少女は暗く深い《フラムジャングル》の奥底を走っていた。
視界に映るのは人の背丈から数十メートルの高さがある熱帯性の植物が、うっそうと生い茂っている光景。ついさっきまで降っていた雨は止み、葉からは雨水が雫となって地面に落下する。この層では突然雨が降り、そして止むというのは日常風景。だが現実世界の熱帯雨林を再現したスコールの発生は、プレイヤーにとって害悪でしかない。
一つは地面のぬかるみ。
スコールによる大量の雨はフィールドの地面を容易に緩くし、場所によっては水たまりも発生する。そういった所ではプレイヤーの足は取られやすく、《転倒》発生率が高く設定されている。戦闘中に足を滑らせて体制を崩せば、その一瞬が命取りになることだってありえるのだ。
それに加えて音の阻害。
スコールの発生による雨の音は凄まじく、至近距離の会話でさえ全く聴こえない程だ。モンスターの鳴き声も、プレイヤー自信の足音さえも。よってプレイヤー間で言われている、モンスター特有のSEを聴き分けるシステム外スキル《聴音》は、スコールの間は全く機能しないといっていい。なので《索敵》スキルを持っていないプレイヤーはモンスターの接近に全く気付くことができず、『いつの間にか攻撃されていた』といわれても何ら不思議ではない。
「ハァ……ハァ……」
だから少女は気付かなかった。すぐそこまでモンスターが接近していることに。
だが、少女の相棒は気付いていた。何もないように見える草むらに向かって、必死に威嚇の声をあげていた。
それでも少女は気付かなかった。相棒の異変に気付いた時には、既に遅かった。彼女の視線の数メートル先には鋭い爪と牙を持ち、立派なたてがみを備えた百獣の王の姿を模したモンスター《ザ・レオ》が佇んでいた。
緊急脱出用の転移結晶は一つだけ持っている。だが至近距離では転移が完了する前に襲われる危険もあるし、そうなってしまえば否が応でも戦闘になる。しかし、少女には30層フロアボスクラスを相手に一人で戦うなど出来ず、勝てる見込みは薄い。そこで少女は少しでもレオから離れるために、逃げる事を選択した。
「ハァ……ハァ……」
しかし《ザ・レオ》は追ってくる。せっかく見つけた一人と一匹の獲物を、みすみす逃すつもりはないようだ。
「ハァ……ハァ……あっ!」
追いかけてくるレオの姿を走りながら振り返って確認したのがまずかった。少女はぬかるんだ地面に足をとられ、転倒する。地面に伏していると、背後から嫌な気配と声を感じた。
――グルルルル……
もう後ろを振り返るまでもなかった。声からして敵はすぐそこ。狩られる側の立場にたったことで恐怖が生まれる。
だが怯える少女もとい主を守るため、少女の相棒であり、友達でもある一匹の小さな水色の竜が、レオに精一杯の威嚇をした。
『きゅるるるるる!』
「ピ、ピナ! ダメ! 逃げて!」
ピナという名の水色の小竜《フェザーリドラ》の戦闘ステータスは決して高くはない。30層フロアボスクラスのレオを相手に戦えるわけがないのは自明の理。少女の願いも虚しく、百獣の王はピナに向かって飛びかかった。
「ピナーーーー!!」
主を守るため、威嚇を続けるピナに手を伸ばす少女。だがその手はピナには届かない。この世界で少女にとって、心の支えであるピナの死は免れなかった。
ただしそれは彼らがいなかったら、の話だが――。
「はあぁぁぁぁあ!」
少女の目の前を黒い影が横切ると、牽制用に放った片手剣突進技《レイジスパイク》がレオにヒットした。強烈なノックバックにより、レオは大きく後方へとはね飛ばされる。
少女とピナを助けたのは全身黒づくめの片手剣使い。背中を向けているために少女からは顔が見えないが、背丈が大きいわけでもなく、身体の線も細い。その正体は攻略組トッププレイヤーの《黒の剣士》ことキリトだった。
