LASゲームブック・アスカから逃げろ!14回のキスVer1.0(2022年節分の日記念作品) 作:朝陽晴空
(31)
ネルフの物資保管倉庫。
非常事態に備えての防災グッズや開発が中止された兵器など普段使用されないものが押し込まれている。
中にはそれなりに価値のある物も保管されているので、防犯対策のために施錠されていた。
「倉庫の段ボール箱とかに隠れる事が出来れば良いんだけどな・・・・・・」
保管倉庫の鍵など、簡単に借りれるものじゃない。
しかし、何らかの方法で『保管倉庫の鍵』を持っているのならば、シンジは中に入ることが出来る。
『保管倉庫の鍵』を持っているので、中へ入る。・・・・・・[[(36)->(36)]] へ
鍵を持っていないので、廊下へと戻る。・・・・・・[[(7)->(7)]] へ
(32)
大型モニターが設置され、座席が並んでいる会議室。
ここでは使徒イスラフェルと戦いを挑んで敗れた時の反省会が行われた場所だ。
「あの時は、僕とアスカ、お互いに相手の方が悪いとぶつかっていたな」
在りし日を思い出して感傷に浸るシンジ。
座席の下には隠れるスペースが無く、この場所も発令所と同じように隠れ場所には適していないようだ。
「ここで叱られた後、ミサトさんの家でアスカと同居する事になって、ユニゾンの特訓をしたんだっけ」
「そうね、今となっては懐かしい思い出だわ」
いつの間にかアスカが隣に立っていて、シンジは震え上がった。
感傷に浸っていたシンジは息を殺したアスカの気配に気か付かなかった。
「じゃあ、アタシ達のユニゾンの成果を試す、インサートキスをしましょ!」
聞いた事の無いキスにシンジは首を傾げた。
アスカの説明によると、シンジとアスカが唇を密着させて、アスカがシンジの口に舌を差し込んだら、シンジが自分の口の中でアスカの舌を優しく撫でまわしたりする。
アスカが舌をシンジの口から抜いたら、シンジがアスカの口に自分の舌を差し込んで、アスカが自分の口の中でシンジの舌を優しく包み込んだりする。
お互いの舌を差し込んだり抜いたりする二人の連携が問われるキスだ。
しばらくの間インサートキスが続き・・・シンジは間違ってアスカの舌を噛んでしまった。
「痛っ!ユニゾンの時もそうだけど、シンジって最後で失敗するのよね」
「ごめん・・・」
「まあ十分に楽しめたから良いわ」
満足気な表情のアスカと共にブリーフィングルームに戻った。・・・・・・[[(2)->(2)]] へ
(33)
「すみません、冬月先生、いらっしゃいますか?」
「鍵は開いているよ、入りたまえ」
副司令の冬月コウゾウの私室は、『和』を感じさせる骨董品で溢れていた。
壁には掛け軸や浮世絵が飾られていて、人工照明で照らされた場所には盆栽が置かれている。
シンジが初めて訪れる部屋だった。
コウゾウは座布団に座って将棋の本を持ち、一人で将棋盤に向き合い詰将棋をやっていた。
「あの、僕は事情があって、アスカに見つからないように隠れないといけないんです」
「葛城君から話は聞いている。私は時には息抜きも必要だと考えている。むしろ君を歓迎するよ」
今までシンジとあまり接点の無かったコウゾウは、シンジの来訪を心なしか喜んでいるようだ。
アスカはコウゾウと直接話した事はほとんどない。
イスラフェル戦の後に怒られて苦手意識を持っているはずだ。
でも、この部屋の中のもっと安全な場所に隠れたいとシンジは思った。
「あの大きなツボの中に隠れさせては頂けませんか?」
「それは構わないが、私の頼みを聞いてはくれないかね?」
コウゾウの頼みとは、母親のユイと同じ髪のカツラを被って、さらにメイド服を着たシンジの写真をコウゾウに撮影させる事だった。
いつの間にかレイも写真撮影に加わっていた。
「あの、もう良いですか?」
「もう良いよー」
そう言って大きなツボからはい出て来たのはアスカだった。
あのツボは悪魔のツボ・・・ではなくアスカのツボだった!
