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【日本海】
「アレがマクギリスと織斑千冬が乗ってる擬装船か…あの中の何処かに楯無と嬢ちゃんがいるわけか」
テイワズのトップ、マクマード・バリストンからの指令で名瀬はタービンズを率いて潜水母艦ハンマーヘッドで日本海を捜索しやっとのことでマクギリスの手配した擬装船を発見した。
「どうするんだい?名瀬…」
「そうだなアミダ…本当ならヴィダール達からの援軍を待って集結してから殴り込みたいところだが、ぼやぼやしてたら連中はロシア領に入っちまうからな…かといって無闇に突入したら連中は楯無の嬢ちゃんになにをするかわからない…」
「じゃあ今はなにもしないのかい?」
「いや、あえて殴り込む…連中が楯無に危害を加える前に速攻で救出すれば良いだけだ、出来るか?アミダ…」
「出来るか、じゃなくてやるんだろ?任せときな、楯無のお嬢ちゃんは必ず助けるよ」
そう言うとアミダは通信回線を開き格納庫に待機しているラフタ、アジー、マドカに連絡を取った。
「ラフタ、アジー、マドカ出番だよ!これからハンマーヘッドは目標の擬装船に強襲攻撃を仕掛けるいいね!」
アミダの指示に3人は
「okわかりました」
「了解です」
「わかった、名瀬に良いとこ見せなきゃ…」
各自自信ありげに返事し出撃準備に取り掛かった。
「それじゃ行ってくるよ名瀬…」
「ああ、頼むぜアミダ………ん、んう…」
「んん……必ず助けるわ」
名瀬はアミダとキスし唇を離すとアミダは自身も出撃するため格納庫に向かった。
【楯無side】
「ん・・・!?(なに?声が出せない、それに身体 も動かない)んんっ!」
楯無は目を覚ますと声が出せずまた身体も動かないことに驚愕し辺りを見渡した。
楯無は現在、偽装船の一室に閉じ込められておりISは没収され全身を白の拘束衣で拘束され口にもマスク型の猿轡によって囚われている状態だった。
「(確か私はIS学園で元ワルキューレ達が操るグレイズアインと交戦して全部倒したと思ったら復活して私は・・・)」
楯無が気を失う前までのことを思い出していると此方に向かって歩いて来る音がした、その音の主は楯無の前で立ち止まり楯無はその人物の顔を見て驚愕した。
「ん!?(織斑先生!?)」
その人物はマクギリスと手を組み学園を裏切り自身の目的の為親友を弟を生徒を後輩を仲間を裏切ったワルキューレ織斑千冬だった。
「更識、無様だな…私の側につかずヴィダールの側についた為にこんなことになるなんてな…」
「んんっ!」
「そうかそれでは喋れないな取ってやる」
千冬はそう言うと楯無に近づき楯無の口を覆う猿轡を取り外した。
「ぷはぁ!?はぁはぁ…織斑先生!貴女はいったいなにを考えているんですか!学園をめちゃくちゃにして親友を手にかけ実の弟までやってそこまでしてなにが欲しいんですか!」
楯無は猿轡を外され自由になるといままで千冬に対して思ってたことを叫び目的を問いただした。
「目的・・・私が欲しいのは神という圧倒的な力だ、私は第1回モンドグロッソで優勝して分かったんだよ…なにも変わらないと、ISという絶対的な力を使いこなし親に捨てられた底辺から世界最強になっても生命線は政府の奴らが握っている…自分達に不都合ならいつでも切り捨てられるそんなものは私が求めたものではない。だから私はマクギリスと手を組んだ、奴は私が欲しかった絶対的な力をくれるその為なら親友、弟、後輩、仲間、教え子、すべていらない…」
「・・・」
楯無は声が出なかった、同時に思った目の前に織斑千冬という人物はもはや人間ではない…欲望に囚われ狂った人の皮を被った悪魔だと。
【名瀬side】
「よし、それじゃあ作戦開始だ!アミダ始めてくれ」
「あいよ名瀬!ラフタ、アジー、マドカ行きな」
「「「了解!」」」
名瀬達はついに楯無救出作戦を開始し、アミダの号令にラフタ、アジー、マドカの3人はISを展開しカタパルトに乗り
「織斑マドカ…辟邪出るぞ!」
まずマドカの辟邪が発進しその後にラフタとアジーの獅電が発進し最後にアミダの百錬が発進した。
「私はハンマーヘッドの直衛につく、3人はまず迎撃に出てくる敵ISを叩きな!」
「「「了解!」」」
【マクギリスside】
