白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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今回は、メイ回です。

リューさんを揺さぶります。


第109話 侍従長、詳説。

「「寝るのはやっ!」」

「バーチェさん。」

サッ

「ここに。」

「なっ…!(いつの間に…それに、このアマゾネス強い…!)」

「ヘスティア様を神室へ運びなさい。数時間後には起きるようになっていますから。」

「かしこまりました。」

ひょい、サッ。

 

さて、ヘスティア様はこれでいいでしょう。

神アストレア、そしてリューさんに説明するのにヘスティア様がいてはやりにくい内容もありますので、特製ドリンクを飲んでいただきしばらく眠っていただき、全快していただきます。

 

「貴女…ヘスティアを眠らせて何のつもり?」

「…貴女は何者ですか?ほんの数日前、貴女はいなかったはずだ。」

「それは、これから説明します。…そろそろ来る頃ですね。」

「おやおや、これは丁度いいですね。」

時間通りですね。さすが、セバスです。

 

「!?いつの間に…。」

「セバス、首尾は?」

「【フレイヤ・ファミリア】はミアの警戒もあり、さすがに入りにくくなっていますね。さすが我らを手間取らせた【小巨人】というだけはあります。ですが、それでも隙はあるようでした。一方、【ロキ・ファミリア】は容易いですね。【勇者】はいつもの冴えも余裕もない上、その他の団員もかなりの不満を持っているようです。大したことはありませんな。」

「なっ…、【フレイヤ・ファミリア】だけではく【ロキ・ファミリア】まで忍び込んだだと…。」

ああ、リューさんは初対面でしたね。

 

「自己紹介が遅くなりました。私は、【ヘスティア・ファミリア】団長ベル・クラネル専属執事のセバスと申します。」

「貴方も、魔導人形ね…。何者なの?ベルに近づいて何を企んでいるの?」

「いえいえ、企みなどはありません。我らは坊ちゃまのために力を尽くしているだけです。」

「アストレア様…。」「嘘は言ってないわね…。」

もちろんです。

しかし、神アストレアがここまで坊ちゃまに対して、過保護なのは驚きましたね。

 

「ヘスティア様を眠らせたのは、これから述べることに対して処女神にとっては承諾しにくいものですから。」

「どういう意味かしら?それに、貴方たちはベルのために力を尽くすと言っているけど、何故そこまでするのかしら?」

「簡単でございます。我らの真の主ですから。」

「真の…ですか?」

「神アストレア。貴女は坊ちゃまの出生の秘密を知っているはずです。」

「!?」「出生の秘密…ですか?」

坊ちゃまの記憶を見る限り、坊ちゃまの出生の秘密を知っているはずです。

 

「そうです。我らは魔導人形。あるファミリアによって、造られたものです。」

「そう…そういうことなのね…。」

「アストレア様?ベルの出生の秘密とは何なんですか!?」

「それは……っ。」

言いづらいでしょうね。

内容が内容ですので、仕方がありません。

私たちの方から説明いたしましょう。

 

「リュー様。改めて、深くお礼申し上げます。坊ちゃまが駆け出しの頃から、命を幾度か助けていただき、そして叱咤激励していただき、ありがとうございます。」

「…それは私の方だ。彼がいなければ、今の私はいない。彼がいたからこそ、私は…正義を取り戻すことができた。」

「坊ちゃまは貴方を深く信頼なさっております。」

「私も彼を深く信頼している…。そして…彼を愛している。」

本心からのようですね。

では、坊ちゃまの出生の秘密を知った後でも、そう言えますでしょうか?

試させていただきます。

 

「ありがとうございます。その気持ちをしっかりと持ってください。」

「それはどういう意味でしょうか?」

「先程の紹介で、補足があります。私達を造ったファミリアについてです。」

「…っ。」

「私は、元【ゼウス・ファミリア】専属メイドです。」

「私は、元【ヘラ・ファミリア】専属執事です。」

「なっ…!まさか…ベルは…。」

「その通りです。坊ちゃまは【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】の両方の直系の系譜を持つ、この世で唯一無二の御方です。」

「そんな…アストレア様!」「事実よ…。」

驚いたようですね。

リュー様にとっては、【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】という名は、7年前の大抗争で深い関わりがありますからね。

 

「リュー様、坊ちゃまは7年前のことを知っております。」

「なっ!」

「ですが、坊ちゃまは7年前の大抗争で、彼らが起こしたことについて罪悪感を持っております。」

「違う!あれは彼らのせいじゃない!闇派閥のせいだ!【暴食】と【静寂】は確かに許されないことをしたが、それも私たちを強くするためだった。私は…彼らを『英雄』として尊敬しています…。」

「そのお言葉を聞いて安心いたしました。坊ちゃまは、彼らが会いに来なかったのを非常に気にしております。」

「当然よ!会いに行くべきだった!彼らは7年前のあの戦いに参加せず、ベルのところへ行くべきだったのよ!」

「ア、アストレア様…。まさか、ベルを育てたのは…。」

「ええ…、ゼウスよ。…そういえば、ゼウスはどこにいるの?ここにいるの?」

言ったら、絶対に怒るでしょうね。

これまでの流れで、神アストレアは坊ちゃまを溺愛しているのは間違いありません。

 

「元主神は半年前に育児放棄して、逃げました。」

「は?……もう一回言ってくれるかしら?」

「はい。この14年間、碌な事しか教えず碌なものを食わせず、半年前に元主神ヘラが正気に返ったことにより、坊ちゃまを育児放棄してどこかへ逃げました。」

「何てひどいことを…!あれだけお祖父さんを慕っていたというのにっ!」

「……ゼウスはどこ?」

やはり怒っていますね。

まあ、仕方がありません。

5年前の記憶を見る限り、眷属にしようかと散々と迷っていましたが元主神に坊ちゃまが懐いていることから、渋々と諦めましたからね。

 

「さあ、少なくともこのオラリオの近くにいるのは確かでございます。場所は神ヘルメスが知っているようですが、どうせまたいなくなるでしょう。」

「そう…ヘルメスが。」

これはまずいですね。

目からハイライトが消えています。

そのまま【ヘルメス・ファミリア】へ殴り込んで、神ヘルメスを送還しかねませんね。

 




リューさんを揺さぶるどころが、アストレア様を怒らせてしまいました。

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