腰を抜かしたメイド服姿のシンジは四つん這いで逃げようとして、アスカに捕まった。
「碇君、白いブリーフじゃなくて、パンティを履いてくれていたら満点だったのに」
「綾波、スカートの中を撮らないでよ!」
顔を真っ赤にするシンジを見下ろして、アスカはシンジに手の甲にキスをするように命じる。
「ふふふ、シンジの御主人様になった気分だわ」
やっとメイド服を脱ぐことを許されたシンジはブリーフィングルームに戻るのだった・・・・・・[[(2)->(2)]] へ
(34)
アスカから逃げるためには仕方ないと、シンジは自分が一番苦手な場所へと行った。
ネルフ総司令、碇ゲンドウの部屋である。
無駄とも思えるほど広い部屋の中には、ゲンドウの座る黒檀のデスクがあるだけだ。
シンジがゲンドウの部屋に来たのは、ネルフを去ると告げに来た時で、あまり良い思い出はない。
「シンジ、何の用だ。私は忙しい、早くしろ」
「父さん、アスカはこの部屋には居ないよね」
「ああ」
ゲンドウの答えに、シンジはホッと胸を撫で下ろした。
苦手なゲンドウと2人きりなのに安心するとは不思議な気持ちだとシンジは思った。
「アスカから逃げるためにこの部屋に居ても良いかな?」
「シンジ、隠れるのならば奥の部屋を使え。私のプライベートルームだ」
思いがけない父親の優しさに、シンジは胸が熱くなった。
ゲンドウのプライベートルームへ足を踏み入れると、シンジは今まで知らなかった一面を見て驚いた。
一流の演奏家が弾くようなピカピカに磨かれたグランドピアノが置かれていた。
「いつか父さんとチェロで合奏できるかもしれない・・・」
会話の続かない父親とも演奏を通じてなら心を通わせられるかもしれないと、シンジは希望を抱いた。
陳列棚には大事に手入れされた釣り竿や、登山用のピッケルなどが置かれている。
初号機に居るユイから、ゲンドウは若い頃に釣りや登山に誘ってくれたのだと聞いていた。
研究に行き詰った時、運動をする事が気分転換になるのだと冬月先生に教わったのだと言う。
部屋にあるソファに座ってシンジがくつろいでいると、非常用の脱出口からアスカが現れた!
シンジはゲンドウの居る司令室へのドアを叩くが、ゲンドウはドアを開けない。
「裏切ったな!父さんは僕の気持ちを裏切ったんだ!」
「俺がシンジの側に居ても、シンジを傷つけてしまうだけだ・・・」
ドアの向こうから漏れ聞こえて来るシンジの慟哭に、ゲンドウはそう呟いた。
「碇シンジ、召し捕ったり! もう逃げ場はないわよ」
ドアにすがり付くシンジの背中に、アスカは覆いかぶさった。
「さあシンジ、観念して御縄に掛かりなさい」
アスカは密着した身体のように、シンジの唇も包み込むように拘束するバインドキスをした。
そしてアスカは無抵抗なシンジの唇を舌を出して舐めまわす。
シンジの唇を捕えて離さない、そんな情熱的なキスだった。
アスカは最後に唇を離すと、シンジに優しくライトキスをして、釈放を宣言した。
解放されたシンジは非常用の出口からブリーフィングルームに戻った。・・・・・・[[(2)->(2)]] へ
(35)
楽器室にはシゲルの話していた通りたくさんの楽器が並んでいた。
トランペットやトロンボーン、ホルンのような金管楽器。
アルトサックス、オーボエ、クラリネット、ファゴット、フルートのような木管楽器。
ドラム、ティンパニ、シロフォンのような打楽器。
ピアノのような鍵盤楽器。
ギターやヴァイオリン、ヴィオラやチェロ、ハープ、そして目的のコントラバスのような弦楽器もあった。
その他にもウクレレやブブゼラのような民族楽器まで揃っているとは、シンジは心底驚いた。
「いけない、早くアスカが来る前に隠れないと!」
シンジはコントラバスに「ごめん」と謝ってから、コントラバスをケースから取り出し、コントラバスの楽器ケースへと隠れようとした。
「中には入れそうだけど、どういう形で入ればいいんだろう・・・」
シンジは最初、身体を丸める形でケースのチャックを締めて入ったが、この体勢は苦しくて長い時間耐えられそうになかった。
しばらくコントラバスのケースの形を眺めていたシンジは閃いた。
「そうだ、長い部分に両足を入れたらどうだろう。うん、寝袋みたいで良い感じだ」
「そう、それは良かったわね」
声のした方に顔を向けると、シンジを見下ろすアスカの姿があった。
隠れるのに時間を掛け過ぎて、アスカに見つかってしまったのだ!
