生存戦争 ~転生者バトルロイヤル~ 作:セリカ・シルフィル
最近は『上位世界』で保たれてきた変わらない日常にも支障が出始めている。
『敗北』したことも確かに影響しているのかもしれないが、最も男を悩ませている原因の割合の殆どは人を惑わす美貌を持つ神殺しであった。
ここのところ、男のセリカを求める欲求が日に日に高まっている気がしてならない。
天界でセヴンスを名乗っている時でさえ、訓練中に禁断症状が発作として起こり、気が付けばセリカを貪り、大切な一日を食いつぶした日もある。
いや、正直に言おう。
現実世界でも、狭間世界でも、セリカのことばかり考えて人間として当然の生活も支障が出て、天界でも目覚めて最初に映る<性魔術>でご奉仕しているセリカを猛烈に求めてしまうのだ。
予防策として<性魔術>で欲望、性欲を奪っている筈だったが、その速度を上回る速さでセリカを自分の物にしたい。セリカは自分の物だ。という独占欲が急激に高まっているのだ。
これがアビルースを狂わせた呪いの欠片の一部だと思うとゾッとする。
自分には男を愛でる趣味はないし、今後もそんなことはあってはならない。
まるで自分が自分でないような、自分を作り替えられて取り返しのつかない事態に陥りそうな予感すらする。
運命の日は決まって偶然から始まるものだった。
決め手となったのは、何を思ってか現実世界でセリカに関することしか考えられなくなり、いよいよ精神的に限界を迎えそうな時だった。
PCでセリカの画像、セリカの情報を閲覧している時に偶然目に入り、偶然考えてしまったことが、この時になって救いとなったのだろう。
――『女神の体を男性体として維持する為魔力が必要。枯渇すると女性の体になってしまう』
PCを操作していた手が止まる。
この一文を見て、頭の中で何かが浮かびそうな、そんな感覚に囚われた男は一時的に正気に戻っていたが、それ自体も無意識で気付けなかった。
男性と行動を共にしている黒髪の神殺しは、女神アストライアという古神の面影は残しているが、それ以外は、全て分離している。
神殺しセリカと女神アストライアが完全な分離に成功しているからこそ、セリカの髪色は黒であり、魔力が枯渇しても女神化することはなく、一時的に白髪に変色するだけである。
男性が悩まされている原因は、望んだ特典が『神殺し』であり、不純物と認識された女神アストライアが分離した時点で本来ならば『神殺し』ではなくなり、セリカの命も風前の灯だっただろう。
『神殺し』と付け加えたことで、男は悩まされ、セリカは一命を取り留めた。
女神アストライアと分離したが、古神の肉体と神核を持つ神格者。
ここで気がついたこと。
それは本編で女の身体を男の身体に変える為に魔力を消費して身体の状態を維持し続けられるなら、その逆の状態である現状のセリカも女体化できるのではないか?
という至極当然な疑問であった。
作中ではセリカの身体が元々男であったからこそ、あのような手段を取る必要があったが、神殺し、強いては古神の身体は元々女である。
その逆もできない通りはない。
多少の魔力消費は訓練にも支障が出てしまうだろうが、現状を打開できるなら安い対価でもある。
現状では訓練どころではないのだから。
セリカを女体化するメリットは二つある。
一つは、男性体よりも単純に効率が上がるだろうし、男としてはやりやすい。
二つは、単純な欲望を満たし、尚且つ発作を抑えるには適任であるからだ。
誰が望んで男の身体で満足しなければならないのか。
戦闘では男性体の方が効率がよく、魔力消費もないので便利である。
その晩は発作の影響と現状を打開できる自我の目的が一致していたことが原因なのかもしれないが、心が躍るような晴れ晴れとした気分だった。
今までストレスを溜め込み、精神的に病んでいた頃を思えば、開き直ってしまうことこそが、一番の解決法だったのかもしれない。
まあ、これで一番苦労する羽目になるのは毎日慰みものにされているセリカ自身なのかもしれないが。
上位世界で眠りについた男は、予定通り天界で目を覚ます。
目を開けると黒髪の美男子が精一杯ご奉仕していた。
この行為も日課になっていたな。
「あー……ちょっと待ってくれ。今日は別のことをしてもらう予定だからな」
「……?」
どうした? と言わんばかりの表情で首を傾げていたが、無視する。
性転換に必要なものは何だったのかを思い出そうとするが、思い出せない。
大体、<性魔術>でどうにかなっていた気がする。
「セリカ、今回は女性体になってくれ。<性魔術>を発動させたままでいいから」
「……ああ、やってみる」
