はい!勇者サマの記者会見です。
フィンらしく、冷静に淡々と対応するのでしょうね。
ですが、そう問屋が降ろさないのが本作品です。
「続きまして、【ロキ・ファミリア】です!」
「やっと始まるわー。さっき無乳と言った奴の面、忘れんからなー。」
「ロキ、それぐらいは許してあげようよ。」
いい加減にそれはもう、諦めてほしいんだけどね。
「ロキ様!フレイヤ様の先程の発言、どう思いますか?」
「いつものことやー。負けるのが怖いから、あないなことを言っとるねん。」
「ありがとうございます!」
「【勇者】、今回の戦争遊戯はいかがでしょうか?」
「そうだね。【フレイヤ・ファミリア】はかなり個が尖ってて油断できない。だから、こっちは組織力で挑ませてもらうさ。勝ちの目があるとしたら、そこかな?【ヘスティア・ファミリア】は、人数が少ないといえども【フレイヤ・ファミリア】より油断はしたくないと思っているよ。」
「ありがとうございます!」
なるほど…これが記者会見というものか。
いい機会だ。小人族の栄光への一歩とさせてもらおうか。
「フレイヤ様の魅了騒動で、【ヘスティア・ファミリア】に味方するかと思いましたが、何故戦争遊戯を挑んだのでしょうか?」
「そやなー。ウチ、最強派閥の1つやろ?フレイヤんとこに挑むには、あちらが邪魔やねん。それだけやねん。」
「ロキ、説明になっていないよ。君たちも知っての通り、【フレイヤ・ファミリア】と僕たちは長年いがみ合ってきた。決着するのに【ヘスティア・ファミリア】と同盟しているからという理由にしたくない。だから、【ヘスティア・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】に戦争遊戯を仕掛けたんだよ。」
「ありがとうございます!」
『え?神様、そうなのですか?』
『うまいね…。【フレイヤ・ファミリア】との戦争は基本的にギルド、いやオラリオが恐れている事態さ。だから、その理由を【ヘスティア・ファミリア】との同盟ではなく、戦争遊戯にしたということだね(それだけではないような気がするけどね)。』
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「最後になりますが、【勇者】に質問です。」
「何かな?」
「信憑性が怪しいんですが、この場で【勇者】にお聞きします。【ヘスティア・ファミリア】団長の【白兎の脚】への暗殺を依頼したという噂が広まっていますが、いかがでしょうか?」
「ぶぶぅっ!?」
「(暗殺だって!?)そんな事実はないよ。」
『ええっ!フィンさんがぼ、僕を暗殺ぅぅぅ!?』
『な、何だってー!?』
『…オッタル。今すぐ、【勇者】を真っ二つにしてちょうだい、さあ早く。』
『フレイヤ様…抑えて下さい…(フィンがそんな真似をするわけがない…はず……だ)。』
「そうでしたか!すごく広まっているので、びっくりしました。噂は噂なんですね!」
「僕も驚いているよ。何でそんな噂が広まっているのか…。」
キャアァァァ!
「な、何だ!?またかい…?………え?ルルネ?」
悲鳴を上げたところを振り向くと…。
…え?
何で、【ヘルメス・ファミリア】のルルネ・ルーイが十字架に磔されているんだい?
それに周りを取り囲んでいる白装束は?闇派閥…?いや、違う。
何が起こっているんだい?
「【泥犬】よ!貴様に問う!【ヘスティア・ファミリア】の【白兎の脚】の暗殺を、【ロキ・ファミリア】の【勇者】より依頼されたのは真か!」
「ち、違う!そんなの依頼されてない!」
「全ての真実を見通す神々よ。この愚かな罪人の【泥犬】は、嘘をついているか否か?」
「「「嘘は言ってない。」」」
あ…、まさか…。
「では、何故貴様は【ヘスティア・ファミリア】の【白兎の脚】の情報を、探ろうとしたのだ?ネタは上がっているんだぞ!」
「え?マジ?」「嘘は言ってないな。」
「そ、それは…。」
「依頼者は【ロキ・ファミリア】の【勇者】か?答えよ!」
「………。」
捕らえられたのか…?
でも、誰に?【ヘスティア・ファミリア】の様子を見ると…違うな。
二人とも顎が外れるぐらい、唖然としているからね…。
「沈黙は肯定とみなすぞ!今から10秒数える。時間をすぎたら火炙りの刑に処す!それまでに自供したら、火炙りは取りやめる。約束は守ろう。」
「「「え?ひ、火炙り?」」」
「マジでやるぞ、コレ。それに、嘘は言ってないぞ。」
「うわー。火炙りを生で見るの初めてだわ。俺様、ワクワク。」
え?嘘だろ…。
今のこのご時世に?
「ア、アスフィー!ルルネを助けろー!」
「わ、わかりました!」
『フ、フィン!ヤバイでコレは!』
『ああ!(ここは無理矢理入って止めるべきなのか?いや、それだと僕がやったと自供したと同然になってしまう…)』
「10、9、8、7」
「…(チラリ、ごめん)。はい…そうです…。」
「神々よ!」
「嘘は言ってないぞ!マジかよ!」
「【勇者】って、サイテー!」
しまった!
