白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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初のフレイヤ回です。

ミアの一喝からしょうきにかえりました。



第106話 美神、衝動。

はぁ…。ミアから久々に怒られてしまったわ。

まさか、あの子のことで取り乱してそれが4日もすぎてしまうなんて。

オッタルたちには悪いことをしてしまったわね…。

 

でも、お尻叩きはないんじゃない?

浴場に投げ込まれただけでも十分だと、私は思うんだけど?

ヘイズに治してもらったけど、まだ痛いわ…。

 

ミアが戻った以上、もう負けることはないわ。

ヘスティアがオラリオ全てを味方にしたとしても、ね。

 

そういえば…ヘルンはどうなったのかしら?

絶対に私の手で下さないと。

「そこのあなた、「は、はいっ!」ヘルンはどうなったの?」

「ヘルン様は、未だに目覚めません…。命はヘイズ様が何とか取り留めたようですが。」

目覚めない?

ああ…ヘルンはこれ以上、生きることを拒否しているのね。

でも、駄目。それは許さない。勝手に天へ帰ることは許さない。

「そう、わかったわ。…ところで私がいない間に何か面白いことはなかったかしら?」

「は?あの…いないというのではなく…。」

「いない、そうよね?」

「(無理に誤魔化そうとされている…)…はい。そうですね、【ロキ・ファミリア】が【ヘスティア・ファミリア】に戦争遊戯を仕掛けたことですね。」

ロキが?

…ロイマンがロキたちに何か警告をしたということね。

そんな余計なことをしなくても勝てるわよ、だから恩は感じないわよ。

無駄なことをしたわね、ロイマン。

 

でも、これで【ヘスティア・ファミリア】の敗北は確定ね。

ふふっ…、どっちにしろベルは私のもの。

ああ、やっと私の『伴侶』が手に入る!

ヘスティアにも、【剣姫】にも、渡さない!

 

「あとは…ベルの、いえ【白兎の脚】のグッズ専門店ができたことぐらいですね。」

「…(聞き間違いかしら?)ベルのグッズ専門店?…詳しく教えて頂戴。」

そして、私は【ヘルメス・ファミリア】が開いたベルのグッズ専門店について聞いた。

 

「(引きこもっていたのが悔やまれるわね)それでどんな状況なの?」

「あ、はい。本店を含めて東西南北に支店があり「東西南北!?」あ、はい。それで男性用支店ができ、全部で6つの店(6つの店も!?)がありますね。」

「ねえ…私がいなかったのは4日間よね?その店はいつできたの?」

「…2日前です。」

「2日前?…早くないかしら?」

「私もそう思います…。連日行列が並んでいる状態です。」

何よ…それ。

 

「………行くわ。」「は?」

「その店へ行く。そう言っているの。」

「こ、困ります!ミア団長代理より、フレイヤ様をホームから出すなと言われております!」

「ねえ、ここの主神は誰かしら?」「フレイヤ様です…。」

「なら、問題ないわね。その店へ案内して頂戴。」

「こ、ここの近くでしたら南支店ですね。」

「あら、本店は駄目なの?」

「…その、本店はあまりに行列が長いため、ゴールド限定となったそうです。」

……ゴールド限定?

 

「ゴールド限定って何…?」

「…ベル、いえ【白兎の脚】グッズの種類を2/3以上買った人に譲られる会員証です。ブロンズ、シルバー、ゴールド、そしてプラチナとランクがあります。」

「…貴女、妙に詳しいわね?」

「すみません…。私も会員でブロンズです……。」

「へぇ…どんなものなの?」

「あ、はい!その…キーホルダーですが、こちらになります。」

あら、可愛い。

…それにしても妙にリアルね?

…欲しい。

 

「南支店でもいいわ。案内してちょうだい。」

「あ、はい!あの…神であろうが有力ファミリアであろうが並ぶこと、そして買い占めや転売は認めないのが鉄則とのことです。それでもよろしければ。」

「構わないわ。ふふふ…面白くなってきたわ。」

「ミ、ミア団長代理へ確認して…「不要よ。お供して頂戴。」(ああ、怒られる…)わかりました…。」

ふふふ…、ベルのグッズ専門店があるなんて。

ヘルメスもたまにいいことをするじゃない。

 

…連日行列って、ベルも罪よね。

 

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「こ、こちらが行列の最後尾です。」

「……長いわね。まあ、いいわ。暇つぶしになるし、話し相手になって頂戴。」

「あ、はい!」

そして私は、グッズのことやここ数日のことについて聞いた。

 

「そう、そういうことになっているのね。(【悲観者】って元アポロンのとこよね?…要注意ね。)」

「はい…ベル、いえ【白兎の脚】が誰と稽古しているのかかなり噂になっているようです。」

「そうよ!毎日ボロボロになっているのよ。【ロキ・ファミリア】の【剣姫】様でもないみたいだし、誰なのかしら?」

「うーん、うちでもないし…そもそもベルとやり合えるって、第一級冒険者しかいないじゃない。」

……貴女、馴染んでないかしら?

