る。この後の戦闘で全員が無事で死喰い人が全員倒されるだなんて奇跡はおそらく起こらないだろう。それがわかっていても、心の底から願わずにはいられなかった。

 

マクゴナガルが反論する未成年の生徒達を扉へと向かわせている間にキングズリーが壇に進み出て、残った生徒達に説明を始めた。

 

 

「午前0時まで後三十分しかない。素早く行動せねばならない!ホグワーツの教師陣と不死鳥の騎士団との間で戦略の合意が出来ている。フリットウィック、スプラウトの両先生とマクゴナガル先生は戦う者達のグループを最も高い三つの塔に連れていく──レイブンクローの塔、天文台、そしてグリフィンドールの塔だ──見通しが良く、呪文をかけるには最高の場所だ。一方、リーマスとアーサー、シリウス、ジャック、そして私の五人だが、いくつかのグループを連れて校庭へ出る。さらに外への抜け道だが、学校側の入口の防衛を組織する人間が必要だ──」

「どうやら俺たちの出番だぜ」

 

 

フレッドが自分とジョージを指差して声を上げ、キングズリーが頷いた。

 

 

「よし、リーダー達はここに集まってくれ。軍隊を分ける!」

 

 

生徒達が指示を受けようと壇上に殺到する中、ソフィアとハリーはロンとハーマイオニーを探しに行こうと立ち上がった。

扉へ向かう前に生徒達の間を縫ってマクゴナガルが二人に近寄り「ポッター」と声をかける。

 

 

「探し物はどうなりました?」

「え──あ!そうです!」

 

 

ハリーはロンとハーマイオニーが消えた衝撃で一瞬その事を忘れていたがすぐに思い出し顔に焦燥を滲ませる。

「さあ、すぐに行くのです。行きなさい!早く!」とマクゴナガルに急かされ、ハリーとソフィアは駆け足で大広間から廊下へ出た。そこは避難中の生徒で溢れ返り、何十もの目がハリーとソフィアを見て口々に囁き合ったが、二人は余所見する事なく一目散に走り出す。

 

 

「どうしよう、時間がない──」

「私、トイレに向かうわ!ハリー、あなたは髪飾りを探して。ロンとハーマイオニーと合流したら、手がかりを探して──とりあえず、図書館に行ってみる」

「うん──そうだね」

 

 

このホグワーツにあるはずの失われた髪飾り。ヴォルデモートが告げた猶予は後三十分だ、手分けして探さないと間に合わないだろう。むしろ、何百年も見つけられず、レイブンクロー生や教師の誰も知らない物を果たして僅か三十分で見つけ出すことが可能なのか。──ハリーとソフィアはその疑念と弱音を何とか思考から追い出した。

緊迫した緊張感で満たされる中をハリーとソフィアは走る。曲がり角で、二人は僅かに足を止め目配せを一つして別の道を進んだ。

 

 

ソフィアは全速力で走った。階段を数段飛ばしで走り、息を切らせ、喘ぎながら三階へと辿り着き一層じめじめとして暗いトイレへ続く扉を開けた。

 

 

「あら、ソフィア!ご無沙汰じゃない?」

「マートル……久しぶりね、会えて、嬉しいわ……」

 

 

ソフィアはキリキリと痛む胸を押さえながら呼吸を整え、恨めしそうに拗ねた顔をしてぷかぷかと浮いているマートルを見上げた。マートルは大広間に集まる事なくこの場にいる事を望んだのだろう。彼女は生徒の多い大広間に向かうなど、生前の事を考えできなかったのだろう。笑われ虐められた記憶はそう易々と癒えるものではない。居場所はこの水浸しの薄暗くじめついたトイレなのだ。

 

 

「ここに、ハーマイオニーと、ロンが──」

「ああ、降りて行ったわよ。こんなところに隠し通路があるなんて知らなかったわ」

「え──」

 

 

