白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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本日1回目です!
はい、セバス回です。

アルフィアについて聞きたがっています。
では、どうぞ!


第111話 執事長、祈願。

「アルフィアお嬢様の、7年前の様子そして最期をご教示願います。」

「!」

「それを聞いて、どうするのかしら?」

「どうもしません。ああ、誤解なきように。私はアルフィアお嬢様の仇をとることなど全くございません。ただ、長年教えてきたあの娘がどのようにして生き、どのようにして逝かれたのかを知りたいだけでございます。」

「そう…、わかったわ。セバス、と言っていいかしら?話す前に言っておくわ。私はアルフィアとザルドを未だに許していない。」

「アストレア様…。」

「リュー、勘違いしないで大抗争なんかじゃないの。ベルを一人にさせ、ベルに寂しい思いをさせ、ベルを悲しませた彼らを許せないの。」

「お怒りはごもっともでございます。」

あのクソエロ爺と一緒に暮らしていた坊ちゃまは、寂しさに苦しんでいた時がありました。

クソエロ爺が、下界から見たままを書いた英雄譚で坊ちゃまの寂しさを紛らわせたようですが、それでも寂しさは完全にぬぐいきれませんでした。

現に彼らの存在を知った坊ちゃまは、今も非常に彼らのことを気にしておられます。

 

「どこから話したらいいのかしら…。リュー、貴女から話してくれるかしら?私も補足するから。」

「あ、はい。まず…」

そして彼女たちは、アルフィアお嬢様が大抗争の間でなされたことを話していただきました。

 

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「…以上となります。」

なるほど。アルフィアお嬢様の、魔法を無効化する【静寂の園】を逆手にとり、『海の覇王』リヴァイアサンにトドメをさした最終奥義【ジェノス・アンジェラス】を無効化しましたか。

その【静寂の園】を奪い取ったのが、あのクソエロ爺の『アイギス』もどきとは、皮肉なことですな。

 

そして、自らを炎渦巻く穴ヘ身を投げるとはあの娘らしいですね…。

 

「ありがとうございます。本当に不器用な娘で、ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。」

「いえ…、私は未だに【静寂】が願ったことには応えられていません。彼女が願う『英雄』にまだなれていませんが、ベルと共に強くなっていくことで、たどり着くのではないかと思っています。」

真面目で誠実な方ですな。

坊ちゃまが信頼なさるのも当然ですね。

 

「セバス、どうしてアルフィアはベルに会いに行かなかったかは、わかるかしら?」

「長年あの娘を見てきた私の視点で、よろしければ。」

「ええ、知りたいの。アルフィアはベルの存在を知っているはず。なのに会いに行かなかったのは何故かを。」

「アルフィアお嬢様は、余命いくばくもありませんでした。坊ちゃまといられる時間が残りわずかしかないなら、神エレボスの誘いに乗り、貴女を含むオラリオの冒険者を強くする道を選んだのでしょう。」

「その前に会いに行けばいいじゃない!ベルがどんなに寂しがっていたかは、貴方も知っているでしょう!」

「アルフィアお嬢様は、坊ちゃまより『黒き終末』の時計を遅らせることを選んだのです。そのため、アルフィアお嬢様は坊ちゃまに会う資格がないと考えたのでしょう。坊ちゃまが剣をとらない世界にするために、リュー様貴女を含むオラリオの冒険者が『黒き終末』を討つことを託したのです。」

「………っ。」

「…納得できないわ。ベルがどんな気持ちでいたのかを知らずに、勝手なことを!」

ここまで感情的な方とは驚きましたな。

いえ、坊ちゃま限定でしょうな。

これは喜んでいいのか嘆けばいいのか困りますな。

 

コンコン

 

「気持ちを落ち着かせるためのハーブティーです。一息つかれてはどうでしょうか?」

メイ、ナイスタイミングです。

あのことを滑らせて、リュー様の決意を鈍らせては困りますからね。

 

 

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「ふぅ…すこし熱くなりすぎたわ。」

(アストレア様があんなに怒るのは、初めて見ました…。)

 

「そろそろ、ヘスティア様がお目覚めになる頃です。神アストレア、申し訳ありませんが少しお付き合い願えませんでしょうか?」

「私に?」

「ええ、明日は恐らく神フレイヤが復帰されるでしょう。戦争遊戯を進めるにあたって、ヘスティア様とリリ嬢と私達で作戦を練りたいのです。」

「なるほど…、ヘスティアは確かに女神として強いけど、そういう方面は苦手だと思うわ。わかったわ、私もベルのために協力するわ。」

(ベルのために、ですか…。う…眠くなってきました…。)

「リューさんは、明日から坊ちゃまの特訓に参加させていただきます。ランクアップのズレや例のスキルを試す必要があります。」

「そうですね。ふぁ…、すみません。アストレア様。明日に備えて、そろそろ寝かせていただきます。」

「ええ、そうした方がいいわね。お休み、リュー。」

「はい、お休みなさい。アストレア様。」

 

バタン

 

「…セバス。貴方、先程の説明で嘘が混じっていたわね?」

「はい、ご明察でございます。リュー嬢にまだ知られるには早いですから。」

「ベルは…知っているの?」

「いいえ、坊ちゃまはまだ知りません。戦争遊戯に集中していただかなければなりませんから。」

「そうね…。ベルもリューもこの事実を知ったら、戦えるどころじゃないわ。」

「はい。私もまさか、アルフィアお嬢様を倒したのが坊ちゃまの信頼されているリュー嬢とは、思いもしませんでした。」

「神でありながら、運命を感じずにはいられないわね…。はぁ…。」

 

ええ。そうですね。

アルフィアお嬢様の託した方が、あのエルフの女性でよかったです。

あの方なら坊ちゃまと共に歩み、アルフィアお嬢様より高みへ行けるでしょう。

 

アルフィアお嬢様…、無事に転生されて坊ちゃまと私に、再び出会えることを願っております。




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