白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

123 / 439
本日2回目です!

はい!勇者サマの記者会見です。
フィンらしく、冷静に淡々と対応するのでしょうね。

ですが、そう問屋が降ろさないのが本作品です。


第122話 勇者、失態。

「続きまして、【ロキ・ファミリア】です!」

 

「やっと始まるわー。さっき無乳と言った奴の面、忘れんからなー。」

「ロキ、それぐらいは許してあげようよ。」

いい加減にそれはもう、諦めてほしいんだけどね。

 

「ロキ様!フレイヤ様の先程の発言、どう思いますか?」

「いつものことやー。負けるのが怖いから、あないなことを言っとるねん。」

「ありがとうございます!」

 

「【勇者】、今回の戦争遊戯はいかがでしょうか?」

「そうだね。【フレイヤ・ファミリア】はかなり個が尖ってて油断できない。だから、こっちは組織力で挑ませてもらうさ。勝ちの目があるとしたら、そこかな?【ヘスティア・ファミリア】は、人数が少ないといえども【フレイヤ・ファミリア】より油断はしたくないと思っているよ。」

「ありがとうございます!」

なるほど…これが記者会見というものか。

いい機会だ。小人族の栄光への一歩とさせてもらおうか。

 

「フレイヤ様の魅了騒動で、【ヘスティア・ファミリア】に味方するかと思いましたが、何故戦争遊戯を挑んだのでしょうか?」

「そやなー。ウチ、最強派閥の1つやろ?フレイヤんとこに挑むには、あちらが邪魔やねん。それだけやねん。」

「ロキ、説明になっていないよ。君たちも知っての通り、【フレイヤ・ファミリア】と僕たちは長年いがみ合ってきた。決着するのに【ヘスティア・ファミリア】と同盟しているからという理由にしたくない。だから、【ヘスティア・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】に戦争遊戯を仕掛けたんだよ。」

「ありがとうございます!」

 

『え?神様、そうなのですか?』

『うまいね…。【フレイヤ・ファミリア】との戦争は基本的にギルド、いやオラリオが恐れている事態さ。だから、その理由を【ヘスティア・ファミリア】との同盟ではなく、戦争遊戯にしたということだね(それだけではないような気がするけどね)。』

 

・・・・・・・・・・・・・

 

「最後になりますが、【勇者】に質問です。」

「何かな?」

「信憑性が怪しいんですが、この場で【勇者】にお聞きします。【ヘスティア・ファミリア】団長の【白兎の脚】への暗殺を依頼したという噂が広まっていますが、いかがでしょうか?」

「ぶぶぅっ!?」

「(暗殺だって!?)そんな事実はないよ。」

 

『ええっ!フィンさんがぼ、僕を暗殺ぅぅぅ!?』

『な、何だってー!?』

 

『…オッタル。今すぐ、【勇者】を真っ二つにしてちょうだい、さあ早く。』

『フレイヤ様…抑えて下さい…(フィンがそんな真似をするわけがない…はず……だ)。』

 

「そうでしたか!すごく広まっているので、びっくりしました。噂は噂なんですね!」

「僕も驚いているよ。何でそんな噂が広まっているのか…。」

 

キャアァァァ!

「な、何だ!?またかい…?………え?ルルネ?」

 

悲鳴を上げたところを振り向くと…。

…え?

何で、【ヘルメス・ファミリア】のルルネ・ルーイが十字架に磔されているんだい?

それに周りを取り囲んでいる白装束は?闇派閥…?いや、違う。

何が起こっているんだい?

 

「【泥犬】よ!貴様に問う!【ヘスティア・ファミリア】の【白兎の脚】の暗殺を、【ロキ・ファミリア】の【勇者】より依頼されたのは真か!」

「ち、違う!そんなの依頼されてない!」

「全ての真実を見通す神々よ。この愚かな罪人の【泥犬】は、嘘をついているか否か?」

「「「嘘は言ってない。」」」

あ…、まさか…。

 

「では、何故貴様は【ヘスティア・ファミリア】の【白兎の脚】の情報を、探ろうとしたのだ?ネタは上がっているんだぞ!」

「え?マジ?」「嘘は言ってないな。」

「そ、それは…。」

「依頼者は【ロキ・ファミリア】の【勇者】か?答えよ!」

「………。」

捕らえられたのか…?

でも、誰に?【ヘスティア・ファミリア】の様子を見ると…違うな。

二人とも顎が外れるぐらい、唖然としているからね…。

 

「沈黙は肯定とみなすぞ!今から10秒数える。時間をすぎたら火炙りの刑に処す!それまでに自供したら、火炙りは取りやめる。約束は守ろう。」

「「「え?ひ、火炙り?」」」

「マジでやるぞ、コレ。それに、嘘は言ってないぞ。」

「うわー。火炙りを生で見るの初めてだわ。俺様、ワクワク。」

え?嘘だろ…。

今のこのご時世に?

 

「ア、アスフィー!ルルネを助けろー!」

「わ、わかりました!」

『フ、フィン!ヤバイでコレは!』

『ああ!(ここは無理矢理入って止めるべきなのか?いや、それだと僕がやったと自供したと同然になってしまう…)』

 

「10、9、8、7」

「…(チラリ、ごめん)。はい…そうです…。」

「神々よ!」

「嘘は言ってないぞ!マジかよ!」

「【勇者】って、サイテー!」

しまった!

