生存戦争 ~転生者バトルロイヤル~   作:セリカ・シルフィル

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第十七話 『限界』

 高嶺咲の棄権によって不戦勝を得たセヴンスは、有り余った一ヶ月という期間を無償で手に入れた。

 目指すは電撃魔術の<爆雷閃>と<轟雷>の完成と最後に待ち受ける関門を突破すること。

 

 やっていることは、電撃魔術を使いこなす為の日夜欠かさず訓練を繰り返しているのみ。

 それだけでも<爆雷閃>と<轟雷>の成功度は見るよりも明らかに上達している。

 <爆雷閃>と<轟雷>だけでなく、使い勝手の良い<雷撃>と<落雷>の練習も欠かさない。

 応用や牽制の類に使えるのだ。

 最低限の出費で最大限の利益を得るのはどの世界でも変わらない。

 魔力を最小限に消費して、魔術の威力をできる限り高める訓練も忘れない。

 

 高まる技術と手応えのある経験を繰り返し、<爆雷閃>と<轟雷>を完全に使いこなすまでに一週間はかかった。

 逆に言えば一週間で習得したと言える。

 前もって発動は出来ていたのでそれ程苦でもなかったが、問題はその先にあった。

 

 最弱の神殺しが使うことの許される電撃魔術の奥義<旋風爆雷閃>と<審判の轟雷>は、今までの魔術と比べて明らかに難易度が高く、消費される魔力も桁違いだった。

 それによって魔術は発動せず、酷い時などは反動すら受けてしまう。

 

 今までとは明らかに異なる現象を前にして必死に考えた結果。一つの結論に至る。

 セリカは今まで神殺しの強すぎる能力を制御できず、使いこなすまでに努力を続けていた。

 しかし、今回は身に余る魔術を使おうとして魔力が足りず、失敗したのだ。

 セリカが蓄えることのできる魔力はかなりのものだろうが、今のセリカは例えるなら水の入っていない小瓶と同じである。

 幾ら、魔力の入る身体でも中に魔力がなければ魔術も成功しない。

 それに、今までは記憶のないセリカに原作のできる限りのアドバイスは加えたが、一つの奥義を習得するのにそんな曖昧なもので使えるわけがない。

 言ってみれば、爆弾を考えるのではなく、感覚だけで解除しようとするようなものである。

 

 神殺しの肉体であるセリカが魔力を補給するには敵を殺して吸収するか。

 セヴンスとより深い<性魔術>を行使して多くの精気を吸い取るしか方法はない。

 

 前者は敵が存在せず、一ヶ月後に相対できるが、今まで二度も倒すことはできていないので魔力は吸収できていない。

 後者はセヴンスが男としての尊厳を捨てれば全てが解決するのだが、そうして得た勝利に意味が有るのは分からなくなる。そもそも、男を好き勝手にする趣味はセヴンスにはない。

 

 よって、考えた末に一つの結論に至る。

 それは神殺しではなく、セリカの技量を底上げする作戦であった。

 魔力補給については効率が悪く、逆に刀を手に入れたことで元からある剣術の技術を高めていくのである。

 魔力消費のない剣術ならば無理をする要素はなく、近接戦で役立つのは間違いなく飛燕剣だろう。

 

 こうして<蓬妖舞>、<円舞剣>、<紅燐剣>の習得に成功する。

 習得までに費やした期間はそれぞれ一週間ずつであり、魔術研究の期間を合計すると丁度一ヶ月である。

 

 尚、習得した<蓬妖舞>という剣術は、セヴンスの見た限りでは剣を振ったように見えた時には既に振り終えているらしい。つまり、セヴンスの視界から見える斬撃の全てが残像であり、超光速の剣技らしい。

 

 <円舞剣>という剣技は、直線上にいる障害物を高速で切り込む剣技で、セヴンスの目には真空の刃を飛ばしているようにしか見えないが、セリカは動いているらしい。流石は古神の身体。人間にできないことを平然とやってのける。

 

 <紅燐剣>という剣技は、巨大な真空の刃を解き放って、逃げ場のない一撃だったが、届くまでに時間が掛かり、原作と違って避けられる危険性がある。

 

 そして、また生存戦争第三試合の日がやってきた。

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