白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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本日、2回目です!


第12話 白兎、熟考。

「ようやく、しびれが取れたぜ…。椿、早く言いやがれ!」

「儂は触るな、と言ったぞ。」「もっと早く言えってんだ!」

ヴェルフ、今の今までしびれてたんだ…。

 

あれ?メイは…。あ、後ろにいる神様のところにいる。

いつの間に…。全く気づかなかった…。

あ、神様とヘファイストス様が震えている。

「坊ちゃま、いかが致しました?」

「うわっ!いきなり距離詰めないでよ。びっくりするじゃん。ところで神様たちどうしたんですか?」

「気になさらないで下さい。天界での昔話を聞いていたところです。」

「そ、そうなの?…けど神様たち震えていますが…。」

「怖いことを思い出したからでしょう。」

気になるなぁ…。けど何故だろう。

お祖父ちゃんの顔を思い出してしまった。

「ヤンデレは嫌じゃぁぁぁぁ!」と。

 

そうこうしている内に【ゴブニュ・ファミリア】へ着いた。

「よーし、ここじゃ!」

「おい、椿…。何を…。」

「なーに、【ゴブニュ・ファミリア】への挨拶として決まりがあるんじゃ。」

「椿、それまたやるの?いい加減にやめなさいよ…。」

「たのもー!たのもー!」

椿さんは門をドンドン叩きまくっていた。

ええっ!これが挨拶なの!?

 

【ゴブニュ・ファミリア】の人たちが飛んできて椿さんへ怒鳴っていた。

「うるせぇ!?椿、毎度毎度それを繰り返すな!?と言ってんだろ!」

「はっはっは!単なる挨拶だろうが。」

ライバル派閥同士なのに、仲いいなあ…。それに比べてウチは…。

 

「おっ!【白兎の脚】か。この間は悪かったなあ。」

「うちの主神は【ヘスティア・ファミリア】へ味方すると言ってんだ。武器と防具が必要なら言えよ!【単眼の巨師】よりいいものを出すぜ!」

「何じゃと!なら、こっちはそっちよりいいものを出す!ベル・クラネル、こっちを選べ!」

「ふざけんな!椿!【白兎の脚】!こっちを選べ!」

【ゴブニュ・ファミリア】と椿さんがやいやいと話していた。

僕を巻き込まないでほしいんだけど…、半年前と比べたら考えられないなあ…。

 

「ゴブニュ、久しぶりね。調子はどう?」

「やあ、ゴブニュ。うちのホームの改築ありがとうね!」

「ヘファイストスにヘスティアか…。」

え?ゴブニュ様?半年ぶりだ…。

門の後にすぐ立っていた。まるで僕たちが来るのをわかっていたような…。

 

 

「待っておったぞ。お前達が来るのはわかっておった。」

「えっ…。」

「そのメイを引き連れている限り、やはり儂の勘は当たっていたようだな」

「ゴブニュ…、貴方は知ってたの?ベル・クラネルのことを…。」

「父親は知らぬが、そやつの母親は知っとる。」

え?そうなの?

あ、そういえば【アポロン・ファミリア】のホーム改装後に、ゴブニュ様は僕をずっと見てたような…。

 

「ゴブニュ、そうなら、何でもっと早く言わなかったんだよ!?」

「言う時期ではなかったからだ。7年前のあの事件がある限りな。」

「……そうね。」

7年前?一体、何があったんだろう…?

 

「神ゴブニュ、お久しぶりでございます。15年ぶりでしょうか?」

「久しいな、メイ。【白兎の脚】はやはりそうなのか?」

「ええ。神ゴブニュ、貴方の考えている通りでございます。」

メイ、ゴブニュ様と面識あるんだ。

あ、最強の【ゼウス・ファミリア】だから、多くの神様と会っているんだ。

ロキ様もフレイヤ様も…?

 

「はい、そうです。坊ちゃま。無乳神とビッチ神については知っております。」

ナンデ!?僕の考えていることがわかるの?

「メイドの嗜みでございます。」

メイドって、しゅごい……。

「…いや、そんなわけないだろうが。」

「そやつが特別なだけじゃ…。」

ヴェルフと椿さんが呆れてこっちを見ていた。

何でだろう…。

 

「ところで、神ゴブニュ。あのクソ野郎がいるとこはどこでしょうか?」

「やはりあやつも必要か…。こっちじゃ、ついてこい。」

そういって、ゴブニュ様は地下へ下っていった。

 

あ…聞こえる。鈴の音が。

かすかな音だけど、下るたびに大きくなっている。

メイの時と同じく…ここにも魔導人形が…?

どんな人なんだろう…。

また、お母さんのファミリアって、どんなファミリアなんだろう…。

 

お祖父ちゃんはどうして教えてくれなかったんだろう…。

何か事情でもあるのかな…。

「どうかしましたか?坊ちゃま。」

「あ、うん…。どうしてお祖父ちゃんはお父さんとお母さんのファミリアについて教えてくれなかったんだろうって、考えていたんだ。」

「恐らく…坊ちゃまのお母様は坊ちゃまに剣をとらず、普通の人として過ごしてほしかったのでしょう。そのため、ゼ…お祖父様は坊ちゃまにご両親のことを教えなかった、と思います。」

「そっか…、でも僕はお祖父ちゃんの書いた英雄の物語を多く見てきたんだ。それはメイも知っているよね?だから、僕は…英雄になりたい。お母さんには申し訳ないけど、どっちみち剣を取るしかなかったんだ。」

うん…、ごめん…お母さん。

 

「…坊ちゃま。なら、英雄になるには多くの苦難を乗り越える必要があります。その覚悟はできていますでしょうか?英雄とは簡単なものではありませんよ?」

「うん、それはわかっているんだ。オラリオへ来てまだ半年だけど、それを思い知らされたんだ。これからも今回の戦争遊戯のような苦難が多く来るだろう、と思うんだ。でも、僕はそれを乗り越えて行きたいんだ。物語に出てくるような英雄に…なりたい。」

「(半年でここまでの苦難は普通ありえませんが)わかりました。このメイ、少なくとも坊ちゃまの力になりたいと思います。よろしくお願いします。」

「うん!メイ、よろしくね!」

メイが力になってくれるなら、百人力だ。

記憶を全て見られたのは恥ずかしいけど…。




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