気づいたらジョニーでした。   作:タコベル

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 誤字修正等、報告ありがとうございます。
まさかの二重投稿、申し訳ありませんでした。

 筆が乗ったので投稿しちゃいます。
 あと今回、書きたいこと書きまくって視点がコロコロするので、読みにくいかも知れません。


第15話

「スネーク、聞こえる?スネーク?」

 オタコンがスネークに無線で呼びかけるが応答がない。

 それもそうだろう。俺の仕掛けた爆弾の時間からして今頃、リキッドとのラストバトルだ。

 スネークがPALキーを準備している間、ステルス迷彩でコソコソと準備していたのだった。

 途中、スネークが気配を感じたのか、足を止めた時は心臓が止まるかと思った。ほんの数秒程度だったが、あの時は時間が永遠に感じられた。

 苦労した割に、援護になったかどうかは分からないけどね!タイミングが読めなかったから遠隔起爆にしようかとも思ったけど、確実に爆発させるなら時限式の方がいいと考えて、即席爆発装置(IED)の訓練の記憶を頼りに作ってみた。

 ただの爆薬だけでは弱いかと思って焼夷手榴弾(サーメート)まで追加で仕掛けたんだ、上手くいったと信じたい。

「大丈夫かな?REXはどうなったかな?」

「俺たちが心配しても始まらない、先を急ごう」

 不安な声をあげるオタコンを急かして進む。早くしないと空爆が始まってしまう。

 

 ※※※

 

 遂に決着はついた。リキッドを倒したスネークは近くに設置された爆薬のタイマーを解除し、メリルを解放した。

 メリルは呼吸をして、まだ生きている。

「メリル」

「スネーク、あなたなの?」

 まだ意識がはっきりしていないようだったが、それもすぐ戻った。

「スネーク、生きてたのね!」

 スネークの首に腕を回して再会を喜ぶ、そこにはただのティーンの女の子がいた。

 もう少し再会を喜びたかったが、時間がない。

「スネーク、聞こえる?」

 リキッドとやり合っていた時から呼び出しがあったが、オタコンから再び連絡が来た。

「オタコンか、いいニュースだ。メリルは無事だ」

「よかった!無事だったんだ、やったじゃないか」

「悪いニュースもある」

「空爆のことかい?」

 何故オタコンがそのことを知っている?気になったが会話を続けた。

「そうだ、脱出できるか?」

「ああ、できるよ。そこの隣に駐車場がある。そこから地上への搬出路が通ってるんだ」

 見ると扉らしき物がある。

「セキュリティは大丈夫なのか?」

「もちろんだよ、もう突破済みさ。なんせ2人もプロが・・・ゴメン、なんでもない。()()()も向かってるところさ」

「ゲノム兵は大丈夫なのか?やつら、お前を追っているようだったが」

「今はまだなんとかね。先に行っててくれ、直ぐに追いつく」

「わかった、死ぬなよ」

「それじゃ、また」

 ウルフの死がきっかけなのか、いつの間にかオタコンは頼れる男になっていた。あいつなら大丈夫、スネークはそう感じた。

「さあ、脱出しよう!」

 

 ※※※

 

「直ぐに追いつく、ね」

「いいじゃないか、たまには格好つけたって」

「別にいいんだが、こうも追われてるとね・・・!」

 先を急ぐ2人の様子にとうとう気付いたのか、ジョニー達はゲノム兵達の追跡を受けていた。なんとか追跡を躱し、時には交戦して突破しながら前進した。

 相手するのは俺1人なんだから手加減して欲しいもんだがね!

 そんなジョニーの気持ちなどゲノム兵達に分かるはずもなく、逃げる2人を追い続けていた。

 先程から始まった空爆の振動で混乱が基地を包んでいた。好都合だ。

 

 一旦、なんとか追手を振り切った。しかし、逃げようとしてるのがバレている以上、待ち伏せされているかもしれない。

 スネーク達を追いかけて、いなくなってたりしないかな?淡い期待を抱く。

 メタルギアの格納庫へと着くと、凄まじい戦闘の後に加えて空爆の振動で崩落も始まっていた。

「先を急ぐぞ、オタコン」

「・・・うん、そうだね。行こう」

 一瞬、オタコンがボロボロのREXを悲しげに見ていたが急がせる。今は感傷に浸る時ではない。

 駐車場へと至る扉を目指すと、床に大きな血溜まりとそこから点々と続く血痕が残っていた。

「これって・・・」

 オタコンも気づいて顔を歪める。

 リキッド・スネーク、なんで操縦席に直撃食らって、殴り合いの末にREXから落とされてまだ生きているんだ?全身ガン細胞の自動回復持ちか何か?