今、神の鏡で世界中に公開されているんだった!
「何と愚かな罪人よ!火炙りは約束通りやめよう。」
「「「ホッ…。」」」
「だが、罪は罪。串刺しの刑に処す!」
「「「ええっ!」」」
な、何だって!早く止めないと!
「や、やめて下さい!」
しまった…出遅れたか。
「何故、止める?【ヘスティア・ファミリア】の【白兎の脚】よ。」
「あの…ルルネさんがどうして僕の情報を探ろうとしたのか、わかりません。そ、そんなに大したものではないと思いますので、解放してあげてくれませんか?」
「【白兎の脚】よ…。汝はこの罪深い【泥犬】を許すというのか?」
「許すも許さないもないと思います。それに…僕は一農民の子なので…。」
「何と清く正しい人なのだ!よかろう、汝に免じて【泥犬】を解放しよう!」
「あ、ありがとうございます!」
…………しまった。
少しの迷いで、汚名挽回の機会を逃してしまった。
「…【勇者】。今の件は事実でしょうか?」
「(もう隠し立てはできないな)ああ、事実だよ。暗殺は絶対にしていない、それは確かだ。彼を調べたのは、ここまでの異常な成長ぶりに興味を持って依頼したのさ。君たちもそうだろう?」
「それはそうですが…。そうですね!情報収集は大切ですからね!」
「…そうだね(くっ!せっかくの機会を逃して、栄光から遠ざかってしまった)。」
『フィン、下手うったなぁ…。』
『失態だよ…ロキ。』
「(ルルネめ、ホームから出るなと言ったのに…)そろそろ時間となりました。ありがとうございましたー!(さっきの奴らを捕らえないと…あれ?もう撤収している。早いな!)」
『ヘルメス様…。ルルネを回収しましたが、彼等は既に撤収し散ってしまいました…。』
『そうか…。ルルネは厳重注意として、ホームの独房にぶちこんでおけ。』
『かしこまりました。』
『ぷ、くくく…。』
『フ、フレイヤ様…お、抑えて下さい。』
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~【ヘスティア・ファミリア】ホームにて~
「あの…これは計画通りでしょうか?」
「いえ、私たちは一切関与していません。恐らくファンクラブの独走ですね。」
「それにしても、痛快でした。あの【勇者】が右往左往しているのは。」
「ベル君の情報は大丈夫でしょうか…?」
「神ヘルメスのことですから、厳重に管理しているでしょうね。そうでないなら、既に私たちが裁きを下しています。」
『神に対して裁きとは、すごいな…。』
『同感でございます…。』
「それにしても、【勇者】の目の付け所はいいかもしれませんね。」
「そうね、ルゥ。いずれにしろ、【ロキ・ファミリア】も許せないわね。」
『センパイ…、アストレア様が最近怖いんですが…。』
『セシル…、慣れましょう…。』
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~【ロキ・ファミリア】ホームにて~
「ア、アイズ!落ち着くんじゃ!リヴェリア、お主も止めんか!」
「ガレス、お前は聞いていたのか?」
「いや初耳じゃ!知っとったら止めたわい!」
「なら、アイズの怒りももっともだ。私は止めない。」
「…………(フィン、ロキ。早く帰ってきて…この剣で…。)」
黒い風が吹き荒れていた。
「ティオネさん!ティオナさーん!やめてほしいっす!」
「五月蝿い!このバカティオネ!どう見てもフィンが悪いじゃん!」
「やめなさい!だ、団長には何か考えが…「それがアルゴノウトくんの暗殺!?」暗殺してないと言っているじゃない!グハッ!この…糞がァァァァァ!」
「これ、どうしたら収まるのよ…。」
褐色双子が殴り合いしていた。
「レ、レフィーヤ?さっきからブツブツと言っているけど…ひぃっ!詠唱を唱えているー!」
「…団長、説明してもらいますよ…『二重追奏』の準備はできています…。」
「レ、レフィーヤ、それを解除しなさい!ホームが消し飛びます!」
妖精が魔法を貯めていた。
アイズ、ティオナ、レフィーヤを中心に、今回のことに対して怒っていた。
フィンたちがそれを気づいたのは、記者会見が終わってからとなった。
機嫌を宥めるため、じゃが丸くんとスィーツを屋台丸ごと買うはめとなってしまった。
ロキは送還防止のため、しばらくガレスと一緒に行動することになった。
ガレスにとっては、いい迷惑であった。
はい、ルルネさんへの依頼が今になって明らかになりました!
本文にありますが、これはセバス・メイの仕業ではありません。
完全に、ファンクラブの過激派です。
ルルネが我慢できず、つい外出しようとしたら「確保ー!」されたわけです。
誰かがリークしたのかは言うまでもありません…。
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