定例会議の内容は直ぐに各国の報道機関から世界中に広まった。ベトナムやフィリピン、ローマ連邦などの出場禁止にはその国からの反対意見が発生したが第一回モンド・グロッソでの八百長疑惑があったため反対意見は少数にとどまる事となった。
それと同時にローマ連邦の国家代表アリーシャ・ジョセスターフは第二回モンド・グロッソにドナウ連邦の国家代表として出場する事が発表された。本人もこの案をのみ、一時的に国籍をドナウ連邦に移した。第一回モンド・グロッソ並みの激戦を期待する者達はそろって歓喜すると同時に安堵するのだった。
因みに言い出しっぺであるドイツ帝国も同じように傀儡国、衛星国の出場を禁止にした。大フィンランド、ニューギニア王国、マレーシア王国、モスクワ公国などがこれに当てはまる事となった。ドイツ帝国が盟主と務める欧州同盟に加盟し、同陣営内では第3位の国力を持つアルゼンチンはドイツ帝国の経済的植民地と言っていいがそれ以外では自立している為出場が認められた。
多少の混乱はあれどこの条件は世界の人々に受け入れられ第二回モンド・グロッソを楽しみにするのだった。
「陛下。定例会議への参加、お疲れ様でした」
大日本帝国より帝都ゲルマニアに帰還したフリードリヒを出迎えたのは妻であるエリザベート・フォン・プロイセンであった。フリードリヒの二つ年上の彼女は裏から帝国を支える影の実力者であった。夫婦仲も良好であり今はまだ早いと考えているが子が出来るのも時間の問題だろうと言われる程だった。
「聞きましたよ。一定以上の主権を持つ国以外の出場を禁止したとか。よろしかったのですか?」
「勿論だ。
「……それだけ、ですか?」
「……ああ」
エリザベートの追及にフリードリヒは笑みを浮かべたまま肯定する。しばらくの間二人は見つめあった画やがてエリザベートの方から視線を外した。それを見てやれやれと苦笑するフリードリヒ。
ごまかしたがフリードリヒにはもう一つの思惑があった。知られてはいないがフリードリヒの弟のルートヴィヒ・フォン・プロイセンが婿入りしたニューギニア王国では極秘のIS研究が行われている。無人機や遠隔操作を用いる事で男性でも扱えるようにするというものである。
『ISは女性にしか扱えない』。これこそ女尊男卑主義者達が声高らかに唱える言葉であり現在の女尊男卑を支える原動力となっている。では、それが不変なものではなくなれば?男性でもISを使えるようになれば?そうなれば多少の混乱はあるだろうが女尊男卑を崩すことは出来るだろう。
ほかにも最新鋭の武器の製造などを行いつつ人前には極力出さないようにするためにこの条件を追加したのだ。参加しないのではなく参加できないようにして勘繰りを防ぐようにしたフリードリヒはエリザベートにはバレタかもしれないなと思いつつ別の話題を上げた。
「そう言えばクロエとラウラにはあったか?丁度ミンスクのパーティーに参加していてあえていなかったからな」
「ええ、会いましたわ。とても、可愛らしかったです……」
エリザベートは頬を染めながらそう言った。バイセクシャルであるエリザベートにとってクロエとラウラはまさに目に自身の生癖に刺さる容姿だったのだろう。フリードリヒが保護していなかったら今頃彼女の専属の侍女になっていたはずだ。彼女の日常を支える専属の侍女は全てエリザベートが選んだ者達だ。その誰もが可愛らしい少女と言える女性たちでエリザベートの好みで選ばれていた。
因みに、男性に関してはフリードリヒ以外を傍に寄せることはない。不倫などの万が一を防ぐ目的もありそう言う面で見ればフリードリヒなら抱けるレズビアンとも取れる女性だった。
「あの二人はゲルハルトの養子になる事が決まっている。一応言っておくが二人の許可なく手を出すなよ?」
「あら?私がそこまで節操なしだと思いですか?」
「そう思われても仕方ない言動ばかりだろう……。男爵家の令嬢を様々な方法で誘って専属の侍女にしたり貧困にあえいでいた家族の娘を気に行って専属の侍女にしつつ少し給与を高くして親孝行出来るようにしたりとか……」
「全て本人たちの了承を得ていますわ。きちんと毎日愛をこめてちょうk……、可愛がっていますわ」
「お前今調教って言いかけたよな?なんか成長期にしては異様な体の成長している者とかいるがまさか……」
「……」
「……」
「……気のせいですわ」
「ならこっちを見て言え」
黙り込んだ末にあらぬ方向を見て一言だけ言ったエリザベートにすかさず突っ込みを入れるフリードリヒ。しかし、やがて二人はほぼ同時に噴き出し笑い始めた。フリードリヒとて本人たちが良いのであれば口出しをするつもりはないしエリザベートとて自らの趣味を認めてくれるフリードリヒに感謝もしているし愛していた。もしこれで公務がおろそかになっているのなら辞めさせるがそうでもなかった。
二人にとってこのやり取りは気心の知れた者同士のじゃれあいだったのだ。
「ふふ……。陛下はあの二人をどうするつもりなのですか?」
「それは本人たちが決める事だ。俺が関与するつもりはない」
「私としては、陛下の側妃になっても問題ないと思っていますわ」
「側妃って……」
「陛下、4年前の
「……」
白騎士事件から半年後にドイツ帝国でとある騒動が起きたのである。後に『ゲルマニア事変』と呼ばれたそれは悲惨なものだった。
その当時、フリードリヒは皇太子で父親が皇帝だった。前皇帝は女尊男卑を認めずに過激な物には警察や軍を用いて鎮圧を図った。しかし、それはより多くの反発を生む結果となった。そして、そう言った女尊男卑主義者たちは予てより存在した反ドイツ帝国のレジスタンス組織に接触。帝都ゲルマニアで大暴動を起こしたのである。この時、ゲルマニアでは前皇帝の生誕祭が行われており皇帝は親族と共にパレードを行っていた。
そのパレードにグレネードや銃が放たれ一気に阿鼻叫喚の地獄絵図となった。前皇帝と皇妃はグレネードを諸に受けて即死、パレードに参加した親族の大半が命を落とすこととなった。この時公務でゲルマニアを離れていたフリードリヒによって軍を用いた鎮圧行動によりその日のうちに終わったが結果的に大量の皇族と国民が死ぬ結果となった。
この出来事により参加したレジスタンス組織は一気に支持を失い2年のうちに崩壊する事となり首謀者と断定された女尊男卑主義者は残らず死刑となった。これ以降ドイツ帝国に置いて女尊男卑は忌むべきものとなり女尊男卑主義者が活動できない場所となった。
「陛下、ラウラさんの方は分かりませんがクロエさんの方は陛下に好意を持っていますよ?私も彼女なら側妃になっても構いませんよ」
「……頭の隅に止め置くよ」
フリードリヒは苦笑しながら一言だけ言った。クロエは10歳ほどだ。側妃になるとしてもまだだいぶ先の事だった。フリードリヒはそう言う未来も良いかなと思いつつクロエ次第だなと思うのだった。
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