 

 リキッドの執念に恐怖しながらも駐車場へと入る。

 案の定待ち伏せされており、激しく撃ち合う。オタコンに運転させて銃座に飛びつき応戦した。

 近くには死体が転がり、スネーク達の交戦の跡が残っていた。

 エンジン全開、猛スピードで走り始める。後ろ向きに弾を必死にばら撒いた。

 しばらくして前方のゲートが見えてくると、そこからも射撃を受けた。スネーク達を待ち伏せした奴らが残っていたのか、後ろばかり気にしていて反応が遅れた。

 前に銃座を向けたところで腹部を撃たれた。アーマーが止めたが、衝撃で息が詰まりそうになる。

「ジョニー!?」

「大丈夫だ!飛ばせ!」

 気を失いそうなショックをなんとか耐えて撃ち続ける。前の敵を薙ぎ払って突破した。

 長い一本道の果てに明かりが見えた、出口だ。

 

 出口を飛び出ると、車が2台横転していた。片方は角度が悪くよく見えないが、そこに向かってFA-MASを構える血塗れの男、リキッドがいた。

 思わず銃を向けた。その瞬間、リキッドの体が痙攣し、ヨロヨロと力なく倒れた。

 FOXDIE、ここはゲーム通りか。

「オタコン、行けよ」

「えっ、ジョニーは?」

「俺は戻るよ」

「そんな!?奴らに殺されるよ!」

「大丈夫だ。上手く隠れるし、捕まったとしても、奴らも洗脳が解けかけて士気が下がってる。なんとかなるさ」

「・・・気をつけてねジョニー、ありがとう」

「ああ、またな」

 

 そう言ってスネーク達に会うことなくその場を去ることにした。ここでゲノム兵の姿をした自分が行ってもややこしくなるだけだ。会話もモニターされてるだろうし、関わりはできるだけ避けたい。

 しばらく隠れて、投降に合わせてゲノム兵に紛れればなんとかなるか。MGS2に出ていたわけだしな。

 コンバット・ハイで気づかなかったのか、撃たれた部分が酷く痛む。アーマーのお陰で出血は無いようだが、衝撃で肋骨が折れたのかもしれない。

 痛みに顔を歪めながら来た道を戻る。ゲートの奴らが残っていないといいが。

 

 ※※※

 

