童守小学校の養護教諭 改訂版 作:教育実習生
童守町。
それは、何処にでもあるごく普通な町だった。
そんな町はある日を境に日々謎の怪奇現象に悩まされるようになってしまった。
そんな怪奇現象を解決するべく一人の霊能力者が童守町に足を踏み入れた。
この霊能力者の名前は鵺野鳴助。通所ぬ〜べ〜。
ぬ〜べ〜は日々起きる怪奇現象から童守町を守るために童守町の中でも頻繁に怪奇現象が起きると言われている童守小学校五年三組の担任としてやって来た。
このぬ〜べ〜の活躍のお陰で怪奇現象が頻繁に起きると言われている童守小学校ではほとんど怪奇現象が起こらなくなっていった。
だが童守町内での怪奇現象は未だに収まらず痺れを切らした住人たちは市長にぬ〜べ〜の他にもう一人霊能力者を呼び寄せるようにお願いをした。
市長はこの住民たちのお願いを聞き入れもう一人の霊能力者をこの童守町に呼び寄せた。
───童守小学校
「君が、養護教諭の天空寺武くんだね」
「は・・・はい。そうです」
童守小学校職員室内では校長ともう一人の霊能力者天空寺武が話していた。
「あらっ、校長先生彼は?」
「あぁ、律子くん。彼は今日から養護教諭としてこの学校で勤務してもらうことになった天空寺武くんだ」
校長と武が話していると、一人の女性教師─高橋律子が校長に話しかけた。校長は律子に武のことを今日から赴任して来た養護教諭と説明をした。
「あら、そうなのね。私は五年二組の担任を務めてる高橋律子って言います。これからよろしくね天空寺くん」
「はい。こちらこそよろしくお願いします高橋先生」
校長からの説明を受けた律子は武に自己紹介を済ませてから親睦を深めるために武に握手を求めた。
それに対し武は差し出された律子の手を握ろうとした時・・・。
「す・・・すいません!!寝坊しました!!」
「な・・・何だね鵺野くん、いきなり飛び込んで来て!!」
「・・・って、そこの君!!律子先生と何をやっているんだ!!」
一人の男性教師─鵺野鳴助。通称ぬ〜べ〜が勢い良く扉を開け職員室に入って来た。
ぬ〜べ〜は校長に寝坊したことを謝罪した後に、律子の手を握ろうとしていた武を見て声を荒らげた。
「こ・・・校長!!誰ですかこいつは!!」
「彼は今日から養護教諭として赴任して来た天空寺武くんだ。そして天空寺くんは高橋先生が差出した手を握ろうとしていただけだよ」
「ふむふむ。つまり、君は教育実習生ってことだね!?」
「えっ・・・!?」
「ところで、実習生くん!!君は、律子先生のことは好きかい!?」
「き・・・急に何を!?」
校長はぬ〜べ〜の言動に呆れながらも武のことを説明した。
するとぬ〜べ〜は武のことを観察するように見た後とんでもない質問を武に投げ掛けた。
この質問に対しては武だけでは無くその場に居た教師全員が呆れた表情を見せた。
「い・・・いいから、早く答えるんだ!!」
「えっ・・・いや・・・、確かに高橋先生は美人だと思いますけど、好きかどうかと聞かれても普通としか答えようがないですよ」
「そ・・・そんな、美人だなんって・・・・・・」
答えるように迫られた武はぬ〜べ〜の質問に対して「高橋先生は美人」という前置きを置き「普通としか答えようがない」と答えた。
この答えを聞いたぬ〜べ〜はどこかホッとした表情を浮かべていた。
「なるほど、なら安心だな!!」
「そ・・・それで、貴方は?」
「おやっ!?君には何なら凶悪な悪霊がとりついているようだね!?今から除霊をしに行こうか!!」
「えっ・・・ちょ・・・俺は!?」
武のこの質問に対して何一つ答えること無く「凶悪な悪霊がついている」と言い武の話を聞かず武の手を取り何処かに連れて行ってしまった。
「高橋先生・・・。鵺野くんは天空寺くんを一体どこに連れて行ったんだ・・・?」
「さ・・・さぁ?」
ぬ〜べ〜が半ば強引に職員室から武を連れ出した後その場に残された校長と律子はこのぬ〜べ〜の行動に対して驚愕していた。
───五年三組教室
「ぬ〜べ〜、その人誰?」
「この人はな、今日からこの学校に赴任して来た天空寺武先生だ!!因みに天空寺先生はこの五年三組の副担任を務めてもらうことになっている!!」
「えっ・・・!?」
ぬ〜べ〜が武を連れて行ったのは自分が受け持っている五年三組の教室だった。
ぬ〜べ〜は校長の話を聞いていなかったのか武のことをこの五年三組の副担任を武だと勝手に生徒たちに説明してしまった。
「いいから、天空寺先生、生徒たちに自己紹介を!!」
「わ・・・分かりました」
「えーと、どうも天空寺武って言います。歳は今年で二十一になります。趣味は体を動かすことで特技はスポーツ全般です」
ぬ〜べ〜に急かされながら武は五年三組たちの生徒に向かって自己紹介をした。
武が自己紹介をすると女子生徒たちからは薔薇色のような歓声が上がった。
「そ・・・それと、今更言い難いんですけど、僕はこの五年三組の副担任では無く養護教諭なんですよね・・・」
武はどこか申し訳なさそうな表情をしながら生徒たちに本当のことを話した。
この武の話を聞いた先生たちは一斉に武の横に立っているぬ〜べ〜を睨みつけた。
「ご・・・ごめんよみんな。よくよく思い出したら天空寺くんは養護教諭だって校長が言ってたわ」
このぬ〜べ〜の一言で生徒たちの堪忍袋の緒は完全に切れてしまった。
先生たちは「0能力者」 「貧乏教師」 「律子先生のストーカー」などといった暴言をぬ〜べ〜に飛ばして行き挙句の果てには机の上に置いてある筆記用具や給食袋などをぬ〜べ〜に向かって投げ付け始めた。
ぬ〜べ〜は必死に頭を下げ生徒たちが投げ付けてくる筆記用具や給食袋をかわしていた。
この一連の様子を少し離れた場所で見ていた武は誰にも聞こえないだろう声で呟いた。
「これは、今のうちに逃げた方が良さそうだな・・・」
武はそう呟いた後上手い具合に生徒たちがぬ〜べ〜に向かって投げ付けている筆記用具や給食袋を避けて行き五年三組を後にした。
そしてこれは余談なのだが朝のHRが終わった直後全身傷だらけになったぬ〜べ〜が武が居る保健室を訪れたのだった。