ネグレクトされた少年がトレセン学園で幸せになる話 作:山吹色ノ大妖精
昨日のお出かけから翌日、時間は16時、この時間は放課後のトレセン学園の生徒達が自身のトレーナーのもとでトレーニングをする時間である。そして俺は今、初のトレーニングの一環としてキタちゃんとダイヤちゃんに併走をしてもらいながら、両手にタイマーを持ち、二人のタイムを測っている。
「はっはっはっ・・・ふぅ、ミノル君、タイムは?」
「うん、とってもいい感じ。はい、スポドリ」
「わぁ、ありがとう!」
感謝を述べながらスポドリを飲む二人を見て考える。まだ修正するべきポイントはあるものの、東条師匠や沖野師匠のもとで閲覧したリギルとスピカの序盤の育成のデータと比較しても、中々の好タイムを出している二人には凄いとしか言えない。
「・・・よしっ!それじゃあもう一周走ってくるね!」
「私も!ミノル君、ドリンクありがとうね」
「どういたしまして、それと何か違和感を感じたらすぐに言えよ」
「わかってる!」
そう言いながら見る限り無理しない範囲で走る二人を良く見て、フォームに問題がないかを確認しながらメモをとる。やがて一周を終えた二人が休憩をしている間にあることを伝えようと声をかける。
「二人とも、聞いて」
「何ですか?」
「新米トレーナーである俺は特別に二人を担当しているけど・・・一応チームを設立する事になった」
経験を積んであるトレーナーには複数の担当を持ってチームを設立することが出来る。俺の場合は特別ではあるが、二人を担当するトレーナーとして結果的にチームを設立する事になったことを二人に伝えた。
「そうなんだ!それじゃあチーム名を決めないと」
「チーム名はもう決めてある」
「早いね、それでなんて名前なの?」
ダイヤちゃんに聞かれた俺は悩みに悩んだチームを話す。
「チーム“アルゴノーツ”」
「あるごのーつ?」
「ギリシャ神話に出てくるアルゴー号っていう船の乗組員である英雄達の総称でね。今はまだ二人だけど、後の時代の伝説に残るような活躍を残していこうっていう決意表明がチームアルゴノーツなんだけど・・・どうかな?」
俺のアルゴノーツに秘めた決意を二人に伝えると二人は真剣な顔になってこう言った。
「良いと思うよ。ミノル君、それに・・・」
「それに?」
「私は、サトノ家のウマ娘として、サトノ家のG Iウマ娘になって歴史に残る活躍をして行きたいと思っていたの。キタちゃんは?」
「私?私はね、テイオーさんに勝ちたい。そして私の走りで見る人みんなに勇気を持たせたいって思っているんだ」
「・・・二人なら出来るよ」
「いや、私たち三人なら出来るよ!」
笑顔でそう言うキタちゃんに釣られて笑う俺とダイヤちゃん、するとキタちゃんは自分の手を出してこちらを見る。その意図を汲み取った俺達は続けてキタちゃんの手に自分達の手を重ねる。
「よしっ!チームアルゴノーツ!出航だあ!」
「「「おぉー!!」」」
夕焼けに照らされながら、俺たちチームアルゴノーツは本格的な練習をする事になったのだ。