ボスのタゲを取ったキリトが、少女の側から離れるように移動を始めた。
「大丈夫か?」
そしてキリト以外にもう一人のプレイヤー、青いロングコートを着たカイトが、しゃがんで少女の様子を伺っていた。その間にピナが少女の頭に乗る。
「は、はい。大丈夫です」
「なら良かった。えっと……」
「あ、えっと、私はシリカっていいます。それで、この子はピナです」
『きゅるっ!』
「よろしく、シリカ、ピナ。オレはカイト、今戦ってるのはキリトだ。あいつはオレ達が相手するから、今すぐここから離れて安全な場所に避難してくれ。エギル、行くぞ!」
「おうっ!」
カイトはエギルと共にキリトのあとを追う。あっという間の出来事にポカンとしていると、ツインテールがトレードマークの少女シリカは、ハッと我に返った。
「助けてくれたお礼……言い忘れちゃった……」
しかし安心したのも束の間、シリカの元には再び危機が迫っていた。そして今度はピナでさえその気配に気付くことは出来なかった。なぜならそれはピナの持つ索敵能力を上回る《
カイト達がシリカを助けたのとほぼ同時刻、ユキ達は37層の主街区でピスケスと戦闘していたのだが……。
「あの野郎、また逃げやがった! これで何回目だよ!」
「13回目です」
「アレッシオ、数えてるんスか!?」
一ヶ所で長時間の戦闘は行わず、頻繁にピスケスは主街区内を移動していた。一定時間ごとに移動を繰り返し、さらにHPバーが一段減るごとに転移門で階層を一つずつ上に昇っていく。おかげでユキ達は走ってばかりで、レイモンドが不満を口にするのもわからなくない一行だった。
彷徨っていたかと思えば、転移門へと向かうピスケス。HPバーは残り一段となったため、転移門による階層移動はこれで最後となる筈だ。
転移門に辿り着き、ピスケスは転移を開始する。ボスが転移した後、ユキ達もあとを追って転移した。
そして38層主街区の転移門広場で、一同は待ち構えていたピスケスと再び戦闘を開始する。
「ブレス来るよ! みんな避けて!」
モーションからブレス攻撃を予測し、ユキは全員に回避を促す。すぐにその場を離れると、ボスの口からオリーブグリーンのブレス攻撃が繰り出された。濁った色と嫌な臭気が漂う。
このボスで最も注意しなければいけないのが、このブレス攻撃だ。まともに受けるとダメージこそ大したことないが、一時的な筋力値・敏捷値のダウンに加え、金属製装備の耐久値を大幅に削る《腐食毒》効果がある。
「やあぁぁぁあ!」
ユキがブレスを避けた後、短剣二連撃ソードスキル《クロス・エッジ》で斬りつけ、ステップを踏んだ後、続けて短剣中位三連撃ソードスキル《トライ・ピアース》をボスの側面に喰らわせる。ピスケスがユキに対して噛みつき攻撃を行うが、《軽業》スキルを使ってバク転することにより、優雅に躱した。
「相変わらず動きの一つ一つが綺麗ですね」
「ありがとう、ラザレフ」
「ユキちゃん、やっぱりオレと結婚してくだ」
「ごめんなさい」
「切り捨て御免! ありがとうございます!」
「アレッシオ、エリックが振られるのってこれで何回目ッスか?」
「……6回目」
終わりが見え始めているせいか、メンバーにも余裕が出てきたようだ。
だがそんな余裕は直ぐに消し飛んだ。その原因はボスではなく、一人のプレイヤーによってもたらされる。
「Wow、随分楽しそうじゃないか。俺も混ぜてくれよ」
背後から聞こえた声に、ユキはゾクっと背筋を凍らせた。
振り返った先にいたのはポンチョで身を包んだプレイヤー。深く被ったフードからわずかに見える口元は不気味な笑みを浮かべ、右手には大型のダガーを持ってぶら下げている。そこにいたのは最凶最悪のレッドギルド《
