お恥ずかしながらお邪魔します、ロートルハンターのレンザです。今私は奇跡的な事に見舞われてます……。
て、照れますが実は彼女が出来まして……ま、まあ普通の彼女ではないですが……。でも、告白されて……しかも超美人で……一発KOされて……断る理由もなく……いや、考え方によっては断る人も居るかもですが私にとっては生涯、女性に好かれるなんてあるかないか!ない確率の方が高い!自慢にもなりませんけど。
なので、食べられて死んでしまうよりは良い。
ええ、彼女は今”擬人化”と言う技!?を用いて女性の姿になってますが……元はモンスター”泡狐竜タマミツネ”……どうやら雌だったようで、私が討伐に来た時に何故か私に一目惚れ!?自分で言うのも何ですけど。
で、ジンオウガまで乱入でてんやわんやで、切り抜けたまでは良かったですが何故か私の彼女になっちゃった……奇跡ですよね?
でも、まずは村に戻って村長さんに報告しなければ……。クエストクリアにはならないだろうし……その目的の竜と一緒に帰って来たと話したら、気絶しそうだな……仕方ないけど。
あの後、ジンオウガにも会いませんでした。再度、出くわしたら困るなと千里眼の薬を飲んでみたんですが、大きな反応は無くなっていて他のフィールドに移動したのかなと。なので、アベックの様にエリアをくっつきながら歩いて戻って来たんです。でも、動物にはバレバレの様で警戒して私達が居るエリアから他のエリアへとすぐに逃げていきます。攻撃する訳じゃないんですけど、本能ですね。
私だって、敵対されたとしたら命懸けで討伐してたんでしょうけど、状況が違い過ぎてこうなってしまった……。
ま、それをどうやって説明しようかと悩んでも居た訳で……。
「今、戻りました。村長さんの所に行きたいんですが?」
門の所で門番さんに話しかけます。は、ははは。顔を赤くして照れまくってます、彼女に釘付けで……。
「レ、レンザか!?い、いったいどうして……。」
いえ、私も知りたい……こんな私に何故、超美人が寄り添ってるんだ!!って顔してます、ごもっともですが。
「良いですか?」
これ以上は足止めを食らう訳にはいかないですね、再度催促して通してもらわねば。
「あ、ああ、分かった。通って良し……。」
私達が村へと入って行くまで、ずっと彼女に見とれていました。当然のリアクションでしょうね、私もそうなってたかも。村の中を通り抜けていきますが……回り道もしようがないので、道なりに進んで行きます。
村の人達、他のハンター達や行商人……疲れを癒しに龍歴院の人達、全員が彼女に注目っ!!照れながらも見とれてますっ!!女性、男性問わずですよ、完全に心掴まれてます……。
「あっ!!」
ん!?女の子が彼女に見とれていて手から果物を落としていました……ストレートのショートヘアの茶髪で服装は勿論女の子用。まあ、防具な訳はないですね、当然ね。その落としてしまった果物が転がって彼女の足元に……。
ま、マズイ!?ま、ま、まさかそれで怒って暴れ出すなんて事は……私も慌ててその果物を拾おうと手を伸ばしました。しかし、彼女も手を伸ばして先に拾われた!?だ、ダメだよ、怒らないでね!
すると、その女の子に前屈みになって近づきます。襲っちゃダメ!襲っちゃダメだからね!私もその仕草があればすぐに止めようと緊張しました!でも、それは空振りに終わります。
「これ……落ちた……返す……。」
「え……。」
女の子が果物を受け取ると彼女の顔を見つめてました。彼女は微笑んで女の子の頭をなでなでしてあげたんです!
「可愛い……ね……。」
ズキューンッ!!ま、待てぇっ!!今、どれだけの人がハートを撃ち抜かれた!?一斉に聞こえて来たんですけど!!しかも、屈んだはずみで胸元がっ!あ……ダメだ……鼻血が……男性諸君、気持ちは分かる……慌ててその場から居なくなる人が数人……完全に彼女の雰囲気に飲み込まれてます……。これ……違った意味で危険です……。
「い、行こうか。」
私は彼女を促すと頷いて一緒に歩き出しました。女の子が彼女を見つめていました……その果物を両手で大事に持ちながら……。
まあ、まあ、まあ、視線の矢が、弾が刺さるわ当たるわ……そこらじゅうから私に対して殺気の籠った視線が痛いことっ!
何でお前なんだ!と言わんばかりに見られてます。ここで、このまま生活出来るかな!?これは村長さんにも相談してみるか……。
やっと村長さんの居る場所へと来ました。私に与えられてもらっている家もあり、側には猫飯屋や、足湯もありくつろげるスペースでもあります。
が、今は彼女が隣に居るので……くつろぐどころか何か怖い……。私に対する視線があまりに酷い!
