ミアの一喝からしょうきにかえりました。
はぁ…。ミアから久々に怒られてしまったわ。
まさか、あの子のことで取り乱してそれが4日もすぎてしまうなんて。
オッタルたちには悪いことをしてしまったわね…。
でも、お尻叩きはないんじゃない?
浴場に投げ込まれただけでも十分だと、私は思うんだけど?
ヘイズに治してもらったけど、まだ痛いわ…。
ミアが戻った以上、もう負けることはないわ。
ヘスティアがオラリオ全てを味方にしたとしても、ね。
そういえば…ヘルンはどうなったのかしら?
絶対に私の手で下さないと。
「そこのあなた、「は、はいっ!」ヘルンはどうなったの?」
「ヘルン様は、未だに目覚めません…。命はヘイズ様が何とか取り留めたようですが。」
目覚めない?
ああ…ヘルンはこれ以上、生きることを拒否しているのね。
でも、駄目。それは許さない。勝手に天へ帰ることは許さない。
「そう、わかったわ。…ところで私がいない間に何か面白いことはなかったかしら?」
「は?あの…いないというのではなく…。」
「いない、そうよね?」
「(無理に誤魔化そうとされている…)…はい。そうですね、【ロキ・ファミリア】が【ヘスティア・ファミリア】に戦争遊戯を仕掛けたことですね。」
ロキが?
…ロイマンがロキたちに何か警告をしたということね。
そんな余計なことをしなくても勝てるわよ、だから恩は感じないわよ。
無駄なことをしたわね、ロイマン。
でも、これで【ヘスティア・ファミリア】の敗北は確定ね。
ふふっ…、どっちにしろベルは私のもの。
ああ、やっと私の『伴侶』が手に入る!
ヘスティアにも、【剣姫】にも、渡さない!
「あとは…ベルの、いえ【白兎の脚】のグッズ専門店ができたことぐらいですね。」
「…(聞き間違いかしら?)ベルのグッズ専門店?…詳しく教えて頂戴。」
そして、私は【ヘルメス・ファミリア】が開いたベルのグッズ専門店について聞いた。
「(引きこもっていたのが悔やまれるわね)それでどんな状況なの?」
「あ、はい。本店を含めて東西南北に支店があり「東西南北!?」あ、はい。それで男性用支店ができ、全部で6つの店(6つの店も!?)がありますね。」
「ねえ…私がいなかったのは4日間よね?その店はいつできたの?」
「…2日前です。」
「2日前?…早くないかしら?」
「私もそう思います…。連日行列が並んでいる状態です。」
何よ…それ。
「………行くわ。」「は?」
「その店へ行く。そう言っているの。」
「こ、困ります!ミア団長代理より、フレイヤ様をホームから出すなと言われております!」
「ねえ、ここの主神は誰かしら?」「フレイヤ様です…。」
「なら、問題ないわね。その店へ案内して頂戴。」
「こ、ここの近くでしたら南支店ですね。」
「あら、本店は駄目なの?」
「…その、本店はあまりに行列が長いため、ゴールド限定となったそうです。」
……ゴールド限定?
「ゴールド限定って何…?」
「…ベル、いえ【白兎の脚】グッズの種類を2/3以上買った人に譲られる会員証です。ブロンズ、シルバー、ゴールド、そしてプラチナとランクがあります。」
「…貴女、妙に詳しいわね?」
「すみません…。私も会員でブロンズです……。」
「へぇ…どんなものなの?」
「あ、はい!その…キーホルダーですが、こちらになります。」
あら、可愛い。
…それにしても妙にリアルね?
…欲しい。
「南支店でもいいわ。案内してちょうだい。」
「あ、はい!あの…神であろうが有力ファミリアであろうが並ぶこと、そして買い占めや転売は認めないのが鉄則とのことです。それでもよろしければ。」
「構わないわ。ふふふ…面白くなってきたわ。」
「ミ、ミア団長代理へ確認して…「不要よ。お供して頂戴。」(ああ、怒られる…)わかりました…。」
ふふふ…、ベルのグッズ専門店があるなんて。
ヘルメスもたまにいいことをするじゃない。
…連日行列って、ベルも罪よね。
-------------------------------------------------
「こ、こちらが行列の最後尾です。」
「……長いわね。まあ、いいわ。暇つぶしになるし、話し相手になって頂戴。」
「あ、はい!」
そして私は、グッズのことやここ数日のことについて聞いた。
「そう、そういうことになっているのね。(【悲観者】って元アポロンのとこよね?…要注意ね。)」
「はい…ベル、いえ【白兎の脚】が誰と稽古しているのかかなり噂になっているようです。」
「そうよ!毎日ボロボロになっているのよ。【ロキ・ファミリア】の【剣姫】様でもないみたいだし、誰なのかしら?」
「うーん、うちでもないし…そもそもベルとやり合えるって、第一級冒険者しかいないじゃない。」
……貴女、馴染んでないかしら?
