生存戦争 ~転生者バトルロイヤル~ 作:セリカ・シルフィル
以前、メルティアと会話した四番目の自由期間が残りわずかになった時のことだった。
いつものように上位世界で眠りにつき、天界へ意識を移そうとしたセヴンスは、狭間世界の別の空間に呼び出されていた。
その場所は、あらゆる害意を許さない聖殿であり、そこにはセヴンスの他にも黒髪の少年が一人だけ存在している。
「ようこそ、
「お前が俺をここへ呼び出したのか?」
ここが何処なのかという問はしなかった。彼が転生者候補生である以上、ここは天界の何処かである。
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今考えるべきは、奴が何者であるかではなく、奴が何の目的でセヴンスをここへ呼び出したのか。
その真偽を見極めることが重要である。
さらに、戦力である神殺しはセヴンスと違ってこの空間には招かれていないので、ここで殺されたら、二度寝しなくてはならない。
「そう硬くならないでよ。僕は別にセヴンス君と争いにこの場を設けたわけじゃない。ただ取引の為に呼び出しただけさ」
「……取引?」
交渉のテーブルの為にセヴンスは呼び出されたらしい。
ファーストがなんの取引を持ち掛けてくるのか。
分かりやすい答えは手を組むとか、最低限の同盟を組んでお互いに争わないとか、自分の為に死んで欲しいとか。
嫌いではないが、セヴンスは応じないだろう。
「そう、取引だ。僕達で同盟を組み、お互いに助け合いながら、お互いの勝ち星の為に貢献し合おうじゃないか」
「……俺を選んだ理由はなんだ。そもそも、お前はゲームマスターとやらじゃあなかったか? こんなことをして何の意味がある」
「僕もゲームマスターである以前に参加者なんだ。序列と特典の応用性からゲームマスターに選ばれたに過ぎないよ。セヴンス君を選んだ理由だったね。それは単純にセヴンス君が一番弱く、勝目が薄そうに見えたからかな」
「容赦ねぇなぁ、ファースト」
全てお見通しというわけか。
彼がセヴンスを勧誘しに来たにしては当然の理由でも合った。
彼は自分がセヴンスよりも優れていると思っているし、セヴンスが裏切っても処分すればいいと考えているだろう。
逆にセヴンスが裏切っても、実力で劣れば無駄死に同然である。
そう、これはどう考えても対等の取引なのではなく、セヴンスにとって極めて不利であり、脅迫でもあった。
「俺がそんな脅しでビビるとでも思ってんじゃねぇよなぁ!」
「無駄無駄。『概念魔術空間』である<
殴りかかろうとしたセヴンスが行為が実行されず、身体がひたすら硬直してしまったのは、そんな理由が隠されていたからなのだろう。
だが、歯向かってきた相手に対して何もしないという行動が腑に落ちない。
哀れんでいるのか、それともファーストにはまだセヴンスと交渉の余地があるとでもいうのか。最もセヴンスにとって望ましい結果はゲームマスターも――。
「――例外ではなく、<
「まるで自分が人間ではない言い方をするじゃねぇか」
「そうだね。ある意味では人間の形をした化物かも知れない」
転生特典を自身に付加した時点で人間を辞める奴らは大勢いる。
セヴンスの場合は自分で戦うことが怖い。特典の引き継げない部分があることが嫌だ。
そんな我儘から他の世界に迷惑をかけてまで、自分にあった相棒を手に入れたのだ。
まあ一番迷惑をかけられたのは、戦いを強いられたセヴンスでもあり、相性が悪く、燃費も悪い相棒を手に入れたことも否めないが。
「俺はお前がなんであろうと叩き潰すだけだ。それに、ゲームマスター権限がどれだけ偉いものなのかは知らないが、お山の天狗にでもなったつもりか? 勝利に揺るぎがないなら俺を脅迫する必要なんざ何処にもねぇだろうが」
「これは手厳しいな。僕はこれでも周りを確認できるほど余裕は持ってるつもりだけど」
「周りばかり見て、自分の手札を曝け出してちゃ意味ねぇだろう。それはもう余裕じゃねぇ、慢心だ。そんな奴と同盟張るなんざこっちから願い下げだ」
「……どうあっても取引には応じない、か。ならば交渉決裂だ。精々、僕と敵対したことを悔いるがいい!」
そんな時は訪れねぇよ。
一つの世界が終わり、目覚めると上位世界に戻ってきていた。
男の戦場は変わる。
PCの電源を入れると『概念魔術空間』、<
そして、見つけた。
そこには最もゲームマスターに相応しい人智を超えた神々について記されていた。
――『
男がすぐさまエロゲファイルを開いたのは言うまでもない。