「戻りました……。」
村長さんの前に立って、戻ったことを伝えると長椅子に腰かけた着物美人の村長さんが、舞い落ちて来る花びらを掴むように優雅に楽しんでましたが、こちらを向いてニコッと微笑みました。
「久しぶり……。」
へっ!?彼女、今何て!?
「貴女も……。」
えっ、はいっ!?……お知り合いっ!?って何それっ!
そうなんですよ、お互いに知ってるようなんです。でも、一体いつ頃から……。
「え、知り合いなんですか?」
「そうですね……古くから……と言うべきでしょうか……。」
「ここ……しばらくは……会ってない……から……。」
「そ、そうなの!?」
彼女に聞くと頷きました。初耳です、良くそんな情報が洩れなかったな……。まあ、村長さんが喋らない限り、漏れる事は無いか……。
「私の家に行きましょう。」
村長さんが立ち上がって、私達を案内してくれます。私達も周りの視線が熱い事を分かっていたので即頷いて後をついて行くことに。
村長さん宅は2階建てで、1階は浴室や食堂があり2階が茶の間や応接間、寝室等がありました。その応接間に通されます。テーブルを真ん中に、両側にソファがあって壁には置物や飾り……書籍が並んでます。
そのソファに2人で座って、対面側に村長さんが……。彼女は私にべったりと……なんて幸せな……。
「まずは話を聞かせてくださいな。どのような経緯で貴方と彼女が……いえ、タマミツネと一緒なのか……事情を聴きたいですわ。」
「は、はい。実は……。」
私も、理解してもらう為に事細かに話しました。最初から、今の今まで……。
で、やはりタマミツネと知ってますね、これは。
そして村長さんも聞き入ってくれました。まだ、彼女と知り合いと言う事で気絶は免れましたけど私には当時何故知り合いになったのかという方が気になります。今は話してはくれないでしょうけど……。今はただ、彼女と暮らせる方法があれば……と思うばかりです。
「と、なって今こうして彼女と一緒に居る訳です。」
と、村長さんを見つめました。でも、村長さんが呆れて額に手を当ててます、こりゃあダメかなぁ、もしそうなっても私が村を出るだけだな、彼女と離れたくはないし。
「どおりで……。じゃあ、私がクエストをお願いしたのは雄の方かしら?まさかジンオウガまで乱入するとは予想外でしたけど、原因は恐らく貴女……その雄の番になるのを拒否したわね?」
「へっ!?あ……まさか……!?」
「当然……アイツ……嫌い……。」
プイっと頬を膨らませて横を向いてしまいました。そ、そうなんだ。じゃあ私は討伐対象を間違えたという事か!?いや、待て待て……。居たんなら千里眼に反応があるはず!まして、渓流内では鉢合わせしていないぞ?どゆこと!?で、何で同種なのに断ったの!?分からないことだらけ……。
「でも、何でレンザなんです!?他の竜ならともかく、人間のそれも敵になり得るハンターなんて!?」
「……勘……私の……相手は……彼だけ……。」
ズキューン!!あ、今回は私だけ。竜でもあるというのになんてっ!ウルウルウル……良いのかこんな事があって!こんな奇跡があって!い、生きてて良かった……。こんなオッサンになってからこんな事が起きようとは……。
私は愛おしくて彼女の腰に手を回して抱き寄せてました。彼女もそれに気づいて私の肩にもたれて来ます。凄く嬉しそうな顔をしてるのが私も嬉しくて……。それを見た村長さんが再度呆れていました……。
「全く……”天眼”と言う名前持ちはそこまで変わってると言うの?ミレリア……。」
えっ……ミレリアって言うんだ……そう言えばすっかり名前を聞くのを忘れてた。いい名前…………ん!?ちょっと……今、名前を言う前に大変な事をさらりと言ってたような……!?で、でもあの”二つ名”持ちだったとしたら変ですよね?聞いた話では片目が……あ、目の色が違ってる……。マジですか、その違いだけですか!どおりで気付きづらい筈です。これはこれで可愛いんですけど……。
「……私を……受け入れてる……貴女も……ね……。」
うわ~いっ!お互いにニヤリと笑みを浮かべて見合ってます。殺気は全くありませんけど、ホントに古くからの知り合いの様で逆に仲は良さそうです。良かった……敵対されてたらどうしようかと思った。
「で、これからどうする気です?此処に来るまでにすっかり有名人ですよ。そうそう竜の姿にも戻りづらいでしょう。」
た、確かに……。といってここに来るまで変装なんて余裕は無かったし……。
「ま、まずは自宅で話してみます。どうするか……。」
「そうですね、取り敢えず今日はゆっくり休むと良いでしょう。明日またお話しするとしましょう。良い?ミレリア。」
「分かった……そうする……。」
取り敢えずは、事態を報告までで自宅に戻る事に。
その短い距離でも注目の的なのはお分かりの通り……。
自宅は、奥側が上がり段になっていてベッドがあります。手前にテーブルやチェスト等があり、行商猫も居ます。彼女を見るや目がハートマークで釘付けです。仕事になるのかなあれで?