せっかく青葉さんが助けてくれたのに、いや、ケースの入り方を教えてくれなかったのは罠だったのか?
シンジには分からなかった。
アスカはシンジをコントラバスのケースから引きずり出して、シンジにコントラバスをケースに戻させる。
「ここって音楽室よね!」
ニヤリと笑ったアスカは、シンジの下唇を噛むと頭を小刻みに振った。
まるで楽器を演奏するようなスウィングキスだった。
「楽器のハードケースに入ると、中から開ける事が出来なくなってとっても危険だから、『軽部権兵衛』の真似は絶対しちゃダメよ」
真剣にシンジの事を心配するアスカに説教されて、シンジはブリーフィングルームに戻った。・・・・・・[[(2)->(2)]] へ
(36)
リョウジから渡された『保管倉庫の鍵』を使って中へと入ったシンジ。
ここにはアスカとの勝負に負けないために必要なアイテムがあるとリョウジは話していた。
しかし部屋を探し回っても役に立ちそうなものは見当たらない。
そんなシンジの目に、淡い光を放つ小さな箱があるのが見えた。
箱の大きさは手のひらでも隠せるポケットにでも入りそうなサイズで、感触はプラスチックのようにツルツルとしていた。
蓋の部分は透明になっていて、中には灰色の泥で固められたアンモナイトの化石のようなものが入っている。
箱には『アダム』と書かれたラベルが貼られている。
見ていて気持ち悪いものだったが、もしかしてアスカが目にするのも嫌なほど苦手な物なのかもしれない。
他に部屋を探してもめぼしいものが無かったシンジは、その箱を持って保管倉庫を出た。
シンジは『アダムの箱』を手に入れた・・・・・・[[(7)->(7)]] へ
(37)
シンジがX通路を進んで突き当たったのは、『ダミープラグ製造工場』と書かれたプレートの部屋だった。
使徒に侵食された参号機と戦おうとしなかったシンジを見て、ゲンドウは初号機をダミープラグで無理矢理初号機を動かそうとした。
しかし初号機のユイにダミープラグを拒絶され、ユイに説得されたシンジは再び立ち上がり、アスカとレイと力を合わせて参号機からトウジを救い出したのだった。
「ダミープラグって結局何だったんだろう?」
気になったシンジは部屋の中へと入ろうとするが、解除するにはカードキーが要るようだ。
『ヘブンズゲート・カードキー』を使う(持っている場合)・・・・・・[[(40)->(40)]] へ
諦めて通路へと戻る・・・・・・[[(8)->(8)]] へ
(38)
シンジがY通路を進むと、明るく開けた場所へ出た。
無機質なネルフの建物が終わり、地面は耕された土へと変化する。
何かが栽培されている畑へと迷い込んだようだ。
「こら、スイカ泥棒め!」
「違うんです!」
後頭部に銃口を突き付けられたシンジは泣きそうな顔で振り返ると、そこにはじょうろを持った加持リョウジの姿があった。
「こんな所で何をしているんですか?」
「見ればわかるだろう?スイカ畑さ」
シンジに尋ねられたリョウジは呑気な顔でそう答えた。
Y通路はネルフ施設内から直接ジオフロントへ出れる非常口だったのだ。
もしかしたら、ここから外へと出れるかもしれない。
「おっとシンジ君、ゲームのルールは守らないといけないな。こうしてネルフ施設の外に出ているのも厳密にはルール違反だ」
「でも僕はそんなこと知らなくて」
「分かっている、だから今回は大目に見よう。それよりも、アスカとの勝負に負けたくない気持ちがあるならば、この鍵を持って保管倉庫に向かうんだ。役に立つ物が、真実に近づくための物がそこにある」
シンジはリョウジの言葉の意味が分らないまま、『保管倉庫の鍵』を受け取った。
「ただし、他にも必要なものがあるぞ。足を使って、ネルフ施設の中を探し回るんだ。頑張れ、シンジ君」
リョウジの言葉に頭を捻りながらも、シンジはルール違反を咎められないうちに廊下へと引き返した・・・・・・[[(8)->(8)]] へ
(39)
Z通路の突き当りには、『ヘブンズゲート』と書かれたプレートがある物々しいゲートがあった。
『この先危険区域』『この門をくぐるものは全ての希望を捨てよ』『命の保証は致しません』など立ち入り禁止よりも厳しい文言が書かれたステッカーが貼られている。
アスカから逃げるためだとは言え、シンジはこの先に行く事は憚られた。
ゲートはしっかりと閉じられ、脇にはカードキーを通すためのスリットがある。
さらにセンサーカメラのようなものがこちらへと向けられている。
このゲートを開くための鍵をシンジは持っているだろうか?