「もうすぐウラジオストクか・・・」
「はい、彼処に入港すればラスタルの勢力でも手は出せません」
マクギリスはもうすぐ到着すること船長と話していた時だ【!!!】「!?」突如船内に警報が鳴り響きマクギリスは確認をとるとレーダーに映る3機の反応があった。
「やはり来たか…船長、ISを出撃させろ時間稼ぎにはなる」
マクギリスの指示に船長は頷きすぐさま命令を出し偽装船から青色のグレイズが発進しマドカ達の迎撃に向かった、幸いな事にグレイズアインは全機修理中であった。
グレイズはマドカ達にマシンガンを連射する、マドカ達はその攻撃を避け散開し1対1の状況になった。
グレイズと辟邪、獅電は性能差はあまりないがマドカ達の方が修羅場を潜っており徐々にグレイズを圧倒し
「死んどけカスが…」
マドカはグレイズに接近し腕に仕込まれたブレードでライフルを破壊し隙が出来たとこにライフルのバヨネットを突き刺し0距離からトリガーを引き銃弾を喰らわした。
「がはっ!」
グレイズはシールドエネルギーが0になり海へと落ちていき手が空いたマドカは未だ交戦中のラフタとアジーの援護に向かった。
「やはり通常のグレイズでは対処出来んか・・・だがISがいるというのに母艦や航空機の姿がない、奴らは何処から…」
マクギリスはマドカ達が出撃した母艦が未だ発見出来ていないことに警戒してる時名瀬達は次なる攻撃を既に決行していた。
【名瀬side】
「戦闘が始まったか、船の動きから連中は未だ俺達の場所がわかってない…なら仕掛けるか」
名瀬は相手の動きからマクギリス達が自分達を発見出来ていないことを利用しあることを考え乗員達に命令した、命令を聞いた乗員達は了解と答え操作しハンマーヘッドは徐々に加速し偽装船に近づいていく。
「うちの船がなんでハンマーヘッドって名前なのかを連中に教えてやれ!」
「あいさーーー総員対ショック用意」
「リアクター出力最大、艦内管制制御いっぱい!」
「突貫!!!」
名瀬の指示と同時にハンマーヘッドは一気に加速し海中を進みそして
【!!!】
ハンマーヘッドはその船体をマクギリス達が乗る擬装船に体当たりした、海中からの体当たりによって擬装船は傾きなんとか体勢を直そうとするがハンマーヘッドに敵わずやがてスクリューの半分が海上に出てしまった。
【千冬side】
「なんだ!?おいマクギリス、なにがあったんだ・・・なに!?敵の船が体当たりしてきただと!わかったそちらに行く。」
千冬はマクギリスから現状を聞くと通話を切り楯無の口にも再び猿轡を装着すると千冬は口を開いた。
「更識、どうやらお仲間がお前を助けにきたようだな…希望が生まれたか?だが残念だな、そいつらは私が直接潰してやる…次に私がお前の前に来た時はそうゆうことだ。」
「んんっ・・・」
千冬はそい言い残し楯無の前から去りマクギリスの元に向かった。
【マドカside】
マドカ達は最初に迎撃に出たグレイズ3機を撃破し直接擬装船に攻撃をしようとした、だが擬装船は各所に30ミリのゴールキーパーがありマドカ達に向かって一斉に銃弾を発射してきた
「あぁもうめんどさいな!」
「弾幕張りすぎでしょ!私達をハチの巣にするつもり!?」
「100パーセントそうだろうね…1基ずつ潰してからじゃないときつそうだね…」
「はぁ、ぼちぼちやるしかないか…」
3人は苦言を言いながらも迫り来る銃弾を躱し続け1基ずつゴールキーパーを破壊してから擬装船に攻撃する作戦に切り替え散開しライフルを撃ちCIWSを破壊してく。
「ハイパーセンサーと連動しているから狙いは正確だが所詮機械だからマニュアルどうりの攻撃しか出きんな」
マドカはゴールキーパーを1基破壊しそこから横にあるもう1基をライフルで撃つがまだ機能は停止してなくどどめを刺そうと「!?」次に攻撃しようとしたゴールキーパーがマドカに銃口を向けていた。
「(まずい!?避けても確実に喰らう…そうか!)はぁっ」
マドカは甲板を蹴り上にジャンプした
【ダダダダダダダダダッ!!!】
直後マドカのいた場所に30ミリの銃弾が直撃した、ゴールキーパーはジャンプしたマドカに狙いをつけ薙ぎ払うように銃弾を発射した。
「避けても当たる…なら防御すればいい、同じゴールキーパーにな!」