いつもとは違う申し出であったのか。混乱していたが、命令には素直に従った。
セリカは目を閉じるとセヴンスには理解できない魔術に意識を集中させる。
セヴンスから見て、セリカの様子に違和感もなく、特に変わっていないと思っていたが、変化が訪れるには、そう時間はかからなかった。
顔も、身体も、尻も、変化は乏しかったが、胸の大きさだけは少しずつだが、目に見える速度で変化していた。
そこには男性体だった頃にはない女性特有の胸があり、大人の男の拳ほどの大きさはあった。
大人の女性の平均からすれば少し大きい程度で、珍しくもないだろうが、それは女体化に慣れていないことやセリカの人格にも作用するのかもしれない。
我儘は言ってられないが、そこには紛れもなく黒髪の美少女、セリカ=シルフィルが無表情だが、よく見れば顔を赤らめていることが分かる。
まあ、さっきからずっと胸だけに釘付けですからね。
「なんというか……凄いというべきか……神秘的というべきか」
「……っ」
なんだこの可愛い生物は。
無駄に視線に反応する姿を見て一つの仮説が思いつく。
感情を制御する必要がない分、考えていることや思っていることが表に出やすくなっているのだろう。
まあ、失ってしまった一部の感情が返却されてないだけマシか。
「んんっ……何をっ……?」
我慢できなくなったセヴンスは感情に身を任せてセリカを押し倒し、覆いかぶさる。
反射的に突き出してきた腕を掴み、指の先から舐め始める。
女性体になったことが原因なのかセリカから甘く痺れるような匂いを感じる。
状況が理解できないセリカは、意表を突かれ、思わず声を漏らす
「あぁ……セリカ、お前は俺の物だ。俺だけの物だ。誰にも渡さない。誰にも返さない。
思ってもいないことが意思とは関係なく、口から漏れる。
いや、厳密には、自分の意思を思ってもいない方向に捻じ曲げられ、独占欲がこれまでにないほど高められたことや、目の前にある見たこともないほど美しい美貌と男を惑わす能力を持つ神殺しがこれ以上ないほど愛おしいのだ。
「っっ……はぁっ……くぅっ……はぁ……」
「やべぇ、止められねぇ。なんだこれ」
上着越しで掴んだ大胸はセヴンスを拒絶せず、包み込むような感触に支配する。
一度揉み出したら止まらない。
セリカから今まで以上に乱れた声を上げるが、聞くたびに心地良い感情がセヴンスの思考を麻痺させる。
「あぁ……んぅ……くぁぁっ……んんっ……」
次第に高まる欲望と共に揉み続けていた手も激しくなる。
それでもセリカは従順にセヴンスのされるがまま、跳ね除けようとすれば赤子の手をひねるように簡単にも関わらずそれをしない。
求められるがまま、どんな快楽でも受け入れる様子はセヴンスの命令通り<性魔術>を解除していない証でもある。
「こっちはどれだけ出来上がってるかなっと」
「……えぇっ……んぁ……」
抑えていた片手で腰のベルトを外し、胸を揉んでいた手で上着を捲し上げる。
そこには一つの芸術にも等しい綺麗な美乳、そして勃起している乳首があった。
「……ぁ……あぁぁ……」
見られた。
セリカの顔は見る見る内に赤く染まる。
男性体の頃は何度も見た胸元であったが、女性体となり、膨れ上がった胸にはセヴンスも絶句するしかなかった。
「綺麗、だ。……これも、全ては俺の……」
「ぁっ……やぁめ……」
邪魔な衣服のなくなった美乳に顔を伸ばし、赤子が乳を吸うように口に含む。
もう一つの胸も右手で揉み、左腕をセリカの腰へ回して逃げられないようにする。
乳首を舐めるように吸うと身体がビクりと痙攣するように反応する。
<性魔術>がより効率よくセリカを犯し、快楽を与えていると考えるだけで胸が高まる。
「……これ以上はっ……やぁ……ぁ……」
感情を欠落している彼女が快楽に溺れ、乱れる姿は美しく、そして愛おしい。
言葉とは裏腹にセヴンスの欲望を一身に受ける身体は、受け入れるだけではなく、逆に求め、セヴンスを虜にしてしまう。
遂に我慢できなくなったのか。セリカが両腕でセヴンスを抱きしめると痙攣するように身体が震えて耳元で悲鳴を上げる。
「くぁぁっ……んんっ……ぁ……ぅ……」
「……ん? ……これは、まさか……」
吸っていた胸から微量だが、水分のようなものを感じ、揉んでいた右手にも液体のようなものが飛びかかっていた。
口に入った液体を飲んでみるが馴染むような味はせず、かと言って水を飲んでいるような感覚でもなかった。
「ぁ……吸っちゃ……やぁ……」
「んー……これはなんだろうなー」
分かってはいたが、発情しきっているセリカに問いかけてみる。
既に顔が赤いセリカは、セヴンスの問いかけに耳を傾けた後、そっぽ向くように顔を背ける。