彼女が珍しがって中を見て回ってます。確かに擬人化できるとは言え人間の……ましてハンターの家の中など見るのは初めてでしょう。
私は飲み物をテーブルに出し、彼女ミレリアを椅子へと促します。彼女も頷いて椅子に腰掛けました。
私も対面に座り、お互いに飲み物を片手にコップを当てて飲み干します。旨い!………!?彼女って飲み物や食事ってどうなんだ?
「ミレリア……さん?飲み物や食事って食べられない物とかってある?」
「ミレリア……で……良い……。」
え、よ、呼び捨てで良いって事?
「良いの?」
「良い……嬉しい……。」
やっぱりその照れた顔も可愛い!
「私の事もレンザで良いよ。」
「レンザ……。」
「なんだい?ミレリア。」
って、新婚夫婦みたい!駄目だわ病み付きになりそう……。
「あ……食事は……食べられない物……特に……ない……でも……魚料理……特に……好き……。」
ああ、成る程魚料理ね……でも前に食べた事があるんだね、良かった。逆に魚しか駄目とかだったらどうしようかと。
ま、その時はその時か……。
「ああ、お風呂に入って来ると良いよ。その奥から行ける、お湯は温泉だから温まるよ。」
私は疲れを癒した方が良いと思って、彼女に勧めました。彼女が上がった後に入ろうと……。
「一緒に……入ろ……。」
な!な!な!……なにぃぃぃっっ!い、い、い、一緒にって……ちょっちょっと待って!気持ちの整理が……これじゃどっちが……滅茶苦茶照れる!
「入ろ……。」
ミレリア……大胆♪オジサンの方がビックリ!手を引かれて、お風呂場に……。
男女別の脱衣場がある訳はなく……彼女は着物の帯を解いて行きます。私の方が心臓バクバクです!やっぱり奇跡だ……いや、夢か……いや、それも嫌だな正直言えば。あ、肩からハラリと着物が落ちた…………う、美しい………!!ナイスバディのプロポーションです!正にボンッキュッボンッ!です。
彼女も私が見とれているのに気付いて、手で隠してましたがすっかり照れてます。
「レンザ……脱がない……のか……?」
あ、ああ、忘れてた!服を脱がなきゃ……と、取り敢えず横を向いてと。下着も脱いで、大事なところも隠しつつ、浴槽へ……。
お湯を体に掛けて、お湯に浸かります。ちょっと大きめの露天風呂……贅沢ですよね?
か、彼女が……。ゆっくりと私の横に片足を湯船に入れて来ます!すらりとしたラインが余計にそそられる!だ、駄目だ……心臓が勝手に飛び出しそう……。あああ、ヒップが…胸が……や、やっとお湯に浸かりました……なんと言う素晴らしい眺め……しかも目の前ですよ!!なんと表現したらいいのか……。ありがとうございます!!人生で初めてです!夢なら覚めないで……。
私に彼女が寄り掛かって来ました、マジか…む、む、胸が私の腕に触れて……なんと言う初体験!でも、私でいいのか?他の同種も蹴って置いて私のところになんて今でも信じがたいが……いや、それでも……離したくないな……それが例え竜であっても……。
私は彼女が欲しい……ミレリアが……。
私はそっと肩を抱き寄せてました。彼女も更に私の胸に寄り掛かって来ます……。
「ミレリア……君を私の番にしたい……良いかい?」
うっとりした顔で下から見上げられます、頬を蒸気させて吐息を吐いて……。
「嬉しい……レンザの……番に……なる……♪」
蕩けるような口づけを交わし……抱き締めあっていました……。後はご想像にお任せします……♪
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「すっかり、夫婦の様ですわね。」
次の日、村長さんに会った時には第一声で……。べったりと寄り添って来る彼女……。視線が突き刺さって痛々しいのを感じながらもミレリアとの幸せを感じていました。こんな展開を誰が想像したでしょう。でもね……彼女が竜と言うことは、私と村長さんと皆さんしか知らない事……内緒ですよ♪では……………。
読了ありがとうございます。まだまだ、次話をよろしくです。