それに、その娘たちは誰なの?
「あ、フレイヤ様。すみません。…その、ファンの集まりがあって情報交換を…。」
「そ、そう(たった数日で?どこまで広がっているのかしら…。)」
「ああ!尊い!あの白い髪!あの笑顔!荒くれ者にはないよね!」
「うんうん、わかるー!」
「でも、貴女のところに数週間いたんじゃない?ずるいわよ!」
「そう言っても…、私は少ししか話してないし…まあもっと話せばよかったと思っているけど。」
「贅沢ってものよ!それは。」
………勝ったとしても、彼女たちを抑えられるのかしら?
勝った後のことも、考えないといけないわね…。
困った子だわ、ベルは。
あら、順番が来たわね。
それに……ファン同士の話も面白かったわ。
シルとして来れば、よかったかもしれないわね。
「はい、入場前に注意です。買い占めや転売とかはしないで下さい。すれば生涯出入禁止です。そして、神であろうが最強派閥であろうが一人一種類一品までです。」
「わかったわ。全種類買うわ。」
「はい、わかりました。ゴールド限定パックですね。」
ゴールド限定パック?
「いるんですよ。熱烈なファンほど全種類買う方が。でも時間節約のため用意してあるんです。」
「そ、そう。」
「そして…そのゴールド限定パックでしか買えない限定ものがあるんです!女神様、ラッキーですね!」
(私がフレイヤでも関係ないということね。ふふふ…いい店だわ。)
「わかったわ。それでお願いできる?お代はファミリアへ請求してくれるかしら?」
「はい!ゴールド限定パック1名様、入りましたー!」
……え?
……こんなにあるの?
そこには、グッズがこんもり積まれた荷車があった。
「フ、フレイヤ様。私が引いていきます。」
「そ、そう。ごめんなさいね。ここまであるとは思わなかったわ…。」
ふふふ……いい買い物をしたわ。
そして堂々とホームに戻ると…、ミアが笑顔で待っていた。
そして、案の定怒られた。
「こンのバカ女神がっ!どこへほっついて歩いてたんだいっ!」
「……散歩よ。」
「へえ、散歩ね。でかけたのが昼前で、今はもう夕方だけど?」
「お店で長居していたのよ…。」
「それで、この荷車は何だい?」
「買い物よ…。」
「おい、お前。「は、はいっ!」アタシはこのバカ女神を、ホームから出すなと言ったね?」
「はい…言いました。」
「何で出してんだい?…まあ、いい。どうせこのバカ女神が駄々こねたんだろ。それで何を買ったんだい?」
「ベルのグッズよ。」「は?」
------------------------------------------------
そして荷車から私の神室へベルのグッズを置いた。
「……………………。」
「あら、素敵。ベルにそっくりじゃない。」
「フ、フレイヤ様、これは一体…。」
「見たらわかるじゃない。ベルのグッズよ。」
「フレイヤ様!これはいいものですよ!」
「え?本当?…精巧にできているわね。」
スルーしているけど、ヘルン…貴女、ベルのグッズを試しに顔の横に置いたら即座に目を覚ましたわね。
『ベルの匂いがしたからです』ですって?
貴女…大丈夫なの?
昼までの私のシリアスモードを返して頂戴。
「あの…フレイヤ様。」
「オッタル、私は忙しいの。後にしてくれるかしら?」
「あ、それはここに置きますね。」
「うーん、そこはこれがいいじゃないかしら?」
「でもその後に、このベル柄のカーテンにしますのでそれを背景にしますから。」
「あ、そうね。その方が映えるわね。」
「…………………おい、バカ娘共。」
「ミア、後にして頂戴。」
「すみません、ミア団長代理。少々お待ち下さい。」
こんなにあるとは思わなかったわ。
結構癒やされるわね…ふふふ。
「………オッタル、下がりな。」
「………すまない。後は頼む…。」
「さてっと…、こンのッ!バカ娘共がぁぁっ!」
そして、私達はミアに雷を落とされた。
昨日に続いて、またお尻叩きをされた。
ヘルンと共に…。
痛いわ…。
感想・評価をいただけますと、嬉しいです!