「PoH……なんでここに……」
『圏内』解除を好機とみたオレンジプレイヤーの介入を、全く予想していなかったわけではない。ユキが驚いたのはラフコフリーダーのPoHという大物が、まさか自分達の所に現れるなんて思いもしなかったからだ。
「なあに、茅場晶彦が折角用意してくれた舞台だ。わざわざ開発者が準備してくれたのに、この世界の演者であるプレイヤーの俺達が参加しないってのは、無粋な行いだと思わねえか? ……にしても、まさか偶然来た所に《血盟騎士団》の連中がいるとはなぁ……」
言葉の最後で、フードの奥にある口元がさらに歪むのが見えた。『中々面白い獲物に会えた』とでも言わんばかりの……。
ユキはこの時、PoHの考えが自然と読めてしまった。それ故、咄嗟に身体が反応し、PoHに向かって切りかかる。
ユキの動きに反応して、PoHはダランとぶら下げていた右手の《
「Wow、挨拶がわりにしては強烈だな」
不意な攻撃を受けて尚、彼の様子と言動は依然涼しげなままだった。脱力していたかのような姿勢は、既に臨戦態勢だったのだ。
ユキは後ろに跳んで後退し、パーティーメンバー全員に聞こえる声で決意を伝える。
「……みんな、私がPoHと戦って引きつける! だから、その間にボスを倒して!」
「なっ!? ユキさん、危険すぎます」
「このまま私達がボスを倒すのを黙って待ってくれるわけないだろうし……これは誰かがやらなきゃいけない事なんだよ」
「なら僕も――」
「ううん、私一人で大丈夫だよ。アレッシオに指揮は任せるね。……PoH、場所を変えてもいいかな?」
「Huh、別に構わねえぜ。後ろの連中が気になってこっちに集中出来ないんじゃ、俺がつまらんからなぁ……」
PoHの言葉を聞くとユキは踵を返す。
(みんなを巻き込むわけにはいかない……)
主街区の奥へと駆けると、その後ろをPohが
「ユキさん!」
「アレッシオ! あぶねえ!」
余所見をしていたアレッシオは、ピスケスのブレスモーションを見逃していた。そのため、ボスの口から吐き出されたブレスを直撃し、彼の身体が蝕まれる。
「くっ……そっ……」
筋力値と敏捷値のダウンに加え、装備していた両手剣の耐久値が削られ、武器はポリゴン片となって砕けた。すぐさま予備の剣を実体化させている所に、レイモンドが駆け寄ってアレッシオをなだめる。
「落ち着けアレッシオ。気持ちはわかるけど、今はこいつを倒すのに集中するぞ」
「でも、相手はあのPoHだ。一筋縄じゃ――」
その後のアレッシオの言葉を、ラザレフが紡いだ。
「いかないでしょうね。ですが忘れましたか?
現在はイベントボスの影響で、
この場合ピスケスを倒せば、離れていながらユキを助ける事が出来るのだ。
「……わかりました。まずはこいつを倒すことに集中します」
47層フィールドダンジョン《思い出の丘》。アスナ達は未だにヴィルゴとの戦闘を繰り広げていた。
戦闘が長引いている理由は敵が素早いからというのもあるが、何より動きが読めないのだ。右、左、右と小刻みにステップを踏んでプレイヤーに動きを読まれないようにし、一瞬の隙を突いてソードスキルを叩き込む、まさに『蝶のように舞い、蜂のように刺す』を体現している。そしてそれはモンスター特有のアルゴリズムに従った一定の決まった動きではなく、毎回微妙に間合いやリズムを変えて動いており、アスナ達はまるでプレイヤーと戦っているような感覚に陥っていた。
さらに、ヴィルゴはHPバーが一段減るごとに武器を換装していく。最初は短剣を装備していたが、三段目に入った時はレイピア、二段目に突入した今は曲刀を使っており、換装すると動きも変化するので、行動パターンが非常に読みづらい相手だ。故にメンバーはヴィルゴの放つソードスキル発動後の硬直時間を狙ってダメージを与えていった。
