ベルのために捻じ曲げた事実を、正義の神アストレアがしてしまいました。
かつてエレボスが問いを出した、「正義とは何か?」
アストレアの答えは「星々」。
見方を変えれば、これも正義にもなるわけです。
さて、それを知ったオラリオ、そして神々はどう思うでしょうか?
さて、ここからが本番ね。
女神連合・ギルド・ファンクラブも協力してくれるようだし…。
「…そして、私はその子に会った。5年前、私は眷属を多く死なれて立ち直れない状態だった。けど、その子によって癒やされ、私は私であることを取り戻すことができたの。」
「「「うううっ…」」」
(あー…、なるほど。既に5年前に落とされていたということか。じゃあ、アストレアのあの態度にも納得するな。…ベルくん、恐るべしだな。マジで協力しないと、アストレアによって送還されるな。)
『何てええ子なんや…。』
『まさか…その子って、そんな…いえ…なら、アストレアのあの態度にも納得が行くわ…。』
『どないしたんや?色ボケ?何か心当たりあるんか?』
『私の予想が正しければ…、運命を感じずにはいられないわね…。はぁ…。』
『あん?』
「そして、私は自分を鍛えるために旅へ出た。そして…ここオラリオへ戻ってきた。そしたら、その子がいたの。白い髪に赤い眼の子がね。」
「「「!!!!!」」」
『ま、ま、まさか…あの少年が…?』
『やはりね…。そうなのね?ミアハ、ディアンケヒト。』
『ああ、間違いない。』
『儂らも先日、知ったばかりじゃがな。』
「ええ、そうよ。一週間前の記者会見で、ポーカーで全チェンジのファイブカードを出した子。【ヘスティア・ファミリア】団長…【白兎の脚】ベル・クラネルが、【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】の直系の系譜を持つ、唯一無二の子なのよ。」
「「「な、何だってー!」」」
「本人は先日に、7年前の大抗争で自分の身内が犯したことについて深く後悔していたわ。」
「違う!それは闇派閥のやつらが悪いじゃねえか!」
「何でよ!何で、その子がひどい目にあわなければならないのよ!」
「あんな純粋無垢な子が!」
『あの少年が…【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】の系譜を持っとるなんて…。』
『信じられないわ…、どちらも似てないじゃないの…。』
『それは同意するわ…。』
『え?待って…まさかベルを育てたお祖父さんは…、ゼウス?』
『そうだ。』『あやつだ。』
『な、何やて!あの煩悩の塊のエロ爺が、あの純粋無垢の塊のような子を育てたやと!嘘や!』
『それは同意するわ…。ただ…、おかしいわね?何でここにゼウスがいないの?』
『…半年前に育児放棄した。』
『14年間、碌なものを食わせす碌な事しか教えずにな。』
『何ちゅうことをするんや…。それで何であないな、キレイな純粋無垢な子に育つんや…。奇跡やろ…。』
『(ギリッ…)この戦争遊戯が終わったら、私の子に命じてゼウスを探し出して捕らえさせるわ…。そして、ありとあらゆる苦痛を味わせてやるわ…。ただでは天界へ還してやらない。』
(ガチで言うとるぞ…この色ボケ。)
(ここにもいたか…。)
(ベルへの愛は、嘘ではないとわかるな。)
「…以上が、大抗争の裏で起こった真実です。それをどう捉えるかは貴方たちに任せるわ。ただ私、いいえ【アストレア・ファミリア】はあの子を正義の名において、何が何でも守る。それだけは言います。」
『アストレアがあの態度をとるのもわかるわ…。』
『はぁ…、ベルも罪な子ね…。』
「アストレア、ありがとうございます!解説の立場を置いといて…、アストレアと共にエレボスの送還を見届けた神として、俺も告げよう。エレボスは送還の際に、【白兎の脚】を人質にして【静寂】と【暴食】を手足のようにこき使い、死なせたことを言っていたのは間違いない。このヘルメスが保証しよう(すまん、エレボス。お前の求めた英雄のためだ。汚名をかぶってくれ)。」
『あの優男…、何で言わんかったんや!』
『あの時は、黙るしかなかったでしょうね。大抗争の爪痕は、まだ幼かったベルを探し出して傷つけるかもしれない。沈黙そのものがベルを守ったのよ。…エレボスのあがきってやつね。』
『何で、それをこないだの記者会見で言わんかったんや!』
『言ったら…、オッタルも【勇者】もさすがに鈍ったのでしょうね。あの二人は特にあのファミリアの子たちと深い縁があった。』
『くそっ…。ウチが勝ったら、あの子を絶対にめっちゃ甘やかしたる!』
『ロキ、それはダメよ。それは絶対に譲らない。私があの子を愛し尽くす。』
『ヘラの眷属の子やぞ…?』
『関係ないわ。…むしろ、ヘラへのいい当てつけになるわ。』
『まあ、そうやろな。しかし…何で両ファミリアから、そこまで似てないんや?父親は【ゼウス・ファミリア】の誰なんや?』
『さあ…。』
『いや、お前たちも知っているはずだ。』
『ああ、あのサポーターのことを。』
『サポーター?あ!フィンがゼウスんとこに勝った唯一の子か!確かあの子の眼は赤かったわ…。』
『え?嘘でしょ…?ゼウスと共に醜聞をまいたあの子が…?ベルの父親…?ええ…。』
『絶句するのもわかる。儂もそうだったのだからな。』
『目を含んで肉体そのものは父親譲りだが、髪と顔、性格は母親譲りだ。』
『そう…病弱だった女性の方は、ヘラが大事にして会わせてくれなかったから、知らないわね…。そこまで似ているの?』
『ああ、目の色を除けば瓜二つだ。もし…【静寂】のアルフィアが、7年前のベルに会っていたら間違いなく大抗争へ行かず、ベルを溺愛していたのは確実だろうな。』
『それは確かだ。』
『はぁ…、惜しいことをしたわね…。まあ、いいわ。いずれにしろこの戦争遊戯に勝って、ベルをこの手に入れて愛し尽くすわ。』
『おい、色ボケ。何を勝ったような事を言っとるんや。勝つのはウチや!』
『いいえ、私よ。』
『ウチやー!』
『………ねえ、君たち。ボクの存在忘れてないかい…?』
ヘルメス、空気を読んでエレボスに汚名をかぶせてしまいました。
ヘスティア、完全に忘れられていますね…。
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