流石にやり過ぎたか。
そう、思ったが、セリカの反抗的な姿を見て、収まりかけていた欲望が新たに牙を研ぎ澄ませる。
「ひぁっ!? ……ぁ……」
乳首を甘噛みすると驚いたような悲鳴を上げた後、すぐに快楽に染まったような甘い声を発する。
慌ててセヴンスを見るセリカの瞳には捨てられた子犬を連想させられるが、セヴンスは止まらない。
揉めば揉むほど、舐めれば舐めるほど、噛めば噛むほど。
腰をガクガクと震えさせ、今のセリカでは限界にも近い快楽が身体を支配しているのだろう。
それでも受け入れようとするこいつもこいつだが。
「ほら、何処を触って欲しいんだ?」
「っ……ぁぅ……」
逃げられないように腰を固定していた左手を滑らせて尻を揉む。
女性体になったせいか。それともなる前からなのか。セリカは本当に揉み心地の良いものばかり持っている。
形も、肌触りも、見た目も完璧だ。
これが自分だけの物だと思うと口元がニヤつく。
「どうしたんだ? 言ってみろよ」
喋りたくても喋れないことを分かっている上で誰にも責められないことをいいことにセヴンスはセリカを虐める。
セリカは何とか喋ろうと口を開くが魚のようにパクパクしてるだけで言葉になっていない。
それどころか、生真面目に声を出そうとしているだけセヴンスにどれだけ従順なのか伺える。
このまま虐め続けたい。このまま終わらない快楽に身を任せたい。
訓練に支障が出ない為に提案した女体化は、逆に終わらない快楽に身を投じる為の布石となってしまった。
しかし、セヴンスは忘れていた。
なぜ、セリカがここまで必要以上に感じていたのか。
自分が命令した重要なことに。
「……あ、れ? ……意識が……どうして……」
「……ぁ……」
身体から力が入らなくなり、意識も靄がかかるように乱れる。
瞳から光を失くし、どうしてこうなったのかを冴えていく頭で考えていくと思い出した。
――『<性魔術>を発動させたままでいいから』
セリカは感じれば感じるほどセヴンスから精気を奪い取っていたのだろう。
そして、セヴンスも感じれば感じるほど、欲望が高まれば高まるほど精気を高めていった。
これはそのツケなのだろう。
甘んじて受け入れたセヴンスは、天界で意識を落とした。
上位世界、現実世界。
目を覚ましたセヴンスは、ハッキリと自我を保っていた。
生活が疎かになるほどセリカのことで頭がいっぱいになることはないが、それでもセリカの痴態を思い出すたびに身体がゾッとする。
女体化したとはいえ、元が男であるセリカを発情させ、虐めて楽しんでいたのだ。
しかもその時考えていたことを覚えているので尚タチが悪い。
こうして、男を性転換させた挙句、虐めて楽しんだという新たな黒歴史を刻んだ男は、違う意味で悩まされるのだった。
しかし、彼の生活は今までどおりに戻った。
一つだけ、身体が怠いということを除けば。
これは、精気を必要以上に吸われたことが原因かもしれないが、確証があるわけではない。
不健康な生活を送っているツケかもしれないし、彼の考えすぎかも知れない。
異変は小さく、そう深く考えるほどでもないと割り切った。
上位世界で平和な一日を過ごし、改めて天界でセヴンスとなった男は、すぐに新たな問題に激突する。
それは、天界で目覚めてから目の前が真っ暗なのだ。
いや、正確には目を開けても何か柔らかいものを押し付けられているような感覚に襲われる。
それだけでなく、口に大きなものを含んでいるのか息もできない。
「……ぁ……ん……」
口にあるものを噛もうとしても、引き抜こうとしても、動くだけで耳元から色っぽい悲鳴が聞こえる。
仕方なく、覆いかぶさっている者の肩を掴むとセヴンスは自分から引き剥がした。
そして、そこにいたのは上着を脱いで両手で胸を隠す黒髪の美少女だった。
「朝っぱらから何やってんだよ」
「……仕方が、なかった。主様が寝てた後からいつ目覚めるか見当がつかない。だから、<性魔術>で欲望と性欲を奪い続ける必要があった」
「ずっと盛ってたのか」
顔を赤くしながら小さく頷くセリカを見て、本当に正直者だよな。と思う。
だが、効果はあるようで、今までのような欲求に駆られることはない。
あれは本当に厄介である。
こうして、セヴンスは眠った後からずっとセリカに<性魔術>を施してもらうように頼むのだった。
遂にR15にお世話になる時がやってきました。
で、でも、まだR18さんはお呼びじゃないです。
あー、まだじゃなくて、そうじゃなくてえぇー。
とにかく、行為に及んでいない以上はセーフな筈。
大体キスもしてないし。
なぜ、キスをしないのか。
本当になんでだろうねー。