「せやあっ!」
曲刀中位三連撃ソードスキル《オーバル・クレセント》の
ヴィルゴが後退するのと同時に、アスナも他の団員と場所を入れ替えて後退する。減少したHPを回復するため、ポーションを口にした時だった。
「ぐあっ」
「おいっ、どうし――がっ」
アスナの耳に団員の声が聞こえたが、明らかにおかしい。視線を後方に向けると、その場で動けなくなっている団員達の姿があった。
動けなくなっている団員の首の後ろには、一本のピックが刺さっていた。状況からみて、ピックには麻痺毒が塗ってあるのだろう。周囲に他のプレイヤーの姿はないが、おそらく《隠蔽》スキルで姿を消しつつピックを投げているのだと、アスナは予測した。
そうしている間にも、新たに麻痺状態となる団員が現れる。しかし、アスナはピックの刺さり方から犯人のいる方向と場所に目星をつけ、そこ目掛けて走った。
「――そこっ!」
犯人がいるであろう場所に向かって剣を突き出す。アスナは手応えを感じ取れなかったが、そのすぐそばでプレイヤーが姿を現した。
「なかなか、勘が、鋭い、じゃ、ないか、《閃光》」
スゥっと姿を現したのは、髑髏マスクに赤い眼をした《
「ラフコフが何の用?」
「そう、恐い、顔を、するな、《閃光》。俺は、今、遊び、の、最中だ。今頃、他の、ラフコフ、メンバーも、各層で、遊んで、いる、だろう」
「……コソコソ隠れながら人の身体でダーツの真似事ですか? それも不意打ちで動けなくするなんて、随分と悪趣味ですね」
「フッ、そう、怒る、こと、でも、ない、だろう」
「私達の邪魔をするというのであれば……容赦はしません」
剣先をザザに向けて構えをとる。ザザも同じように、右手に持つエストックの剣先をアスナに向けた。
「この場にいる団員全員でボスの相手をして下さい。私一人で……この男の相手をします」
「しかし副団長!」
「これは副団長命令です。指示に従いなさい」
背後にいる団員を一瞥する。その眼光と言葉からは、有無を言わせない威圧感があった。
「……わかりました」
アスナは男性団員がヴィルゴと戦闘中のパーティーがいる場所へと戻ったのを確認し、ザザに視線を戻す。
「あなたを監獄送りに出来る良い機会ね」
「やれる、もの、なら、やって、みろ」
次の瞬間二人の姿は消え、剣と剣がぶつかった際の金属音だけが響いた。
シリカとピナを助けてから約30分後、カイト・キリト・エギルの三人による攻撃の嵐でレオはHPを減らし続け、残りはHPバー最終段のレッドゾーンに差し掛かっていた。
カイトが《フロスト・パージ》にペールブルーのライトエフェクトを纏わせると、片手剣突進技《レイジスパイク》を発動してレオの側面を攻撃する。しかし、HPを削り切ることができず、一ドットだけ残して生き永らえた。
「ごめん、ミスした」
「大丈夫。あと一撃で終わりだ」
だが、この三人の誰もレオのトドメをさすことはできなかった。なぜなら、茂みから突如現れた持ち主不明のナイフが、レオの眉間に命中したことでHPをゼロにし、ポリゴン片となって爆散したからだ。
そして今度は三人目掛けて、茂みからナイフが投げられた。それぞれの武器でナイフを弾き落とす。
「誰だ!」
キリトが叫ぶと、茂みから頭陀袋の男《
「ジョニー・ブラック……」
「ハロー! ごきげんいかがですかぁ、《黒の剣士》、《掃除屋》……もう一人は知らねっ」
ジョニー・ブラックはそう言うと、三人に向かってナイフを持った右手を振る。
「しっかし俺ってばラッキーだなぁ。たまたま見つけた相手が攻略組ときたもんだ。これで一気に点数稼げるじゃん」
「……まーた何か企んでるな」