マートルはふわりと移動し、形が変わった洗面台の前に降り立った。ソフィアは秘密の部屋への入り口がどんな形で開かれるのかを知らず、困惑しながらぽっかりと黒い穴を開けた洗面台に近づく。

そんな、ハリーの話では蛇語を使わなければ秘密の部屋への道は開かないはずだ。だからトム・リドルはスリザリンの秘密の部屋を見つけ出す事ができたのだ。ハーマイオニーとロンは当然蛇語を話す事はできない。それなのに何故扉は開いたのか──。

 

ソフィアが入り口に手をかけ、底の見えぬ穴を覗き込み自分も飛び込むべきかどうか悩んでいるうちに遠くの方から叫び声とも歓声とも取れぬ声が響き、それはみるみるうちに近づいて来た。

 

慌てて後ろに下がれば、物凄いスピードでハーマイオニーとロンが飛び出し、風に煽られ髪を乱しよろめきながら水浸しの床を踏み締めた。

 

 

「ハーマイオニー、ロン!」

「ああ、ソフィア!戻って来てたのね」

「うーっ。ハーマイオニー、もう少し弱めにできなかったのか?」

「あれくらい普通よ」

 

 

奥底からハーマイオニーの魔法により舞い上がったロンはぼさぼさになった髪の奥で顔をしかめ「耳の奥が変な感じがする」と耳を叩いた。

 

 

「取ってきたの、バジリスクの牙!時間が無いだろうから」

 

 

ハーマイオニーは腕に抱えた黄色く変色した牙を自慢げに見せ、さらに割れて黒ずんだハッフルパフのカップの欠片を鞄から出した。

ソフィアはカップの欠片とハーマイオニーとロンの顔を交互に見ながら呆気に取られ口をぽかんと開いた。

 

 

「でも、どうやって?まさか蛇語を話せたの?」

「それが、話せたのよ!ね、ロン?」

「まあ、ハリーの言ってる言葉を真似しただけだけどな」

「それよりも、どうなったの?あなた一人?ハリーは?もう一つの分霊箱は?」

「そうね、とりあえず移動しながら話しましょう」

 

 

次々と湧き起こるハーマイオニーの質問にこの場に留まって答える時間的猶予はなく、ソフィアとハーマイオニーとロンはすぐに出口へと向かった。

 

 

「マートル、全て終わったら──必ず会いにくるわ!」

「仕方がないから、待っててあげるわ。……またねソフィア」

 

 

扉から出る前にソフィアは振り返りマートルに向かって叫んだ。マートルはいつもの個室へと向かいながらひらりと軽く手を振る。

マートルも、ヴォルデモートの声を聞き、ただならぬ事態になっているのだと気付いていた。戦場になるホグワーツで何人の生徒が死に、そのうち何人がゴーストになるのだろうか。──ソフィアがゴーストになったならば、このトイレで一緒に住めばいい。そう期待したが、マートルは胸の内に秘めるだけで言葉には出さなかった。

 

ソフィアはハリーとの待ち合わせ場所である図書館へと向かいながらハーマイオニーとロンと別れた後、何があったのかを駆け足で説明した。あと残された時間は十分程しかない。そんなほぼゼロとも言える時間でこの広大なホグワーツの中に隠されている──と願っている──レイブンクローの髪飾りを見つける事は絶望的に見えた。

 

 

「念のため、秘密の部屋の中も探したの。ヴォルデモートだけが入る事ができた場所でしょう?でも、それらしい髪飾りは無かったわ」

「あったのは壊れた石像と、バジリスクの死骸と動物の骨だけだったな」

「そう──なら、他にどこなのかしら」

 

 

ソフィアも可能性があるのならスリザリンの秘密の部屋だと思っていたため、失望と焦燥を滲ませながら悔しげに呟いた。

ダンブルドアがいるホグワーツで、誰にも見つからない場所。そんな都合の良い場所が、どこに──。

 

 