それに、その娘たちは誰なの?

 

「あ、フレイヤ様。すみません。…その、ファンの集まりがあって情報交換を…。」

「そ、そう(たった数日で?どこまで広がっているのかしら…。)」

「ああ!尊い!あの白い髪!あの笑顔!荒くれ者にはないよね!」

「うんうん、わかるー!」

「でも、貴女のところに数週間いたんじゃない?ずるいわよ!」

「そう言っても…、私は少ししか話してないし…まあもっと話せばよかったと思っているけど。」

「贅沢ってものよ!それは。」

………勝ったとしても、彼女たちを抑えられるのかしら?

勝った後のことも、考えないといけないわね…。

困った子だわ、ベルは。

 

あら、順番が来たわね。

それに……ファン同士の話も面白かったわ。

シルとして来れば、よかったかもしれないわね。

「はい、入場前に注意です。買い占めや転売とかはしないで下さい。すれば生涯出入禁止です。そして、神であろうが最強派閥であろうが一人一種類一品までです。」

「わかったわ。全種類買うわ。」

「はい、わかりました。ゴールド限定パックですね。」

ゴールド限定パック?

 

「いるんですよ。熱烈なファンほど全種類買う方が。でも時間節約のため用意してあるんです。」

「そ、そう。」

「そして…そのゴールド限定パックでしか買えない限定ものがあるんです!女神様、ラッキーですね!」

(私がフレイヤでも関係ないということね。ふふふ…いい店だわ。)

「わかったわ。それでお願いできる?お代はファミリアへ請求してくれるかしら?」

「はい!ゴールド限定パック1名様、入りましたー!」

……え?

……こんなにあるの?

 

そこには、グッズがこんもり積まれた荷車があった。

「フ、フレイヤ様。私が引いていきます。」

「そ、そう。ごめんなさいね。ここまであるとは思わなかったわ…。」

ふふふ……いい買い物をしたわ。

 

そして堂々とホームに戻ると…、ミアが笑顔で待っていた。

そして、案の定怒られた。

「こンのバカ女神がっ!どこへほっついて歩いてたんだいっ!」

「……散歩よ。」

「へえ、散歩ね。でかけたのが昼前で、今はもう夕方だけど?」

「お店で長居していたのよ…。」

「それで、この荷車は何だい?」

「買い物よ…。」

「おい、お前。「は、はいっ!」アタシはこのバカ女神を、ホームから出すなと言ったね?」

「はい…言いました。」

「何で出してんだい?…まあ、いい。どうせこのバカ女神が駄々こねたんだろ。それで何を買ったんだい?」

「ベルのグッズよ。」「は?」

 

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そして荷車から私の神室へベルのグッズを置いた。

「……………………。」

「あら、素敵。ベルにそっくりじゃない。」

「フ、フレイヤ様、これは一体…。」

「見たらわかるじゃない。ベルのグッズよ。」

「フレイヤ様!これはいいものですよ!」

「え?本当?…精巧にできているわね。」

 

スルーしているけど、ヘルン…貴女、ベルのグッズを試しに顔の横に置いたら即座に目を覚ましたわね。

『ベルの匂いがしたからです』ですって?

貴女…大丈夫なの?

昼までの私のシリアスモードを返して頂戴。

 

「あの…フレイヤ様。」

「オッタル、私は忙しいの。後にしてくれるかしら?」

「あ、それはここに置きますね。」

「うーん、そこはこれがいいじゃないかしら?」

「でもその後に、このベル柄のカーテンにしますのでそれを背景にしますから。」

「あ、そうね。その方が映えるわね。」

「…………………おい、バカ娘共。」

「ミア、後にして頂戴。」

「すみません、ミア団長代理。少々お待ち下さい。」

こんなにあるとは思わなかったわ。

結構癒やされるわね…ふふふ。

 

「………オッタル、下がりな。」

「………すまない。後は頼む…。」

 

「さてっと…、こンのッ!バカ娘共がぁぁっ!」

そして、私達はミアに雷を落とされた。

昨日に続いて、またお尻叩きをされた。

ヘルンと共に…。

 

痛いわ…。




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