嬉々とした様子で話すジョニー・ブラックに対して、警戒しながらも呆れた様子のカイト。ラフコフの思いつくことにロクなものがないのを、彼はよく知っている。
「俺様考案のちょっとしたゲームさ。一人殺せば20点、攻略組ならさらにプラス30点、二つ名持ちならさらにプラス50点、ってな具合のな」
「……イかれてやがる……」
ラフコフの危険性は知っていたが、始めて対面するエギルにはジョニー・ブラックの考えが全く理解できなかった。いや、エギルでなくとも正常な思考と良識の持ち主には、ジョニー・ブラックの考えは理解できないだろう。レッドプレイヤーの考えは、同じレッドプレイヤーにしかわからない。
「まさか、あんた一人でオレ達攻略組三人を相手にする……って訳じゃないよな?」
キリトの言葉に口元を歪ませると、左手を軽く上に挙げる。すると、ジョニー・ブラックの後ろから部下と思わしき八人のプレイヤーが現れた。
「勿論、俺以外にもいるよ。けど全員で斬りかかって殺すだけなんて、つまんないんだよね〜」
「……何かあるみたいな口ぶりだな」
ジョニー・ブラックはただ単に人を殺すだけでは飽き足らず、自身の思いついた『ゲーム』で楽しんでから殺すのを特徴とする。
「さっすが《掃除屋》、わかってるじゃん! 当然ルールを設けることにする。それは――」
ジョニー・ブラックが左手の人差し指を立てると、その指先はカイト達を指す。
「――お前達三人は一切の反撃を禁止する、ってこと」
「なっ!」
「一方的にやられてろって事かよ!」
キリトとエギルは彼の言葉に耳を疑った。ラフコフを複数相手にして反撃はするな、と。もし素直に応じたとしたら、カイト達の出来ることは回避するか、剣で防ぐかの二択しかない。
「……こっちが素直に『わかった』って言うとでも思ってるのか?」
「まあ、普通は言わないだろうな。でもさっ、でもさっ……これならどう?」
今度は左手で指を鳴らす。すると、また茂みからラフコフメンバー二人が現れた。しかし、一人は引き連れた少女の首元にナイフを突きつけ、もう一人は捕縛用ロープで縛った小竜を抱えていた。
「シリカ! ピナ!」
「カイトさん……ごめんなさい……」
『きゅるう……』
目の前にいるのはどう見ても人質となっているシリカとピナ。さらに言えば彼女のHPはレッドゾーン。つまりジョニー・ブラックが言いたいのは――。
「さっきも言った通り、反撃は禁止。もし、しようものならこいつらを殺す。……なあに、心配するなって。大人しくいたぶられてれば、ちゃ〜んとこいつらは解放するからさっ! うっわ、俺ってば超優しくねっ!?」
当然シリカ達を人質に取られた今、カイト達に拒否権はない。
「さあ、三人は人質に取られたか弱い少女の命と自分達の命、どちらを優先するのか!? この危機を乗り越える事ができるのか!? 名付けて『第二回、どっちの命を取るんですかゲ〜ム』開催。ちなみに、第一回でリンチされてた奴は自分の命を優先させました〜。人質になってた奴の絶望に満ちた顔を眺めて、最後はちゃ〜んとルールに従って殺しといたよ」
「ひっ!」
その言葉を聞いてシリカは小さな悲鳴を上げると、瞳に涙を浮かべてしゃくり上げた。
「大丈夫だ、シリカ。絶対助けるから」
不安がるシリカを少しでも安心させようと、カイトは慰めの言葉を発した。
「そんな事言ってても、結局最後は自分を優先するのが人間ってもんでしょ? その言葉に嘘はないか、これからの行動で示してくれよ〜? それじゃあ――」
一瞬の沈黙の後、ジョニー・ブラックが開戦の合図を告げた。
「――イッツ・ショ〜ウ・タ〜イム」
スコールによる弊害は独自設定です。
《鬼喰包丁》は《友切包丁》を手に入れる前に使用していた、名剣クラスの武器という設定です。
ラフコフ三人はクセ、もとい個性が強いなぁ……。