松明と月明かりに照らされた廊下を走るソフィアとハーマイオニーとロンの前から、こちらへ向かってくる足音が聞こえた。この廊下は大広間へ向かう道とは反対方向だ、逃げ遅れた生徒だとは考えられず、ハリーかと三人は思ったが、その足音は一人分ではない。

まさか、どこかから死喰い人が侵入しているのかと三人は顔を強張らせ杖を抜いた。

足音と共に、白い二つの光が見える。どんどん近づいてくるその光に、ソフィア達は杖を構え油断なく前に向けた。

 

 

「──ソフィア!」

「ルイス!」

 

 

杖明かりを灯し現れたのはルイスとドラコであり、ルイスは緊張した表情を一瞬で緩めると強くソフィアを抱きしめた。

 

 

「ああ、酷い怪我だ!それに、髪も──体も細くなって──やつれて──」

「ルイス、大丈夫、私は大丈夫だから!」

 

 

ソフィアはルイスの胸元に顔を押し付け、くぐもった声で必死に訴えルイスの背中を優しく叩く。

 

 

「どうしてこんなところに?」

「僕たちが逃げ出すと思った?僕たちも戦うよ」

「そうだ。──約束を果たさなければならない」

 

 

ドラコの顔色は今にも気絶しそうなほど悪いが、口調はしっかりとし油断なく暗がりを見ていた。若干ハーマイオニーとロンは気まずそうにしているが、二人もドラコとルイスが敵ではなく、同じ方向を向いていると理解している。──だとしても、数年間の遺恨がさっぱりと消えるわけではない。

 

 

「みんな玄関ホールにいるわよ、私たちは探さなきゃいけないものがあるの」

「知ってる、ジニーに聞いたんだ。レイブンクローの髪飾りでしょ?心当たりがあるんだ」

「ええっ!?」

 

 

ルイスの言葉にソフィアとロンとハーマイオニーは驚愕し叫び声を上げた。あまりの大きさにドラコはびくりと肩を震わせたが、ソフィアとロンとハーマイオニーは全く気にせずルイスに詰め寄る。

 

 

「どういう事?」

「どこなの?」

「ジニーに聞いたって?」

「落ち着いて!──向かいながら話すよ、こっちだ!」

 

 

ルイスは手を上げて三人を黙らせ、すぐに踵を返した。その後をドラコがすぐに続き、ソフィア達は困惑しながらも一抹の希望を胸に急いで追った。

 

 

「ジニーは僕とドラコの事を知っていたからね、今年度が始まってすぐに、ダンブルドア軍団が連絡を取り合う方法を教えられた。難しい魔法だったけど何とかなって──それで、これでやり取りしていたんだ」

 

 

ルイスはローブの内ポケットから羊皮紙の切れ端を二枚取り出した。互いに一枚ずつ持ち合い、有益な情報を流す。表立って会話する事は敵が多いホグワーツでは不可能であり、この羊皮紙にかなり助けられたのだ。

万が一落とし誰かに見られる事はあってはならず、決められた時間にのみ情報を書き合い相手が読んでいようがいまいが、すぐに消していた。そのため完全に情報が共有されず幾つか取りこぼしがあったが、長期間ルイスは陰でダンブルドア軍団の活動を行いやすいように見張りのルートや捕まっている生徒、狙われている生徒を伝え、ジニーはポッターウォッチで聞いた情報を流した。

 

 

「ハリーがグリフィンドールの剣をダンブルドア先生から遺贈されたのに手に入れられなかったって聞いて、校長室にあると思うって伝えたらジニーは先走って侵入して、父様はすぐ逃がそうとしたんだけどカロー兄妹に見られて──生徒達に罰則を与えるのも僕の仕事だったから、罰則で怪我をしたように魔法で見せかけて記憶を変えて──まあそれは何とかなったんだけど。とにかく僕達とジニーはずっと連絡を取り合っていたんだ。さっきジニーからレイブンクローの髪飾りを探しているって、鷲のモチーフがあるらしいって連絡が来たんだ。僕たちはそれを見たことがあった。何度も、何度も──」