『ヘブンズゲート・カードキー』をスリットに差し込む・・・・・・[[(41)->(41)]] へ
持っていないので引き返す・・・・・・[[(8)->(8)]] へ
(40)
シンジはミサトの部屋で拾った『ヘブンズゲート・カードキー』をスリットに通したが、エラーメッセージが出た。
どうやらこの部屋のカードキーではないようだ。
間違ったカードキーの使用記録で諜報部の人達が来て怒られても面倒だ。
シンジは念のためブリーフィングルームまで引き返した。・・・・・・[[(2)->(2)]] へ
(41)
シンジがミサトの部屋で手に入れた『ヘブンズゲート・カードキー』をスリットに差し込むと、緑のクリアーの文字が表示されてゲートのロックが外れる音がした。
しかし重いゲートは動かず、開こうとはしない。
他に何か必要なものがあるのだろうか。
センサーカメラの前に色々な物をかざすが、反応が無い。
「これでダメだったら、諦めようか・・・」
シンジは『アダムの箱』を持っている・・・・・・[[(42)->(42)]] へ
持っていないので、諦めてブリーフィングルームまで戻る・・・・・・[[(2)->(2)]] へ
(42)
シンジが『アダムの箱』をセンサーカメラの前に掲げると、ヘブンズ・ゲートは大きな音を立てて開き始めた。
ヘブンズ・ゲートの向こうは、セントラルドグマと呼ばれる広大な空間だった。
紫の顔に六つの目を持つ下半身が無い白い巨人が、巨大な赤い十字架に釘のようなものではりつけにされている。
巨人の胸の部分には赤黒い巨大な槍が刺さっていた。
「何だよ、これ・・・これを狙って使徒がネルフにやって来るって言うの?」
シンジは誰に尋ねるでもなく、そう呟いた。
質問したい相手はいくらでもいた、父親であるゲンドウ、母親であるユイ、リツコ、ミサト、リョウジ・・・大人達は僕達に何を隠しているんだろうとシンジは思った。
突然、セントラルドグマの天井に空いた穴のメインシャフトの上の方から騒がしい音が聞こえる。
大きな水飛沫を上げて、シンジの立っている池の前に着水したのは弐号機だった。
アスカはこんな所まで追いかけて来たのか!?
弐号機のエントリープラグが排出されると、笑顔のアスカが弐号機を伝って降りて来た。
さっさと逃げれば良かったのに、シンジは蛇に睨まれた蛙のように体が動かない。
「シンジ見っけ」
アスカはそう言ってシンジの手を掴んだ。
「アスカ、ここがどんなところだかわかる?何か嫌な予感がする、ゲームどころじゃないよ!」
「そんな事を言って誤魔化そうとしてもダメよ」
『セントラルドグマに緊急事態を確認。MAGIにより、自立自爆が三者一致で決議されました。10秒後に自爆装置が作動します』
機械音声がセントラルドグマの中に響き渡った。
『10、9、8・・・』
「そうだ、カウントダウンキスにしましょう! このカウントダウンの音声がゼロになった瞬間にキスをするの!」
シンジは抵抗しようとするが、アスカにきっちりと頭を掴まれて逃げることが出来ない。
『3、2、1・・・』
MAGIの機械音声のカウントダウンがゼロを告げた時、アスカとシンジはキス出来たのかどうかは分からない。
確かな事は『リア充』のシンジとアスカがネルフ本部ごと爆発したと言う事だった。
●~*リア充爆発END●~*
(Ver1.0ではこのエンディングでゲームクリアーとなります)
次回はゲームブックらしく挿絵なども挑戦します。
読んで頂きありがとうございました。
追記(ハーメル様版でのPVが少ないのを受けて)
次回作の『アスカとドキドキ登下校デート』もハーメルン様ではリプレイ版の公開となると思います(バッドエンド多そうですが……)。
ちなみに今回の規模でも製作に半月ほど掛かりましたので、次回の大作の為にも応援お願いします。
ゲームブック形式のこの作品はどうでしたか?
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簡単にクリアーできた
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普通にクリアーできた
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何とかクリアーできた
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途中で諦めてしまった
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投げた(物理的に)