走り去る車のエンジン音と走ってくる足音で、2人はオタコンに気がついた。

「大丈夫かい、スネーク!」

「オタコン!無事だったか」

「まぁね、今助けるよ」

 スネークとメリルを助けるべく、オタコンが車に体重をかける。息を合わせて車を押し、なんとか脱出を果たした。

「また助けられたな」

「よしてくれよ、たまたま間に合っただけさ」

 オタコンには何度も救われた。独房で、司令室で、そして今。初めは頼りない男だと思っていたが芯は強いようだ。自己評価が低いきらいがあるがそこは人柄なのかもしれない。

「こうして話すのは初めてね、エメリッヒ博士?」

「あ、ああどうも、君がメリルだね。うん、無事で良かったよ」

 ほぼ初対面の2人の挨拶を済ませる。オタコンが(ども)っていたがそれよりも気になることがあった。

「オタコン、どうやってここまで来た?」

「ぇ、きゅ、急にどうしたんだい?」

 オタコンが明らかに動揺する。もう少し隠す努力はできないものか、バレバレである。

「さっきエンジン音がした。誰と来たんだ?まさか歩いてきたなんて言わないよな?」

「いやそ、それは・・・」

 まるで尋問のようだった。すると、メリルが何かに気がついたようだ。

「ねぇ!もしかして・・・」

「!待った!」

 そう言ってメリルを遮る。リキッドの前でやらかしたことを反省したのか、なんとか名前が出ないようにしていた。もっとも、そのせいで余計にスネークに怪しまれていた。

「どうして?何故姿を見せないの?どこに行ったの?」

「彼、あまり存在を知られたくないみたいだった。多分、そういう任務だったんじゃないかな?」

「・・・そうね、分かったわ。でも、無事だったのね、良かった」

「そうだね。それに多分、またどこかで会える気がするんだ」

「・・・悪いが、何の話だ?」

 完全にスネークだけ蚊帳の外だった。

「いいんだスネーク、気にしないでくれ」

「例の協力者か?一体何者なんだ?」

「スネーク、しつこいわよ。私達が無事だったんだからいいじゃない」

「そうだよスネーク。そういえば、空爆も止んだみたいだ」

 明らかに話を変えようとする2人、タイミング悪く無線もきた。

「スネーク、聞こえるか?」

「大佐!無事だったのか」

 拘束されたはずの古い友人の声が再び聞こえてきたことに驚いた。

 キャンベルが言うには国防省長官が逆に拘束され、空爆は中止となった。REX、新型核弾頭の開発、今回の演習、全て長官の独断だったという。 

 果たしてどこまでが真実なのかスネークには分からなかった。

 スネークもメリルの無事を伝えると、キャンベルは感謝と共にメリルがキャンベルの実娘という真実を明かしてきた。キャンベルは娘を人質に作戦に参加させられていたのだった。

 キャンベルからプレゼントだと、近くのスノーモービルの場所を教えてもらった。オタコンは運転できるのか?本人はなんとかなるよ!と言っていたが、顔が引き攣っていた。

 俺達はアラスカの海に沈んだことになっているらしいが、本当にそうなりかねない。メリルに運転させるか?

 

 そして、スネークにはもう1つ向き合わなければいけない問題があった。

 VIPとFOXHOUNDをターゲットにした殺人兵器FOXDIE、リキッドは発動しないと言っていたが最後の最後に死んだ。俺はいつなんだ?

「スネーク、わたしよ」

ナオミの声が聞こえる。

「ナオミ、フランクのことなんだが・・・」

「聞いたわ、消息不明だって」

 彼女の兄、グレイ・フォックスことフランク・イェーガーの行方はREXとの戦闘の後、分からなくなっていた。あの混乱の中で爆発に巻き込まれたか、それとも生きているのか。

「フランクは・・・君のことを愛していると、俺のことは忘れて自分の人生を生きろ、と」

「兄が、そんなことを?」

 ナオミの声が涙で震える。

 スネークは真実を伝える気にはなれなかった。ナオミにとって唯一の拠り所であったフランク、それを殺したのは自分だ。そんな自分から、フランクこそが彼女の両親を殺したのだと、真実のナイフを突き刺すことは到底出来なかった。

「兄はザンジバーランドで貴方と闘ってから、幽霊と変わらなかった。死に場所を求めて彷徨う亡霊・・・お願い、スネーク。もしもう1度、兄と闘うことになったのならばあの人を、解放してあげて」

 ナオミはフランクが死んだとは思っていないようだ。不思議とスネークもそんな気がした。

 

 ナオミはFOXDIEについて、具体的なことは教えてくれなかった。彼女なりの復讐で、いつか来るその日まで恐怖しろと言うメッセージなのか。スネークには分からなかった。

 ならば、その日が来るまで俺は何をする?スネークは隣を歩くメリルとオタコンを見る。今までとは違う生き方、誰かのために生きる生き方、それもいいかもしれない。

 3人はスノーモービルの場所まで、朝日輝くアラスカの白銀の世界を進んでいった。

 

 ※※※

 

 スネークとメリルを助けるべく、オタコンが横転した車に駆け寄る様子を男は離れた位置から見ていた。だが、ステルス迷彩を着たその男の存在に誰も気がつくことはない。

 男はスネーク達がなんとか車から這いずり出て、立ち去るのを確認すると、ステルスを起動させたまま、人間離れした動きでその場を去っていくのだった。




 次回モセス編完結
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