今、神の鏡で世界中に公開されているんだった!

 

「何と愚かな罪人よ!火炙りは約束通りやめよう。」

「「「ホッ…。」」」

「だが、罪は罪。串刺しの刑に処す!」

「「「ええっ!」」」

な、何だって!早く止めないと!

 

「や、やめて下さい!」

しまった…出遅れたか。

 

「何故、止める?【ヘスティア・ファミリア】の【白兎の脚】よ。」

「あの…ルルネさんがどうして僕の情報を探ろうとしたのか、わかりません。そ、そんなに大したものではないと思いますので、解放してあげてくれませんか?」

「【白兎の脚】よ…。汝はこの罪深い【泥犬】を許すというのか?」

「許すも許さないもないと思います。それに…僕は一農民の子なので…。」

「何と清く正しい人なのだ!よかろう、汝に免じて【泥犬】を解放しよう!」

「あ、ありがとうございます!」

…………しまった。

少しの迷いで、汚名挽回の機会を逃してしまった。

 

「…【勇者】。今の件は事実でしょうか?」

「(もう隠し立てはできないな)ああ、事実だよ。暗殺は絶対にしていない、それは確かだ。彼を調べたのは、ここまでの異常な成長ぶりに興味を持って依頼したのさ。君たちもそうだろう?」

「それはそうですが…。そうですね!情報収集は大切ですからね!」

「…そうだね(くっ!せっかくの機会を逃して、栄光から遠ざかってしまった)。」

『フィン、下手うったなぁ…。』

『失態だよ…ロキ。』

 

「(ルルネめ、ホームから出るなと言ったのに…)そろそろ時間となりました。ありがとうございましたー!(さっきの奴らを捕らえないと…あれ?もう撤収している。早いな!)」

『ヘルメス様…。ルルネを回収しましたが、彼等は既に撤収し散ってしまいました…。』

『そうか…。ルルネは厳重注意として、ホームの独房にぶちこんでおけ。』

『かしこまりました。』

 

『ぷ、くくく…。』

『フ、フレイヤ様…お、抑えて下さい。』

 

■■■■■■■■■■■■■■■

~【ヘスティア・ファミリア】ホームにて~

「あの…これは計画通りでしょうか?」

「いえ、私たちは一切関与していません。恐らくファンクラブの独走ですね。」

「それにしても、痛快でした。あの【勇者】が右往左往しているのは。」

「ベル君の情報は大丈夫でしょうか…?」

「神ヘルメスのことですから、厳重に管理しているでしょうね。そうでないなら、既に私たちが裁きを下しています。」

『神に対して裁きとは、すごいな…。』

『同感でございます…。』

「それにしても、【勇者】の目の付け所はいいかもしれませんね。」

「そうね、ルゥ。いずれにしろ、【ロキ・ファミリア】も許せないわね。」

『センパイ…、アストレア様が最近怖いんですが…。』

『セシル…、慣れましょう…。』

 

■■■■■■■■■■■■■■■

~【ロキ・ファミリア】ホームにて~

「ア、アイズ!落ち着くんじゃ!リヴェリア、お主も止めんか!」

「ガレス、お前は聞いていたのか?」

「いや初耳じゃ!知っとったら止めたわい!」

「なら、アイズの怒りももっともだ。私は止めない。」

「…………(フィン、ロキ。早く帰ってきて…この剣で…。)」

黒い風が吹き荒れていた。

 

「ティオネさん!ティオナさーん!やめてほしいっす!」

「五月蝿い!このバカティオネ!どう見てもフィンが悪いじゃん!」

「やめなさい!だ、団長には何か考えが…「それがアルゴノウトくんの暗殺!?」暗殺してないと言っているじゃない!グハッ!この…糞がァァァァァ!」

「これ、どうしたら収まるのよ…。」

褐色双子が殴り合いしていた。

 

「レ、レフィーヤ?さっきからブツブツと言っているけど…ひぃっ!詠唱を唱えているー!」

「…団長、説明してもらいますよ…『二重追奏』の準備はできています…。」

「レ、レフィーヤ、それを解除しなさい!ホームが消し飛びます!」

妖精が魔法を貯めていた。

 

アイズ、ティオナ、レフィーヤを中心に、今回のことに対して怒っていた。

フィンたちがそれを気づいたのは、記者会見が終わってからとなった。

機嫌を宥めるため、じゃが丸くんとスィーツを屋台丸ごと買うはめとなってしまった。

 

ロキは送還防止のため、しばらくガレスと一緒に行動することになった。

ガレスにとっては、いい迷惑であった。




はい、ルルネさんへの依頼が今になって明らかになりました!
本文にありますが、これはセバス・メイの仕業ではありません。
完全に、ファンクラブの過激派です。

ルルネが我慢できず、つい外出しようとしたら「確保ー!」されたわけです。
誰かがリークしたのかは言うまでもありません…。

感想・評価をいただけますと、嬉しいです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。