白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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今日は2つ出します。
2つ目は本日18時からです。


第9話 侍女長、決心。

目の前の少年は不思議です。

目が覚めてみれば、兎のような少年がいました。

 

神ヘファイストスが開いたのではなく、この少年が開いたとのことです。

しかし、【ゼウス・ファミリア】のも感じられないし、名前も心当たりがありません。

けど、真紅の瞳は覚えがあります。あのバカ主神と共に色々と醜聞をやらかした、あの困った子の瞳に瓜二つです。

 

また、この少年の雰囲気も誰かに似ているような気がする。

あの困った子の近くにいた子にいたはずですが…、思い出せません。

 

無理言って、記憶を見させてもらうようお願いしました。

【ゼウス・ファミリア】の眷属または系譜を持つ者なら、私はその記憶を覗くことができます。

 

それが嫌だという子が多くいましたので、お仕置き代わりになったのを覚えています。

記憶を覗かれ、それを多くの人前で暴露して反省させていました。

…そもそもバカ主神と共に、やましいことをやらかすからです。

 

今となっては本当にいい思い出です。

あの子達の魂は無事に転生したのだろうか?

 

…いけません。今はこの少年に集中しなければ。

もう一度言いますが、この少年が【ゼウス・ファミリア】の系譜を持っているのが不思議です。

 

団長のマキシムやザル坊は別にしても、バカ主神の影響を少なからず受けた子は煩悩だらけでした。

ですが、この少年は真っ白、純粋無垢を形にしたような子です。

十中八九、この少年を育てたお祖父さんはおそらくバカ主神のゼウスでしょう。

 

だからこそ、この少年が純粋無垢であるのがおかしいのです。

ええ、ありえませんとも。

 

まあ、記憶を見てみればわかることでしょう。

ですが、長年【ゼウス・ファミリア】に仕えてきた私の勘がそういっています。

この少年は【ゼウス・ファミリア】直系の唯一無二の最後の生き残りだと。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!

「そう、そういうことだったのですね。」

「あ、あの…何かわかりましたでしょうか?」

目の前の少年は不安そうに私を見てそう言った。

 

「ええ、全てがわかりました。改めて…、初めまして。坊ちゃま。」

「「「坊ちゃま!?」」」

「はい、坊ちゃま。貴方は【ゼウス・ファミリア】の眷属ではありませんが、正真正銘【ゼウス・ファミリア】直系の系譜を持つ、この世で存在する唯一無二の最後の生き残りです。」

バカ主神が他で眷属を作っているかどうかわかりませんが、恐らく坊ちゃまだけでしょうね。

 

「やはり、そうだったのね…。」「…やはりね…」

神ヘファイストス、坊ちゃまの主神ヘスティアは何か気づいているようだった。

神ヘファイストスはあのバカ主神を知っているのは当然として、坊ちゃまの主神ヘスティアの名前はバカ主神から聞いたことがあります。

確か…「グータラロリ巨乳だが、儂の知る限り善神の中で一番じゃな。」と言ってました。

坊ちゃまの主神がこの方であって本当によかったです。

これが神ヘルメスや神アポロンであったら、強制的に天界へ送還させて他の善神に改宗させていました。

ええ、本当に。

 

「よく…よく今日まで五体満足で生きてくれたのですね…。最初からいてあげられなく申し訳ありません。」

「いえ…貴方は僕の…家族ですか…?」

「魔導人形ですが、ゼウス…いえ元【ゼウス・ファミリア】で長年仕えてきました。僭越ながら家族と言えるかは微妙ですが。」

「いいえ!僕の家族です!…会えて嬉しかったです。ぐずっぐずっ…」

少年…いえ坊ちゃまはそう断言してすすり泣きし始めた。

私はそっと坊ちゃまを抱きしめた。ずっと寂しかったでしょうに…。

 

あのバカ主神は男である坊ちゃまを放置するかと思いましたが、意外と可愛がっていましたね。

何も死んだふりして育児放棄することはないでしょうに。

…状況が状況だから仕方がないにしても、坊ちゃまに一言残しておけばいいものを。

もし会うことがありましたら、ボコボコにし手足の骨を折り簀巻きにして、神ヘラへ引き渡してやりましょう。

ええ、絶対に。

 

「大丈夫、大丈夫です。坊ちゃま。私、メイは坊ちゃまのそばに最後までいますから。」

「うっうっ…、ぐずっぐずっ…お祖父ちゃんがいなくなってずっと寂しかったんです…。」

しばらく坊ちゃまは泣き続けていた。

本当に、本当に…生きてくれてよかったです。

記憶を見る限り、死んでもおかしくない状況がいくらでもありましたからね。

…張本人達は、後でお礼参りしておきましょう。

 

バカ主神の影響を受けながら純粋無垢であり続けたのは、恐らく母親であるあの方の影響でしょう。

あの困った子の悪いところを受け継いでおらず、丈夫な体や目だけを受け継いでいるのは本当に奇跡に近いです。

 

あのバカ主神から余計なことを吹き込まれていますが、まあ矯正可能な範囲なので大丈夫でしょう。

問題は坊ちゃまを取り巻く彼女たちですが、坊ちゃまにふさわしいかどうかを私が見極めましょう。

…どの方も美少女美人ぞろいなのが困ったところです。性格も、まあ悪くありませんし。

これからですね。楽しみになってきました。

 

バカ主神やあの困った子がそれをもし聞いていたら、血の涙を流していたことでしょう。ふふふ。

一方、母親のあの方が聞いていたらどうしていたでしょうか。

神ヘラは想像するまでもありませんね。

 

……天へ還っていった子どもたち、ご安心ください。

坊ちゃまは…この子は、私が全身全霊を尽くして最後までお守りします。




ゼウスがベルの元を去って他に眷属作ってるかもしれないため、直系とだしました。
本家と出そうかと思いましたが、直系の方がいいと思いそっちにしました。

2つ目は今日の18時ごろに出します。

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