 

 

走りながら早口で説明するルイスの最後の言葉を、突如響いた爆発音が遮った。

ソフィア達は顔を見合わせ近くの窓に素早く駆け寄る。音はくぐもっていて遠かったが爆発音の余韻が小さく窓を揺らしていた。

ここから校庭も玄関ホールも見えないが、間違いない、時間が来たのだ──午前0時、戦いの時だ。

 

ソフィア達は固唾を呑み、すぐにまた走り出した。ヴォルデモートが来たなら、勝ち目はない。今向かっている場所にレイブンクローの髪飾りがある事を、それが分霊箱であることを願いながら矢のように早く疾走する。

 

 

「どこに──あるの?」

「必要の部屋だ。僕たちは──僕は、去年それを何度も見た」

 

 

ハーマイオニーが叫び、ドラコが息を切らせながら擦れた声で答える。ソフィアは奥歯を強く噛み「必要の部屋」と絞り出すようにして呟いた。

視界の端でドラコとルイスが頷くのが見える。

ドラコとルイスは生徒達でごった返していた玄関ホールから抜け出すとすぐに必要の部屋へ向かい、レイブンクローの髪飾りを探そうとした。しかし必要の部屋は一部屋しかない。その部屋が別の目的で開かれて、中に人がいると他の部屋は現れないのだ。

 

 

「入れなかった。多分、誰かが残ってる──あの部屋がダンブルドア軍団の基地だとは知っていたんだ──だからソフィア達を探していたんだ」

「あの部屋には、ジニーがいるの、未成年で、だから──戦いには参加できないから」

「ああ、そうか──」

 

 

再び破裂音が鳴り、今度は先ほどより近く──ホグワーツが揺れているように感じた。叫び声や、怒鳴り声まで聞こえている。ソフィア達は緊張感と高揚感と恐怖が混じった気持ちになりながら必要の部屋へ続く最後の角を曲がった。

 

 

「うわっ──!」

「なっ──!」

 

 

全速力で走っていたルイスは誰かと衝突しそうになり思わず叫び、杖を突きつけ──それがハリーだとわかるとすぐに杖を下ろした。

 

 

「ルイス?それに──」

 

 

ハリーの目はドラコへ向き、その後ろからぜいぜいと息を切らせながら駆け寄ってくるソフィアとロンとハーマイオニーを見た。ロンとハーマイオニーの腕には牙のようなものがあり、ハリーはそれがバジリスクの牙なのだとすぐにわかった。

 

 

「でも、どうして入れたんだ?」

「ロンがあなたの真似をしたの」

「何回か失敗したけど、上手く行ったぜ。それでソフィアと合流して、途中で──二人と会ったんだ。なんでも、必要の部屋にレイブンクローの髪飾りがあるらしい」

「やっぱり──やっぱりそうか!本当に?間違いなく?」

 

 

ハリーはルイスとドラコが行った全てを今は忘れることにした。

城全体が震えるほどの戦闘がそこかしこで起き、時間が無い中でそんな事に意識を持っていく余裕はない。ルイスとドラコは頷き「全てのものが隠されている場所」と声を揃え告げた。

 

 

「部屋に人がいると、部屋は開かないんだ。ハリー、中に入って説明してくれ!」

「わかった。ルイスと──マルフォイは、ここで待っていてくれ。安全なところに隠れていて」

 

 

ドラコとルイスがいると部屋が扉を開けるかどうかわからずハリーが指示すれば、二人は頷き素早く近くの空き部屋へと身を隠した。

轟音と共に天井から埃がパラパラと降り落ちてくる。ハリー、ソフィア、ロン、ハーマイオニーは天井を見上げたが、すぐにハリーの「行こう」の言葉に従い走った。

 

 

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