白兎に遺された、最強と最恐の造られしもの   作:覇幻

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ヘスティア・ファミリア視点へ戻ります!

今回はセバスさん視点です!
さすがのセバスとメイでも、ベルくんのこのスキルには驚いたでしょうね…。

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戦人さん、誤字報告いただきありがとうございます!


第141話 執事長、読取。

坊ちゃまの身に何か起こったことから、すぐにメイと駆けつけました。

聞き耳立てたところ、状況は把握できましたが全くわかりませんでした。

なので、神ガネーシャとシャクテイ嬢が去った後に応接間へ入りました。

 

「何があったんだろう…?あ、セバス!メイ!」

「……(一体何だ?あの穴は…。)」

ヘスティア様は何か深く考え込んでいますね。

坊ちゃまに聞くより、記憶を見たほうが早いかもしれませんね。

 

「坊ちゃま、何が起こったのでしょうか?」

「僕もわからないんだ…。端的に言うと、いきなり穴が開いて落ちて、声がしてなんか爆発する建物の中に落ちて、その女の人が瓦礫に埋もれて怪我をしていて、救い出してエリクサーかけたら、また声がして穴に落ちてここにいるんだ…。わからないでしょ?」

……本当にわかりませんな…。

………声?ふむ…記憶を見てみますか?

 

「メイ、ハーブティーを4名分お願いします(神アストレアとルゥ嬢が間もなく戻られますので)。」

「了解しました(セバス、詳細をお願いしますね)。」

さすがメイですな。

理解している人がいるのは手早く助かります。

 

「坊ちゃま、記憶を見てもよろしいでしょうか?その方が手っ取り早いと思います。」

「あ、そうだね!お願いするね!」

……ここまで無防備とは少々心配になりますな。

お嬢様方でしたら「触るな。触ったら壊す。」と言うというのに…。

 

では…。

…………………………!

なるほど、そういうことでしたか…。

 

「セバス、何か分かった?」

「調べるのに時間がかかりますので、少々お待ち頂けますかな?」

「わかった!セバスに任せるね!」

……素直すぎるのも考えものですな。

坊ちゃまは、本当に守りがいのあるお方ですな。

 

おや、お戻りになられましたか。

「……整理できませんでしたが、ようやく落ち着けました…。」

「思い返しても、あり得ないわ…。ガネーシャは何か分かったかもしれないけど…。」

坊ちゃまは…メイの特製ドリンクで回復してもらいましょうか。

恐らく先程のでかなりの精神力が削られています。

 

「お持ちいたしました。坊ちゃまはこちらを。」

「?特製ドリンク?メイ、僕は別に疲れていないけど…。」

「坊ちゃまにはわからなくても、私にはわかります。精神力を大幅に削られています。」

「ええっ、そうなの?…そういえば何かダルいような。ありがとうね!メイ。」

さすがメイですな。

 

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坊ちゃまは特製ドリンクを飲まれて、いつものように彼女たちに抱えられていきました。

 

「ヘスティア…どういうことなの?」

「待ってくれないか、アストレア。…セバスくん、何かわかったかい?」

「ええ、わかりました。その原因も。」

「何ですって!?」「ええっ!」

「セバス、説明を。」

「単刀直入に言いますと、坊ちゃまの先程発現したスキルが発動したためです。」

「「スキル?」」

「…やっぱりね。心当たりがあるとしたらそれしかないよね…。」

「なるほど。セバス、坊ちゃまが経験なさったことを一からお願いします。」

「了解しました。では…。」

坊ちゃまが経験なさったことを説明しました。

 

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「【時駆白兎】…ベルの悲痛な想いが生んだスキル…。」

「ヘスティア様、神アストレア、あの穴は何かわかりますでしょうか?」

「…ガネーシャは気づいているだろうね、あの穴は時空の穴に似ていた…いやそのものだ。」

「時空の穴ですって!そんなの…。」

「いいや、間違いない。ボクは見たことがあるんだ、かつて天界でクロノスが開けた穴をね。」

「では、神クロノスの仕業…?」

「わからない…。ボクの考察を言うよ。何か条件を満たすことで時空の穴が開いた。そしてミッションというのが今の時代へ戻るための試練かもしれない。そのミッションをクリアしたことによりベルくんはアーディくんを抱え、この時代に戻ってきたということになる。」

私の考えと一致します。

さすが、ヘスティア様ですね。

 

「……あり得ないわ。けど、アーディは生きてこの時代へやってきた。事実よね…。」

「……なら、納得できます。あの日…私はよく覚えている。アーディはあの建物の崩壊と共に爆破で肉片残らず消し飛んだ…と思っていました。ですが、ベルがあの時代のあの日に飛んで、アーディを救い出し癒したことでこの時代へ連れて戻ってきました。あの時代のあの建物の瓦礫にアーディがいないのなら、辻褄が合います。」

「ルゥ嬢はアーディ嬢と仲が良かったのですか?」

「ええ、私の数少ない友人の1人でした…いえ、今も友人の1人です。」

友人ですか。それも条件に入るのでしょうね。

あの場にいたのは、ヘスティア様・神ガネーシャ・神アストレア・シャクティ嬢・ルゥ嬢。そして、坊ちゃまとカサンドラ嬢が入ったことによりスキルが発動したということですね。

条件はこの中にありそうですね。

 

「この一件、私共に預けていただけませんでしょうか?条件について確認したいためです。」

「そうだね。セバスくん…メイくん…、これはもう神の予測を超えているよ。何か協力できることがあったら言ってね!」

「……私もまだまだ未熟だわ。はぁ…とんでもないスキルだわ。」

「まだ受け止められないのですが…、今はアーディが無事に生きていることを喜びたいと思います。よかった…本当によかった!」

「そうね…、アーディが無事なのもそうだけど【ガネーシャ・ファミリア】がこちら側についたのは大きいわ。」

「そうだね!その前に皆に言っとくよ…。ベルくんのあのスキルは一歩間違えると、下界だけじゃない。天界も全てを巻き込むことになりかねない。」

「そうよね…。時空を越えるなんて、神すらできないのにただの純粋なあの子が発動するなんて…ベルの想いはどこまでなの…?」

そうですな。

坊ちゃまの純粋な想いは神すらも越えるでしょう。

才能がないどころじゃありません。

純粋たる想い…それが坊ちゃまの才能でしょう。

 

このスキルについて、メイと共に研究しなければなりません。

「心得ていますよ、セバス。」

…助かります。

坊ちゃまはもはや私たちで推し量れません。

 

本当に、守りがいがある上に仕えがいがある御方です。




ベルくんの新スキルは、条件が揃えば時空の穴が開き、そこでの試練を達成することで帰ることができるものです。
達成できなければ…『死』ぬかもしれません。
ベルくんが7年前の大抗争のことを知り、ザルドやアルフィアに会いたかったという想いによって生まれたスキルです。

セバスさんの言う通り、ベルくんに恐るべき才能がありました。
『想いの強さ』がベルくんの才能ではないかと思います。
これまでのスキルを見れば一目瞭然ですが、あり得ないものばかりですね。

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