マドカは大破していたゴールキーパーの裏に隠れ直後そのゴールキーパーは多数の銃弾を喰らい機能を停止した、そして攻撃が止むとマドカは裏から出で銃弾を放ってたゴールキーパーに向けてライフルを放ち破壊した。
「ふっ馬鹿め、私ごと撃って結局は殺れずに味方を壊すとはまさにオウンゴールだ!」
マドカは自滅したゴールキーパーを笑うと次の目標の攻撃に移った。
「あと10基か、早く片付けてマクギリスと織斑千冬を血祭りにしてやる…そしたら頑張ったご褒美にナゼに甘えてやる…」
【楯無side】
「(まずいわね・・・)」
戦闘が始まり10分が経過した頃楯無はピンチを迎えていた、なぜなら今楯無の目の前には銃を持った兵士達がおり彼らは独断で楯無を奪われるなら殺すしかないと考え楯無に銃口を向けていた。
「悪くおもうなよ裏切りのワルキューレ」
「んんっ!?」
兵士の1人が膝を曲げ銃口を楯無の額に当てトリガーを引こうとした時
「ぎいゃ!」
「がはっ!」
「どうした!?なに…ぐはっ!」
後ろにいた兵士達が首から血を流し倒れ振り返ったもう1人も首をかっ斬られ血を噴射しながら倒れた。
「ん・・・」
楯無の目の前には黒い戦闘服を着て手に血塗られたナイフを持ったオレンジ色の髪の女性とライフルを持った金髪の女性が立っていた。
「一先ず片付いたか、お前が更識楯無か…ちょっと待ってろ今それ外してやるからな」
そう言うとオレンジ色の髪の女性は私に近づき猿轡を外してくれた。
「ぷはぁ…助けてくれてありがとう、でも貴女達はいったい何者なの?」
楯無の質問に彼女達は答えた。
「俺はオータム、こっちはスコール…俺達はラスタルのおっさんからマクギリスの野郎の擬装船に乗り込んでお前を助けてくれって依頼されたんだよ」
「エリオン公が?」
「そうよ、まぁ詳しいことはあとにして今はここを脱出しましょう」
【千冬side】
私は更識のいる牢から移動しマクギリスから格納庫で待機していてくれと言われ待機していた、外では既にグレイズは撃破され対空兵器も破壊され船への攻撃は時間の問題だ、そう考えているとマクギリスが格納庫に姿を現した。
「やっと来たかマクギリス…」
「遅くなってすまない織斑千冬…もう外の様子は気づいていると思うがISが直接攻撃して乗り込んでくるのも時間の問題だ、だから君に出てもらおうと思うがグレイズではいくら君でも無理だろう・・・だからアレを使う」
「!?アレをか…それで連中を黙らせればいいんだな」
「話が早くて助かるよそれでは行こうか」
私はマクギリスに連れられアレがあるシークレットエリアに入った、そこは船の中なのに広く壁一面は白で床には水のようなものが張ってありその中心には白い機体が鎮座していた。
「ようやくコイツを使えるとはな」
「そうだな、かつて篠ノ之束が考察していた白騎士直系のISガンダム…その機体達の最初の機体がコイツであり白騎士の生まれ変わりと言ってもいい、織斑千冬…君はコイツを使えば確かに最強の力が手に入る、だがそれは神を捨て1度悪魔になるということでもある、それでも使うかね?」
マクギリスの問いに千冬は足を進めその機体に手を触れた。
「マクギリス、私には失うものはなにもない…悪魔になろうがまた神になれば問題ない。圧倒的な力によってな」
千冬の言葉にマクギリスはフッと笑い「では使うがいい」と言い千冬はついにその白い機体を身に纏った。
「これは!?あぁ素晴らしい機体だ…あれから数年私の元を離れ休暇は十分満喫しただろ?暮桜という拘束はもうない、さぁ行こうか新生白騎士…いや【バエル】」
白い機体のツインアイが輝き千冬は両翼のスラスターを吹かし飛び立った。
【マドカside】
マドカ、アジー、ラフタの3人はゴールキーパーすべてを破壊しいよいよ擬装船に攻撃し内部に突入しようとした時だった。
【!!!】
「「「!?」」」
突如3人の機体が同時に警報を鳴らし何事かとしていると擬装船からなにかが飛びたし3人より高い場所で静止した。
「なんだ、あれは…」
マドカが見たことの千冬の機体に困惑していると千冬は手を広げオープンチャンネルで叫んだ。
「聞け!!!ここにいるすべての者達よ!今はこの私織斑千冬の手によって新たにバエルという名を授かり最強のIS白騎士は甦った!」
いかがでしたか?やっとバエル登場ですが。