…熾烈な戦いがあった。
それはとてつもなく残酷で、煌びやかで、なによりも美しかった。
その戦いは20年ほど続いた。
それは人類の長い歴史の中でほんのすこしにも満たない時間だったが、その時間はあまりにも濃厚で、琥珀の中に閉じ込められたように、ゆっくりと、かみしめるように、すすんでいった。
人類は“悪夢”と戦った。
何度振り払おうとも覚めることがなく、終わりが見えなかった“悪夢”のことを、人類は“バイド”と呼んだ。
“バイド”とは、悪夢を具現化したような地球外生命体だった。
他のすべてを蝕み、同化させ、進化、変態を繰り返し、地球生物と同じ螺旋状のDNAと、物体でありながら波動としての性質を併せ持つ、人知を超えた、人類から最も遠く、そして人類に最も近い、鏡写しのような存在だった。
信じがたいことに、悪夢は人の手によって造られた。
バイドは遠い未来、26世紀の人類によって産み落とされた生体兵器だったのだ。
22世紀の現在からは想像もできないような技術の数々、悪夢を創造しうるほどにおぞましき執念が、これでもかというほどに込められた、“人造の生ける悪夢”であった。
人類はバイドと戦うために“悪魔の兵器”たちを創ってきた。
バイドを人類が駆使できるよう制御した“
バイドのもつ性質に働きかけ完膚なきまでに破壊する“
そしてそれらを操り、人類に勝利と平和をもたらす“
それらは人類が持つ全ての技術、能力が注がれ、進化を繰り返し、系譜を広げていった。
その様はまるで人類が生命を創り上げていくようだった。
20年の間に、大きな戦いが4度起こった。
…戦争だった。それも対立する人類同士ではなくバイドとの、種どころかお互いが抱える全ての存続を掛けた戦争…もとい生命の衝突であった。
人々はそれらを愛していた。
救世主R戦闘機の活躍を、謎多き悪夢の生命体の探究を。人と人、人類とバイド…お互いが魅入られ、争い求め合うことは、命有る者に突きつけられた永遠のテーマを追い求めることだった。
幾度となく続く戦いの中、人類は4度目の大規模な戦争で、戦いに完全なる終止符を打った。
作戦名“Last Dance”…それが戦争の名である。
開発に開発を重ねてきた全てのフォース、全ての波動砲との互換性を持ち、自由自在に操ることができる、人類が積み重ねてきた叡智の全てを一つの機体に集結させた
22世紀、人は、生きとし生けるものの愛、理力、未来への希望…あらゆる全てをRの歴史を通じて証明した。
西暦2183年7月17日
Operation Last Dance COMPLETE.
―バイド討伐完了―
終わりの始まりです。
R-TYPEの起承転結しかここにはまだ無いですが、あしからず…